また負け…。サンウルブズ11敗目で日本での開催試合を終える…。どうにもなりませんでしたな今日は【ワラターズ(ワラタス)戦結果】

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サーフボードイメージ
2016年7月2日に秩父宮でスーパーラグビー2016、サンウルブズ(日本)vsワラターズ(オーストラリア)の試合が行われた。
結果は12-57とサンウルブズが完敗。今シーズンホームでの最終戦を勝利で飾ることはできず、戦績を1勝11敗1分とした。

代表チームのテストマッチを挟んで、約1ヶ月ぶりのスーパーラグビー再開となったこの試合。オーストラリア・カンファレンス2位の強豪ワラターズを迎えての一戦だったが、結果は9トライを奪われての大敗。

前半25分にPGを決めて一時リードするも、自力で上回るワラターズの前に苦しい展開を強いられる。ウィングのロビンソンが2トライを奪うなど、終わってみれば12-57。30度を超える猛暑の中、体力勝負に持ち込みたいサンウルブズだったが、最後までワラターズのディフェンスを崩すことができなかった。

「サンウルブズが五郎丸レッズに惜敗!! 出たよ無能解説。おもしろい試合だったのに台無しだわ」

ワラターズはつけ入る隙がないわけではなかったが、サンウルブズが勝てる理由もなかった

サンウルブズ12-57ワラターズ。

う〜〜ん……。
何と言うか、どうしようもない試合でしたね。

今日に関しては、何をどうしても最後は負けていたんだろうなと言わざるを得ない。結果論ではなく、「自力の差がそのまま出ました。ラグビーというスポーツにおいて、強いチームが弱いチームを下す際はこういうパターンになりますよ」。本当にそんな試合だったと思う。

「ラグビー人気アカンな…。ダン・カーター来日が完全に空気って……」

予想記事でも申し上げたが、ワラターズは確かに強い。だが、つけ入る隙がないわけではない。
スピーディな攻撃を得意とする分ハンドリングミスが多く、ボールが地面を転がるシーンが目立つ。
そして、個人のスキルの高さを活かした野性的なラグビーを持ち味とする反面、ディフェンスがバラッバラである。ディフェンスラインにギャップがあり、加えて待ちのディフェンスなので走るスペースは非常に確保しやすい。その割には横の動きに弱く、最初のフェーズでゲインラインを突破できる可能性も高いのである。

「ワラターズvsサンウルブズ予想!! 強いなワラターズ。これに勝つのは至難の業」

実際、今回の試合でもワラターズのディフェンスの甘さは随所に見られ、ループを多用したサンウルブズのバックスが裏に出るシーンは多かった。内側からアングルを変えて突進するプレーも効果的だったし、決してどうにもならない感じはなかったはずである。

ただ、トライランキング1位の山田の不在も響いたか、外側の決定力不足は否めなかった。あと一枚外側にスピードスターがいれば、少なくとも2本はトライをとれる場面があったのではないかと思う。
まあ、無い物ねだりをしても仕方がないのだが。

「サンウルブズがフォースに大敗。力負けっすね完全に」

サンウルブズは絶対勝てないようにできている。格上のワラターズがこれだけ周到な試合運びをすれば

ただ、一番の敗因を挙げろと言われれば、やはりディフェンスと言わざるを得ない。

今回の試合、サンウルブズがワラターズを慌てさせるためには、

・密集サイドのフォワードのディフェンスでどれだけ前で止められるか
・ワラターズの素早い球出しを少しでも遅らせることができるか
・バックスのディフェンスラインは「半マークずれのディフェンス」で外に追い出すべき
・細かいパス回しと横への動きを駆使してギャップをつけばチャンスが生まれる

大まかにこんな感じではないかと申し上げている。

そして実のところ、これらの作戦はかなり機能していたのだ。
前半までは。

見ての通り、今回の試合は前半のラスト35分、39分に立て続けにトライを奪われたせいですう勢が決まったと言っても過言ではない。

この辺り、もちろん自分たちのミスもあったと思うが、一番の要因は密集サイドのディフェンスの出足が鈍った部分である。

「日本vsジョージアテストマッチ感想。タックルの精度と両翼の決定力が光った試合」

恐らく、サンウルブズはワラターズの大型フォワードに走られたらマズいと考えていたのだと思う。試合開始直後から、相手の突進に対して早めの2人がかりのタックルが徹底していた。
1人目が下、2人目が上にタックルにいくことでボールの自由を奪い、スムーズに球出しをさせない。たとえ相手ボールになっても、ワラターズのテンポを止めることで得意の展開ラグビーに持ち込ませないことに成功していたのである。

