イースターってこんなヤツなんだ。フォルトゥナに2-1で辛勝。顔が嫌いで観てなかったけど、インファイトしちゃうんだね【結果・感想】

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ウォールストリートイメージ
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2018年1月20日(日本時間21日)、米・ニューヨーク州にあるバークレイズ・センターで行われたIBF世界ライト級タイトルマッチ。
同級王者ロバート・イースターJr.が、ランキング13位で元WBA世界S・フェザー級王者ハビエル・フォルトゥナと対戦、2-1(114-113、115-112、113-114)の判定で勝利し、3度目の防衛に成功した。
 
 
長身を活かしたジャブとストレートで前に出るイースターに対し、フォルトゥナは持ち前のラフさで腕を振り回す。
 
「期待のライアン・ガルシアを観たのでその印象を。キラキラ七三プロスペクトはデラホーヤさんの大のお気に入り?」
 
鋭い右のストレートに合わせてカウンターを打ち込むフォルトゥナを高いガードとフィジカルで受け止めるイースター。
序盤から一進一退の攻防が続き、どちらも主導権を握れないまま試合は中盤へ。
 
「野獣ワイルダーがオルティスを豪快KO!! やべえ、おもしろかったww オルティスは勝たなきゃダメな試合だったな」
 
序盤の勢いが若干衰えロープに詰まるシーンが増えたフォルトゥナだが、足を使ってサイドに回ることで致命打を避ける。
 
ともに決め手を欠いた状態で最終ラウンドのゴングが鳴り試合終了。
わずかにヒット数で上回ったイースターが2-1の判定で勝利し、辛くも3度目の防衛を果たした試合である。
 
「スペンスがピーターソンを圧倒してギブアップ防衛。ボコボコやねピーターソン。スペンスは階級アップした方がよくね?」
 
なお、この試合は前日計量でフォルトゥナが体重超過により失格。イースターが勝利した場合のみ王座防衛となる変則ルールで行われている。
 

イースターが普通に圧勝すると思ってました。思いのほか拮抗した試合で驚きました

まず今回の率直な感想だが、普通におもしろかった
 
「ダニー・ガルシアがリオスをKO! はぁ~、すっごい。パワーレスなくせにカウンターはヤバいw 村田vsカネロもこんな感じ?」
 
予想記事でも申し上げたように、僕はロバート・イースターが圧勝すると思っていた。
両者のスペックを比較すると、どう考えてもフォルトゥナに勝ち目は薄い。
特に上背の差は顕著。それこそ前回のデニス・シャフィコフ戦と似たような展開になるのではないか。
むしろ連打とプレスで押し切るタイプではない分、フォルトゥナにとっては厳しい試合になるかも? などと予想していた。
 
「フォルトゥナがイースターに挑戦だ? これまた厳しいお話で…。あんな全部のパーツが長いヤツの顔にパンチが当たるんかいな」
 
だが、結果は大接戦の末にイースターの辛勝。
フォルトゥナのがんばりは予想以上で、イースターの試合運びはそれ以上に意外だった。
 
 
開始直後にリング中央で対峙する両者を観て思ったのが、
「遠いなオイ」
 
L字気味の構えでジリジリ近づくイースターに対し、フォルトゥナはガードを上げてサイドに回りながら距離をとる。
 
そして、イースターの放った左ジャブが、ナイフのような鋭い軌道でフォルトゥナの鼻先をかすめる。
 
「ま~た誰得マッチww サンダースvsマーティン・マレー。痛いの大っ嫌い。絶望的に退屈で平和な試合」
 
さらにイースターが半歩距離を詰め、同じタイミングでのワンツー。
今度は2発目の右がガードの間をすり抜け、フォルトゥナの顔面をわずかに跳ね上げる。
 
「ヘビー級のビッグマン無双を打破するには? ワイルダー、ジョシュアの2強を打倒するてっとり早い方法を考える。新階級設立?」
 
おお、すげえ。
この距離で届くんかいww
どんだけリーチあるんだよww
 
1Rの数十秒の攻防を観て、僕はほぼイースターの勝利を確信した次第である。
「うん、これは普通にワンツー出してりゃ終わるでしょ」
 
と思っていたら、どういうわけか積極的に前に出て打ち合いを挑むイースター。
 
腰を落として足を踏ん張り、わざわざフォルトゥナのスイングが届く位置まで顔を下げる。
リーチがある分パンチは外旋回で、フォルトゥナのフックの方が先に到達する。
ロープ際に追い詰めてはいるが、たびたび顔を跳ね上げられる。
 
