田中恒成が激闘の末にアコスタを退ける!! すっげえ試合! アコスタも間違いなく最強の挑戦者だったし大満足だね【結果・感想】

NO IMAGE

熱量イメージ
「ボクシング記事一覧リンク集」へ戻る
 
2017年5月20日に名古屋・武田テバオーシャンアリーナで行われたWBO世界L・フライ級タイトルマッチ。王者田中恒成が同級1位の挑戦者アンヘル・アコスタと対戦、3-0(117-110、117-110、116-111)の判定勝利をおさめ、初防衛に成功した。
 
「田中恒成vsアンヘル・アコスタ予想。過去最強の挑戦者が愛知に来るぞ」
 
2016年末にモイセス・フエンテスを敗り、史上最速で2階級制覇を達成した田中恒成の初防衛戦。相手は16戦16KOのパーフェクトレコードを誇るプエルトリコのホープ、アンヘル・アコスタ。
 
「覚醒した田中がフエンテスに圧勝!! “中京の怪物”が絶不調のフエンテスを5RKO。階級アップでパワーが増した田中」
 
両者無敗で迎えた今回、試合は期待にたがわぬ大激戦となる。
序盤2Rはアコスタが持ち前のパワーで田中を攻めると、3R以降田中がボディ攻撃を中心にペースを取り戻す。
中盤、いったん失速したかに見えたアコスタだったが、そのつど不屈の闘志で盛り返す。
 
最終ラウンドまで一進一退の攻防が続き、各ラウンドでわずかに上回った田中が辛くも勝利。チャンピオンと最強挑戦者の息詰まる熱戦に終止符を打った。
 
なお、試合後にはWBA王者の田口良一がリングに上がり、統一戦に向けてのフェイスオフを行う一幕も。
秋以降、日本人王者同士の激突に注目が集まる。
 
「騙された! 田口がカニサレスを持て余して引き分け防衛。薄氷を踏む展開でギリギリ5度目防衛に成功!!」
 

おもしろい試合だった!! こんな試合が観られて大満足ですよ僕わ

まず試合の感想として、すっげえおもしろかった!!
 
レベルやら本物偽物といった話はともかく、試合自体が本当におもしろかった。
というより、田中恒成の試合は毎回おもしろいと言った方が正確か。
 
「田中イキり過ぎたな。パランポンを9RTKOに下すも、試合後に病院に直行。田口良一との統一戦は白紙?」
 
もちろん挑戦者アンヘル・アコスタもすばらしかった。
間違いなく田中にとっての過去最強。また試合を観たいし、階級を上げてパワーアップしたらどうなるかとも思わせる選手だったと思う。
前にも申し上げたかもしれないが、フライ級で井岡一翔との一騎打ちも観てみたい。
 
「井岡一翔の倒し方? ノクノイ戦の感想を含め井岡に勝てそうな選手を考える」
 

凄まじい熱量。お互いの勝利への執念と強靭なメンタルがぶつかり合った熱い一戦

田中恒成にとって、キャリア最高の試合と言える今回。
僕が特によかったと思うのがその熱量である。
 
パワフルな前進と野性的な連打で襲いかかるアコスタと、それを真正面から受け止める田中。
何度ボディを打たれても手を出し続けるアコスタには驚かされたし、あれだけパワフルな突進を受けても下がらない田中にもびっくりした。
 
両者の負けん気というか、勝利への強い思いがビリビリ感じられる試合だった。
 
「アコスタがアレホにKO勝利で初王座。ナイスファイト。田中恒成のすごさが改めてわかる試合だったな」
 
普段は「メンタルが勝敗に与える影響なんてわずかなものだ」「勝ち負けの原因をモチベーションどうこうに求めるなんぞ失礼にもほどがある」と喚き散らしている僕だが、今回に関しては目いっぱい言ってもいい。
 
田中恒成、すごいメンタル。
実力が拮抗した両者の試合は、やっぱり気持ちがものを言いますよ。ええ。
 
「「モチベーション」とか「メンタル」とかホント好きだよな。笑わせんなよ。内山は実力でコラレスに負けたんだよ」
 
月並みではあるが、本当に両者の強靭なメンタルがぶつかり合った熱い試合だった。
そして実力伯仲の中、田中の気持ちがわずかに上回った。
 
こういう熱量のある試合を観ると、「やっぱりボクシングおもしれえ!!」と思える。
6戦行われた世界戦のトップとしても最高で、日本ボクシング界にとっても意味のある試合だったのではないだろうか。
 
「比嘉が半病人エルナンデスを5回ダウンさせてTKO勝利!! パーフェクトレコードで世界初奪還を果たす」
 

切り替えの早さ、試合の流れを読んで戦術を変える瞬発力が田中の持ち味ですね

勝因としては田中の切り替えの早さと、アコスタの圧力に屈しなかったフィジカルだろうか。
 
当初の田中の作戦としては、恐らく足を使って左右に動くこと。直線的なアコスタをサイドステップで空転させることだったと思う。
 
「アコスタ快勝! ロドリゲスが仰向けで落下し1発失神KO。すごいものを目撃してしまったw 田口良一戦が観たい」
 
だが予想以上にアコスタの圧力が強く、序盤は押し込まれるシーンが目立っていた。実際1、2Rを観た限り、僕は「これは負けるかも」と思ってしまった。特にアコスタのワンツーを被弾して後退するシーンにはかなりハラハラさせられた。
 
