田口良一vs宮崎亮予想!! 物足りない世界戦? 全然そんなことはない。絶対おもしろい試合になるからまあ見とけ

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体育館シューズイメージ
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2016年8月31日、東京・大田区総合体育館でWBA世界L・フライ級タイトルマッチが行われる。
同級王者田口良一に、2階級制覇を狙うランキング1位の宮崎亮が挑戦する一戦である。

「田口完勝!! 宮崎を完封する。小柄ハンターぶりをいかんなく発揮!!」

長年王者に君臨していた内山高志が4月に敗戦を喫し、今回のイベントでメインのカードに抜擢された田口は現在3連続KO防衛中。2013年の井上尚弥以来の日本人対決となった今回の一戦。激しい出入りの得意な挑戦者を見事下して4度目の防衛成功なるか。

「ジェスレル・コラレスが内山を粉砕!! 暫定王者がまさかのアップセット!!」

なお、この試合はWBA世界S・フライ級タイトルマッチ河野公平vsルイス・コンセプションとのダブルメインとして開催される。

「河野惜敗!! 激闘の末、コンセプシオンに敗れる。引退なんかするなよ?」

物足りない世界戦? いやいや、かなりおもしろい試合になるんじゃないですかね

“強カワ”田口vs「元不良」宮崎。

絶対王者内山高志の陥落後、繰り上げの形でメインに昇格した田口良一のタイトルマッチ。相手は元ミニマム級王者で2階級制覇を狙う宮崎亮だが、どうやら世間では「世界タイトルマッチと呼んでいいのかわからないカード」という意見が多いようである。

確かに田口は期待されたペタルコリン戦が消滅したり、代わりの相手がなぜか37歳の大ベテランであるファン・ランダエタであったりと、タイトル獲得後の試合はやや物足りない部分がある。

「田口がデラローサを9Rでストップ!! 採点でリードを許すも中盤以降に流れを変えて勝利を手繰り寄せる!!」

対する宮崎も世界前哨戦と称したL・フライ級初戦で、安パイのタイ人を調達したはずがファーラン・サックリンというババを引いてしまい、まさかのKO負け。その後、4連続KO勝利を飾っているものの、詳しい方がおっしゃるには、相手はいわゆる「かませ犬の思い出来日ボクサー」ばかりとのこと。

厳しい防衛戦をこなしていない田口と戦績のわりに相手のレベルが怪しい宮崎ということで、確かに「微妙なタイトルマッチ」と呼ばれても仕方がないのかもしれない。

ただ僕個人の意見としては、この試合は普通におもしろいのではないかと思っている。
タイトルマッチのレベル、ベルトの重み云々の話はよくわからないしあまり興味もないのだが、この両者の試合は単純にエキサイティングで見応えのあるものになるのではないだろうか。

内山高志不在ということで、若干味付けの薄さを感じる興行ではあることは否めない。だが、何だかんだで「観始めたらおもしろかった」「田口も宮崎もやるじゃんか」という結果になるような気がするのだが、どうだろうか。

「復ッ活ッ 内山高志復活ッッ 内山高志復活ッッ「試合してェ~~~~」」

小柄だがガッシリとした宮崎と、見た目と違って強靭なフィジカルが持ち味の田口

まず挑戦者の宮崎だが、155cmと上背はないが、激しい出入りと多彩な左が持ち味の選手である。L・フライ級初戦となったファーラン・サックリン戦で減量に苦労するなど、見た目通りガッシリとした体躯を武器に相手と激しく打ち合うことを信条としている。
だが、常々ガードの低さが課題といわれ、特に左腕を下げて構えるスタイルに苦言を呈されることが多い。リラックスした構えから多彩な左を打つことができる反面カウンターをもらいやすく、防御面の脆さを併せ持った選手である。

恐らく今回の試合も前後左右に激しく動き、接近戦で得意の左を中心に田口と打ち合うシーンが見られるのではないだろうか。

対する田口は身長168cmとL・フライ級としては長身の部類に入る選手である。リーチも172cmと長く、しかも世界タイトルを獲得してからは3戦連続KO勝利と積極的に倒す姿勢も身につけている。

「強カワ」などと言われ、爽やかな見た目からややひ弱な印象を受けるが、実際はかなり強靭なフィジカルを持ったボクサーである。あの井上尚弥のパンチを受けても下がらなかった打たれ強さもあり、めったなことでは倒されない選手である。

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勝敗予想は田口の10〜12RでのKO勝ち。小柄ハンター田口のお手並みを刮目せよ