しかも、フォルトゥナのパンチをダッキングで避けるために身長差はチャラ。アドバンテージを積極的に放棄していく不思議なスタイルである。
 
 
僕は「イースターの勝ちだわww ハッハww」と鼻くそをほじりながら観ていたのだが、2R辺りから「おや? おかしいぞ?」と思い始めたのは内緒である。
 
「隠れ名選手グラナドス。フォルトゥナをリング外にすっ飛ばして無効試合。グラナドスはちょっと河野公平っぽいよね」
 

フォルトゥナとの身長差をまったく活かさず、インファイトを仕掛けたイースター。どんな意図があったのか

マジな話、今回のイースターはなぜ自分からインファイトを仕掛けたのだろうか。
 
「フォルトゥナごときをKOできないようでは話にならない」とでも思っていたのか。それとも予想以上にフォルトゥナの圧力が強く、前に出ないと巻き込まれてしまうと感じたのか。
 
普通に中間距離でカウンター合戦をやっていれば勝てると思っていただけに、インサイドでの打ち合いを挑むイースターというのはかなり意外だった。
過去の試合を観てもこの選手が至近距離に脆さがあるのは明白だし、どういう意図があったのか。
 
「木村翔が五十嵐を根元から粉砕。大振りで恐怖を植え付けて真ん中を右でドーン。圧巻の五十嵐対策でしたね木村翔」
 
むしろ、今回のようにKOを狙いにいくのが本来の姿ということだろうか。
リチャード・コミーやデニス・シャフィコフなど、前に出るのが得意な選手との対戦が続いたせいであまり目立たなかったとか?
 
それを「顔が嫌いだから」という理由で、僕が観ていなかっただけということか。
よくわからんです。
 
「田口すごかった。メリンドに完勝するとはね。負けるとか言って申し訳ないww 規格外のフィジカルと戦術の幅」
 

今回はフォルトゥナのベストバウト? ライト級にアップした効果はてきめんだった。体重超過して負けてちゃ話にならんが

惜しくも敗れたハビエル・フォルトゥナについてだが、こちらはかなりよかったのではないか。
 
遠い位置で対峙し、飛び込みのタイミングを測る。
イースターの右の戻り際に合わせて踏み込み、鋭いカウンターを叩き込む。
さらに1歩距離を詰め、インサイドで連打を浴びせる。
後頭部でもお構いなしに腕を振り回し、ついでにイースターのイライラを誘う。
 
「ダニエル・ローマンvsフローレスがちょっと楽しみな件。フローレスのフルスイングがドンピシャで当たればひょっとして…」
 
従来のスピードと踏み込みのレンジはそのままに、上半身のゴツさが増して力強くなった印象。階級アップによってコンディションが良化し、調整が成功したということか。
 
体重超過はマジでしょーもないが、結果的にはそれが功を奏した感じもする。
 
「挑発大好きサンダース君がレミューをヒラヒラかわして大差判定勝利。試合後にゴロフキン戦を希望」
 
もしかしたら、序盤のラフさもイースターのインファイトを誘発する陽動作戦だったのかも。
中間距離では明らかに分が悪いが、近場での打ち合いに持ち込めば勝機はある。
体力のある序盤に思いきりラフに行って、ややペースの落ちる中盤にインサイドでの打ち合いに勝負を賭ける。
自身のスペックと相手の特徴をよく理解した試合運びである。
 
「マティセ圧勝すげえ! テワ・キラムに何もさせずに8RKO勝利。レベルが違い過ぎたかな。ここまで圧倒するとは」
 
まあ、脳筋イキりマンのフォルトゥナにそんな計算ができるとも思えないのだが。
 
「それでも僕はレイ・バルガスを諦めないww ネグレテに大苦戦の末に判定勝利。やっぱりボロボロでしたね」
 
そして、やはりこの選手の一番の持ち味はカウンター。
それも今回は踏み込んでのカウンターではなく、至近距離の打ち合いの中でのカウンターが光っていた。
 
「マイキーvsイースター感想。イースターがんばった。マイキーは淡々と左を出し続けて勝利。やっぱりイースターじゃ厳しいよな」
 
上背を活かして覆いかぶさるようにプレッシャーをかけるイースターを、頭を下げて踏ん張るようにストップ。
肩と頭を使って強引にスペースを確保し、イースターのスイングに合わせてフックを返す。
 
「コバレフがシャブランスキーを倒しまくり再起戦に勝利。かっこええわ~コバレフ。やっぱり破壊神が王座にいないとね」
 
どん詰まりの状況で、ほとんど相手を見ずにヒットする当て勘。
身体能力の高さと瞬時の判断力はさすがとしか言いようがない。
 
「村田V1戦はブランダムラさんと横浜アリーナで。ええやん、東京ドーム開催に向けて前進してる。しかも勝てば次戦はアメリカだって」
 
ジェイソン・ソーサの重厚な圧力には屈したが、イースターごときのインファイトなら十分に効果を発揮するということか。
 
マジな話、今回の試合は2015年のブライアン・バスケス戦を超えるフォルトゥナのベストバウトだったように思える。このコンディションを維持できれば、まだまだトップ戦線に食い込む可能性もあるのでは?
 
「エジディウス・カバロウスカスとかいうウェルター級の井上尚弥。リトアニアの井上キタコレww」
 
まあ、体重超過した上で負けてりゃぁ世話ねえですがww
 
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