ウーゴ・ルイスに挑戦! 長谷川穂積最終章開幕。ラストファイトか? 大阪で引退をかけて3階級制覇へ出陣【予想】

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JR新大阪駅
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2016年9月16日、エディオンアリーナ大阪でWBC世界S・バンタム級タイトルマッチが行われる。
王者ウーゴ・ルイスに挑戦するのは元2階級制覇王者の長谷川穂積。2014年4月に当時のIBF王者キコ・マルチネスに7RTKO負けを喫して以来、2年5カ月ぶりの世界戦となる。

「サンタクルスがキコ・マルティネスにKO勝利!!」

本人が「ラストチャレンジだと思っている」と語るように、長谷川のキャリア集大成の一戦となる可能性は高い。

「言うほどいい試合かこれ? 長谷川穂積がウーゴ・ルイスから王座奪取!! すまん長谷川、あんまり感動せんかった」

見事勝利して3階級制覇を成し遂げることができるか。またはウーゴ・ルイスの強打の前にベルト奪取を阻まれるのか。かつて「日本のエース」と呼ばれた男がラストマッチ(?)のリングに立つ。

なお、この試合はWBC世界バンタム級王者山中慎介の防衛戦とのダブル世界戦として開催される。

「山中がモレノに判定勝ち!! 僅差判定で辛くもモレノに勝利した山中慎介は底が見えた?」

こんなスッ飛ばしで世界戦が決まっちゃうんだな。長谷川穂積ならではってことか?

長谷川穂積vsウーゴ・ルイス決定!!

数日前にこの試合が発表されてからボクシングファンのムードが一変している。
特に本人の口から「ラストチャレンジ」の言葉が出たことは大きな意味を持つようで、「どんな形でもいいから勝ってほしい」「どうなろうと長谷川穂積の生きざまを見届ける」など、半ば祈りに近いコメントも多く見られる。

僕は以前にも申し上げた通り、この世界戦の決定とそれを歓迎する空気には若干の違和感を感じている。

「レイ・バルガスが日本に来るぞ?! カボレに圧勝判定で挑戦者決定戦を制す」

長谷川穂積はここ2年で2試合しかしておらず、直近の試合が半年以上前。しかも今回のタイトルマッチとは無関係のS・フェザー級である。こんな選手が決定戦もなしにいきなりS・バンタム級の王者に挑戦する状況がいまいちよくわからないのである。というか、むしろ批判されるべきではないのかという思いが強い。

「長谷川穂積辛勝!! カルロス・ルイスに2度のダウンを奪われながら僅差判定勝ち」

ボクシングのマッチメークにはあまり詳しくないので何とも言えないのだが、これまでにも「いきなりランクインした謎の挑戦者」「こじつけで作られたかませ犬」といった批判はたびたび耳にしてきた。

「井岡がララを11RKOに下して快勝!! エストラーダ戦は…ないかなぁ。案外正規王者vs暫定王者の統一戦になるかもね」

そういう謎多き挑戦者と今回の長谷川穂積の違いは何なのだろう?
ウーゴ・ルイス側からの指名だとも聞いたが、それだけでこんなスッ飛ばしが許されちゃうのか?
今までの法則でいけば批判の的になるべきことじゃないのか?
本当によくわからん。

「神の左()炸裂でモレノを撃破!! 山中慎介が宿敵とのリマッチを制して11度目の防衛に成功!!」

まあ長谷川穂積は辰吉丈一郎と同様、すでに日本ボクシング界の象徴的な立場になりつつある選手だ。ある意味「存在自体が正義」という部分もあるのだろう。
つまり、サッカーでいうところのキングカズやゴン中山、野球でいうところの山本昌のような存在。
生ける伝説をリアルタイムで目撃しているというか、伝説の証人になれる喜びというか。何となく、そういうことなのかなと自分に言い聞かせている次第である。

