錦織圭とかいう史上最強()のスロースターター。フルセットでの勝率が歴代1位って、どんだけ勝負強くて燃費悪いんだよ

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オーストラリアメルボルン
オーストラリア・メルボルンで開催中のテニスの全豪オープン。1月23日に男子シングルス準々決勝が行われ、第1シードのノバク・ジョコビッチと第8シードの錦織圭が対戦。第2セット途中で錦織が右太ももの痛みにより棄権し、ジョコビッチの準決勝進出が決定した。
 
第1セットを1-6で落とした錦織は、セット終了時に右太ももの治療を行う。だが、第2セットで1-4とリードを許した時点で棄権を申し出て試合終了。対ジョコビッチ戦は15連敗となり、通算成績も2勝16敗となってしまった。
 
なお、錦織の4回戦までのプレータイムは13時間47分。ジョコビッチに比べて1試合以上多いプレータイムだったとのこと。
 
「バレーボールのVリーグ現地観戦がクソおもしろいって知ってました? 僕は知らなかった」
 

錦織キツかったな。スケジュール的に難しかったし、ジョコビッチとの差も感じたかな

錦織が負けた。
 
1回戦から接戦続きで、5試合中3試合がフルセットまでもつれる厳しい大会となった今回。
2セット先取されてからの逆転が2試合など、まさにミラクルな内容でたどり着いた準々決勝である。
 
だがその代償は大きく、4試合での合計プレータイムは13時間47分。9時間44分のジョコビッチと比べて4時間以上長くコートに立っていたことになる。


ともに中1日で迎えた準々決勝だったが、結果は錦織の右太もも痛による途中棄権。両者の消耗度以上に、トップ3との差が顕著に出た一戦となってしまった。
 

ちょっといけるか? って一瞬思ったけど、どんどんコンディションが落ちていったよな

僕もこの試合をボーっと観ていたのだが、いや、ホントに錦織がキツそうだった。
 
実を言うと、立ち上がりはそこそこ動きがいいように思えた。いきなりブレークを許したものの、それなりに期待感はあったのだが。
「あれ? ちょっと可能性あるんじゃないの?」
 
「2019年の原巨人が優勝せざるを得ない理由。長野と内海は流出させたらアカン。でも、優勝するのは広島だと思う件」
 
だが、徐々に勝負どころでミスが目立ち始め、あっという間に1-6で第1セットを落としてしまう。
 
そして、太ももの治療を経て迎えた第2セットは……。
 
足が動かず、明らかに横の揺さぶりについていけない。
低い弾道のボールには踏ん張りが効かず、ミスショットを繰り返す。
 
コンディションの低下が素人目にもわかるくらい。ちょっと観ていられないレベルでヤバかった。

試合後に本人が「いつも一番きつい時にジョコビッチとの対戦が来る」とコメントしていたが、今回はこれまで以上に満身創痍の状態だったのではないか。
 
と同時に、これが4大大会の厳しさというか、トップ3はこういう試合でサラッと勝つんだよなと思わせる一戦でもあった。
 
「大坂なおみ全豪オープン優勝。グランドスラム連覇が異次元過ぎてしっくりくる例えが見つからない件。あえて言うならバロンドールか?」
 

トップ3と錦織圭との体格差……。結局搭載エンジンの排気量か?

申し上げたように、今回改めて錦織とトップ3(ノバク・ジョコビッチ、ラファエル・ナダル、ロジャー・フェデラー)との差を感じたわけだが、じゃあ実際に何がどう違うの? と聞かれると、僕にはよくわからない。
 
試合を観てもどの辺がジョコビッチに劣っているかも判然とせず、紙一重の差と言われてもピンとこない。
よく「錦織はスロースターター」という話も聞くが、はっきりとした裏付けがあるわけでもない。
 
見る人が見ればわかるのかもしれないが、とりあえず僕のようなクソニワカw にはまったく理解できない領域である。
 
「ライスボウル不要論? 意義? ど素人の僕が解決策を提示してやんよw まあ、会長はやめたくないんだろうな。儲かるから」
 
なので、こういうときは実際のスタッツを見てみようと。
 
果たして錦織は本当にスロースターターなのか。
トップ3との違いはどこにあるのか。
数字ではっきりと示されれば、僕のようなクソニワカw にも多少は理解できるのではないか。
 
