カーンとダウンはセットや!! アミール・カーンvsサミュエル・バルガス、ショーン・ポーターvsダニー・ガルシア振り返り。え? 松本亮負けたの?【結果・感想】

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え? 松本亮負けたの?
 
2018年9月11日、に東京・後楽園ホールで行われたフェザー級8回戦。
今年2月にWBA世界S・バンタム級王者ダニエル・ローマンに敗れた松本亮が、日本フェザー級8位佐川遼と対戦。3R1分30秒TKO負けを喫した。
 
「圧勝ダニエル・ローマン。松本亮手も足も出ず。誰だ松本が勝つとか言ってたヤツは? 僕だけどww まあ相手が悪いよ」
 
この試合は井上拓真vsマーク・ジョン・ヤップ戦のアンダーカードとして組まれた一戦で、発表された際に「へえ、再起戦の相手が日本人なんだ~」と漠然と思った記憶がある。
 
 
そして、KO負けしたと聞いて「おお、マジか」と。
 
大急ぎで相手の佐川遼選手の試合を漁ったのだが、なるほど、確かにこれは負けてもおかしくない。
 
上背がありリーチも長い。
しかも、大きく踏み込んでのフックが伸びる。
 
「カネロvsゴロフキン再戦感想。最強王者を真っ向勝負で上回ったカネロ。前回を超える感動的な試合」
 
対する松本亮は、再三言われているようにガードの緩さが目立つ選手。
中でも左のガードは特に低く、前回のダニエル・ローマン戦でも何度も右フックをクロスで被弾していた。
 
 
しかも、これを見ると両者の上背はほぼ同じ。


松本亮の特徴は何と言っても上背を活かした強力な打ち下ろし。さらに背筋を伸ばした構えで、相手から急所を遠ざける。
 
要は、階級屈指の上背とパンチ力でガードの緩さを補うスタイル(だと思う)。
 
なので、今回のように上背のある選手と対峙すると、自分のよさが軒並み消されてしまう。
階級アップの影響もあったとは思うが、どちらにしても苦戦必至な試合だった気が……。
 
てか、おおかた右フックで豪快にダウンさせられたんちゃうの?
まったく試合を観てないのでアレだが。
 
と思ったら、マジでその通りだった。


まあ、見るからに当たりそうだし、しゃーないのかな。
 
「エストラーダ辛勝。オルクタのパワーに苦労して判定勝利。危なかったなオイ。vs井岡もおもしろそう?」
 
とまあ、前置きはこんな感じで、ここからは先週の気になった試合の感想を述べていこうと思う。
 

○アミール・カーンvsサミュエル・バルガス×

今年4月に衝撃的な1RKOで勝利を飾ったアミール・カーンの再起第2戦。
 
WBA世界ウェルター級9位サミュエル・バルガスとウェルター級12回戦を行い、3-0(119-108、119-109、118-110)の判定で勝利した試合である。
 
以前、僕が「テレンス・クロフォードに勝てる可能性もあるんちゃう?」などと申し上げたアミール・カーンさん。
相手のサミュエル・バルガスはダニー・ガルシアに7RKO負けを喫してはいるが、29勝3敗2分の戦績を持つ強豪である。
 
「最強クロフォードがホーンに圧勝で3階級制覇。ん? 最強? いやいや、クロフォードに勝てそうなヤツが1人いるんだが」
 
この試合はもう、ホントにわかりやすいなと。
 
超絶ハンドスピードと鋭い踏み込み、よく動く足が持ち味のアミール・カーンだが、その分攻略法もはっきりしている。
 
「村田諒太がやっぱりロブ・ブラント戦。ビッグマッチへの足掛かり? 結構いい試合になりそうな…」
 
目にも止まらぬハンドスピードは確かに脅威だが、それを発動するにはある程度のスペースが必要になる。
 
遠い位置から助走をつけ、一気に間合いを詰めての連打。
これを防ぐためには、トップスピードに乗る前にスペースを潰して糞詰まりを起こさせるのが手っ取り早い。
 
つまり、この選手を封じるにはとにかく接近戦。
ライト級のホルヘ・リナレスと同様、自分から前に出て先手を取りまくる。
 
「リナレスがロマチェンコにKO陥落。あ〜惜しい。もう少しだったけどな。これがスピード&パワーの偉大さですよ」
 
今回のサミュエル・バルガスが実行したのもまさにこれ。
 
カーンの連打が発動する前に距離を詰め、自分から手を出す。
一定の距離をキープし、左右に動くカーンの正面を外さない。
 
ある程度の耐久力と相応の覚悟があれば、そこそこ誰でもできるんじゃない? というくらいのわかりやすさである。
 
「リナレスがS・ライト級進出? アブネル・コットを3RTKOで再起に成功。S・ライト級でマイキー、ラミレスに挑戦だと?」
 

それでもカーンに勝つのは難しい。ついていくので精一杯で、手数がまったく足りないバルガス

とはいえ、それでカーンに勝てるかと言えば、ちょっと違う。
 
攻略法ははっきりしている。
だが、あの身体能力、スピードに追いつくのは困難を極める。
 
バルガスも一生懸命前進し続けたが、カーンについていくのがやっとでまったく手数が足りない。
少しでも足が止まればカーンのおバカ連打に巻き込まれ、一気にペースをもっていかれる。
 
