知ってた定期。ドネアがヤングを左フックで粉砕KO。やっぱりスピード&パワーが大正義。1発の威力がすべてをチャラにする【結果・感想】

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ルイジアナイメージ
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2019年4月27日(日本時間28日)、米・ルイジアナ州で行われたWBSSバンタム級トーナメント準決勝。WBA同級スーパー王者ノニト・ドネアがランキング5位ステフォン・ヤングと対戦し、6R2分37秒KOで勝利。王座防衛を果たすとともに、トーナメント決勝進出を決めた一戦である。
 
 
WBO王者ゾラニ・テテの負傷欠場により、急遽代役としてリングに上がったステフォン・ヤング。
序盤は軽快な動きでドネアのプレッシャーをかわし、たびたび左のカウンターをヒットする。だが、3Rから徐々にドネアのプレッシャーが強まり、ヤングが防戦一方に。何度もロープに詰められ、そのつど足を使って距離をとる苦しい展開が続く。
 
そして迎えた6R。
意を決したヤングが流れを変えるために足を止めてリング中央で打ち合いを挑む。ドネアの危険なスイングをかいくぐりながら左をカウンターでヒットしていく。
 
だがラウンド後半、右ガードが下がった一瞬にドネアの左フックがヤングの顔面を捉える。
必殺の一撃をモロにもらったヤングは仰向けに倒れ、そのまま立ち上がれず。レフェリーもカウントを数えることなく試合をストップし、ドネアの勝利を宣言した。
 
 
これで決勝進出を決めたドネアは試合後、決勝で井上尚弥とエマヌエル・ロドリゲスどちらと戦いたいかを聞かれ、「日本が大好きで井上尚弥を尊敬しているので、井上尚弥と対戦できたらすばらしい」とコメントしている。
 
「ロドリゲスvsウォーレン予想。両者の復帰戦が挑戦者決定戦。挑戦者が渋滞してるけど、どういうこと?」
 

ドネアの順当勝ちかーい!! これだけ待たせて看板選手も欠場したのに、特にオチもなく…

散々待たされた挙句、WBO王者ゾラニ・テテの欠場によってテンションがダダ下がりのWBSSバンタム級準決勝。代役に抜擢されたステフォン・ヤングに無理やり期待してみたのだが、結果はドネアの6RKO勝利という順当な結果に。
 
何となく予想はついたとはいえ、あまりに起伏のない結末に個人的には興ざめである。
 
「ゾラニ・テテ負傷欠場w 散々待たせてドネアvsステフォン・ヤングて。WBSSしょっぱ過ぎる。二度と真の王者()とか語るんじゃねえw」
 
てか、すまんWBSS。
一生懸命やっているのはわかっているし、財政難が報道されながらもどうにか開催にこぎつけたのはすばらしいと思う。
 
それを踏まえた上で、僕にはすべてがネタにしか見えなくなっているのが……。
 
荘厳な雰囲気の入場シーンも、黒を基調としたクールなリングも。
 
「ちょっと電球の数を間引こうぜ」
「少しぐらいワット数落としてもバレないでしょ」
「そういえば、あっちの業者の方が安く搬入できるらしいよ」
「ヤングの台、もうちょっとちゃちくてもいいよ」
裏でこんな会話があったりするのかなぁ? などと想像すると、どうしても笑いがこみ上げてきてしまうww
 
 
いや、ホントに申し訳ない。悪気があるわけでもなく、これは完全に僕個人のせい。
 
ただまあ、公式YouTubeも5ヶ月前から呼吸してねえし、マジで金がないんだろうなと。会場を押さえて選手を確保するだけでいっぱいいっぱいなんだろうなと。
 
正直ここまでネタ満載のイベントなら、ヤングがドネアに勝つというサプライズがあってもいいんじゃねえか? とすら思っていた次第である。
 
って、そこはドネアが勝つんかーいww
 
「田中恒成がゴンサレスを7RTKO。だから田中は近場の差し合いで勝負する選手だと8億5248万5年3ヶ月前から言ってる」
 

ステフォン・ヤングは小さ過ぎたわな。1発の威力でドネアをビビらせられなかったのがすべてかな

まあ、くだらん話はともかく。
試合の感想としては、「やっぱりそうなりますよね」としか。
 
前回の予想記事で、
「ステフォン・ヤングはぼちぼちいい」
「身体能力系のサウスポーはドネアの苦手なタイプ」
「パンチとフィジカルが通用すればまさかもある?」
などと申し上げたが、ちょっと厳しかったなと。
 
