映画「ヴェノム」感想。陰キャラぼっちがクラスのリア充に挑む。原作を知らずに観るとまあまあの置いてきぼりを食うから気をつけろ

映画「ヴェノム」感想。陰キャラぼっちがクラスのリア充に挑む。原作を知らずに観るとまあまあの置いてきぼりを食うから気をつけろ

宇宙イメージ
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映画「ヴェノム」を観た。
 
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「ヴェノム」(2018年)
 
ライフ財団所有の宇宙探査ロケットは地球外生命体・シンビオートの捕獲に成功し、今まさに地球に帰還しようとしていた。
だが、突如シンビオートが暴れ出して制御不能に陥り、宇宙戦は乗組員の断末魔の叫びとともにマレーシアに墜落してしまう。
 
 
一方、カリフォルニア州サンフランシスコで働く敏腕記者エディ・ブロックは、恋人のアン・ウェイングのパソコンデータからライフ財団による非合法な人体実験の存在を知る。
 
正義感に燃えるエディはライフ財団のリーダー、カールトン・ドレイクに直撃取材を敢行。人体実験について激しく問い詰めるものの、その場でははっきりとした証拠は得られず。
 
しかも、ライフ財団の根回しによってエディは退職に追い込まれ、恋人のアンまでもが務めていた会社を解雇されてしまう。
 
半年後。
職と恋人を同時に失ったエディは、自暴自棄になりながらも職探しに明け暮れていた。
 
そんなある日、ライフ財団の研究者ドーラ・スカースがエディの前に現れ、人体実験の実態を暴いてほしいと懇願する。
 
一度はドーラの依頼を断ったエディだったが、自らの境遇を考え直し、最終的にドーラの依頼を受けることに。
そして監視の目をかいくぐり、再び実験施設に足を踏み入れるのだった……。
 
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気になっていた映画「ヴェノム」を観たけど、全体的に深みが足りないかな

前々から気になっていた映画「ヴェノム」を先日ようやく観たので、その感想を。
 
まず、僕はこの映画を観るまで「ヴェノム」なるものの存在をまったく知らなかった。
スパイダーマンの敵キャラを主人公にした作品であることも知らなかったし、そもそも僕はスパイダーマンシリーズを一度も観たことがない。原作を読んだこともない。
 
完全に知識ゼロの状態というか、パッケージを見て決めただけのクソニワカww である。
 
 
そして、感想としては「まあまあだった」
 
視聴前に「要するにこれは『寄生獣』だ」という話は聞いていたので、展開自体は概ね想像通り。

 
だが、全体的に深みがないなぁと。映像はド迫力でラストバトルも手に汗握る展開なのだが、どこか奥行きが足りない。
 
おもしろいことはおもしろい。
ただ、残念なことにいまいち余韻が残らない。
視聴後にあっという間に日常に戻れるというか、すぐに立ってトイレに行き、飯を食い、風呂に入れてしまう。
 
要は、ストーリーが薄っぺらく印象に残りにくい。
これが僕の中での映画「ヴェノム」の率直な感想である。
 
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キャラクターの感情描写の不足だよね。絆が生まれるまでの過程が雑過ぎた

僕がこの作品を「薄っぺらい」と感じてしまった理由は割とはっきりしていて、感情描写の絶対的な不足に尽きると思っている。
 
今作はトム・ハーディ演じる主人公エディ・ブロックと、エディに寄生した地球外生命体・シンビオート「ヴェノム」のやり取りが見どころの一つなのだが、その部分の描写がやたらと説明的で感情移入がしにくい。
 
最初はヴェノムの存在を疎ましく思っていたエディが共闘を続けるうちに徐々に心を開き、最終的にはよきバディとなりラスボス「ライオット」に立ち向かう。
 
異世界の生物と主人公の妙な絆を描いた作品としては、「寄生獣」や「うしおととら」などが思いつく。

だが、今回の「ヴェノム」はその部分がかなり雑。
 
エディに寄生したヴェノムは割と早い段階で「お前を気に入った」と言い出し、エディの身体を好き勝手に操る。それに対し、エディは最初こそ「ふざけるな」と断固拒絶するのだが、それもつかの間、いつの間にかヴェノムの支配をすんなり受け入れてしまう。
 