というわけで、ここから先は錦織圭とトップ3(ジョコビッチ、ナダル、フェデラー)の主なスタッツを比べて、その違いを素人なりに調べてみようと思う。
 
まず身長/体重だが、
・錦織圭:177.8cm/74.8kg
・ジョコビッチ:188cm/77.1kg
・ナダル:185.4cm/85.3kg
・フェデラー:185.4cm/84.8kg
とのこと。
 
こうして見ると、純粋に搭載エンジンの排気量が違うのが一番の要因な気が……。
何だかんだ言っても、結局スピード&パワーが大正義だよねという単純明快な結論。
 
「歴代最高オールラウンダーはジョーダンorレブロン論争にケリをつける。不毛な議論ほど楽しい? スポーツ選手の価値は数字だけじゃない」
 

それぞれのタイプが違っておもしろい。数字で見ると、トップ3と錦織の差がわかる


まあ、それだとちっとも楽しくないので、身長、体重以外にもいろいろと。
※なお、表記するスタッツはすべて2018年のものです。
 
 
・ファーストサーブ成功率
錦織圭:60.3%
ジョコビッチ:66.2%
ナダル:65.6%
フェデラー:62%
 
・サービスエース率
錦織圭:4.7%
ジョコビッチ:6.8%
ナダル:3.1%
フェデラー:12.1%
 
・サービスポイント取得率
錦織圭:64.9%
ジョコビッチ:68.3%
ナダル:67.5%
フェデラー:72%
 
・サービスゲーム取得率
錦織圭:81.4%
ジョコビッチ:87.3%
ナダル:89.5%
フェデラー:91.1%
 
・相手ファーストサービス時のポイント獲得率
錦織圭:29.6%
ジョコビッチ:34.4%
ナダル:36%
フェデラー:32.2%
 
・相手セカンドサービス時のポイント獲得率
錦織圭:54.9%
ジョコビッチ:54.5%
ナダル:56.8%
フェデラー:48.3%
 
・リターンゲーム獲得率
錦織圭:38.4%
ジョコビッチ:42%
ナダル:44.1%
フェデラー:38.5%
 
・ブレークポイント獲得率
錦織圭:42.6%
ジョコビッチ:39.3%
ナダル:45.8%
フェデラー:41.9%
 
・1ゲームの所要時間
錦織圭:4.566分
ジョコビッチ:4.826分
ナダル:5.252分
フェデラー:3.993分
 
 
これを見て最初に気づくのが、フェデラーは完全にサービスゲーム寄りの選手であること。
 
サービスゲーム取得率91.1%を誇り、1ゲームの所要時間がもっとも短い。その反面、リターンゲーム獲得率は38.5%とやや低め。
サービスエース率が12.1%と4人の中ではダントツであることからも、強力なサーブでグイグイ攻めるタイプだとわかる。
 
「エキサイトマッチ総集編2108の感想&自分的に度肝を抜かれた試合ベスト3を発表していく。第1位は思い入れの強かったあの試合」
 
また、際立つのがナダルのストローク戦での強さ
サービスエース率は3.1%と低いながらも、サービスゲーム取得率は89.5%とフェデラーに次ぐ2位。
相手のファーストサービス、セカンドサービス時にも確実にポイントを重ね、その結果がリターンゲーム獲得率堂々1位の44.1%。なおかつ、ブレークポイント獲得率も45.8%と勝負強さも兼ね備えている。
 
1ゲームの所要時間が5.252分と1人だけ5分を超えていることからも、ひたすら走って拾いまくるプレースタイルであることがわかる。
 
そして、4人の中でもっともバランスがとれているのがジョコビッチ
ブレークポイント獲得率以外に最下位がなく、どの項目も軒並み優秀な数値が並ぶ。全体的にサービスゲーム関連の数値が高く、攻撃寄りのオールラウンドプレイヤーと言える。
 
「スタッツをほじくり返してボクシングの都市伝説を検証する。12Rはみんながんばるから11Rにがんばるべき? 初回は身体が硬い?」
 
で、肝心の錦織圭についてだが、9項目中5項目で最下位の数値を記録している。
中でもサービスゲーム取得率、リターンゲーム獲得率で最下位という結果から、攻撃守備両面で苦戦していることがうかがえる。
 