「河野惜敗!! 激闘の末、コンセプシオンに敗れる。引退なんかするなよ?」

とはいえ、やるからには勝ってもらいたいし、当日は間違いなく長谷川を全力で応援することになる。どうなるかはわからないが、何とか念願の3階級制覇を達成してもらいたい。

「顔面崩壊で完敗和氣。ダメだ、全然感動しなかった…。グスマン4度のダウンを奪い世界タイトル獲得」

ウーゴ・ルイス攻略の最適解は2012年に亀田興毅が見せたアウトボクシング

今回の対戦相手であるウーゴ・ルイスだが、2016年2月にフリオ・セハとのダイレクトリマッチを制して王座を獲得した選手である。

そして2014年にバンタムから階級アップして以来、身体全体に力強さが出てきた選手である。基本的な待ちのスタイルは変わっていないものの、チャンスでの爆発力などはこの数試合で大きな向上を見せている。

「山中vsモレノ再戦予想!! 疑惑の判定勝利から1年。因縁の対決に決着をつけられるか?」

この選手の試合をいくつか観たが、確かに階級アップによってパワーは一気に上がっている。いいパンチがヒットした際の爆発力は以前には見られなかったものである。

だが、申し上げたように基本的にはカウンター狙いの待ちのボクシングであり、追い足がないという欠点も解消されていない。階級屈指のパンチ力は危険だが、穴も多い選手であることも確かである。

「村田1Rで圧勝!! 廃棄処分するようにタドニッパをKOする。100点満点じゃないか?」

つまり、この選手を攻略する最適な方法はアウトボクシング。
2012年に当時のWBA王者だった亀田興毅がこのウーゴ・ルイスを相手に終始アウトボクシングを徹底して判定勝ちを収めたが、あれこそがこの選手に勝つ理想的な作戦ではないだろうか。
疑惑の判定と言われるなど、試合自体はすっきりとしないものだったが、亀田興毅のボクシングそのものは悪くなかったと思う。

「亀田興毅、河野に判定負け!! ダウンも奪われ完敗、試合後に引退を表明」

大きく距離をとり、リングを広く使ってのサークリング。
ウーゴ・ルイスがある程度距離を詰めてきたところで、サイドへステップして安全な位置にエスケープ。
左のカウンターを十分意識させてウーゴ・ルイスの踏み込みを鈍らせておき、一瞬の踏み込みとともにパンチを当てる。すぐにサイドへ回り込み、もう一発当てて再び距離をとる。
ガードを高い位置で常にキープし、ルイスの得意なフックの被弾を防ぐ。

動きが直線的で、標的が左右に動くと強いパンチが打てなくなるウーゴ・ルイスの欠点をよく理解した戦法である。

「おなじみムニョス見参!! レイ・バルガスに試練か? 世界前哨戦でベテラン元王者を一蹴できるか」

身体能力と勘のよさに頼った長谷川穂積のボクシングは観る者を惹きつけるが、危険もいっぱい

長谷川穂積に2012年の亀田興毅のような試合運びができるか。冷静に距離を測ってヒット・アンド・アウェイを徹底できるか。

申し訳ないのだが、これは正直難しいと言わざるを得ない

基本的に長谷川穂積はスピードとセンスで相手を圧倒してきたボクサーである。ヒリヒリするような緊張感からの一瞬の煌めきというか、閃光のようなカウンターで対戦相手を切って落としてきた選手である。

