僕のジョシュ・テイラー優勝! プログレイスを僅差判定で下す。WBSS S・ライト級おもしろかったな。運営はグダッてたけど【結果・感想】

僕のジョシュ・テイラー優勝! プログレイスを僅差判定で下す。WBSS S・ライト級おもしろかったな。運営はグダッてたけど【結果・感想】

ロンドンイメージ
「ボクシング記事一覧リンク集」へ戻る
 
2019年10月26日(日本時間27日)、英・ロンドンで行われたWBSS S・ライト級決勝戦。WBA同級スーパー王者レジス・プログレイスとIBF同級王者ジョシュ・テイラーの一戦が行われ、2-0(115-113、117-112、114-114)の判定でジョシュ・テイラーが勝利。王座統一に成功するとともに、WBSSトーナメント優勝を果たした試合である。
 
 
開始直後から前に出てインファイトを挑むテイラーに対し、プログレイスもパワフルな連打で応戦。序盤からボディ、顔面への鋭い打ち合いが展開される。
 
中盤に入っても一進一退の攻防が続くこの試合。
テイラーが距離をとって休むとプログレイスの連打が顔面を捉え、逆にテイラーが体格を活かして打ち下ろしを浴びせるとプログレイスの手が止まる。
 
両者が一歩も譲らぬ激しいペース争いを繰り広げ、大歓声のまま試合終了のゴング。結果は2-0の僅差でジョシュ・テイラーが勝利し、見事王座統一を果たした。
 
「ジョシュ・テイラーvsコーンソーンキター!! 日本一のアピヌンファン(自称)の僕が全力で応援してやんよ、お?」
 

ジョシュ・テイラー優勝!! プログレイスが勝つと思ってました。予想当たらなすぎワロタw

WBSS S・ライト級トーナメント決勝戦。
 
ファイトマネーの未払いやトーナメントからの離脱宣言など。
しょーもない報道、噂も山ほどあった今大会だが、ゴタゴタの中でようやく行われた決勝戦を観たのでその感想を。
 
まず何よりいい試合だった
僕自身、今回はプログレイスが有利だと思っていたのでジョシュ・テイラーのがんばりには心底驚いたし、アウェイの中であれだけのパフォーマンスを見せたプログレイスにも感動した。
 
グダグダの運営には散々振り回されたものの、最終的にはロンドンの熱狂的な声援の中で大団円となったのはよかったのではないか。
 
 
というか、予想がまったく当たらなくてワロタww
 
・勝敗予想はプログレイスの10RKO
ジョシュ・テイラーの僅差判定勝ち
 
・ジョシュ・テイラーが勝つとすればアウトボクシング
ゴリゴリのインファイト
 
・テイラー、vsサウスポー苦手説
まったく関係なし
 
・プログレイスのボディで後退させられるのでは?
どれだけもらっても怯まず
 
「ジョシュ・テイラーvsレジス・プログレイス訴訟で消滅? 実現すると思ってるんですけどね」
 
というか、ジョシュ・テイラーに関しては前回も「イバン・バランチェクに負ける」とかほざいたし、見る目がないことこの上ないww
 
散々「ジョシュ・テイラーはいいぞ」と抜かしておきながら寸前で予想を覆し、結果的に大恥をかくという体たらく。張りまくった予防線が見事に裏目に出る最低のパティーンである。
 

ジョシュ・テイラーがインファイトだと!? 野獣のようなプログレイスの強さに飲み込まれると思ってたけど

具体的には、やはりジョシュ・テイラーのインファイトがすごかったなと。
 
レジス・プログレイスの過去の試合を観る限り、この選手ははっきり言ってとんでもない。
準決勝で期待のキリル・レリクがなすすべなくやられるなど、生物的な強さは桁外れのものがある。それなりに穴も目立つものの、とにかく相手に恐怖心を植え付ける野性味を持った選手という印象である。
 
「やっばw プログレイスがレリクを顔面粉砕TKO。こんな一方的になるとは…」
 
対するジョシュ・テイラーは足を使うファイトもOK、近場の打ち合いもOKというオールマイティさが持ち味。
1回戦ではライアン・マーティンのプレスをさばききり、準決勝ではイバン・バランチェクの連打を精度の高い右リードで押さえ込んでみせた。
 
ただ、全体的にはスケール感がなくやや小粒。
生物としての純粋な強さ、爆発力を誇るレジス・プログレイスには圧力で飲み込まれてしまうのではないか。
勝つとすれば足を使ってのアウトボクシングだろうが、試合後半にプログレイスのボディで悶絶させられる結末が濃厚な気が……。
 
