大激戦のバルテレミーvsキリル・レリク!! まさかの苦戦のダークヒーロー、バルテレミーはクロフォード打倒を果たせるか?【結果・感想】

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メリーランド日没
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2017年5月20日(日本時間21日)に、米・メリーランド州で行われたWBA世界S・ライト級挑戦者決定戦。
同級1位キリル・レリクと2位ランセス・バルテレミーが対戦し、3-0(116-111、115-111、117-109)の判定でバルテレミーが勝利。次期挑戦者に名乗りを上げた試合である。
 
序盤からスピードと手数で襲いかかるキリル・レリクに対し、スイッチを繰り返しながらテクニカルに迎撃するバルテレミー。
実力者同士の好勝負となったこの試合、バルテレミーがやや押し気味の展開で進むが、5Rにレリクがカウンターをヒットしてスタンディングダウンを奪う。
 
だが、バルテレミーも6Rから距離をとり、的確なリカバリーを見せる。
 
後半、前に出て打ち合うレリクに対し、バルテレミーはボディを中心に突進を止める。
 
激しいペース争いが続き、一進一退のまま12R終了のゴングが鳴る。
結果は予想以上に大差がついたが、それでもお互いが持ち味を十二分に発揮した大激戦だった。
 
「こっそり名試合ウォーリントンvsキコ・マルチネス!! 村中vsヤファイの裏で2017年最高試合出たか?」
 

バルテレミーvsキリル・レリク大激戦の末にバルテレミーが勝利! いや、いい試合過ぎて大満足ですよ

バルテレミー辛勝!!
大激戦の末にキリル・レリクを判定で退ける!!
 
いや、すごい試合だった。
僕の好きなバルテレミーさんの久しぶりの試合ということで注目していたのだが、予想をはるかに超える好試合だった。
 
同日に行われたゲイリー・ラッセルJr.vsオスカル・エスカンドンのWBC世界フェザー級タイトルマッチと合わせて、すばらしいイベントだったのではないだろうか。
地味だけど。
 
「はあ、ラッセルたん…。エスカンドンを接近戦で圧倒して勝利!! この試合好き過ぎて、もう5回くらい観てるw」
 
先日も申し上げたが、こんなすごい2試合がほとんど話題にならずにスルーされていることが哀しい。もっと各所で盛り上がってもいいと思うのだが。
 
特にこの試合は判定に物議を醸しているとのことで、村田vsエンダムと共にWBAから再戦指令が出ているとか。
確かにあれだけの激戦でこんなにポイント差がつくか? とは思ったが、それも含めてもっとギャーギャー言ってもいいような気がしている。


まあ、村田vsエンダムについては、さすがにしつこいのでどうでもよくなってますけどね。
 
「村田vsエンダム感想。疑惑の判定負け? 素人がプロに口出すな。やったことがないヤツが語るな」
 
とにかく両者ナイスファイト。
最後までまったく気の抜けない試合で、ラッセルvsエスカンドン戦を含めてテンション上がりっぱなしである。
 
「バルテレミーvsレリク、グローブスvsユーバンクJr.を観たので感想を。バルテレミーさんの体調の悪さとグローブスの泥仕合ww」
 

キリル・レリクが予想以上にいい選手だった。あのバルテレミーをここまで追い詰めるとは

大激戦を制し、レリクとのサバイバルを勝ち抜いたバルテレミー。
 
とりあえず思ったのが、レリクが想像以上にいい選手だったということ。
 
「打倒井上尚弥筆頭アンカハスが帝里木下を迎えての防衛戦!! マックジョーに勝利した長身王者が今回もサウスポー対決に挑む」
 
前回のリッキー・バーンズ戦を観る限り、正直そこまでの強さは感じなかった。試合巧者のバーンズにうまくやり込められていた感じで、「レリクってこんなもんかな」と思っていた次第である。
 
だが、バルテレミーにあそこまで肉薄するのだから普通にすごい。
体調がすこぶるよかったのかもしれないが、バルテレミーを相手に勝利まであと一歩に迫れるのだから、実力は間違いなしである。
 
「インドンゴがバーンズ討伐を果たして王座統一。おもしれえ試合ww 野生動物のようなインドンゴにビックリ」
 

接近戦のレリクと中間距離のバルテレミー。レリクの突進力がバルテレミーの予想を上回っていた

今回の試合、恐らくレリクの作戦は接近戦。
遠い距離ではバルテレミーの長いジャブに塩漬けにされると判断したのだろう。ガードを上げて距離を詰め、至近距離でのスピード勝負に持ち込む作戦だったのではないだろうか。
 
