伊藤雅雪完勝。シュプラコフが想像以上に想定内だったな。工夫は見られたけど、全局面でスペックが物足りず【結果・感想】

NO IMAGE

脳イメージ
「ボクシング記事一覧リンク集」へ戻る
 
2018年12月30日、東京・大田区総合体育館で行われたWBO世界S・フェザー級タイトルマッチ。同級王者伊藤雅雪がランキング1位で指名挑戦者のエフゲニー・シュプラコフと対戦し、7Rにタオル投入によるTKO勝利。初防衛に成功した試合である。
 
 
今年7月にクリストファー・ディアスに勝利し、日本人として37年ぶりの快挙となる米国での王座戴冠を果たした伊藤雅雪の初防衛戦。
相手は20戦無敗の指名挑戦者エフゲニー・シュプラコフとなる。
 
 
試合は序盤からシュプラコフがガードを上げて距離を詰め、近場で伊藤のリーチを封じる展開。
頭がぶつかり、イライラしたしぐさを見せる伊藤だが、要所でボディをヒットして試合の流れを渡さない。
 
5Rからシュプラコフが距離をとってのカウンター狙いに切り替えると、逆に伊藤が積極的に前に出て腕を振っていく。
これで流れをつかんだ伊藤がシュプラコフを攻め立て、再三ロープを背負わせる。
 
そして7R。
コーナーに追い詰められ、ラッシュを浴びたシュプラコフを見てたまらず陣営がタオルを投入。その瞬間、伊藤の初防衛が決定した。
 
なお、伊藤をプロモートする帝拳ジムの本田会長は、次戦は米国での開催になることを明言。相手や開催地は未定なものの、いずれはビッグマッチを求める伊藤の希望をかなえる意向であるとのこと。
 
「完敗の伊藤雅雪。へリングに最後まで追いつけず…。これ系の相手はどうしても鬼門になるよな。この先避けては通れないけど」
 

想像以上に想定内だったシュプラコフ。いつもはどこかで予想を超える何かがあるんだけど

伊藤雅雪勝利!!
指名挑戦者エフゲニー・シュプラコフを寄せつけず。
 
イケメン伊藤が初防衛戦に完勝した。
2018年7月に不利予想を覆して戴冠を果たし、毎年恒例の年末ボクシングのメインに抜擢されたシンデレラボーイ。
試合後のコメントも爽やかイケメンっぷりを目いっぱい発揮し、スターの資質を山ほど感じさせてくれた。
 
「エキサイトマッチ総集編2108の感想&自分的に度肝を抜かれた試合ベスト3を発表していく」
 
試合の感想としては、シュプラコフが予想以上に想定内だったなと。
表題の通りなのだが、挑戦者シュプラコフは過去の試合を観たイメージそのまんまの選手だった。
 
中間距離ではちょこまかと動き、遠い位置から大きく腕を振って近づく。
勢いと圧力で相手を下がらせ、さらに連打を浴びせてペースを掴むのが主なスタイル。
 
だが、インファイトはあまり得意ではなく、近場での対応は基本的にクリンチのみ。
相手を下がらせてナンボの選手なので、パワーで遅れをとると厳しいのではないか。
 
そして、この相手であれば、伊藤が負けることはまずなさそう。
恐らく中間距離での差し合いではパワーと手数両面で圧倒できるし、フィジカル的にももみ合いで押し込まれることもなさそう。
 
また、伊藤のバネとカウンターセンスがあれば、普通に距離をとってのリターン狙いでも十分優位な展開に持ち込める。
 
だいたいそんな感じで、伊藤の11RKOを予想していた次第である。
 
「伊藤雅雪vsシュプラコフ予想。勝てるでしょ。初防衛できるでしょ。伊藤がパワーでねじ伏せるんじゃない? しかもカッコいいし」
 
結果的には7Rで試合が終わったのだが、マジで想定内の選手だったなと。
普段は「思った以上に◯◯だった」「◯◯な作戦できたのは意外だった」等、いくつか想定外の展開があるのだが、今回に関してはそんなこともなく。
 
想像していた通りの選手が、想像よりもすこし早く負けた試合だった。
 
「カーン様がクロフォードに勝つ日がやってきたぞw カーンは打倒クロフォードの可能性を持った数少ない1人」
 

何かを起こす工夫は見られた。序盤のインファイトは最善策だったのかも

とはいえ、挑戦者シュプラコフもできる限りの工夫をしていたとは思う。
 
リーチで下回り、フィジカルで下回り、踏み込みのレンジで下回り、カウンターの精度で下回り、1発の威力で下回る中、どういう作戦を選択するかに注目していたのだが、なるほどと。
 
