金本阪神、V虎戦士OBが続々コーチに!? 2軍監督に掛布、首脳陣刷新で期待は膨らむが、再建への道は険しいぞ?

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野原イメージ
阪神首脳陣が豪華だ。

阪神金本監督が誕生し、コーチ陣の名前も続々と挙がっている。
阪神OBで優勝メンバーの矢野や下柳、赤星や今岡、片岡など、2003、2005年当時の盛り上がりを知る人にとっては涙が出るような名前が並ぶ。
特に矢野、下柳に金本を加えた3人は阪神を支えるベテラントリオとして伝説となっており、揃って入閣となれば阪神ファンにはたまらない人事と言えるのではないだろうか。

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さらに85年のV戦士、バースと岡田とともに最強クリーンアップを形成したミスタータイガースこと掛布雅之の2軍監督就任も発表されている。1988年の現役引退から実に28年の時を経て、ついに縦ジマに袖を通す掛布雅之の姿を目にすることができるのである。

「2003年の優勝メンバーが揃う!!」
「阪神が本当に変わる」
「来季が楽しみ」
「嬉しすぎる」
「金本監督なら選手の意識を根本から変えてくれる」
「応援したくなる!!」
「ゾクゾクしてきた」
「早く来年にならないかな」

金本政権発足、阪神首脳陣の大幅な刷新にファンの反応も概ね良好である。

「日本シリーズ2015予想!! ヤクルトがソフトバンクに勝つには?」

僕は阪神ファンでも何でもないが、確かにワクワクする人事である。話題と実力を両方わしづかみにいく球団の姿勢がありありと見えて、期待感は高まるばかりである。

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2015年の3位、8月の快進撃、それを受けた金本新政権。当然阪神ファンの期待するところは2016年シーズンの優勝だ。

一応言っておくが、2016年の阪神は弱いぞ?

散々煽っておいてあれだが、残念ながら2016年の阪神は弱い。

これだけ豪華な顔ぶれの首脳陣で、期待に胸が躍る阪神ファンの気持ちは痛いほどわかる。だが、弱いものは弱い。事実は事実として受け止めなくてはならない。

前にも言った通り、2015年の阪神は最下位になってもおかしくない戦力だった。特に壊滅的だったのが救援投手陣で、投手有利の甲子園を本拠地としながら防御率はダントツ最下位の4.16である。それを和田監督の有能な采配で無理矢理3位に滑り込んだだけの話なのだ。

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藤浪、メッセンジャーという完投能力のある2大スーパーエースに能見、岩田を加えた4本柱。安藤、福原、呉昇桓という強力な3人のリリーフ。2015年の阪神は主力7人にとことんまで依存して、9月まで優勝争いを繰り広げたのである。

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しかも2016年の阪神は焼け野原状態だった2015年の戦力をさらに下回る可能性が高い。
安藤、福原や福留の高齢化。メッセンジャー、能見の劣化。退団の可能性のある呉昇桓。若い藤浪も2015年のフル回転ぶりを見るに、2016年も同様のピッチングができる保証はない。

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中でもチームの要である鳥谷の劣化は深刻だ。
先日、金本監督が鳥谷に「物足りない」とゲキを飛ばしたという記事を読んだが、残念ながら今の鳥谷はあんなもんだ。
もしかしたら、プレーの面というよりチームを引っ張るリーダーとしての「物足りなさ」を指摘したのかもしれない。
ニュアンスがわからないのではっきりとは言えないが、それでも今の鳥谷にこれ以上の負担を強いるのは酷である。
体力的にきついショートで全試合出場を継続しつつ、今よりもさらにキャプテンシーを発揮する。これではいくら何でもぶっ壊れる。たとえ壊れなくても選手寿命は間違いなく縮む。

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現に2015年の鳥谷はどこかおかしかった。信じられないくらい守備範囲が狭かったし、打球への反応もびっくりするほど遅かった。衰えなのか怪我なのかはわからないが、身体が万全ではないのは一目瞭然だ。
とりあえず全試合出場にこだわるのは早急に止めて、適度な休みをとりながら試合に出るスタイルに変えるべきである。