「サンウルブズがまさかのストーマーズ戦引き分け!! マジすげえ!!」

だが、そのサンウルブズのディフェンスに対するワラターズの対応が早かった。
得意の展開ラグビーを早々に諦め、ドライビングモールを中心としたフォワード戦にあっさりと切り替えてきたのである。

正直、これをやられてしまうとサンウルブズとしてはどうしようもない。

もともと突進を得意とする重量フォワードである。しかも2014年スーパーラグビー優勝チーム。
それに対し、こちらは今シーズン初参戦の急造チームである。絶対的な経験の差に加えてこの日の猛暑。
これだけの厳しい条件下であのフォワード戦を仕掛けられては、さすがにサンウルブズにはなす術がない。ジリジリと体力を削られ、ミスを誘発され、密集サイドの出足を鈍らされるというパターンである。

格上の相手が勝利のためにきっちりとお膳立てをして自らに流れを呼び込む。相手が十分弱ったところを見計らって得意な展開ラグビーに持ち込む。
猛暑の中での試合運びとしてはほぼ完璧に近い。残念ながら、今日のサンウルブズではどうやってもワラターズには勝てない。

「日本vsフィジー予想。ダブルスコアで勝利しろ。フィジーごときに今のジャパンが負けるわけがない」

絶対勝てないけど、諦めるわけにもいかない。この状況下でのモチベーションの保ち方がわからない

後半に入ればあとはご覧の通りである。
ひたすらワラターズが気持ちよく走り回る一方的な展開。
どんどんメンバーを入れ替えて、若手に経験を積ませる絶好の練習日和というわけである。

今回の試合を迎えるにあたって、ワラターズの試合をいくつか観たのだが、正直このチームはあまり安定感のあるチームではない。
サンウルブズが勝つのは難しいにしても、50、60点ゲームになることはないのではないかと思っていた。そして、あのザルディフェンスであればメンバー不足のサンウルブズでも1トライくらいは奪えるのではないかと考えていた。

だが、蓋を開けてみれば9トライを奪われての57失点。こちらの得点はPGのみの12点でノートライ。完全なる横綱相撲をされての力負けである。

特に後半25分前後の時間帯は本当に観ていて辛いものがあった。

点差だけを見れば追いつくのはほぼ不可能。
だけど残り時間は15分。諦めると言うにはまだ早い。

いつも思うのだが、これはラグビーにおいて最も厳しい局面なのではないだろうか。

勝つのは99%無理。
でも時間がたっぷりあるので諦めるわけにもいかない。

前にも言ったが、この状況下においてのモチベーションの保ち方を僕はいまだに見つけることができていない。

「いこうぜ!!」
「ここから切り替えよう!!」

かけ声の虚しさ。
自分を奮い立たせようとしても身体が言うことを聞かない。
もどかしいやら悔しいやら。
まさしく拷問のような時間帯である。

結果は大敗だが、試合はド派手でわかりやすい。観客は楽しめたんじゃないのかな

今回の試合、結果は大敗だったが、観ている側としては割と楽しめた試合だったのではないだろうか。少なくとも僕個人は非常に楽しい時間を過ごすことができたと思っている。

ワラターズの大型フォワードの迫力。
細かいパス回し。
ハードヒット。
スピーディなランにステップ。

「これぞラグビー」というド派手なプレーが多く飛び出したわかりやすい試合だったと思うのだが、どうだろうか。

特に13番のイズラエル・フォラウ(普段は15番)のトライはすごかった。解説の大畑氏も言っていたが、小手先の小細工など使わずに緩急だけでディフェンスを置き去りにしたあの走り。長い足と強靭なバネ。カモシカのような野性的な動きに魅了された方は多いのではないだろうか。
ルックスもいいし、機会があればぜひとも日本のトップリーグでプレーしてもらいたい選手である。

サンウルブズを応援している側としては残念な結果ではあったが、単純に「ラグビーおもしれえ!!」と感じた方も多かったと思う。フィルヨーンの60mゴールもあったし、こういうド派手な試合によって少しでもラグビーファンが増えることを願う次第である。

「サンウルブズがなぜ勝てないかだって? 弱いからでしょ」

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