ところが、3Rに入ると少し様子が変わる。
開始50秒あたりから田中がガードを上げて間合いを詰め、至近距離での打ち合いに応じるのである。
 
「亀海がコットをダウンさせる未来が見えた。亀海の大の字KO勝利以外あり得ない。やる前からわかる」
 
ガードを固めて頭を押し付け、アコスタが思いきり腕を振れないようにスペースを潰す。
もみ合いの中で微妙なシフトチェンジを繰り返し、抜群のタイミングでボディを突き刺す。
これによって、序盤あれだけ押し込まれたアコスタを逆に後退させる。
 
足を使って距離をとろうにも、アコスタの突進力で追いつかれてしまう。
中間距離でまともに打ち合っていては馬力でねじ伏せられる可能性が高い。
それなら至近距離での打ち合いに持ち込み、ハンドスピードで勝負した方がいい。
 
「井上vsリカルド・ロドリゲス感想。だーめだ、ムリムリ無理無理。無謀な挑戦お疲れロドリゲス」
 
ややオープン気味なアコスタのパンチは、むしろ至近距離の方が威力が落ちると考えたのかもしれない。また、実況も言っていたように、アップライトのアコスタにはボディが効果的だという判断も働いたのかも。
 
この切り替えの早さに関して、田中は本当に優れていると思う。あのままズルズル中盤までいくと、恐らく流れを変えるのは相当難しくなったはず。
体力のある序盤にスパッとプランBに切り替える瞬発力は、この選手の大きな持ち味ではないだろうか。
 
「見どころ満載の拳四朗vsガニガン・ロペス。思った以上におもしろかった試合」
 

アコスタの突進にも負けないフィジカルと抜群のバランス。ロマチェンコのステップなんかいらんかったんや!!

そして、至近距離での消耗戦に持ち込んでからの田中のフィジカルの強さ。
 
中盤以降も衰えを見せずに突進してくるアコスタに対し、田中は絶対に下がらない。パンチを被弾してもリング中央をキープし続け、ボディ1発でアコスタの連打を寸断する。
 
アコスタの攻撃を受けても下がらず、自分のターンでは相手をグイグイ後退させる。アコスタに腕を思い切り振らせず、要所要所でペースをガッチリ掴んで離さない。
階級アップによってフィジカルが覚醒し、もともとのメンタルの強さが加わり心技体が高次元で整ってきた感じだろうか。
 
「タパレスが大森を11RTKOで粉砕。顎を骨折した大森は病院直行する」
 
また、この日の田中は至近距離でのサイドステップも冴えていた。
強引に左右フックを振り回すアコスタの前進を正面から受け止め、ガードを上げた状態で小さくサイドに回り込む。そのまま体勢を崩さず脇腹にボディを1発ねじ込み、局面を打開する。
直線的なアコスタに対し、小さなシフトウェイトで芯を外す田中が至近距離での攻防では完全に上回っていた。
 
「田口vsバレラ感想。ベストバウトきたか? やっぱり田中恒成に勝つ可能性のあるのは田口だよな」
 
そうそう。
このバランスのよさですよ。
あれだけ激しい押し合い、打ち合いの中でも攻撃姿勢を保てるバランス感覚。
ロマチェンコのまね事でイキり倒すより、こういう実用的な使い方をしてほしいんですよ。
 
「田中恒成フライ級初戦。ロニー・バルドナドは結構おっかない? 無敗対決の世界前哨戦を制してタイトルマッチに進めるか」
 
まあ、アコスタが強くてイキってる余裕がなかったのだとは思うが。
 
「亀田和毅vsイバン・モラレスはわかるわ~ww はっきりと意思が見えるマッチメークはいいね。3兄弟末っ子対決」
 

田口良一なら打倒田中の可能性はある? ミラン・メリンド戦もいいし、L・フライ級熱いですね

大激戦の末に過去最強の挑戦者を退けた田中。
今後はWBA王者の田口良一との統一戦を目指すとのこと。
 
解説席にいた田口もリング上で公開アピールに応じた手前、引くというのは考えにくい。
次戦で防衛に成功すれば、年末の統一戦実現はかなり確度が高いのではないだろうか。
 
「久保隼vsセルメニョ感想。ナイスファイト久保。万全の準備をした上での好試合」
 
以前も申し上げたが、田口なら多少は打倒田中の可能性があるように思える。
小型版内山(僕の中では)である田口の左が、今の田中にどの程度通用するか。
逆に田中の連打が打たれ強い田口をグラつかせることができるか。
田中有利は動かないとは思うが、確かに楽しみは多い。
 
「ロマゴンの手詰まり感ぱねえっす…。シーサケットのカウンターで大の字KO負け。PFP No.1の伝説に終止符?」
 
そして、八重樫じゃ話にならんだろ~とは思っていたが、ミラン・メリンドなら悪くない。あのカウンターと畳み掛ける連打に田中がどう対応するかは非常に興味深い。
 
「八重樫がメリンドにまさかの1RTKO負け!! L・フライ級日本人王者4人体勢が1夜で崩れ去る。メリンド強かったね」
 
「統一戦なんか必要ないからさっさとフライ級で井岡に挑戦しろよ」というのが僕の意見だったが、とんでもない。実はおもしろいぞこれww
 
 
しかし、田中のああいうゴリゴリな性格はいいですね。
今後もこの調子でどんどん強豪と試合をして、どんどんポテンシャルを解放してもらいたい。
 
そして、アンヘル・アコスタもそのうちまた日本で試合をやってほしい。
 
「ボクシング記事一覧リンク集」へ戻る
 
 
 
 
 
 

 

 

 

 
 

 
 
【個人出版支援のFrentopia オンライン書店】送料無料で絶賛営業中!!