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金本新監督の華々しい船出に水を差すようで申し訳ないが、2016年の阪神は相当苦戦するだろう。ドラフトとFA市場、外国人の補強次第だが、もしも目立った補強もせずに若手の育成で勝とうなどという愚行に出るようであれば、今度こそ間違いなく最下位だ。

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今の阪神の監督を引き受けた金本はそれだけでも評価に値する。
本当にそう思う。

監督としての金本が有能か無能かは今の段階ではわからないが、大げさでも何でもなく今の阪神の監督を引き受けた事実だけで「よくやった」と言うべきだと思う。
現在の阪神がどれだけヤバいかは散々述べてきた通りだが、そのヤバさは現在も着々と進行している。はっきり言って、今の阪神で監督をやるのは泥船に乗るのようなものだ。

現役晩年は連続試合出場記録のためだけにユニフォームを着ていたような金本だが、言うまでもなく実績や功績には文句のつけようがない。金本ほどの実績があれば、わざわざ阪神のユニフォームを着なくても評論家としての仕事にあぶれることはないだろう。

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その金本が、自分のキャリアが傷つくことを承知の上で「阪神の監督」という泥船の舵を取る覚悟を決めたのだ。

2016年の阪神は勝てないかもしれない。というか、恐らく勝てない。
だが、阪神ファンは金本を責めてはいけない。たとえ無能な采配を連発しようとも、慈しみの心で温かく見守らなくてはならないのだ。
沈み行く船に乗ってくれたこと。しかも阪神という特殊な球団の舵を取ってくれたこと。その事実だけで金本は8割以上許されなくてはならないのだ。

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チームを強くするには、お金を使って補強するしかないのだが……

お金を使った分だけチームは強くなる。
再三申し上げていることだが、チームを強くするにはお金を使っていい選手を集めるのが最も効率的で理にかなっている。

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いい選手が多ければそれだけチームは強くなるのは当然だし、いい選手の年俸が高いのも当たり前の話である。そして、いい選手を集めるために球団がお金をたくさん使うことは絶対に正しい。金をかければかけただけ強くなる。単純明快な話なのだ。

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だが、どういうわけか、補強をすると怒るファンがいる。
「また外様補強」
「節操がなさ過ぎる」
「若手を使え」
「若手のやる気を奪うな」
「若手育成に舵を切れ」
「若手、若手……」

若いって何ですか?

中には「若手の成長が見られるのであれば、負けまくるシーズンでも楽しい」という方もいる。
はっきり言おう。
楽しいわけあるか!!

断言するが、応援しているチームが負けまくるシーズンを楽しめる人間などいるわけがない。

さらに言うと、育成などしなくても勝てば楽しい。
2015年の和田阪神がいい例だ。8月の快進撃の際の盛り上がりを見ただろうか。あれこそ「勝てば官軍」の典型ではないか。
2015年の和田阪神は、若手選手の経験値をいっさい犠牲にして主力のみに頼った勝利至上主義を貫いたのだ。そして、結果として8月の快進撃を生み出したのである。

だが、いくら僕がここで「補強補強」と喚いても、実際に阪神が補強をすると「またか!!」と憤慨する人は大勢いるのだろう。しかも今の阪神は多少の補強では追いつかないほどの焼け野原っぷりである。さすがにある程度長期的な視野での再建が必要になるはずだ。

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金本監督自身も、ドラフトでは将来エースになれる人材や長期的な視野で考えて4番を打てるようになれる人材が欲しいと言っていた。こういった発言からも、戦力的に相当厳しいとわかっていることがうかがえる。
個人的には即戦力の大卒を狙うべきだと思っているが。

「チームが強くなるためにはファンにも覚悟が必要」とかいう言葉が大っ嫌いな僕だが、今回ばかりはファンも株主も忍耐強く見守る意識が必要になるだろう。
もしも1年2年で答えを出すことを強要するようなら、冗談抜きで阪神は90年代の暗黒に逆戻りする。和田のときと同様、多くの阪神ファンが金本にバッシングを浴びせて退任に追い込むようなことになれば、間違いなく毎年5月にシーズンが終わる暗黒の再来である。

これは余談だが、僕も和田監督が退任を発表した日から、いつでも交渉のテーブルに着く用意があったと付け加えておく。条件次第では2軍監督も視野に入れていたことも強調しておきたい(何様?)。

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