それでも前半はよかったのだが、ダウンを奪われた4R以降は出足が鈍り、結局最後まで戻ることはなかった。
 
「井上尚弥がワンパンKO。パヤノを瞬殺ってマジっすかw ロドリゲスだ? いくらでもかかってこいよだね」
 
また、近場の打ち合いでもいいタイミングのフックがヒットしていたが、残念ながらカネロ戦のような失神芸とはいかず。
ダウンを奪った右はお見事だったものの、ウェルター級ではフィジカル的な優位性は感じられなかった。
 
もうね、ホントに顔面がら空きのガバガバ連打なんですけどねww
 
「ロドリゲスの評価が下がった? いや、モロニーの評価が上がったんだよ。河野公平化したモロニーが大善戦」
 

○ショーン・ポーターvsダニー・ガルシア×

米・ニューヨーク州で行われたWBC世界ウェルター級王座決定戦。
同級1位ダニー・ガルシアvs2位ショーン・ポーターの一戦は、3-0(116-112、115-113、115-113)の判定でポーターの勝利。ポーターが2014年以来の王座に返り咲いた一戦である。
 
マッチメークが発表された当初からあまり興味が沸かなかったこの一戦。
 
「だって、どうせショーン・ポーターが勝つんだろ?」
「でも、有名人同士の試合だから一応観ておくか」
などと思いつつ、鼻くそをほじりながら観たのだが、意外なことに結構おもしろかった
 
僕はてっきりポーターが体力にモノを言わせてゴリ押しすると思っていたのだが、実際にはちょっと違った。
いや、だいぶ違った。
 
「カネロ降臨。ロッキー・フィールディングそこそこいいんでない? でもDAZN大型契約後の一発目だから負けられない」
 
むしろ、今回のポーターはカウンター狙い。
極力自分からは手を出さず、ガルシアの1発目にカウンターを返してそのまま連打につなぐ。
 
ガードを低く構え、顎を突き出し、時にはスイッチも織り交ぜ。
ひたすらガルシアを煽り、手を出させるように仕向ける。
 
 
おお、なるほど(なるほどばっかりだけど)。
ガルシアに先に手を出させて必殺のカウンターの機会を奪い、同時に距離を詰める手間も省くってことか。
 
「ダニー・ガルシアがリオスをKO! はぁ~、すっごい。パワーレスなくせにカウンターはヤバいw 村田vsカネロもこんな感じ?」
 
1R開始直後。
ポーターがフェイントをかけるたびにガルシアの左腕がピクッと動き、わずかにバックステップしながら突進に備える。
立ち上がりから、ガルシアのカウンター狙いは丸わかりの状況。
 
それを確認したポーターは早々に突進狙いを止め、左右に動きながらガルシアの前進を誘う。
そして、1発目のジャブにオーバーハンドの右を被せ、その勢いのまま身体を寄せて連打を浴びせる。
 
うん、よく考えてきやがったなポーター。
 
一連の振る舞いを見ると、ガルシアのカウンターへの警戒心は相当高かったように思える。
それこそ、2012年のアミール・カーンのパティーンすらも想定してきた感じ。
 
何となくだが、メイウェザーvsダニー・ガルシア戦が実現していれば、こういう展開になるのかな? というイメージの試合だった。
 
「カーン様がクロフォードに勝つ日がやってきたぞw カーンは打倒クロフォードの可能性を持った数少ない1人」
 

ダニー・ガルシアの攻略法がはっきりしちゃったかな? というか、キース・サーマンはいつ試合するんだ?


ポーターの突進をカウンターで応戦するはずが、逆にカウンターを浴びてしまうガルシア。
明らかな戸惑いを見せ、徐々に手数を減らしていく。
 
試合の流れを掴んだポーターは、後半からは自ら前に出て腕を振る。
頭突きまがいの突進で距離を詰め、強引に腕を振り回すいつものスタイルである。
 
積極性を失ったガルシアを正面衝突で押し込み、何度もロープ際に追い詰めるポーター。
 
ガルシアも足を使うなどの粘りを見せたが、どうしても流れを引き戻すことはできず。
微妙な判定ではあったが、やはりポーターの勝利は間違いない気がする。
 
「ポーターvsベルト感想。体力腕力万歳ポーターがベルトを突進力と腕ぶん回しでKOする。トップ戦線に踏みとどまった突貫小僧」
 
何かアレっすね。
 
・2016年キース・サーマンvsショーン・ポーター
・2017年キース・サーマンvsダニー・ガルシア
・2018年ショーン・ポーターvsダニー・ガルシア
 
このローテーションが一巡したせいで、3人の間でめちゃくちゃ情報共有()ができてる感じ。
特に、マン振りカウンター使いのダニー・ガルシアの攻略法は完全に浸透したというか。中間距離での打ち合いをとことん避け、絶対にカウンターのタイミングを作らせない作戦。
 
「ガルシアvsサーマン感想!! 才能の塊キース・サーマンがパワーでダニー・ガルシアを置き去りにする。まあそうなるよな」
 
で、何だかんだでキース・サーマンの持久走を捕まえられるヤツはいまだ現れず。
 
というか、サーマンお前。
いつになったら試合すんだよ。
 
この3年間、バークレイズ・センターと水道橋の往復しかしてねえじゃねえかww
 
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