アコスタがアレホにKO勝利で初王座。ナイスファイト。田中恒成のすごさが改めてわかる試合だったな【結果・感想】

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2017年12月2日(日本時間3日)、米・ニューヨーク州で行われたWBO世界L・フライ級王座決定戦。同級4位ファン・アレホvs6位アンヘル・アコスタの一戦は、アコスタが10R1分33秒でKO勝利。初の王座戴冠に成功した。
 
 
田中恒成の王座返上に伴い、王座決定戦に格上げになった今回。
いつも通り高くガードを上げてプレッシャーをかけるアコスタに対し、アレホは真正面からの打ち合いを挑む。
 
多彩な左で前に出るアコスタだが、アレホもアコスタの左に右を被せるなどで反撃。試合のペースを渡さない。サウスポーにスイッチしてアコスタを戸惑わせ、逆にロープを背負わせる場面も。
 
だが、パワーとスピードで勝るアコスタのパンチが徐々にアレホを捉え始め、ダメージを蓄積させていく。
 
「それでも僕はレイ・バルガスを諦めないww ネグレテに大苦戦の末に判定勝利。やっぱりボロボロでしたね」
 
そして迎えた10R。
アコスタの左右フックがアレホの顎にヒットし、アレホが尻餅をつくようにダウン。
そのまま立ち上がれずに10カウントを聞き、試合終了。
見事、アンヘル・アコスタが王座を獲得した。
 
「サダム・アリがコットに勝利!! よっしゃあぁぁボケェエ…! 終わる気満々のヤツに負けんなって思ったけど、ホントにヨカタw」
 
なお新王者となったアコスタは、ランキング1位の原隆二との対戦が予定されているとのこと。
 

アコスタvsアレホ。アコスタの圧力、アレホのカウンター。両者ともによかったですね!

田中恒成との激闘を繰り広げたアンヘル・アコスタが、ついに王座を獲得した。
相手はランキング4位のファン・アレホ。戦績24勝4敗14KOで、過去にドニー・ニエテスとも対戦経験のある強豪である。
 
「田中恒成が激闘の末にアコスタを退ける!! すっげえ試合! アコスタも間違いなく最強の挑戦者だったし大満足だね」
 
この試合、僕も若干アコスタ寄りで観ていたのだが、それを抜きにしてもアコスタはよかったと思う。
 
ガードを上げてリング中央で対峙。
ジリジリと前に出るアコスタに対し、アレホは圧力のみで後退させられる。
 
パッと見、身体が大きいわけでもなく、特別リーチがあるわけでもない。
それでもあれだけの威圧感を出せるは、すごいとしか言いようがない。
 
「アコスタ快勝! ロドリゲスが仰向けで落下し1発失神KO。すごいものを目撃してしまったw 田口良一戦が観たい」
 
対戦相手のアレホも、決して悪い選手ではなかった。
アコスタの左に果敢に右を被せる瞬発力や、打たれても諦めないメンタルの強さなど。恐らくだが、田中を眼窩底骨折に追い込んだパランポン・CPフレッシュマートにも匹敵する実力の持ち主だったと思う。
 
だがスピード、パワー、フィジカル。すべてにおいてアレホはアコスタに及ばず。中間距離での打ち合いでわずかずつ上を行かれ、耐えに耐えた末での10RKO負け。
ダウンを喫した10Rの左はかなりヤバい角度でヒットしていたし、それまでにもダメージは相当溜まっていたはず。あそこまで耐えただけでもよくがんばったというべきか。
 
「田中イキり過ぎたな。パランポンを9RTKOに下すも、試合後に病院に直行」
 

得意な距離も近く、中間距離での打ち合いで常に上回ったアコスタ。実はかなりやりやすい試合だった気がする

ただ今回の相手は、アコスタにとってはやりやすい部類だったのではないか。
 
得意な距離が近く、両者ともにサイドへの動きも少ない。
踏み込みの鋭さもパンチの威力も自分の方が上で、気をつけるのは基本的に打ち終わりのカウンターのみ。
1発目のヒット率と連打の回転で常に上回り、真っ向勝負ではまず負けない状況。
 
インサイドで出せるパンチがないのは相変わらずだが、得意な距離であれだけ圧倒できれば問題はない。あのままラウンドを重ねていけば、どこかの時点でねじ伏せられると感じていた気がする。
 
「エストラーダvsシーサケット予想。全っ然わからんw わずかにエストラーダ有利? シーサケットのKOも十分ある? わからん」
 
また前回に比べて、慎重さが増していたのもよかった。
奥足重心の構えというか、目についたのが打ち終わりのガードへの意識。無防備な前傾姿勢で連打を打ち込むこれまでの姿はなりを潜めていた。
その分荒々しさも目減りしたが、それでもあれだけの威力とキレを出せるのだからすごい。
 