中間距離で打ち合ってもパワー負けする。
近場ではクリンチ以外にできることがない。
距離をとってのカウンターはリーチ差があって届かない。
 
「井岡完敗やな。ニエテスが凄すぎた。個人的には111-117かな。インファイトで歯が立たないのは予想外だった」
 
スペック的に全局面で劣る中、シュプラコフが選んだ作戦は至近距離でのもみ合い
 
伊藤が自らのリーチを活かせない位置で対峙し、押し合いで体力を奪う。
先に伊藤がガス欠を起こせば、前に出て得意の連打につなげるし、少なくともあの位置であれば伊藤の右が飛んでくることはない。
 
確かにアレが「物足りない」シュプラコフのできる最善策だったのかもしれない。
 
「伊藤雅雪vsジャメル・ヘリング予想。クソアウェイでがんばれ伊藤雅雪。てか、ヘリングに豪快に裏切られたことがあるんだよなw」
 
ただまあ、あまりにインファイトが苦手過ぎたよな。
解説の長谷川穂積も言っていたように、ガードを上げて近づいてのクリンチのみではポイントにはならない。
 

カウンター狙いへの切り替えがよくなかったかな。どんな意図があったかは不明だが、結果としてアレがストップを早めた?

そして、5Rからは距離をとってのカウンター狙いへ切り替えたシュプラコフ。
結果として、あの選択がストップを早めた気がする。
 
もみ合いで体力を奪われたのか、陣営の作戦だったのかは不明。だが、あの選択によって伊藤が腕を振るスペースを確保し、シュプラコフのピンチが広がってしまった感が強い。
 
伊藤は身長174cmとこの階級では長身の部類で、なおかつファイターのクリストファー・ディアスにも当たり負けしないフィジカルの持ち主。
初回にリング上で向き合った瞬間、シュプラコフとは同じ階級に思えないくらいの体格差があった。
 
その伊藤に中間距離で腕を振るスペースを与えるのはあまりに危険。
案の定、ロープを背負わされた状況でボディと顔面に連打を浴びる流れに。
 
何とも言えないところだが、勝負どころで一番悪い作戦を選んでしまった印象かなと。
 
「井上拓真は軽量級のキース・サーマン襲名ってことでいいよな? ペッチ・CPフレッシュマートに判定勝利で初戴冠」
 

センス抜群のカウンター。覚醒した伊藤の押し引きはすごいよね。次戦も楽しみにしておくよ


あとはまあ、やっぱり伊藤のカウンターの精度はすばらしい
本来、この選手の持ち味はセンス抜群のカウンター。中間距離で相手を塩漬けにしてこそのファイトスタイルである。
 
前戦でもダウンを奪ったパンチばかりが強調されていたが、流れの中でカウンターをヒットするシーンは何度も見られた。
今回の試合でも打ち合いの中でスッと引いてカウンターを合わせるシーンが幾度かあり、そのつどシュプラコフが怯む姿が印象的だった。
 
「伊藤雅雪がディアスを下して王座戴冠。だから男は顔だとあれほど…w 日本人のレベルが低いとか絶対嘘だからな」
 
パワフルな連打だけではない、こういう押し引きのうまさも伊藤雅雪のいいところ。
 
練習環境を米国に移し、強靭なフィジカルと前に出るメンタルを身につけた。
数年前に比べていろいろな面で覚醒している気がする。
 
ちなみにだが、次戦を米国で開催するなら相手は誰になるのか。本田会長によるといきなりの統一戦はむずかしいとのことだが。
 
何となくミゲル・ローマン、ジェイソン・ソーサ、レネ・アルバラードあたりかなぁと勝手に想像しているのだが。
 
ああ、でも何気に元フェザー級王者のリー・セルビーも各団体の上位にランクインしてるんだな。
米国開催なら99%ないだろうけど、セルビーと日本人選手との絡みも観てみたい。
 
「ボクシング記事一覧リンク集」へ戻る
 
 
 
 
 
 

 

 

 

 
 

 
 
【個人出版支援のFrentopia オンライン書店】送料無料で絶賛営業中!!