おなじみムニョス見参!! レイ・バルガスに試練か? 世界前哨戦でベテラン元王者を一蹴できるか? 大みそかにvs長谷川戦がマジで観たい【予想】

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メキシコシティイメージ
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2016年9月3日(日本時間4日)にメキシコ、サラゴサでWBC世界S・バンタム級1位のレイ・バルガスと元WBA世界S・フライ級王者アレクサンデル・ムニョスの一戦が行われる。

「レイ・バルガスがムニョスに勝利し、また一歩王座へ近づく。でも見た目ほど圧勝じゃなかったな」

27戦21KOと無敗レコードを継続するレイ・バルガスは、9月16日に日本で行われるWBC世界S・バンタム級タイトルマッチ(ウーゴ・ルイスvs長谷川穂積)の勝者への挑戦に照準を合わせており、今回は世界前哨戦に位置づけられる試合である。

対戦相手のムニョスは2010年に亀田興毅とタイトルマッチを行うなど日本でもおなじみの選手。だが、すでに37歳という大ベテランであり、レイ・バルガスにとってはあくまで世界戦へ向けての踏み台的な位置づけと言わざるを得ない。それでも歴代のレイ・バルガスの相手でも最大の実績を持つ選手であることに変わりはなく、25歳のホープに意地を見せたいところである。

「亀田興毅、河野に判定負け!! ダウンも奪われ完敗、試合後に引退を表明する」

アレクサンデル・ムニョスがレイ・バルガスの壁となる!! のか?

レイ・バルガスの世界前哨戦にムニョス登場!!
日本でもおなじみのベテランがS・バンタム級のホープにひと泡吹かせることができるか。

先日正式に決定した? この試合。

レイ・バルガスの対戦相手であるアレクサンデル・ムニョスは、2010年の亀田興毅戦の時点ですでに30歳を超えており、現在は37歳と完全にピークを過ぎている選手である。

ファンの間からは、

「ムニョスってまだ現役だったのww」
「衰えたムニョスとレイ・バルガスじゃさすがにキツいだろ」

というコメントがいくつも見られている。

恐らく当たり前のようにレイ・バルガスが圧倒し、当たり前のように早いラウンドでKOすると思われている試合なのだろう。

もちろんその通りで、メキシコのトッププロスペクト、レイ・バルガスにとってはあっさり踏み越えなくてはならない試合である。

レイ・バルガス楽勝? いやいや、案外苦戦するかもしれませんよ

ただ実を言うとこの試合、僕はそこまでワンサイドにはならないような気がしている。
恐らくレイ・バルガスはムニョスのようなタイプが得意ではない。というより、今のムニョスはバルガスにとっては天敵に近いのではないだろうか。

今回の試合に際して、とりあえず最近のムニョスの試合(といっても2014年から3試合しかしていないのだが)をいくつか観てみた。

率直に申し上げて、今のムニョスは相当衰えている。
特に衰えを顕著に感じたのは下半身。以前にも増して追い足のなさが目立つ。
思うに、膝関節にかなりガタがきているのだろう。とにかく下半身の動きがぎこちなく、安定感が皆無である。

つまり、今のムニョスがやれることといえば接近戦での打ち合いのみ。上半身にはかろうじて滑らかさが残っているため、至近距離で相手のパンチを殺すことはできる。要するに、細かいフェイントを入れながらの打ち合いに終始するスタイルである。

だが、実はこれがレイ・バルガスの苦手とするスタイルなのではないだろうか。
レイ・バルガスは見ての通り、腰高でガードを低く構える選手である。
そして得意な距離は中間距離。そのポジションをキープし、長身を活かしてパンチを打ち下ろしているうちはいいが、そこから一歩中に入られると一気に窮屈になるのである。

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角度をつけて打つボディやフックは威力抜群でスピードもある。
だが、とにかくモーションが大きい。スピード、キレともに素晴らしいが、パンチを打つたびに顔面ががら空きになるのでカウンターを狙われやすい。恐らくタイミングさえ合えば目をつぶっていても当たるのではないだろうか。バルガスの強打と圧力に屈せず踏み込む勇気を振り絞れば。

そして、今のムニョスにできる唯一の戦術がまさにこれである。
距離を詰めての打ち合いからのフルスイングのカウンター。
もともとS・フライ級時代は強打でならした選手である。至近距離での打ち合いはもっとも得意な分野だろう。
たとえばだが、2013年のレオ・サンタクルス戦の調子をそのまま持ち込むことができればレイ・バルガスからダウンを奪うことも可能なのではないだろうか。

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とりあえずムニョスが試合を有利に進めるには馬力。今のムニョスにレイ・バルガスのパワーに押し負けないくらいのフィジカルが残っていれば、何かが起きる可能性はあると思う。左のフックがいいタイミングで当たりさえすれば流れを引き寄せられるかもしれない。

それでもレイ・バルガスは圧勝しなくてはいけない。衰えまくったムニョスなどに苦戦している場合じゃない

逆にレイ・バルガスにとっては、今回は間違いなく圧勝を義務付けられた試合である。それも判定では話にならない。最低でもKO、できれば早いラウンドであっさりとKOしたいところである。