相手セカンドサービス時のポイント獲得率、ブレークポイント獲得率はともに2位。一定の勝負強さは見せているが、残念ながらトップ3人と比べると一段落ちると言わざるを得ない。
 

錦織圭は本当にスロースターターなのか? 完全なスロースターターでしたねww

続いて、錦織圭は「本当にスロースターターなのか?」の疑問について。
 
・直近52週間の第1セット獲得率
錦織圭:63.3%
ジョコビッチ:74%
ナダル:データなし
フェデラー:78%
 
・直近52週間の第1セット獲得時の勝率
錦織圭:90.7%
ジョコビッチ:94.1%
ナダル:97.6%
フェデラー:93.5%
 
・歴代ディサイディングセット(最終セット)勝率
錦織圭:75.8%(1位)
ジョコビッチ:74.7%(2位)
ナダル:68.6%(7位)
フェデラー:64.9%(24位)
 
いや、申し訳ないがこれは笑ってしまったww
 
第1セットを落とした場合、残りの4セット中3セットを取らなくてはならない。
当然MAXパワーでセットを奪いに行くわけだが、サーブ、リターンで優位性を確保できない錦織はストローク戦で粘る以外に方法がない。
 
そして、それを終盤の勝負強さでカバーし続けた結果が歴代No.1のディサイディングセット勝率というわけか。
 
「アイスホッケーの現地観戦は1回でいいやと思ったけど、アジアリーグでのH.C.栃木日光アイスバックスは観てみたい」
 
なるほどねえ。
確かにスロースターターにもほどがあるし、これだけ燃費が悪ければベスト16、ベスト8でへばるのも無理はない。
リードされた状況から追いかけるのは、逃げ切るよりもはるかに消耗が激しい。もちろん次の試合にも影響しやすい。
 
この辺が一流と超一流の違いってヤツですね。
 

超一流はプレーを作業化し、運用する。100点満点を目指すのではなく、常時85点をとり続ける

MLBで二刀流を体現する大谷翔平は、絶好調の日は異次元のピッチングを披露するが、ダメな日はとことんダメ。好不調の波が激しく安定感に欠ける。
 
「大谷翔平の課題はスライダーかな。スプリットがダメ日は投げる球がなくなっちゃう。早急に球速をアップしてスラッター化したい」
 
NBA最強プレイヤーのレブロン・ジェームズは、レギュラーシーズンのプレータイムを極力抑え、十分な余力を残してプレーオフに入る。
 
ボクシングのヘビー級王者ウラジミール・クリチコは、長身とリーチの長さを利用した省エネスタイルによって、10年以上王座に君臨した。
 
歴代最多の優勝回数を誇る横綱白鵬は、あらゆる局面への対応力と怪我をしない取り口によってオールタイムベストの横綱に上り詰めた。
 
「稀勢の里引退。横綱としては実力不足だったんだろうな。横綱は勝ち続けるのが義務、痛みは精神力で乗り越えるもの」
 
何が言いたいかというと、要するに超一流になるには「運用」と「作業化」が必要になる。
過酷なスケジュールを健康に過ごすには、常に全力でプレーしていてはダメ。抜くところは抜いて、負けていい試合、出なくてもいい試合を選別、運用する。
 
そして、フルパワーを発揮するのは勝負どころのみ。
平時はできるだけプレーを作業化し、浮き沈みを小さく淡々と“こなす”。高次元のパフォーマンスを長期間維持するには、100点満点を目指すのではなく85点をとり続けることが重要
 
 
大谷翔平のように160kmを連発する必要もないし、240kmのサーブを毎回打つ必要もない。
大逆転を量産する錦織の試合は確かにドラマチックでおもしろいが、それを長期間継続するのはどう考えても困難。
超一流のプレーがあまりおもしろくないというのは、実はそういうことだったりする。
 
もちろん、それを実現するには80%の力で相手を抑え込めるスペックがあってこそ。そういう意味でも、錦織圭がベスト16、ベスト8止まりなのは仕方ないことかもしれない。
 
最初に申し上げた通り、結局搭載しているエンジンのデカさだよな。みたいな。
 
「大坂なおみのグランドスラム優勝がいかにすごいかを語ってみる。全米オープンでセリーナに勝ったって、とんでもない」
 
最後にこれを貼れと言われたような気がした。


 

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