「ガンボアvsマルティネス感想。そういうことやぞ。S・フェザーならドネア方式でいけるんだよ」
 
特にパワー面がほとんど通用しなかったのは痛い。
 
「もらったらヤバいと思わせられるパンチ力があれば」
→ありませんでした。
 
「身体全体のフィジカルで対抗できれば」
→できませんでした。
 
ステフォン・ヤングは身長165cm、リーチ170cmと、この階級では小柄な部類。18勝のうちKO勝利が7という戦績からも、決してパワフルなタイプとは言えない。フェザー級でタイトルマッチを経験しているドネアとはリング中央で向かい合った時点でかなりの体格差を感じた。
 
踏み込みのレンジもそこそこ。
当て勘、よけ勘もそこそこ。
身体能力もそこそこ。
しかもサウスポー。
 
一応、ドネアを攻略できそうなネタは揃っていたのだが、もっとも重要なパンチ力、フィジカル面が絶対的に不足していた。
常々「スピード&パワーこそ大正義」などとほざいている分際で、そこを覆せるんじゃねえかと期待した僕の無能っぷりがまたしても露呈されてしまったww
 
「カネロがジェイコブスに辛勝。相手のよさを消すのが得意なジェイコブス。カネロ打倒一番手はまさかのアイツ?」
 

立ち上がりはまあまあよかったんだけどね。ドネアの弱点をうまくついてカウンターを当ててた

一応申し上げておくと、立ち上がりのヤングはそこそこよかったと思う。
 
適度に距離をとり、前手の右でドネアをけん制。
時おり遠い位置から左をカウンターでヒットし、すぐさま離れる。
 
一瞬の爆発力と左フックの強打に依存するドネアを封じる作戦としてはバッチリだった。
 
ただ、いかんせん威力がない。
左を当ててもドネアは効いたそぶりも見せず、何事もなかったように前進を続ける。それどころか、顔面にもらった直後にも関わらず強引に右を降り下ろし、逆にヤングを後退させてしまう。
 
そのせいで2R以降のヤングは右が極端に減り、左のカウンターも踏み込みが足りない。その分、ドネアに無遠慮な前進を許し、ガードで手一杯になるという悪循環。
 
「井上尚弥vsドネア予想。ドネアはぶん回しの1発を当てるしかなさそうだけど…。開催地なんて日本以外ないのに何やってたんだろな」
 
足を使って距離を取るヤング。
だが、ドネアは動じることなく最短距離で間合いを詰め、ロープ際で腕を振る。
ヤングもギリギリでコーナーから脱出するが、そこから反撃に転ずる余裕はない。
 
うん、アカンな。
パワーが違い過ぎてなすすべがない。
この階級のドネアはハードパンチャーだと言われているが、それがそのまま出ている感じ。
 
S・バンタム級のジェシー・マグダレノは1発の脅威でドネアの出足を止めることができたが、残念ながらステフォン・ヤングには不可能だった。フィジカルに余裕がある分、ドネアがめちゃくちゃ頭脳的なファイターに見えてくるというね。
 
「ジョシュ・テイラー圧勝…。バランチェクに風は吹かず。リードとインファイトに差があり過ぎた。vsプログレイスはどうだろうな」
 

6Rに意を決して打ち合うもKO負け。まあ、しゃーないわな。あの流れでジリ貧になるよりもいい作戦だった


ラストの6RKO負けについては、正直仕方ないと思う。
 
あのラウンドはヤングも意を決して打ち合いを挑んでいたし、ドネアの左フックをもらうまではいいパンチを当ててもいた。
足を使ってジリ貧になるよりよっぽど可能性のある選択だった。
 
とは言え、やはりパワー不足は顕著。
1発当ててもドネアは怯まず、躊躇なくパンチを返す。
ヤングもギリギリの見切りで対処するが、徐々に押される展開に。そして、ガードが下がった一瞬にフィリピーノフラッシュを被弾し、ジ・エンド。
 
残念ながら、この試合は2Rにプレッシャーでヤングの右が出なくなった時点で勝負ありだった感が強い。ここまで鮮やかな結末を予想したわけではないが、ステフォン・ヤングが勝利する姿をほとんど想像できなかったことも事実である。
 
「ゾラニ・テテvsノニト・ドネア予想。さすがにテテが無難に勝つんじゃないの? ドネアがムザラネになれるとは思えないのが…」
 
もう少しサイズがあれば。
もう少し右に威力があれば。
もう少しカウンターの精度、危険度が高ければ。
 
すべての局面で「これがゾラニ・テテならなぁ」と思わされるシーンばかりだった。
 
 
なおこれは余談だが、今回のWOWOWエキサイトマッチの中継はなかなかよかった。
 
実況に赤平なんたら、進行に増田なんたら、解説陣は浜田剛史、西岡利晃、山中慎介の3人。
 
そうそう。
年齢層的にはこういう感じが一番バランスがいい。
これで浜田剛史をフワーッと卒業させることができれば、エキサイトマッチの世代交代も成功と言える。番組としても前進できるし、過去の遺産にしがみつくよりずっといい。
 
という僕の単なる感想
 
てか、西岡利晃ちょっと太ったか?
 
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