ちなみに先ほど例に挙げた2013年のレオ・サンタクルス戦。あの試合のレオ・サンタクルスは5RでのTKO勝利を飾っているが、レイ・バルガスのポテンシャルや期待値を考えるとサンタクルスよりも早いラウンドでKOしたい。思いきってサンタクルスの半分、2〜3Rまでには倒してもらいたいと思うのだが、どうだろうか。

実際のところ、今回の試合でレイ・バルガスが勝つこと自体はそこまで難しいとは思わない。最初に「ムニョスはレイ・バルガスの天敵だ」と言っておいてアレだが、手段を選ばなければ問題なく勝てるはずである。

手っ取り早いのは今年6月に行われたアレクシス・カボレ戦。あの試合で見せたスタイルをそのまま踏襲すればいい。

「レイ・バルガスが日本に来るぞ?! カボレに圧勝判定で挑戦者決定戦を制す」

追い足のないムニョスと距離をとり、隙を見つけて踏み込んでの連打。有効打を何発かヒットしてすぐに離れる。スピード差と長身を活かして安全圏からのポイントゲームに徹すれば、ムニョスはほぼ問題なく勝てる相手である。

だが、これは正直おもしろくない
全然おもしろくない。

試合としておもしろくないだけではない。
本来足を使うタイプではない選手がこれをやってしまうと、そこから先の成長を妨げてしまうと思うのだ。

レイ・バルガスはもともと好戦的なファイターである。
スピードと強打、そして長身を活かした多彩なパンチでねじ伏せる。相手をコーナーに詰め、獰猛なラッシュで仕留める野性的なボクシング。これこそがレイ・バルガス最大の持ち味である。

その持ち味を封印して、目の前の勝利を優先したポイントゲームに徹する。
先日、テレンス・クロフォードがビクトル・ポストル戦で実行して見せた、いわゆる持久走作戦。しかもカボレ戦に続き2度目である。

「クロフォードがポストルに大差判定勝利!! ん? クロフォード圧勝?」

マジな話、これはどうなのだろうか。

確かにカボレ戦のようにポイントゲームに徹すれば間違いなく試合には勝てる。
さらに、標的としているウーゴ・ルイスと長谷川穂積。どちらが相手でも、タイプ的に考えて勝てる可能性は高い。

「ウーゴ・ルイスに挑戦! 長谷川穂積最終章開幕。ラストファイトか?」

また、あの足を使うスタイルを「幅が広い」「相手との距離感を掴むのがうまい」と呼んでいいのかは僕にはわからない。

だが、タイトルマッチでもない単なる前哨戦であれをやっても、得るものは少ないように思える。
まあ「勝利以上に得られるものなんてない」と言われればそれまでなのだが。

ただ、たとえこのままタイトルを獲得しても、恐らく長期政権を築くことはできないだろう。もし2階級制覇を狙ったとしても、必ずどこかで壁にぶつかるときがくるのではないだろうか。
たとえばIBFフェザー級王者のリー・セルビーを「穴王者」認定して挑戦しても、案外何もできずに大差判定負けという結果が待っているような気がする。

「モンティエル、リー・セルビーに12R判定で敗れて4階級制覇ならず!!」

期待のレイ・バルガスだが、今の段階ではまだ「素材」。持久走作戦に味をしめるとあまりよくないんじゃないの?

以前にも申し上げた通り、僕はレイ・バルガスという選手が好きである。この選手にはぜひとも3階級制覇王者くらいにはなってもらいたいと思っている。

「レイ・バルガスやべえww強いww こいつは絶対覚えておいた方がいい。周辺階級総ナメしちゃえよ」

だが前回のカボレ戦でわかったのだが、今のバルガスはあくまで素材の段階である。現状は個体能力の高さで圧倒しているだけであり、まだまだ未知数な部分を多く残している選手だ。

ガードの低さ。
自分の距離ではないポジションでの対応。
ピンチの際の回復力。
などなど。

ここから先、相手のレベルが上がったときにどのくらいの対応力を見せられるか。試されていないというか、克服すべき課題は少なくない。

ファイタータイプ、そして素材型のレイ・バルガスが、今の段階から持久走作戦に手を出してしまうとろくなことにならないような気がする。

「カーン仰向けにバッタリ。“カネロ”・アルバレスが壮絶カウンター一発でカーンを失神KO!!」

レイ・バルガスはマジのモンスターか、並の上か。勝敗予想はレイ・バルガスの3RKO勝利

何度も言うように、僕はレイ・バルガスという選手のポテンシャルとスケールの大きさはかなりのものだと思っている。ぜひともどこかで覚醒して、モンスター路線を歩んでもらいたい。

そのためにも、もともと2階級下のムニョスには真正面からのどつき合いで圧倒しなくてはならない。足を使うことなどはせずに連打と圧力で下がらせなくてはならない。
懐に入りたいムニョスを破壊力とフィジカルで寄せつけず、じゅうぶんに弱らせてから左右のフルスイングで吹き飛ばしてもらいたいのである。

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というわけで勝敗予想は上述の通り、レイ・バルガスの3RKO勝利
個人的な期待を思いっきり込めての強気予想でいきたいと思う。

そして、以前にも言ったように長谷川穂積にはウーゴ・ルイスに何としても勝ってもらい、大みそかに日本でレイ・バルガスとの防衛戦を実現してほしい。

期待のレイ・バルガスの強さはガチなのか。
それとも案外「こんなもん」なのか。

個人的に今回の試合にはちょっと注目している。

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