そして、その作戦はかなり機能していた。
 
前に出てプレッシャーをかけるレリクに対し、バルテレミーは中間距離で削る作戦。
スイッチを繰り返しながら長いジャブとストレートでレリクの出足を止め、自分のパンチだけが当たる位置で対峙する作戦である。
 
距離が詰まれば1発1発のパンチに力を込め、極力レリクを懐に入れさせない。ボディとフックの連打、さらに身体のパワーで何とかなるだろうと考えていたはず。
 
「レミュー左フック一閃!! スティーブンスがスヤッスヤ。マザーの胸で安らかに眠れ」
 
ところが、レリクの突進力はバルテレミーの予想を上回っていた。
バルテレミーを上回るフルスイングでパンチを振り回し、被弾もお構いなしで距離を詰めるレリク。
前戦のバーンズ戦とは違い、足をどっしりと構えて前進するレリクに僕は少し驚いてしまった。
「お前、こんなこともできるんかい」「ピョンピョン跳ね回ってポカポカ打つだけじゃないんかい」みたいな。
 
「絶望の帝里木下。アンカハスに手も足も出ずにKO負け。完敗でしたね。ぐうの音も出ないほどの一方的な試合」
 

階級アップによる相対的なフィジカル不足が目立ったバルテレミー。ライト級までの怪物感が薄れたな

僕は今回のマッチメークを聞いた際、高確率でバルテレミーの勝利だと思っていた。それも、そこそこ一方的な展開で。
 
「クロフォードww インドンゴをボディ一閃!! 4団体統一戦に3RKO勝利。ナミビアのシンデレラストーリーを破壊する」
 
ところが結果は見ての通り。
勝つには勝ったが、バルテレミーにとってはキャリア最大の苦戦と言っても過言ではない。
 
僕が観た印象を申し上げると、階級アップによる単純なフィジカル不足が原因ではないだろうか。
 
「クロフォードvsインドンゴの統一戦予想。クロフォードのランニングスキルとインドンゴの踏み込みに注目」
 
S・フェザー級、ライト級のバルテレミーは本当にいい選手だった。
上背がありパワーもある。遠い距離で相手を塩漬けにすることもできるし、クロスレンジでもインファイターに打ち負けないフィジカルを持ち合わせる。しかも自由自在にスイッチしてかく乱するくせ者で、ひと言で言えば「何でもできる」
 
負ける姿が想像できない、そのくせ存在は地味。まさしくダークヒーローという名がピッタリの選手だった。
 
「マイキー・ガルシアがズラティカニンにKO勝ち。空中で失神してゆっくり崩れ落ちる衝撃映像」
 
だが、S・ライト級にアップした今回、諸々のアドバンテージが目減りした感が強い。
特に目立ったのがパワー面の相対的な不足。
至近距離での打ち合いで、あそこまで苦労するバルテレミーというのはこれまで見たことがない。
 
目一杯腕を振っているのにレリクの出足が止まらない。
頭を下げてのもみ合いで押し返される。
 
「至近距離で顔面にもらいそうだな」と思っていたら、案の定カウンターを被弾。マジな話、よくあの状態から持ち直したと思う。
 
「木村翔はワシが育てたww ゾウ・シミンにアウェーでジャイアント・キリング!! 大観衆の前で中国の英雄にTKO勝利」
 
中間距離の差し合いで、相手がフッと力を抜いた瞬間を狙うのが得意なバルテレミーだが、今回に関してはそのパンチの効きが悪く、逆にピンチに陥るきっかけになっていた。
 
ダウンを奪われて以降、ガードへの意識を高め、ボディを中心に何とか生き延びたバルテレミー。
だが、S・ライト級でいきなりキリル・レリクというのはかなり無理があったのではないだろうか。
 
「マイキー・ガルシアvsブローナー決定!! マジかよスゲー試合だよこのマッチメイク。体重超過あり?」
 

バルテレミーは打倒テレンス・クロフォードを果たせるか? 今回の試合を観る限り、ちょっと厳しいかなと

個人的にバルテレミーは打倒テレンス・クロフォードの一番手だと思っていたのだが、今回の試合を観る限りちょっと厳しいかなと思い始めている。
 
「スペンス圧勝!! ケル・ブルックを一方的にコントロールしてウェルター級最強対決に勝利」
 
理由は申し上げたように、階級アップによるフィジカル不足。
キリル・レリクのパワーにあれだけ苦労するようだと、クロフォードのナイフのようなジャブに切り刻まれて終わりな気がする。
中間距離での差し合いならバルテレミーに分があると思うが、その状況まで持ち込むことができるか。今のままだと相当難しいように思えるが、どうだろうか。
 
