マー君、乱調で4敗目。制球に苦しみレンジャーズ打線につかまり連勝ストップ【結果】

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夏イメージ
田中マー君、4敗目。

ヤンキースの田中将大投手が現地時間29日(日本時間30日)に敵地アーリントンでレンジャーズ戦に先発。6回を投げて103球、9安打4失点を許し今季4敗目(7勝)を喫した。

「ヤンキース田中将大、自己ワーストタイの3ホームランを許すも今季7勝目」

味方が2点を先制した次の回に逆転を許すなど、終始安定感を欠いた投球で6月のタイガース戦以来の敗戦投手となった。チームの連勝も4で止まり、この日の田中に対する現地の評価は厳しいものになると思われる。

球が走ってない。今日の田中はいかんですよ?

初回。
1番デシールズが右打席に入る。
初球。91マイルのツーシームが高めに外れる。
2球目。87マイルのカッターがまたも高めに外れる。
おや、いきなり2球連続で抜け球だ。どうなんだ? 大丈夫か?

3球目。92マイルのフォーシームが低めに外れてボール。
4球目。92マイルのフォーシームがど真ん中に決まってストライク。
5球目。82マイルのスライダーが抜ける。だが内角高めにギリギリ決まってストライク。カウント3-2。
6球目。85マイルのスライダーが外角低めに外れてボール。いきなりのフォアボール。
おや、どうした。今のところまったく球がきていない。

2番オドールが左打席に入る。
キャッチャーのサインを覗き込む田中。しばしのサインの交換。
そして素早く振りかえり一塁へ牽制!!
アウト!!
うおぉ!! これはすばらしい!!
自分で自分を助けた!!
これでリズムに乗っていければいいが。

オドールへの初球。外いっぱいへのフォーシームが決まり1ストライク。
2球目。89マイルの高めのカッター。これをオドールがひっかけてセカンドゴロ。2アウト。よしよし。

3番フィルダー。
初球。外低めへの92マイルのツーシームが外れてボール。
2球目。同じコースへ88マイルのスプリット。これをフィルダーが引っかけてファーストゴロ。3アウトチェンジ。

結果的に初回を3人で切り抜けた田中だが、調子としては微妙だ。
スプリットをまた1球しか投げていないのもあるが、ここまではカッターの割合が多い。田中の場合、基本的にカッターが多い日はあまり調子がよくない日だ。

味方が先制した次の回にあっさり逆転を許す……

ヤンキースが2点を先制して迎えた2回裏。
打席にはこの回先頭の4番ベルトレ。
初球。抜け球のツーシームが内角高めへ。1ボール。今日はこのツーシームの抜け方が気になる。
2球目。外側へのカッターをベルトレが空振りしてカウント1-1。そうそう。ベルトレはこのコースの球には届かないのだ。
3球目。91マイルの内角低めへのフォーシーム。わずかに外れてボール。
4球目。3球目と同じコースから落ちる86マイルのスプリット。これをベルトレが振り抜き、打球はレフト前へ。ありゃ、あのコースを軽々拾われるか。ということは今日の球にはキレがないってことか。確かに落ち方に加速するような鋭さが見られない。

打席には5番モアランド。
初球。外側へのツーシームが決まりストライク。ただ、ボールに威力が感じられない。
2球目。90マイルの内側へのカッター。外れてボール。カウント1-1。
3球目。86マイルのスプリットが低めに外れてボール。うう、やはり今日のスプリットはスピードは出ているが落ち方がヌルい。まるでチェンジアップのような変化の仕方だ。
4球目。外寄りへの86マイルのスプリット。これをモアランドがスイングするが、一塁方向へきれてファール。普段なら空振りをとれているコースだが、今日は軽々拾われる。
5球目。85マイルのスプリットが内側低めに大きく外れてボール。カウント3-2。
6球目。87マイルのスプリットが外側へ。楽々見逃されてフォアボール。
いや~、これを迷いなく見逃されるのは辛い。今日はキツい。

6番ハミルトンが左打席に入る。
初球。外側へのスプリットがわずかに外れてボール。うわ~、遅い。まるでチェンジアップだ。
2球目。内側へのカッターが外れてボール。カウント2-0。
3球目。92マイルのフォーシームが真ん中やや外寄りへ。これをハミルトンが強振!! 鋭い打球がライト前へ!! セカンドランナーが返ってレンジャーズに1点が入る。
やばい。今日はマジでやばい。すべての球が緩すぎる。特にスプリット。これが決まらないのは本当に厳しい。

