亀田興毅がポンサクレックと1日限りの現役復帰戦をやるけど、2010年の亀田vsポンサクレックが意外と名試合だって知ってた?【感想】

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2018年5月5日、東京・後楽園ホールで元世界3階級制覇王者亀田興毅が、元WBC世界フライ級王者ポンサクレック・ウォンジョンカムとの特別試合に挑む。
 
「亀田興毅現役最後の復帰戦を観に後楽園ホールに行ってきた。あ、目的は亀田和毅の試合です」
 
2018年元旦に1日かぎりの現役復帰を宣言した亀田興毅の相手は、2010年3月にキャリア初の敗北を喫したポンサクレック。
 
2013年の亀田大毅vsリボリオ・ソリス戦以来、日本での試合が禁じられた亀田興毅が、現役生活に決着をつけるために組まれたこの一戦。因縁の相手にリベンジを果たせるかに注目が集まる。
 
 
なお、試合はバンタム級契約の6回戦。ヘッドギアなしの10オンスグローブで行われる。
当初は公式試合として行われる予定だったが、JBCの認可が下りず。エキシビション形式での一戦となったとのこと。
 
「ドグボエすげえな。マグダレノに圧勝やんけ。強フィジカルのカウンターでKO勝利。井上尚弥のラスボス交代か?」
 

亀田興毅の現役復帰間近。でも、個人的には「楽しきゃいいや」と思っております。わざわざ否定する必要もないし

亀田興毅の1日かぎりの現役復帰が近づいている。
当日はAbemaTVでも中継されるとのことで、過去2度の1000万円企画並みの注目度となることが予想される。
 
「亀田興毅が政令指定都市13個分の視聴数動員ww 「俺に勝ったら1000万円」企画の視聴数が1300万ってどうかしてるぜww」
 
ただ僕自身、この試合への興味はあまりない。
公式試合でもエキシビション形式でも構わないし、どちらにしても楽しければいいかなと気楽な気分でいる。
 
「嗚呼ゴロフキンww マーティロスヤンがんばったけどな。ゴロフキンの衰え? あると思います」
 
あいかわらずアンチの方が「茶番」だと騒ぐ声も聞こえてくるが、ホントによ〜やるわと。
以前にも申し上げた通り、茶番ならいいじゃねえかと。
 
「マクレガーvsメイウェザー戦を推す3つの理由。真剣勝負じゃない? 茶番? 税金対策? まあ、ええやんそんな話は。楽しんでる人間に水差すなよ」
 
亀田興毅のやることが茶番なら、別にあなたたちの考える本物のボクシング()に影響を与えることもない。
亀田興毅が何をやろうと自分の信じる本物のボクシング()とやらに情熱を傾けていればいいわけで、わざわざ道の真ん中でバカでかい声を出す必要性を感じない。
 
ボクシングへの冒涜()だろうが、茶番()だろうが何でもいいが、娯楽として楽しんでる人間の邪魔をすんなよとは思うかな。
 

ところでもう一度聞くけど、2010年3月の亀田興毅vsポンサクレック・ウォンジョンカム戦がかなりいい試合だったって知ってる?

それはそうと、表題の件。
「2010年3月の亀田興毅vsポンサクレック・ウォンジョンカム戦がかなりいい試合だった」について。
 
この試合は2010年3月にWBCフライ級王座統一戦として東京・有明コロシアムで行われたもの。暫定王者ポンサクレックが2-0(116-112、115-112、114-114)の判定で勝利し、王座統一を果たした一戦である。
 
実はこれ、僕の好きな試合の一つで、今でもたま〜に観直すことがある。
 
カウンター狙いに終始しながら負けた亀田興毅に対して、当時は「つまらない」「話にならない」「消極的すぎる」など、辛辣な意見が飛んでいた記憶がある。
 
ただ、もう一度観てみるとわかるが、決してそんなことはない。
中盤以降、亀田興毅はかなり積極的に勝負をかけているし、ポンサクレックも真正面からの打ち合いに応じている。
 
両者ダウンもなく、特に前半は膠着の時間も長いが、試合自体は普通におもしろい(個人的には)。むしろ亀田側の焦りというか、精神の揺れがよくわかる手に汗握る展開だったと思う。
 
「ジョシュ・テイラーvsポストルうおお!! 期待のテイラーが虚弱内山ことポストルに挑む」
 

亀田興毅の作戦が序盤で頓挫した。実はカウンターが得意なポンサクレック。一気にペースをつかみ、そのまま優位に進める

試合の感想としては「ポンサクレックの完勝だったな」と。
 
序盤のアウトボクシング。
中盤の出入り。
終盤の足を止めての打ち合い。
正規王者亀田興毅は、相手の出方を見ながらラウンドごとにスタイルを変えていく。
 
だが、どの局面でもポンサクレックは亀田を一枚上回り、常にペースを掌握し続けていた(気がする)。
 
負けた亀田興毅が「積極性がなかった」「挑戦者の気持ちでリングに上がれれば」などと言われていた記憶があるが、う〜ん、どうなんだろうな。積極性どうこうではなく、普通に実力で負けていたように見えるのだが……。
 