「安定王者へまっしぐら? ハスキンスがスチュアート・ホールに判定勝ち!! vs山中慎介観たい」

つまり、亀田興毅のように相手を徹底的に研究し、勝利への最適解を探る詰め将棋的なボクシングとは一番縁遠いタイプといえる。

張りつめた緊張感の漂う試合はスリリングで観る者を惹きつける。だが、その実一歩間違えば自らが大の字になる危険を孕んでいる諸刃の剣だ。

「田口良一vs宮崎亮予想!! 物足りない世界戦? 全然そんなことはない。絶対おもしろい試合になるから」

激しい出入りでウーゴ・ルイスを翻弄しろという話はよく聞くが、実のところ、長谷川の持ち味は至近距離での見切りのよさである。
相手のパンチを小さなヘッドスリップやダッキングで避けて打ち終わりを狙う。相手と同時にパンチを打ち、パンチスピードで上回る。言ってみれば、反射神経と勘に頼った肉を切らせずに骨を断つスタイルである。
そのため相手の力が上がれば被弾の危険は増えるし、身体能力が落ちても被弾は増える。

さらに長谷川のスタイルの特徴として、単調であることも否定できない。相手の攻撃を鼻先の紙一重で避け、カウンターを当ててパッと離れる。反射神経と勘に頼ったスタイルであるためか、基本的な動きは前後の出入りが中心である。
モンティエルやジョニゴン戦で強烈なダウンを喫したのも決して油断ではない。一流どころの彼らが長谷川の単調な動きに早いラウンドで対応したということなのだと思う。

「モンティエル、リー・セルビーに12R判定で敗れて4階級制覇ならず!!」

これは辰吉丈一郎にも共通することだが、こういう身体能力と勘の鋭さで頂点まで上り詰めた選手は身体能力の衰えとともに劣化が進む。

ここ最近の長谷川穂積の不安定感はまさしくそれで、どうにも観ていて肩が凝る一番の要因である。

調子がよければキレッキレの動きを見せ、調子が悪ければ「アカン」と言われる。

「もうアカン。見てられないから辞めた方がいい」
「まだまだいけるや〜ん。ここからだよ長谷川」

長谷川の進退に対しての意見が人によって両極端なのも非常にわかるし、日和見でも何でもなく本当にそうなのだから困ってしまう。八重樫東をさらに脆くしたようなイメージとでも言えばいいだろうか。特にこの数試合の安定感のなさは顕著である。

「八重樫の試合にイラつく…。テクアペトラ程度に激闘王って、ただの泥試合だろ」

まあ、それが衰えだと言われてしまえばそれまでなのだが。

「河野公平vsコンセプシオン予想!! キツいか河野。強敵来襲で激戦必至」

勝敗予想は希望も含めて長谷川穂積の僅差判定勝ち。ただ、早いラウンドでのKO負けも十分あり得る

勝敗予想だが、今回は本当にわからない。
序盤でルイスのフックをもらってKO負けするような気もするし、スピードと手数でフルラウンド翻弄してポイントアウトするようにも思える。

みなさんの意見も概ね似たような感じで、「ルイスのパンチをもらえば負け。スピードと出入りで翻弄できれば勝ち」とおっしゃっている方は非常に多い。

まったく自信はないのだが、とりあえず今回は希望も含めて長谷川穂積の判定勝ちでいきたいと思う。

展開としては前回のカルロス・ルイス戦と同じ。
序盤のラウンドでダウンを喫するものの、そこから冷静に立て直して足を使ってペースを掴む。最終ラウンドまで一進一退の攻防が続くが、最後は僅差の判定で勝利を掴む。

「レイ・バルガスがムニョスに勝利し、また一歩王座へ近づく。でも見た目ほど圧勝じゃなかったな」

ただ、長谷川の悪い癖が出てしまうと序盤でのKO負けもあり得る。ダウンを喫したところでムキになって打ち合ってしまい、そのままレフェリーが試合を止めるという最悪のパターンである。
まあ、ウーゴ・ルイスもガードが甘いので、カウンターが先にヒットして大逆転という紙一重の展開も十分考えられるのだが。

恐らく、今回こそ負ければ即引退となるのだろう。多くの方がおっしゃるように、勝つのは難しいというのも確かなのだろう。
だが、それでも長谷川穂積には勝ってもらいたい。なぜなら年末にレイ・バルガスを日本に呼んでの防衛戦が観たいから。

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