試合の勝敗予想だが、今回は田口の10〜12RでのKO勝ちでいきたいと思う。

申し上げたように、宮崎の持ち味は激しい出入りと多彩な左。
ただ、基本的に強いパンチを出すには下半身をしっかりと固めて打つ必要があり、なおかつ上背もなくリーチも短いので射程距離が非常に短い。つまり、得意の左を当てるためにはどうしても接近戦に持ち込まなくてはならない。確かに踏み込みの鋭さは特筆すべきものがあるが、戦い方自体は比較的わかりやすい選手である。

そして、田口良一という選手はこの手のタイプが得意である。
長いリーチを活かしたジャブ。左足を軸にピボットでアングルを変えて打ち込む左ボディ。相手の右にワンテンポ遅らせたタイミングで打ち込むカウンター。そしてとどめの打ち下ろしの右。

左ボディは内山、右のカウンターは河野を参考にしているのだと思うが、自分の特徴を活かしたスタイルにジムの先輩のコピーを織り交ぜ、接近戦が得意な相手を制するスタイルを構築しているのである。

「亀田興毅、河野に判定負け!! ダウンも奪われ完敗、試合後に引退を表明する」

井上に敗れて以降の田口の対戦相手を見れば、その傾向はより明白である。

2013年 ライアン・ビト:160cm
2014年 フローレンテ・コンデス:157nm
2014年 アルベルト・ロッセル:155cm
2015年 クワンタイ・シッモーセン:160cm
2015年 ルイス・デ・ラ・ロサ:157cm
2016年 ファン・ランダエタ:164cm
2016年 宮崎亮:155cm

どうだろうか。
大ロートルのランダエタ以外は見事に160cm以下の小柄な相手。まるで160cmを超えてはいけないという契約に縛られたようなマッチメークである。対抗王者である八重樫東も小柄だが、それでも161cm。これまでの田口の相手よりも高身長なのだ。

「八重樫の試合にイラつく…。テクアペトラ程度に激闘王って、ただの泥試合だろ」

ちなみに対戦が実現すると思われていたランディ・ペタルコリンも160cm。
ジムの方針というかリスク管理というか、この徹底ぶりはさすがとしか言いようがない。
これだけ小柄な相手を倒してきている田口なら、今回の宮崎も問題なく勝てるのではないだろうか。
実際僕は、田口がパンチをもらってふらついたシーンを見たことがない。今回の試合も、2013年にカルロス・ベラルデをKOしたようなタイミングと角度で宮崎の左をもらわなければ何とかなりそうな気がする。

一進一退の攻防から徐々に田口が体力で押し始め、最後はパワー差でねじ伏せると予想

試合展開だが、恐らく両者が接近戦で激しく打ち合い、序盤は一進一退の攻防になる。だが中盤以降、徐々に田口が体力差を見せ始め、宮崎を下がらせると予想する。

試合後半、宮崎が田口のプレッシャ―に耐えきれずに後退する。宮崎がロープを背負い、両者の間にスペースができたところで田口が左にステップしてから左ボディ。さらに顔面にフックを叩き込む。このパンチで宮崎が大きなグラつきを見せる。

流れを変えようと、宮崎が決死の踏み込みを見せる。だが、左のガードの低さを突いた田口の右打ち下しが顔面にカウンターでヒット。動きが止まったところでさらにボディをもう一発。
ガックリと膝をつき、悶絶する宮崎。
そのまま立ち上がることができずにカウントアウトで田口のKO勝利!!

こんな感じで試合の後半、10〜12Rのどこかで田口が宮崎を倒すのではないだろうか。

懸念材料があるとすれば、宮崎が足を使ってアウトボクシングを徹底した場合。
この選手は意外に引き出しが多いので、もしかしたら田口がついていけずにポイントアウトされる可能性も考えられる。

ただ、今回もワタナベジムのホームグラウンドである大田区総合体育館での開催である。挑戦者の宮崎は恐らく、自分から打ち合わなくては勝てないと判断するのではないだろうか。
そう考えると、やはり田口有利は動かないのではないかと思う。

「内山高志敗北における日本のジムの鎖国体質批判への考察。てか、ジム経営ってどうなのよ」

どちらが勝つにせよ、おもしろい試合になること間違いなし。内山がいなくても必見だぞ

内山陥落以後、どうも脇役が繰り上がった感の強い今回のタイトルマッチだが、田口良一の強靭なフィジカルと小柄ハンターとしてのテクニックを感じるにはちょうどいい試合ではないかと思う。
もちろん宮崎が勝利する展開も十分に考えられるし、仮にそうなったとしてもそれはそれで間違いなくおもしろい。

「内山進退は五分五分←これ、現役続行するパターンだ。大みそかはコラレスと再戦してるから落ち着け」

どっちにしても必見の一戦である。

と、無駄にハードルを上げまくったところで終わっておこう。

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