「ヤンキース田中将大後半戦好発進!! 7回3失点のQSで今季6勝目」

7番アンドラスをカウント2-2からのスプリットで空振り三振に打ち取り、打席には8番秋。
初球。88マイルのスプリットが左打者の外側へ。ストライクにはなったが、変化がトロい。
2球目。同じコースへのスプリット。これは外れてボール。カウント1-1。
3球目。90マイルのカッターが高めに抜けてボール。
4球目。88マイルのスプリットが初球と同じコースへ。秋がうまく合わせる。打球はショート寄りに守っていた三塁手のさらに左を抜けてセンターへ。2点目のランナーが返って同点。
うん、あれは打たれる。
同じ打者にあの緩いスプリットを2球も投げれば、さすがに打ってくださいと言っているようなものだ。

9番チリノスをレフトフライに打ち取り2アウト1、2塁。打ち取りはしたが、ど真ん中のスライダーをチリノスが完全に打ち損じてのアウトだった。

打席には1番デシールズ。
初球。真ん中高めのスライダー。あ、甘い!! そう思ったが、デシールズが見逃して1ストライク。いや、これは助かった。
2球目。やや内側よりのスプリット。ストライクにはなったが、やはり落ち方がトロすぎる。
3球目。84マイルの外側へのスライダー。デシールズがバットを出すがファール。
4球目。内側低めへのスプリット。軽々見逃されてボール。
5球目。外側高めへの92マイルのフォーシーム。デシールズがちょこんとバットを出す。打球がライト前に落ちる!! 3点目のランナーが返って2-3。レンジャーズ、あっさりと逆転。

続く2番オドール。
初球。左バッターの外側への88マイルのスプリット。これをオドールがジャストミート!! 鋭い打球がセカンド正面へ。セカンドのドルーが落ち着いて打球を処理して3アウト。

やはり今日はスプリットが全然ダメだ。あのコースのあのスピードのスプリットをこれだけ迷いなくスイングされるというのは、相当キレがない証拠だ。

まだ2回だが、今日の田中はかなり悪い。
球に勢いがないので空振りがとれない。甘く入ると打たれる。だからきわどいコースを狙う。そうすると必然的に球数がかさむ。甘いコースに投げざるを得なくなって打たれる。その悪循環だ。
この先どうなるかわからないが、このままの調子が続くと炎上する可能性もある。窮地の田中、ここから立ち直ることができるだろうか。

悪いなりに粘っている? それとも相手が情けない?

3回、4回とレンジャーズ打線をどうにか無得点で切り抜けた田中。
ただ、本当に「どうにか切り抜けている」といった感じのアップアップの投球が続いている。ミートされた打球が野手の正面に飛ぶ幸運にも恵まれている。

フォーシームの球速は93マイルを計測するなど、スピードはそれなりに出ている。だが、球の威力という意味ではあまり感じられない。フォームが若干開き気味で、ボールに力を伝えきれていないのではないか。
逆に、スプリットに関しては多少鋭さが出てきている。ただコースを狙いすぎるせいか、コントロールが定まらずにカウントを悪くしてしまっている。

そして今日はカッターが多い。
先ほども言ったが、カッターの割合が多い日の田中はあまり調子がよくない。スライダー、スプリットのキレの悪さをごまかすために1球内側にカッターを見せる組み立てをするのだ。調子がいい日の田中はそんな見せ球を使う必要もなく、ストライクゾーン付近でどんどん勝負していくのだが。

4回のチリノスへの初球にカーブを投げたあたりで多少余裕が出たのかと思ったが、結局その後にスライダーを長打されているし、なかなか状態が上がらないようだ。

後、とにかくキャッチャーのマキャンがマウンドに行く回数が多い。あまり呼吸が合っていないのだろうか。投球間隔が長いように感じるし、サインに不満げな表情を見せることもしばしばあるようだ。ランナーを気にし過ぎなのもいつもの田中らしくない。

4回を投げ終わって77球。
前回とはうって変わって、球数がだいぶ多くなっている。このままのペースでは完投などはとても無理なので、後はどれだけ長い回を投げられるかだ。

