嗚呼ゴロフキンww マーティロスヤンがんばったけどな。ゴロフキンの衰え? あると思います【結果・感想】

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2018年5月5日(日本時間6日)、米・カリフォルニア州で行われたWBAスーパー、WBC世界ミドル級タイトルマッチ。3団体統一王者のゲンナジー・ゴロフキンが、WBA12位のバネス・マーティロスヤンと対戦。2R1分53秒KOで勝利し防衛に成功、同級最多記録の20連続防衛を果たした試合である。
 
「アルバレスvsゴロフキン再戦を予想する。まあ、いろいろなことは水に流して楽しくいこうやww」
 
初回からシャープなジャブで前に出るゴロフキンに対し、マーティロスヤンはカウンターで対抗。ゴロフキンの左に左を被せ、得意の連打を打たせない。
ラウンド終盤、きれいな左をヒットするなど、上々の立ち上がりを見せる。
 
だが、2Rに入ると圧力を強めたゴロフキンに押され、リターンを返しきれなくなる。
容易に懐に入られ、ゴロフキンの左を浴びて後退。劣勢の状況が続く。
 
そして最後はロープ際でラッシュを浴び、たまらずダウン。そのまま立ち上がれずに10カウントを聞く。
 
勝利したゴロフキンは、試合後のインタビューで「ベルトを奪いにきてほしい」とコメント。どんな相手の挑戦でも受ける意向を示している。
 
「チャーロ兄圧勝やね! センテノを2RKOに沈めて暫定王座獲得。村田諒太との違いが明確でおもしろかった。フィジカル上位の優位性」
 

ゴロフキン圧勝だったぜ。やっぱりこの選手の試合はおもしろいな。ハズレがないよね

2017年9月以来のリングとなったゴロフキン。
カネロとの再戦が流れ、急遽代役を務めたマーティロスヤンを寄せ付けず、盤石の勝利である。
 
ただ、個人的にこの試合にはテンションが上がらず、当日になっても「ああ、そういえば今日だったな」程度。相手のマーティロスヤンという選手をよく知らなかったのはもちろん、カネロ界隈のゴタゴタのせいでお腹いっぱいだったというのが大きい。
 
なので、「まあ、やるなら観ますか」的なノリで視聴したわけだが、普通におもしろかったww
 
うん。
何だかんだでゴロフキンの試合はおもしろい。
積極的に倒しにいく姿勢はもちろん、ファイトスタイルも「帝王感」満載なのがいい。
 
試合後のコメントも「2Rは本気を出しました」だっけ?
その強気を崩さない鉄壁メンタルもまた……。
 
ホントにこの選手の試合にはハズレがないというか、誰かに薦めるにはうってつけの選手だなと。
 
「岡田博喜にとってのベルトランは最悪な相手だったな。9RTKO負けで初敗戦。経験値と慣れと強者のメンタル」
 

マーティロスヤンはがんばったと思う。中間距離でのゴロフキン対策がうまく機能していた。まあ、ダメだったけどさ

対戦相手のマーティロスヤンについては、こちらもよくやったのではないか。
 
申し上げたように、今回の試合でマーティロスヤンが狙ったのは打ち終わりのカウンター。
 
ゴロフキンの1発目に間髪入れずにカウンターの左を被せ、連打の発動を抑え込む。
ゴロフキンの圧力を事前にストップし、距離をキープしたままリング中央で勝負する。
 
ゴロフキンの最大の持ち味である前に出ながらのコンビネーションの発動を未然に防ぐ作戦。似たようなパターンとしては、2013年の石田順裕戦がそれに近い。
 
「亀田興毅現役最後の復帰戦を観に後楽園ホールに行ってきた。あ、目的は亀田和毅の試合です」
 
そして、実際この作戦はかなり機能していた。
1Rのゴロフキンはほとんど連打を出せずにいたし、ラウンド終盤にはいいタイミングでマーティロスヤンの左がヒットしている。WOWOWエキサイトマッチの解説者も、1Rはマーティロスヤンのラウンドだと言っていた。
 
カネロのようなカウンターパンチャーでもなく、ウィリー・モンローJr.のようなハンドスピードもない。なおかつダニエル・ジェイコブスのように大きな身体で動き回る体力もない選手にとって、この作戦はゴロフキン攻略の一つの答えなのだと思う。
 
ただ、以前にも申し上げたようにこの作戦はむちゃくちゃキツい。
相手の1発目にカウンターを合わせまくる集中力はもちろん、純粋な耐久力勝負、フィジカル勝負になるのでどうしても後半の失速は免れない。
 
