K-1選手やアーセンも参戦!! 木村ミノルは出るのか? RIZIN榊原信行が有能すぎて震えるんだが

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富士山イメージ
2015年12月29、31に開催される年末格闘技イベント「RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2015」に、新生K-1からも選手が参戦することが発表された。

2014年11月に前田憲作をプロデューサーとして旗揚げされた新生K-1。榊原信行を実行委員長とする年末格闘技イベント「RIZIN」と強力タッグを結成し、日本格闘技界に新たな1ページを刻む。

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また山本KID徳郁のおいで、女子レスリング世界王者山本美優の長男である山本アーセンが、400戦無敗の男ヒクソン・グレイシーの次男クロン・グレイシーと対戦することも発表されている。
日本屈指の格闘一家・山本家vsブラジルの柔術家一族・グレイシー一族という構図を生み出すきっかけになれるかに注目である。

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榊原信行が有能すぎて恐いww

思ったとおりである。RIZINは初期のK-1のごちゃ混ぜ感をふんだんに意識している。

前回も言ったが、初期のK-1がウケたのはいろいろな立ち技格闘技から選手を集めて、それぞれの中間ルールで戦わせることで雑多なごちゃ混ぜ感を演出したことにある。ルールをそれぞれの競技の中間地点におくことで「どの競技が一番強いんだ?」という異種格闘技戦に対する幻想や期待感を創出したことが成功の要因なのだ。

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今回、榊原氏がRIZINでやろうとしているのはまさにこれで、初期のK-1が中間ルールを採用することで演出していたごちゃ混ぜ感を、マッチメークの段階から押し進めようとしているのである。

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誰と誰が戦ったらどうなる?
また観たいと思っていたコイツが出るのか?
まさかコイツがこのルールで試合する?
え? そっちからも出ます?

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往年のビッグネームを復活させたり、立ち技の選手同士をMMAで戦わせたりと、とにかくごちゃ混ぜ感満載のマッチメークである。
そして今回発表されたK-1からの選手参加。これだけ対戦カードを意識的にゴチャゴチャさせているのだから、立ち技ルールの試合が組まれるのも当然の流れといえるだろう。しかも日本でも最高峰の立ち技イベントといっても過言ではない新生K-1からの参戦。寝技の試合が続く中で、立ち技ルールの試合を組み合わせることでイベント自体に変化を持たせるとともに、ライト層にもわかりやすい試合を提供するという付加価値も得られる。

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ちなみにだが、僕は新生K-1のプロデューサーである前田憲作にも格闘技界をどうにかしようという心意気は感じていた。なので、今回のK-1選手のRIZIN参戦もやはりなという感じではある。

さらに山本KID徳郁のおいである山本アーセンvsヒクソンの次男クロン・グレイシーの一戦。
もはや言うことなしだ。
ネームバリュー抜群の山本KIDの名前を出すことで得られる恩恵、そして何をやっている人なのかは知らなくても名前だけは知っているグレイシー一族。
この2大巨頭のジュニア同士をぶつけることで、ライト層に対してどれだけ強力な破壊力を生み出すことができるか。そのことをよく理解したカードである。

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日本とブラジルを代表する格闘技一族の対決ということで、桜庭vsグレイシー一族に匹敵するほどのドラマ性や継続性のある遺恨も期待できる。何から何まで計算し尽くされた珠玉のマッチメークである。

「みなさん、日本の格闘技界にはまだまだ可能性がありますよ」榊原信行はそう言っているのです

いや、やはり榊原信行は有能だ。前回の記事でこの人を無能扱いしたことを全力で謝罪したいww

今の人材不足の格闘技界でどれだけ力を発揮できるのかと思っていたが、まさかここまで有能だとは思わなかった。
どうにか日本の格闘技界を復活させて、90年代から2000年代前半までの熱量を取り戻してやろうという気概がひしひしと感じられる。

きっと現場を離れていた8年間、ずっと日本の格闘技界の現状をもどかしい思いで見ていたのだろう。

「みなさん、日本の格闘技界はまだまだ再生できる可能性があるんですよ」
干されていた8年間の思いをぶつけるかのような有能っぷりである。

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なぜ小さいパイを内輪でセコセコと奪い合っているのだろう。
なぜ一般向けのライト層を取り込む努力をしないのだろう。
低迷する日本格闘技界が復活するには業界が一致団結する以外に方法がないのに。
レベルの高い試合? まだそんなたわごとを抜かしてやがんのか……。

