ジェイコブス大健闘!! ゴロフキンのKO記録をストップ!! でもがんばった止まりかな。倒し方は見えたけど誰ができんの?【感想・結果】

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カザフスタン観覧車
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2017年3月19日(日本時間20日)、米・ニューヨークにあるマディソン・スクエア・ガーデンで行われた3団体統一(WBAスーパー、WBC、IBF)世界ミドル級タイトルマッチ。
統一王者ゲンナジー・ゴロフキンがWBA同級正規王者ダニエル・ジェイコブスと対戦し、3-0(115-112、115-112、114-113)の判定で勝利した試合である。
 
序盤から積極的に前に出るゴロフキンに対し、ジェイコブスは左右に動きながら左を返す。
 
ゴロフキンの厳しいプレッシャーに晒されるジェイコブス。4Rにロープ際の連打でダウンを奪われるものの、頻繁にスイッチを繰り返して何とかしのぐ。
 
「KO必至? ブルックvsスペンスウェルター級頂上決戦の行方は? パワーとテクニックの最高峰の激突」
 
終盤にはジェイコブスがリターンを返して一時場内が盛り上がるが、ゴロフキンはお構いなしで前に出る。
 
結果的には終始前に出続けたゴロフキンが判定をものにしたが、連続KO防衛をストップしたジェイコブスの健闘が光る試合でもあった。
 
「シーサケット勝利!! PFP No.1 ロマゴンに判定で大金星を挙げる!! すっばらしいねシーサケット」
 

むちゃくちゃゴロフキンを研究してきたジェイコブス。だけど、善戦止まりだったかな

まず最初に率直な感想を。
「ジェイコブス、めっちゃ研究してきましたね」
 
今回の試合、僕はゴロフキンのワンサイドゲームになると思っていたが、決してそんなことはなかった。
恐らくジェイコブスはこの試合に向けて、脳みそがすり切れるほどゴロフキンを研究し、その作戦を忠実に実行したのだと思う。
 
個人的にダニエル・ジェイコブスという選手は、自身の身体能力に頼りきった脳筋系だと思っていた。なので、この試合内容は割と意外だった。
 
「サダム・アリの初防衛戦はリアム・スミス。やっとタイトル獲得したのにいきなり試練。アリさんvsスミスさんの行方?」
 
いや、完全にあなたを侮ってましたジェイコブスさんww
勝手な先入観で判断してすみませんww
 
とはいえ、本人が試合後に口にしていた「私の勝ち」はない
判定結果はもちろん、試合内容もゴロフキンの方が一枚上だったと言わざるを得ない。
 
「ゴロフキンvsカネロ・アルバレス感想。カネロは初めてゴロフキンの突進を真正面から受け止めて負けなかった選手。まあ再戦だね」
 
若干の衰えが指摘されるゴロフキンだが、それでもまだまだミドル級にこの選手を脅かす存在は見当たらない。カネロも村田諒太も、ジェイコブス同様「善戦はするけど、そこ止まり」という結果が待っているような気がする。
気のせいかもしれないが。
 

ジェイコブスの作戦は僕が考えた方法のさらに上をいっていた

今回の試合でジェイコブスが実行した作戦は、
 
・ゴロフキンと正対しないように、常に左右に動く
・ただ、パンチの威力が損なわれないようにあまり激しく動き過ぎない
・ゴロフキンのパンチにリターンを返しまくる
・距離が詰まった際はサウスポーにスイッチ
 
こんなところだろうか。
 
僕は前回の予想記事で、ゴロフキンに勝つには2013年の石田順裕の実行した方法がいいのではないかと申し上げている。
 
「ジェイコブスさんがゴロフキンに勝つには? ニューヨークのヒーロー、ジェイコブスよ、GGGの圧勝予想を覆せ」
 
ガードを上げてリング中央でゴロフキンと対峙し、ゴロフキンのパンチにリターンを返しまくる。
リング中央から下がらず、打ち負けず。
すべてのパンチにカウンターを合わせるくらいの気合いで、ゴロフキンの打ち終わりを狙いまくる作戦である。
 