とはいえ、フラフラしながらも無得点で粘ったのは大きい。ぜひともここで打線が奮起して流れを変えてもらいたい。相手先発のルイスもあまりよくはないので、何とか逆転して欲しいところである。

5回に再び失点する田中。何とか流れを変えたかったが……

2-3とヤンキース1点ビハインドのまま迎えた5回。
この回の先頭バッターは4番ベルトレ。
初球。89マイルのカッターが内角高めに抜けて1ボール。
2球目。89マイルのカッターが真ん中高めへ。ファールでカウント1-1。
3球目。内側からのスライダー。右バッターへのフロントドアだ。ベルトレがこれに鋭く反応し、レフト前に運ぶ。ノーアウト1塁。

5番モアランド。
初球。内角低めへの92マイルのフォーシーム。ボール。
2球目。内角高めへの90マイルのカッター。これも外れてボール。
3球目。外側へのスプリット。うわ、甘い!! だが、モアランドがこれを打ち損じてファール。
4球目。真ん中低めへのスライダー。外れてボール。カウント3-1。
5球目。外側への93マイルのツーシーム。モアランドがうまく合わせる!! 打球がセンターへ転がる。1塁ランナーのベルトレが3塁まで進む。
ノーアウト1、3塁。やばい。この回やばい。

6番ハミルトン。
初球。真ん中低めへの89マイルのスプリット。ボール。
2球目。内側へのカッター。これも外れてボール。
3球目。外側へのスプリット。うわ、甘い!! だが、ハミルトンが空振り。これは助かった。
4球目。もう一球同じコースへのスプリット。ハミルトンがこれを引っかけてセカンドゴロ。しかしゲッツーの間に3塁ランナーが生還して2-4。レンジャーズに追加点が入る。
うん、まあこの失点はしょうがない。

7番アンドラスへの初球。
この日最速の95マイルのフォーシームが低めに外れる。球速は出ているが、ベース板の上での威力があまり感じられない球だ。
2球目。94マイルのフォーシーム。ストライク。お、今の球はよかった。
3球目。91マイルのカッター。おや、これもいいぞ。ここにきてギアチェンジか?
4球目。内側へのスプリット。ファール。
5球目。外側へのスライダー。アンドラスがバットを出すが、打球はサードゴロ。3アウトチェンジ。

うん、アンドラスへの投球はかなり力が入っていた。今日初めていい球を投げていたのではないだろうか。初めて田中らしい投球を観ることができた。
確かにここで追加点をとられたら試合が決まってしまう場面だった。願わくばもう少し早くエンジンをかけてもらいたかったが。

2-4で迎えた6回もマウンドへ上がった田中。
先頭の秋にヒットを許したものの、ベースから足が離れたということでアウト。
続くチリノスはセンターへの大飛球、デシールズはサード正面への痛烈なゴロでいずれもアウトにする。全員にジャストミートされたものの、どうにかこの回を無失点で切り抜ける田中。

球数が103球となったこの回で降板。試合はその後レンジャーズが1点を追加し、2-5でヤンキースが敗れ田中に4敗目(7勝)が記録された。
6回103球被安打9四死球3奪三振3失点4で、通算防御率は3.80となった。

不調の原因は疲れか? まあ、こんな日もあるさ

今日の田中ははっきり言ってかなり悪かった。
フォーシームが走らずスプリットもよくないので、コースを狙わざるをえない状況に陥り、結果的にカウントを悪くしていた。一人の打者を打ち取るのに労力がかかるので、必然的に球数も増える悪循環である。
悪いなりによく粘ったというべきか、調子がいまいちのレンジャーズ打線で助かったというべきか。よく6回4失点で切り抜けられたと思う。

全体的に身体が重そうだったので、やはり原因は疲れだろうか。37度のアーリントンの猛暑も影響したかもしれない。若干フォームが開き気味になっていたのも気になるところだ。あの投げ方だと肘に負担がきやすい。

いずれにせよ、今日のピッチングを受けてまた辛辣な記事が出るのだろう。次回までにうまく調整して、修正してもらいたいところである。

まあ、こんな日もあるさ。
次いこう、次。
「田中将大登板結果。今季16本目の本塁打を浴びるも6回3失点で今シーズン8勝目」

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