「田口すごかった。メリンドに完勝するとはね。負けるとか言って申し訳ないww L・フライ級で規格外のフィジカルと戦術の幅」
 
身体を振ってタイミングを測り、角度を変えて左のダブル。
アレホがたじろいだところに一歩前進し、動き出しを狙って右フックをヒット。
カウンターの左をバックステップでかわし、打ち終わりにリターンの左フックを叩き込む。
 
一瞬遅れて膝をつくアレホ。
 
「ま~た誰得マッチww サンダースvsマーティン・マレー。痛いの大っ嫌い。絶望的に退屈で平和な試合」
 
立ち上がろうと足を踏ん張るが、膝に力が入らず尻餅をついてしまう。
諦めずにもう一度立ち上がるものの、ギリギリでカウント10に間に合わず。
10R1分33秒、アコスタの見事なKO勝利である。
 
「コバレフがシャブランスキーを倒しまくり再起戦に勝利。かっこええわ~コバレフ。やっぱり破壊神が王座にいないとね」
 

やっぱり田中恒成はすごかった。アコスタの突進をさばききり、ほぼペースを掴んでの完勝。効果的なボディは特筆ものですね

今回の試合を観て思ったのが、「やっぱり田中恒成はすげえな」ということ。
 
この試合を踏まえて前回のアコスタvs田中戦を観直すと、改めてよくこんなのに勝ったなと思う。
 
特にすごいのが、田中の左とサイドへの動き。
アレホはアコスタの連打を真正面から受け止めていたが、田中は2発目以降の追撃を絶対に許さない。
 
「尾川カター!! ファーマーに2-1の判定勝利。やったぜ尾川ww あの右は期待できると思ってたぞ! 僅差で世界タイトル初戴冠!!」
 
プレッシャーに押されながらも左を返し、サイドステップで芯を外す。抑えきれないと判断した際は身体を密着させて攻撃を封じる。
そして、遠い位置からのボディストレート、中間距離でのボディアッパーで体力を削り、確実に自分のペースに引き込んでいく。
 
「アンカハスがコンラン兄をダウンさせまくって圧勝。さすがww 微妙なジャッジをものともせずに防衛成功。SUPERFLY2参戦あるか?」
 
中盤以降、アコスタの驚異的な粘りで大接戦となったが、試合を支配していたのは間違いなく田中の方だった。
 
あれだけ前後左右に動いても威力を失わない左と、アコスタのプレッシャーにも耐えるフィジカル。
マジな話、ここまで高次元で攻防がまとまった選手は本当に希少だと思う。
イキり倒したロマチェンコもどきのステップが邪魔くさいが、試合自体はマジですごい。
 
「田口負ける? ミラン・メリンドとの統一戦で2017年大トリ。ヤバいな田口。パワーでどこまで圧倒できるか」
 
さらに言うと、田中を含めた日本人選手のボディのうまさはちょっと抜けている気がする。
パランポンも田中のボディに面食らっていたし、井岡や拳四朗、田口はもちろん、ミドル級の村田諒太もボディ打ちを得意としている。井上尚弥にいたっては、すでにアイク・クォーティに例えられるほどの左ボディの使い手である。
 
「アントニオ・ニエベスとは何だったのか。井上尚弥の豪打になにもできず6R終了ギブアップ。まさかの真っ向勝負で撃沈w」
 
よく「メキシカンはリーチが長く、伝統的にボディがうまい」という話を聞くが、決して日本人選手もひけはとらない。
 
「小さくコンパクトに」
「下から崩せ」
お国柄もあるのかもしれないが、この部分は間違いなく日本人選手の持ち味だと思う。
 
「田中恒成ええじゃないですか! バルドナドを9RTKOで下し、フライ級初戦を飾る。木村翔戦は…全然わからん」
 

フライ級で田中vsアコスタ? 再戦はあまり興味が沸かないかな。それより、井岡vsアコスタ戦を実現してほしい

ちなみにだが、アコスタはいずれフライ級で田中との再戦を希望しているとのことで、果たしてどうなるか。
 
個人的な意見を言うと、この再戦にはいまいちテンションが上がらない。
 
アコスタのフィジカルにどこまで伸び代があるかは不明だが、階級アップ後の田中にアコスタが勝てる気がしないのが一番の要因である。
 
「井上尚弥がヨアン・ボワイヨと年末ファイト。余裕? の勝利でいけるのか? 2月の米国参戦も視野」
 
恐らく田中は減量苦が軽減されてさらにフィジカルがアップするはずで、それにアコスタがどの程度対抗できるか。
田中があのスピードを維持したままビルドアップした場合、もはやアコスタの手に負えなくなるのではないか。
 
というより、以前にも言ったように僕はフライ級での井岡一翔vsアコスタ戦が観たい。
あのド正面からの突進を井岡がどうさばくか。アコスタのプレッシャーに井岡が耐えられるか。このマッチメークにはめちゃくちゃ興味がある。
 
「井岡一翔の倒し方? ノクノイ戦の感想を含め井岡に勝てそうな選手を考える。まあ、アイツしかいないけど」
 
まあ、井岡自身がそんな場合じゃないわけですが。
 
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