「チャーロ兄圧勝やね! センテノを2RKOに沈めて暫定王座獲得。村田諒太との違いが明確でおもしろかった。フィジカル上位の優位性」
 
とりあえず、序盤のカウンター狙いのアウトボクシングが通用しなかったのは亀田にとっては相当痛かった。
 
ガードを上げて距離をとり、サイドに回りながらカウンターを狙う。
ポンサクレックの打ち終わりにリターンで左を返すというのが陣営の作戦だったと思うが、この試合ではそれを逆手にとられた感が強い。
 
遠い位置から踏み込み、鋭い左を打ち込む。そのまま身体を寄せて近場での連打でペースをつかむ。これがポンサクレックの基本的な攻撃パターンだが、実はこの選手はカウンターもうまい。
 
2002年の内藤大助戦でも、KOパンチはカウンター。内藤の打ち終わりを抜群のタイミングで打ち抜いての34秒KO勝利である。
 
「小原佳太2RKO負けでWBO-AP王座陥落。ラガンベイとダブルノックダウンで立ち上がれず。でも「まさか」ではないかな」
 
そして、2010年の試合で最初にペースをつかんだのもやはりカウンターだった。
 
亀田興毅の右リードや軽いワンツーにことごとくカウンターを返し、あっという間に試合の主導権を握る。
 
いきなり出鼻を挫かれた亀田は危険地帯に立ち入ることができなくなり、自分から手を出せない。これまでよりもさらに距離をとり、慎重にポンサクレックの周りを回るだけ。
 
対するポンサクレックも亀田のカウンターへの警戒を解かず、思ったよりも踏み込めない。
 
お互いがお互いのカウンターを警戒し、パンチの交錯は単発のみ。
時おり亀田のノーモーションの左がヒットするが、動きの少ない地味な展開。どちらかといえばポンサクレックかな? というラウンドが続く。
 

中盤から前に出る亀田興毅。だが、インファイトで常に上をいかれ、顔を腫らしていく

4R終了時の公開採点により、ポンサクレックのリードが会場に告げられる。
 
それ以降、亀田興毅が積極的に前に出るのだが、とにかく頭が当たる。
自分から距離を詰める亀田に対し、待ってましたのポンサクレック。
亀田以上の踏み込みで左を振るい、さらにもう一歩前に出る。
 
「ウシクvsガシエフ予想。WBSSクルーザー級決勝がサウジアラビアで開催。井上尚弥も次回バンタム級で出場するとか」
 
インファイトで頭をぶつけられ、連打を寸断される亀田。
不満そうな表情を浮かべてバッティングをアピールするが、ポンサクレックは気にしない。
 
外旋回のフック中心の亀田に対し、ポンサクレックはコンパクトなパンチで対抗。ガードの真ん中を通してヒットを重ねていく。
 
「ジャックvsスティーブンソン? これは予想しにくいよね。ハード路線のジャックか、引退間近のスティーブンソンか」
 
アウトボクシングでのカウンター狙いを封じられた亀田は、やむなく相手の距離で勝負を挑む。だが、踏み込みの勢いと偶然の頭突きで出足を止められ、インファイトでの打ち合いでも上をいかれる。
 
目からの出血も酷く、顔も腫れ上がる。
うん、どこからどう見てもキツい。
 

両者が足を止めて打ち合う終盤。やっぱりここでもポンサクレック。実力的にポンサクレックが上だったな。相性もよくなかった

終盤3Rは両者が足を止めて打ち合う展開だが、ここでも優位なのはやはりポンサクレック。
 
亀田はガードを上げて身体を寄せ、至近距離での打ち合いを挑むが、ポンサクレックの連打に対応しきれない。
 
ガードの間を通され、ボディストレートを被弾。
近場の交錯で打ち勝つことができず、無理やり距離をとらされる。自分から距離をとるのではなく“とらされる”。
 
「期待のライアン・ガルシアを観たのでその印象を。キラキラ七三プロスペクトはデラホーヤさんの大のお気に入り?」
 
試合はそのままポンサクレック優位で終了するわけだが、まあこれはしょうがないかなと。
 
亀田興毅は劣勢を跳ね返すためにがんばったし、批判されるような試合をしたとは思えない。また、それを真正面から受けて立ったポンサクレックもよかった。
 
正規王者と暫定王者がどちらも力を尽くした好試合。文句なしでおもしろかった。
 
 
そして、亀田興毅にとってのポンサクレックは、相性的にもよくない相手だった気がする。
距離感とアングル調整+カウンター狙いの亀田に対し、鋭い踏み込みで一気に距離を詰めるスタイルのポンサクレック。
 
この組み合わせだと、亀田はサイドに回る動きが間に合わない可能性が高い。2015年の河野公平戦もそうだが、このタイプは踏み込みのレンジと突進力のある相手に弱い。
しかも、ポンサクレック戦では序盤にいきなりリードの右を封じられ、相手の距離に引きずり込まれてしまった。
 
なので、敗因としては「積極性のなさ」「挑戦者の気持ちが足りない」などではなく、単純な実力差というのがファイナルアンサーなのではないか。
 
ポンサクレックは踏み込みの衰えを頭突きなどのダーティさでカバーしていたし、どちらにしても亀田興毅の完敗だった。
 
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