「カネロ・アルバレスvsゴロフキン予想。頂上決戦開幕だぜ。若き英雄か、破壊の帝王か。GGGのキャリア集大成の大一番の行方は?」
 
当然フィジカル勝負、耐久力勝負になるが、ジェイコブスの身体があれば何とかできるかも?
S・ウェルター級上がりの石田順裕には難しかったが。
 
ただ、今回のジェイコブスはその作戦にさらに工夫を上乗せしてきていた。
リターンを返しまくるのはもちろんだが、一箇所に留まらずに動きながらのリターンでゴロフキンの目をくらます。それも動き過ぎてパンチの威力が損なわれないギリギリのバランスを保ちながら。
 
「ウォードが再戦に完勝!! コバレフがキャリア初のKO負けでリベンジ失敗。仕方ないね。ちょっと差があり過ぎた」
 
なるほど。
これならゴロフキンのプレッシャーを真正面から受け止めず、反撃のアングルをキープすることが可能になる。なおかつ動く範囲を狭めているため、体力の消耗も小さくて済む。
 
「比嘉大吾vsエルナンデス予想。和製ロマゴン? ちょっと違う気がするけど」
 
しかも間合いを詰められそうになった際にはパッとサウスポーにスイッチし、ゴロフキンの距離感を無理やりリセットさせる。右リードで相手の左のガードを打つことで、ゴロフキンの得意なボディ打ちを封じる効果も得られて一石二鳥である。
 
これはロマゴンにも共通するのだが、彼らのコンビネーションの発動を抑えるために、左構えというのはかなり効果的だと思う。
もちろんシーサケットやジェイコブス並みのパワーを兼ね備えていることが絶対条件なのだが。
 
特にダウンを奪われた4Rと、次の5Rをしのいだのは大きかった。
あのラウンド以降、ジェイコブスがリズムに乗ったことを考えると、あそこを切り抜けたおかげで「いける」と手応えを感じたのではないだろうか。
 
「オロスコ完勝! ケアンドレ・ギブソンをパワーで圧倒する。おお、この勝ち方はいいんじゃないか?」
 

フィジカル面の優位性を活かしたリターン作戦。相手に脅威を感じさせながら、自分の1発を叩き込む

そしてこの作戦を実行できたのも、やはりジェイコブスのフィジカルの強さがあればこそ。
 
予想記事で申し上げたように、ジェイコブスはリターンが得意な選手である。
一気呵成に相手をねじ伏せるシーンが鮮烈なので、パワフルなゴリ押しボクサーというイメージが強い。だが、実は一瞬の隙を突いて強烈な1発を叩き込むカウンター使いである。
 
「マクレガーvsメイウェザー戦を推す3つの理由。真剣勝負じゃない? 茶番? 税金対策? まあ、ええやんそんな話は」
 
恐らくゴロフキンはピーター・クイリンを1Rで葬った試合や、セルヒオ・モラに何もさせずに完勝した試合を観て、ジェイコブスのリターンを相当警戒していたのだと思う。
普通にやれば勝てるが、それでもあの1発をもらったら試合が終わる。試合運びや流れなど関係なく、一気に持っていかれる。
 
ゴロフキンのプレッシャーがいつもより緩かったのは、万が一の最悪を事態を想定していたからではないだろうか。
1発の恐怖、パワフルな選手の「何が起きるかわからない」感というのはどう考えても絶大である。ジェイコブスがIBFの当日計量を拒否したという情報が出ていたが、それも含めてなるほどである。
 
なお、ゴロフキンの足腰が衰えたという話も聞こえてくるのだが、正直その辺は僕にはよくわからなかった。
 
「亀海がコットをダウンさせる未来が見えた。亀海の大の字KO勝利以外あり得ない。やる前からわかる」
 

ジェイコブスはよくやったけど、「よくやった」止まりかなぁ。再戦しても厳しいか?