「ロマチェンコ攻略の糸口見っけ? マリアガボッコボコ。今日も対戦相手をオモチャにして遊ぶ」
 
ちなみにだが、同日行われたテレンス・クロフォードvsフェリックス・ディアス。
クロフォードのジャブに削られ続けたディアスが10Rに棄権するという試合だったが、「さすがクロフォード」のひと言である。
 
「マティセ圧勝すげえ! テワ・キラムに何もさせずに8RKO勝利。レベルが違い過ぎたかな。ここまで圧倒するとは」
 
と言っても、わざわざ記事にしようと思うほどでもなく、「あのジャブが通用する相手にはホント強いよなクロフォード」という感想しかない。
 
基本的にクロフォードという選手はリーチ差、フィジカル差がある相手には無類の強さを発揮する。ディエリー・ジャンやヘンリー・ランディ、そして今回のフェリックス・ディアスなど。
 
「クロフォードがモリナに圧勝! でもスター候補がそれでいいのか? ホントに強いのかクロフォード」
 
リーチ差やフィジカル差を活かしてジャブで突き放して突進を封じる。遠目から削りまくって徐々にダメージを蓄積させ、最後はギブアップに近い状態に追い込む。これがこの選手の必勝パターンである。
 
「トロヤノフスキーが挑戦者決定戦に勝利。ポルティージョを1RKOで下して次期挑戦者に名乗り。ホントに内山高志に似てる」
 
逆に体格やフィジカルで優位性を保てない場合は、ひたすら持久走でのポイントアウト狙い。2016年のビクトル・ポストル戦や前回のジョン・モリナ戦がそれに当たる。
 
強烈なジャブで相手の出足を止め、ダメージを蓄積させる。
そこを突破された場合は足を使ってランナウェイ。
この二段構えがクロフォードの基本的なスタイルである。
 
「クロフォードがポストルに大差判定勝利!! ん? クロフォード圧勝? むしろポストル勝てたんじゃないのか?」
 
なので、やっていること自体は実は井上尚弥やレイ・バルガスと近い。彼らは強烈なフィジカルで不器用さを補っている分、若干イメージは違うのだが。
 
「井上vsリカルド・ロドリゲス感想。だーめだ、ムリムリ無理無理。無謀な挑戦お疲れロドリゲス。井上はさっさと階級上げなさい」
 

誰がクロフォードを止めるのよ? インドンゴ? アントニオ・オロスコ? ポストル? パッキャオ以外で誰かいないの?

つまり打倒クロフォードを果たすのは、あのキレッキレのジャブを突破するだけのフィジカル。そしてクロフォードのランを追いかける圧力を持つ選手。理想を言えば、ロマゴンやゴロフキンのようなタイプである。
 
「ジェイコブス大健闘!! ゴロフキンのKO記録をストップ!! でもがんばった止まりかな。倒し方は見えたけど」
 
しかも、クロフォードの左構えにも戸惑わない応用力を兼ね備える必要がある。
 
「マイキー・ガルシアがブローナーに判定勝利。階級の壁をちょっと感じたかな。ブローナーもよかったよね?」
 
そう考えると、いくらバルテレミーでもクロフォードを捉えるのは難しいように思える。相対的にフィジカルが目減りしたS・ライト級では特に。ライト級ならまだ可能性があったのかもしれないが。
 
う〜ん、やっぱり階級最強かなぁこの人。
対戦が噂されるジュリアス・インドンゴも難しいだろうし、勝てそうな選手が見当たらない。一応タイプ的には僕の好きなアントニオ・オロスコさんが近いのだが、まったく可能性を感じないというのがね……。
パッキャオなら何とかしてくれるように思えるんだけど、そういうことじゃないんだよな。
 
「オロスコ完勝! ケアンドレ・ギブソンをパワーで圧倒する。おお、この勝ち方はいいんじゃないか?」
 
いや、マジで何とかしてもらいたい。
今のままだと、もっともクロフォードに肉薄したのがユリオルキス・ガンボアということになってしまう。
そんなことが許されていいわけがないww
 
「ガンボアvsカステリャノス感想。ガンボアの身体がデカ過ぎてアレだった。ところで内山の今後は?」
 
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