また、真正面から圧力を受け止めるので、相手次第であっという間に破綻する危険性も伴う。
 
現にこの試合でも、2Rにペースを上げたゴロフキンにマーティロスヤンは対応しきれず、あっさり吹き飛ばされている。
 
よく見ると、2Rのゴロフキンは1発のジャブに力を込め、それをダブルで打つことでカウンターのタイミングを封じている。しかも、頭を低くして前進しながらの連打。
 
こういう細かい工夫をされるとマーティロスヤンとしては厳しい。
立ち上がりはうまくいっていたゴロフキン攻略法だが、あっという間に見る影もなく崩壊してしまった。
 
「もはや芸風w レイ・バルガスがフラフラでアザト・ホバニシャンを退ける。お前はそれでいいよw 実写版間柴了の試合はおもろいw」
 

ゴロフキンが衰えたって? 何を言ってるんだ。僕もそう思うよww

なお、最近よく言われるゴロフキンの衰えについてだが、これはぶっちゃけあると思う
 
具体的には下半身。
割とガチで、この部分の衰えは隠しきれないところまできている気がする。
 
ジャブを出しながら距離を詰め、得意な間合いまで前進する。
相手の攻撃をパリングしつつ、淀みのない連打で追い詰めていく。
 
凄まじい圧力とスムーズなコンビネーションの両立がゴロフキンの最大の持ち味なわけだが、ここ数試合でそのバランスが崩れかかっている感が強い。
 
特に顕著なのが、ジャブを出しながら距離を詰める過程。
 
前進しながら左を出すのだが、下半身と上半身がうまく連動せずに距離が合わない。
大振りの左が空を切り、自分の拳に振られて身体が流れる。
前に出ようとする上半身に下半身がついてこないので、打ち終わりの踏ん張りが利かない。
 
今回の試合でも、1Rの1分25秒あたりで左フックを空振りしたままよろけるシーンがあったが、ああいう姿はこれまでのゴロフキンには見られなかったものではないか。
 
もちろんまだまだトップ中のトップには違いないが、数年前の盤石さが目減りしていることは間違いない(と思う)。
 
「村田がブランダムラを圧倒して防衛。お見事だった。てか村田の「目標はゴロフキン」発言にワロてまうんだがw 悪意はないけど」
 

下半身は大事だよね。ゴロフキンのようなタイプは特に。でも、ここから先のゴロフキンは見ものですよ。どうやって第二の全盛期を引っ張り出すか

そう考えると、やっぱり下半身は大事だよなと。
 
マイク・タイソンも服役によるブランクで足が衰えたし、ワンヘン・ミナヨーティンにも徐々にその兆候が見られる。ロマゴンは……ちょっと事情が違うかな?
 
ただ、これ系の選手にとっての下半身はマジで生命線で、常に前進し続ける分負担も大きいのだと思う。
 
もっと言うと、衰えたゴロフキンがこの先どうするかについてはかなり興味深い。
唯一最強のスタイルを継続できなくなった状況で、この選手がどんな判断を下すか。
 
ユリオルキス・ガンボアやノニト・ドネア、長谷川穂積のように、脳筋スタイルから脱却できずに尻すぼみになるか。ザブ・ジュダーやシェーン・モズリー、ロイ・ジョーンズのように全盛期の貯金だけで延命するか。
 
それともフロイド・メイウェザーやバーナード・ホプキンスのように「できないものはできない」と割り切るか。
 
もちろん今のままでも十分レジェンドだが、メイウェザーやホプキンスのような「レジェンドを超えた意味不明な何か」になるには、もう一枚脱皮する必要があるww
 
「ホプキンス引退!! ジョー・スミスにリングアウト負けで伝説に終止符。出がらし状態の51歳がラストマッチで豪快に散る」
 
というか、長期間第一線でやろうと思えば、どうしてもああいうスタイルに行き着くんだろうなとは思う。
 
カウンターをチラつかせて極力コンタクトを避け、本気を出すのはほんの一瞬。
遠い位置から1発当て、クリンチを駆使してヌルヌルと相手の動きを封じる。
消化不良のままラウンドを消費させ、何となく優勢を保って終わる。
 
メイウェザー、ホプキンス、アンドレ・ウォードなど。
いかに自分の体力を使わず楽に勝つか。ダメージを与えるより、自分がダメージを負わないことを最優先にポイントアウトするか。
 
正直、ロマチェンコが今の動きを30代後半までできるとは思えないし、ロイ・ジョーンズも足が動かなくなった途端にトップ戦線から脱落した。
 
どんな名選手にも路線変更を迫られる時期は必ずやってくるが、実際にできる選手は少ない。
 
しかもキャリア初期からそれをやってしまうと、リゴンドーやウォードのように不人気まっしぐら。だが、タイミングが合えばホプキンスのように仙人扱いされるし、口が立てばメイウェザーのようなヒールになれる。
 
この辺のバランスは本当に難しい。
 
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