僕がずっと歯ぎしりするような思いで見ていた日本格闘技界に、榊原信行が見事にメスを入れてくれている。
格闘技イベント「RIZIN」が継続的に成功するかは今のところ不明だが、これまでのような絶望感と内輪向けの自己満足に塗固められたアングラ不人気コンテンツから脱却できる可能性は大いに感じることができる。

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当然ながら、僕の大嫌いな自称・本物の格闘技ファンの間からは、批判の声が多数聞こえる。
「PRIDEファンはこんなものを望んでいるわけじゃない」
「榊原信行は変わってしまった。俺の知っている榊原じゃなくなっている」
「RIZINは終わりです」
「MMAの大会に立ち技を入れてどうするんだ?」

予想はしていたが、やはり案の定である。
そして、前にも言ったがこういう自称・本物の格闘技ファンが離れていくことは格闘技界にとっても願ったり叶ったりである。

僕は格闘技を不人気コンテンツにした一番の元凶はこの自称・本物の格闘技ファンであると思っているので、格闘技イベントが新しく発足するにあたって、格闘技界のガンを排除した状態からスタートできるのは非常に有益だと思うのだ。

また、格闘技関係者からも少なからず批判的な声は聞かれる。
「RIZINは現場の観客より、テレビの向こう側の人間を意識しているとしか思えない」
「海外の格闘技イベントは〜」

相変わらずどこの業界にも足を引っ張る連中は内部にもいる。何を言っても構わないが、とりあえず負け惜しみにしか聞こえないとだけは言っておこう。

往年のPRIDEファンに言っておく。あの熱量が復活することは金輪際ない

そもそも今でも根強く残るPRIDEファンは往年のPRIDEの幻影を追いかけているようだが、断言するが今の日本格闘技界にあの頃のPRIDEが戻ってくることは絶対にない
有力選手はみなUFCに引き抜かれ、MMAルール、金網ルールで勝つための方法が確立されてしまっている現状。
たとえばUFC日本大会がこれだけメディアに取り上げられたとしても、PRIDE全盛のような盛り上がりを見せることは今の日本ではあり得ないだろう。

それはなぜか。
簡単な話だ。
試合自体がおもしろくないからである。

高度に成熟した技術形態。
勝つための技術というより、負けないための技術。
スピードと打撃、ディフェンスを高いレベルでマスターしたトップ選手たち。
一芸に秀でた選手が勝てる土壌はなくなり、すべての要素で80点以上をマークするトータルファイターのみが勝つことができる舞台。
技術レベル、競技レベルという意味では格段の成熟を見せているものの、それが一般受けするかと言われれば必ずしもそうではない。寝技や金網を利用した駆け引きはハイレベルではあるが、決してエキサイティングではない
こんな試合の羅列を今の日本で大々的に開催しても、結果は火を見るよりも明らかである。

「茶番? 魔裟斗vs山本KID再戦を観たけど確かにしょっぱかったな」

高度な技術戦の応酬が悪いと言っているのではない。
それだけやっていたのではライト層に浸透することはないと言っているのである。

榊原信行は変わってしまった?
いったい何を言っているのだろうか。あの頃と状況がまったく変わっているのに、あの頃と同じことをしていったいどうするというのだ。

「格闘技を生で観戦してはいけない理由」

いまだにPRIDEの幻想を追いかける自称・本物の格闘技ファンは、そろそろ目を覚まさなくてはいけない。それができないのであれば、RIZINとは別の場所で勝手に「ホンモノの格闘技」とやらを追いかけているべきである。

山本KID徳郁vs魔裟斗をRIZINが逃したのは大きな失態だ

現状、榊原信行の唯一のミスと言えば山本KID徳郁vs魔裟斗のエキシビションを他局のイベントに奪われたことだろう。
この試合はTBSで大晦日に放送されるらしいが、できればRIZINがマッチーメークしてほしいカードだった。
というより、日本格闘技界の将来のためにも絶対に逃してはいけないカードだったはずなのだが、榊原はいったいどうしたというのだろうか。

UFCの契約選手である山本KIDがRIZINに出場するのは困難だが、バラエティ番組の一環として行われる試合ならOKということだったのだろうか。正直なところ、UFCにとって今の山本KIDなど、怪我をしようがしまいが大した痛手にはならないと思うのだが。

90年代から2000年代前半の格闘技ブームの象徴的存在である山本KID徳郁と魔裟斗。この2人の11年ぶりの再戦など、復活をかける日本格闘技界にとっても喉から手が出るほどほしいカードだったはずなのに。

吉田沙保里や亀田興毅の名前を出しているうちにTBSに先を越されてしまったのか。
らしくないぞ榊原信行。

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