最強王者ゴロフキンに対し、研究に研究を重ねて大接戦に持ち込んだジェイコブス。
とりあえず、この試合のジェイコブスはなかなかすばらしかったと思う。
 
だが、それでもあくまで善戦止まり。
よくやったことには間違いないが、残念ながら勝てる感じはしなかった。
 
本人は試合後のインタビューで「私の勝ちだ」と言っていたようだが、僕には内容的にもポイント的にもゴロフキン勝利で間違いないように見えた。
 
「レミュー左フック一閃!! スティーブンスがスヤッスヤ。マザーの胸で安らかに眠れ」
 
再戦の話もあるようだが、正直どうなのだろうか。
あまりテンションが上がらないのだが。
 
「無謀にもほどがあるケル・ブルックがゴロフキンに5RTKO負け!! セコンドのナイス判断」
 
リターンの脅威を感じさせながら左右に動き続け、すべてのパンチにリターンを返す。パワーとスピード両面で上回り、なおかつサウスポーにスイッチする工夫も見せつつ。しかもIBFのタイトルを蹴って、フィジカル面の優位性を確保するという万全の準備。
 
ここまでやって、それでも負けているジェイコブスに、果たして2度目の可能性があるのだろうか。次回はゴロフキンももっと研究してくるだろうし、今回ほど拮抗した試合にはならないような気がするが。
 
「カネロのボディでロッキー・フィールディング堕ちる。って、久々の「◯◯とは何だったのか?」案件きたな」
 

もしかしたら、本当に衰えたのかもしれない。それでもゴロフキンに勝てる選手は見当たらない

さらに言うと、ジェイコブス以外にゴロフキンに勝てる可能性があるのは誰だよ? という話でもある。
とりあえず今回の試合で、ほんのわずかだがゴロフキン攻略の糸口は見えた。
 
・ゴロフキンよりもパワーがあり、
・ゴロフキンよりもスピードがあり、
・ゴロフキンよりも身体が大きく、
・オーソドックス、サウスポーともに同じクオリティを保てて、
・12R動き続ける体力がある選手が、
 
今回のジェイコブスの作戦を踏襲する。
 
「村田がブランダムラを圧倒して防衛。お見事だった。てか村田の「目標はゴロフキン」発言にワロてまうんだがw」
 
うん。
そんなヤツ、どこにおんねんww
 
「過去最強カネロがヘロヘロチャベスを寄せつけず。体重差マッチを圧勝でクリア。ってか、この試合はアカン」
 
あれだけ体力を温存しながら戦ったジェイコブスが、最終ラウンド終了後にあそこまでグッタリしていたのだから、それだけでもあの作戦の大変さは明白である。
 
日本の村田諒太があれだけ動き回れるとは思えないし、カネロのサウスポーなど観たことがない。そもそもカネロはゴロフキンよりも小さい。
 
「カネロ・アルバレスvsチャベスJr.決定! ビバ メヒコ! 大絶賛の時間だあああぁぁぁ!!」
 
エリスランディ・ララがゴロフキンとの対戦に色気を出しているらしいが、果たしてあの選手にどうにかできるものか。
ララと同タイプで、体格的なハンディのないウィリー・モンロー・ジュニアとの試合を観れば、下の階級のララではかなり難しいように思えるが。
 
マジな話、勝てる可能性があるのはアンドレ・ウォードくらいしか思いつかないが、あの選手はL・ヘビー級でコバレフとの再戦か引退かという状況。残念ながらゴロフキンとの対戦が実現するとは考えにくい。
 
もしかしたら、ここ数戦のゴロフキンは本当に衰えがあるのかもしれない。
だが、依然としてそれに追随する選手は見当たらないというのが本音である。
 
「こっそり名試合ウォーリントンvsキコ・マルチネス!! 村中vsヤファイの裏で2017年最高試合出たか?」
 
まあ、わからないですけどね。
 
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