そんな感じの予想をしていたのだが、いや、まさか。最初から最後までインファイトで勝負するとは思わなかった。
 
僕のパウンド・フォー・パウンド(P4P)2020年4月バージョンを考えてみる。思いっきり好き嫌いに影響された独断ランキングだよん 
 

ガードの低いプログレイスに身体を寄せ、近場で手数とパンチの多彩さで勝負

プログレイスは基本、カウンターの選手。
ディフェンスはL字気味の低いガードと見切りが中心で、相手に先に手を出させてから攻撃を開始するのが通常のパターンとなる。
 
これに対し、ジョシュ・テイラーは自分からは手を出さずに距離を詰めていく。ガードを上げてフェイントをかけつつ、前後にステップしながらじりじりと近づく。
 
そして、プログレイスの左に合わせて大きく踏み込み、そのままインファイトに持ち込む。
 
なるべく斜に構えて身体の中心を晒さず、プログレイスの左ボディを背中で受ける。そのまま身体を寄せ、プログレイスの低い右ガードの上から打ち下ろしの左をヒット。
 
右肘で顔面を押してスペースを作り、さらにスマッシュ気味の右。
プログレイスが嫌がって距離をとれば、反撃姿勢が整う前に右リードで軽く顔面を跳ね上げる。
 
 
なるほどねぇ。
申し上げたようにレジス・プログレイスのスタイルはカウンターが中心で、決して手数は多くない。
右リードはよく出るが、テリー・フラナガン戦を観る限りそこまでの鋭さはない。
 
また、腕の位置が低いためにインファイトではボディしか打てず、顔面に手を伸ばす際には一瞬のタイムラグができる。その上、右ガードが低いために左の打ち下ろしがよく当たる。
 
ジョシュ・テイラーは上背、手数でプログレイスを上回り、なおかつ多彩なパンチで前で勝負ができる選手。そう考えると、インファイトという今回の選択は非常に理にかなっていたのかもしれない。
 
ジョシュ・テイラーvsホセ・カルロス・ラミレスの統一戦は絶対に実現しろよな。グダグダのヘビー級とは違うところを見せろやw
 

テイラーの耐久力にびっくりした。散々ボディを叩かれても怯まず、最後はプログレイスを下がらせるとは

そして、さらに驚いたのがジョシュ・テイラーの耐久力。
上から覆いかぶさるようなインファイトでプログレイスの強打を封じたテイラーだが、それでもすべてを防げていたわけではない。
 
下から右ボディを突き上げられ、サイドからは左ボディ。
さらにボディを守れば左フックを顔面へという流れで強打を浴び続け、試合終了後には右目がほぼ塞がっていた。
 
2-0という採点でもわかるように、テイラーにとっても決して楽な試合だったわけではない。
 
だが、あれだけボディを浴びて顔面に鋭いパンチを受けてもいっさい怯む様子は見せない。
 
僕はあのボディによってどこかで後退→左フックでダウンという流れを想像していたのだが、結局最後まで失速せず。それどころか、ラスト2Rはプログレイスを逆に下がらせるシーンすらも。個人的にプログレイスのタフさはかなり買っていたので、終盤動きが止まる姿にはめちゃくちゃ驚いてしまった。
 
これまでジョシュ・テイラーのことを「スケールの小さなハイテク風オールマイティ」とばかり思っていたが、実は「我慢比べ上等のインファイト得意マン」だったということか。
 
 
いや、そうなんだよな。
2017年11月のミゲル・バスケス戦、2018年6月のビクトル・ポストル戦、2019年5月のイバン・バランチェク戦、今回のレジス・プログレイス戦と、ジョシュ・テイラーは勝負どころの試合はすべてインファイトで勝ちきっている。
 
「ベストバウトきました。テイラーvsポストル興奮したわ〜ww ポストルに感動したかな」
 
ライアン・マーティンには足を使って勝利したが、どちらかと言えば近場での打ち合いの方が得意と言えるのかもしれない。


どちらにしてもナイスファイト。
両者ともにすばらしいパフォーマンスだったし、無敗の王者同士による期待通りの最強対決だった。
 

WBSS S・ライト級おもしろかった。いろいろな選手が集結し、見どころのある試合ばかりだった

表題の通りなのだが、今回のWBSS S・ライト級はかなーりおもしろかったと思っている。
 
テリー・フラナガンは慎重な試合運びでプログレイスの攻撃力を封じるなど可能性を見せたが、トロヤノフスキーとの技術戦を制した期待のキリル・レリクはプログレイスの馬力の前になすすべなく敗れた。
 
ジョシュ・テイラーもアンソニー・イギットとの大激戦を制したイバン・バランチェクを右リードとインファイトで一蹴し、決勝戦ではまさかのインファイト一択でプログレイスをねじ伏せ優勝。
 
どの試合もそれぞれに特色が出ていたというか、参加選手全員が見応えあるパフォーマンスを披露したトーナメントだったのではないか。はっきり言って、日本の井上尚弥が参戦するバンタム級トーナメントよりもはるかにおもしろいくらい。
 
グダグダな運営によってだいぶケチはついたが、やはり各団体の王者が時期を外さずに激突したことは文句なしにすばらしいと言える。
 
しばらくやらなくていいけど。
 
 
うん、やっぱりS・ライト級は激戦区だよね。
ここにバージル・オルティスやホセ・カルロス・ラミレスもいるわけだし。
 
「アントニオ・オロスコvsバージル・オルティス、勅使河原弘晶vs大森将平感想。どちらもいい試合で大満足」
 
ん?
ライアン・マーティン?
ああ、そんなのもいたっけかww
 
てか、「負け+禁止薬物陽性」って、一番アカンやつやんけ。
故意か事故かは知らんが、やるなら絶対負けちゃダメだし、前にも言ったけどやるならバレんなって話だから。
 
「ボクシング記事一覧リンク集」へ戻る
 

Advertisement

 

 

 

 

 
 

 
 
【個人出版支援のFrentopia オンライン書店】送料無料で絶賛営業中!!