それどころか、人間を超越した力を持つヴェノムに魅了され、その力を進んで使い始める始末。
 
何がきっかけでエディの心境に変化が生じたのか。
なぜヴェノムはエディとともに生きると決めたのか。
この辺の描写がほとんどなく、突然心を通わせた両者に「え? 聞いてねえぞ?」となるのである。
 
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てか、いつの間に「マスク!!」って叫ぶと変身できる決まりになったんだよww
 

「実はヴェノムは陰キャラぼっちでした」はいいのだが、あまりに説明的

そして、地球外生命体・シンビオート同士の関係性もいまいちピンとこない。
 
圧倒的な力で無双を続けるヴェノムだが、実はシンビオート界での立ち位置は陰キャラぼっち。仕事と恋人を同時に失い、お先真っ暗なエディに「同じ負け犬」としてのシンパシーを感じたことが「エディを気に入った理由」とのこと。
 
それに対し、ドレイクに寄生するライオットは戦闘力も高く、シンビオートのリーダー的存在でもある。陰キャラぼっちなヴェノムにとっては、リア充キャラのライオットは嫉妬の対象そのもの。エディとの絆以上に唾棄すべき相手と言える。
 
ただ、これらはすべてヴェノムの口から語られるのみで、具体的なエピソードが出てくるわけではない。
突然ヴェノムが自らの負け犬人生を語り始め、そこにエディが共感を覚える。この圧倒的な唐突感にポカンとなるのである。
 
マジな話、この部分については回想シーンの挿入などでヴェノムの黒歴史を掘り下げるだけでも作品全体に相当な深みを出せたのではないか。
 
クラスのいじめられっこがリア充相手に下剋上を起こす流れは間違いなく需要があるし、やたらと強調されていた「ヴェノムかわいい」にも説得力が増したはず。

 
ネタとしてポテンシャルが高い分、いろいろと惜しい作品である。
 

感想はやっぱり「まあまあ」。原作を知らない人間には少々不親切


表題の通りなのだが、今作の個人的な感想は「まあまあ」。
 
登場キャラの感情描写が不足しているために唐突感が否めず、どうも物語に入っていきにくい。エディ役を務めたトム・ハーディの演技は文句なしにすばらしいのだが、そこに大いに補完されている印象が強い。
 
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と同時に、原作を知らない人間にとっては若干不親切だった気もする。
 
シンビオートに寄生された人間は内臓を食われて徐々に弱っていくとのことだが、今後も共存する気満々のエディは平気なの?
ライオットは何とか倒したけど、シンビオートの群れはこれからも地球に来ちゃうんじゃないの? 大丈夫?
ラストに出てくる「カーネイジ」って何者? 次回作の伏線みたいなもん?
アン・ウェイングの新しい彼氏、いいヤツ過ぎじゃね?
元彼を心配しまくる彼女を見て何とも思わんの?
てか、キスとかしちゃってたけど、アンの方にもまだ未練があるんちゃうの?
 
などなど。
原作の知識があれば理解できるのか、映画として稚拙なのかが判然としない謎がいろいろなところに散見される。
 
下記の記事を読めばある程度の疑問は解決するのだが、それはそれ。何とも言えない化不良を抱えたまま視聴を終えた次第である。

繰り返しになるが、映像技術はすごいしバトルの疾走感も凄まじい。
もしかしたら、この作品は細かいツッコミは入れずに頭を空っぽにして観るべきだったのかもしれない。
 
ただ、それを踏まえた上で視聴者を引き込む工夫、ストーリーに説得力を持たせる努力が足りない気がする。
 
上記の記事によると、次回作はどうやら「カーネイジ」を敵役に据えてのものになるらしいが、正直あまりワクワクはしない。そこそこ話題にはなるのだろうが「まあがんばって」という感じである。
 
というか、本編終了後の意味不明なアニメは何だったんすかね?
ああいう演出でオサレ感を出そうとする余裕があるなら、普通にヴェノムの掘り下げをがんばったらいいじゃないww
 
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