ソフトバンクの松坂大輔獲得は失敗? 年俸は適正? 復帰は? 現在の状況を踏まえて考察してみる

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ピッチングマシーンイメージ
ソフトバンクが松坂大輔獲得に踏み切ったのは失敗だったのか。3年総額12億円ともいわれる大型契約は適正なのか。肝心の今シーズン復帰はあるのか?

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上記のような記事が出るたびに巻き起こる松坂大輔への批判。この記事の真偽は定かではないが、依然として状態が上がらないのは確かなのだろう。

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交流戦も終わり、オールスター戦も迫ったシーズン中盤。
果たして松坂大輔待望の初登板はいつになるのだろうか。そもそも今シーズン中の一軍登板が観られるのだろうか。
元はといえば王会長が進言したと言われる松坂獲得。ソフトバンクにとって、松坂大輔獲得は正解だったのだろうか。

松坂を応援する気持ちはまったく変わっていない

このブログでもたびたび松坂大輔について取り上げているが、僕は個人的に松坂の大ファンである。今でも一軍のマウンドで躍動する姿を待ち望んでいるし、活躍するのは可能だと思っている。

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理由はアメリカでの最後の2年。肘の手術を経てからメジャーで登板した全試合、全投球を観てきた上で「松坂はいける!」と確信したからに他ならない。そして、できれば今シーズンもメジャーで投げて欲しいと思っていた。

日本復帰の一報を聞いた際も、今の松坂の球威があれば日本でならそこそこやれるだろうというのが率直な感想であった。

それがまさかこのようなことになるとは。
苦労する可能性も考えてはいたが、まったく投げない状況というのはちょっと予想できなかった。シーズン前のあの期待感、今のところ前局面で裏切られている。

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さすがに「獲得は失敗だった」と言われても仕方のない現状である。

だが松坂復帰を願う気持ち、応援する気持ちは依然として衰えていない。完全にスポーツ紙のおもちゃになっている松坂だが、調子さえ上がればできるはずである。できるに決まっている。

ソフトバンクが松坂を獲得したのは失敗なのか?

結論から言うと、ソフトバンクが松坂大輔を獲得したことは正しい選択だと断言できる。

まずは下記を見ていただきたい。2014年ソフトバンクの先発陣の成績である。
スタンリッジ(36) 26登板 11勝8敗 172回 防3.30
中田賢一(32) 25登板 11勝7敗 145回 防4.34
攝津正(32) 22登板 10勝8敗 134回 防3.90

率直に言って、あまり優れているとはいえない成績だ。3人とも二桁勝利はしているが、防御率や投球回から、しっかり1年間働いたのがスタンリッジだけだということがわかる。

そのスタンリッジも今年で37歳。去年から徐々に衰えが見られるし、大きな上積みは期待できそうにない。そして相変わらず安定感のない中田、近年不調が続く摂津。いずれも30代とローテーションの高齢化、層の薄さははっきりと見て取れる。それ以外の先発陣はドングリの背比べ状態ということを考えると、2014年のソフトバンクは先発ローテーションに苦しんでいたことがわかるだろう。

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比較対象として、2014年シーズンの最後まで優勝を争ったオリックスの先発陣を見てみよう。
金子千尋(31) 26登板 16勝5敗 191回 防1.98
西勇輝(23) 24登板 12勝10敗 156回 防3.29
ディクソン(30) 26登板 9勝10敗 156回 防3.33
松葉貴大(24) 21登板 8勝1敗 113回2/3 防2.77

勝ち星こそソフトバンクと近いものがあるが、投球回や防御率にはかなりの差があることがわかる。スーパーエース・金子に加え、20代前半の投手が2人と30歳の助っ人。年齢層も問題ない。

このオリックスを強力打撃陣の奮闘で撃破したソフトバンクだが、先発陣の強化は明確な課題だったわけである。

では次に、松坂大輔のメジャーでの成績(2014年)を見てみよう。
34登板(先発9試合) 3勝3敗1S3ホールド
83回1/3 防3.89 奪三振78 四死球50

この数字から読み取れるのは、セットアッパーとしてある程度計算できる投手であるということ。投球回を見るにロングリリーフもこなせるし、ローテーションの谷間を埋める先発という使い方もできる。
投球回に迫る奪三振数を見ても、普通にメジャーで通用していたことがうかがえる。まあ、相変わらず四死球は尋常じゃなく多いのだが。

ちなみに2015年にテキサス・レンジャーズから巨人に入団し、現在先発ローテーションの一角を担っている2人の投手、アーロン・ポレダ投手とマイルズ・マイコラス投手の2014年の成績を見てみよう。
アーロン・ポレダ 26登板 2勝1敗4ホールド 34回2/3 防5.91
マイルズ・マイコラス 10登板 2勝5敗 57回1/3 防6.44

いかがだろうか。すべての面で2014年松坂を下回っていることがおわかりだと思う。

現状、この2人が巨人のローテーションを担っていることを鑑みるに、去年先発投手に苦しんだソフトバンクがメジャーで3勝3敗、投球回83回1/3の松坂を先発として獲得したことは非常に理にかなっている。
ましてやメジャー通算50勝の先発投手である。3Aとメジャーのはざまにいる投手とは扱いが違って当然なのだ。

3年12億の年俸は適正なのか?

これに関しては、あくまで「推定」だということを踏まえた上で「適正な年俸とか関係ねえし」である。

考えていただきたいのだが、松坂はあくまで「3年12億で入団してくださいとソフトバンク側から言われた」のであって、松坂に3年12億の価値があると判断したのはソフトバンクである。もっと言うと、松坂を獲得するにはこのレベルの条件が必要だと考えた上での年俸だったわけだ。
松坂本人は、最もいい条件を提示した球団を選んだだけである。

その選択に対し、思うように登板できないからといって「金の無駄」だの「年俸を返せ」だのと批判するのはさすがにお門違いも甚だしいと思うのだが、いかがだろうか。
批判するならソフトバンクのフロント陣を批判すればいいわけであって、提示された条件を受け入れただけの松坂本人を叩くというのは筋が通っているとは思えない。

さすがに株主になって総会で堂々と批判しろとまでは言わないが、考え方としてはそちらの方がはるかに理にかなっている。

理由は「松坂大輔だから」

「怪物・松坂大輔だから」

「終わった」だの「年俸返せ」だの「痩せろ」だのという批判にさらされるのも、僕のように復活を願うファンが根強くいるのも、結局のところ「松坂大輔だから」というひと言に集約される。

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どれだけ怪我に苦しもうが衰えようが、どこにいても何をしても注目を集める存在。それほど松坂大輔という投手が残したインパクトは大きく、野球界への貢献度は測り知れないものがあるのだ。

「松坂大輔のフォームがおかしい」って連呼するけどさ?

そして、僕が松坂を応援し続ける理由も「怪物・松坂大輔だから」である。いいかげん気持ち悪いと言われそうだが、僕は周囲がどれだけ騒ごうとも松坂復活を待ち続けたいと思う。

なんせ、最低でも後2年半あるからね。

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