オロスコ完勝! ケアンドレ・ギブソンをパワーで圧倒する。おお、この勝ち方はいいんじゃないか? あの圧力があれば今後に期待できる【結果・感想】

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オフェンスとディフェンス
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2017年4月1日(日本時間2日)に米・ネバダ州ラスベガスで、WBC世界S・ライト級1位のアントニオ・オロスコがケアンドレ・ギブソンと10回戦で対戦。4R1分31秒TKOで勝利した。
 
 
開始直後からどっしりとした構えでプレッシャーをかけるオロスコ。
ギブソンのシャープなジャブを受けながらも前進して間合いを詰める。
 
「ジャーマル・チャーロさんミドル級初戦キター!! セバスチャン・ヘイランド戦予想。ミドル級でもパワフルな剛腕は健在か」
 
対するギブソンは持ち前のスピードを発揮できないまま後退させられ、ジリ貧の展開を強いられる。
そして4Rにガードの外側からテンプルにもらった右でダウン。一度は立ち上がるものの、レフェリーに続行不可能と判断されて試合終了。
 
一方的な勝利を飾ったオロスコの戦績はこれで26戦全勝。ますます2017年後半に期待が集まる。
 
「インドンゴがバーンズ討伐を果たして王座統一。おもしれえ試合ww 野生動物のようなインドンゴにビックリ」
 

オロスコさんの未来が広がった? こんな圧勝が観られるとは思わなかったね

僕の応援しているオロスコさんが勝利した。
それも4RTKO勝ち。
予想ではそれなりに苦労すると思っていたが、まさかの一方的な展開である。
 
しかも相手は1階級上で、なおかつ無敗のケアンドレ・ギブソン。
あの選手にあの勝ち方ができるのであれば、マジで今後に期待がもてる。
 
無敗とはいえ、S・ライト級のタイトル戦線に絡むには物足りない。王者になるには相手を吟味する必要があると申し上げたが、もしかしたらそんなことはないかもしれない。
この試合内容をそのまま出せるのであれば、それこそリッキー・バーンズになら問題なく勝てそうな気がする。それくらい今回の試合はよかった。ほぼ100点満点の出来と言ってもいいくらい。
 
「トロヤノフスキー、ワンパンKO負け!! 40秒でインドンゴの左で衝撃ダウンで王座陥落!! 内山vsコラレスの既視感すげー」
 
まさしくGBPのスター候補、アントニオ・オロスコさんの未来が一気に広がった試合だったのではないだろうか(言い過ぎか?)。
 

1Rからパワーで圧倒するオロスコ。身体の大きなギブソンをまったく寄せつけず

開始直後。
リング中央で対峙する両者を観て思ったのが、
「やっぱりオロスコさん、小さいな」。
 
ウェルター級契約の試合ではあるが、この階級でキャリアを積んでいるギブソンと普段はS・ライト級で試合をしているオロスコでは、はっきりと体格差がある。
これはオロスコさんにとっては厳しい試合になるかも。
 
と、思っていたのもつかの間。
様子をうかがっていたオロスコさんが、ガードを上げて上半身を動かしながらじわじわと間合いを詰める。
 
「比嘉大吾vsエルナンデス予想。和製ロマゴン? ちょっと違う気がするけど」
 
対するギブソンは、しっかりとガードを高く上げて足を踏ん張って対峙する。いつものL字気味のリラックスした構えではない、オーソドックスなスタイルである。
そして、その上でオロスコのプレッシャーを受けて後退させられる
 
おや、ギブソンが下がってる。
というより、下がらされてる?
 
両者手数は少ないが、ウェルター級のギブソンが身体の小さなオロスコに明らかに圧力負けしている。
 
「アントニオ・オロスコvsケアンドレ・ギブソン予想。ついに復帰戦キタ!! オロスコさんの栄光への道が再スタート」
 
1R54秒。
低く身体を沈めたオロスコがサイドに足を踏み出し、わずかに反動をつけて左ボディを打ち込む。
たまらず後退してコーナーを背負うギブソン。
オロスコが威嚇の左でガードの上を叩き、すかさずボディに左を2発。
さらに追撃の右を顔面に。
 
ギブソンはこの右にカウンターの左を合わせる。だが、全身に力を入れているためにスムーズさが足りない。オロスコのコンパクトなスイングに対し、若干の遅れが生じる。
しかも、同時に打ってもパワーの差で身体ごと弾かれてしまう。
 
得意な間合いで打ち合うことができず、あっさり懐に入られるギブソン。
至近距離で自分の腕を思いきり振り回すオロスコ。
開始早々、両者の明暗がはっきりと分かれている。
 
僕は当初、ギブソンが切れ味鋭いジャブでオロスコの前進を寸断し、パワーの違いを見せて逆に押し返すのではないかと予想していた。だが、どうやらそんな展開にはならなそうな立ち上がりである。
 
「リカルド・ロドリゲスっていい選手だと思う。井上尚弥の苦手なタイプかも? 米国からのオファーがあるってホントかね」
 

見事な試合運びでKO勝利のオロスコさん。ここまで圧倒するとは予想してなかった

2R以降も流れは変わらず。
オロスコがジャブを出しながらじわじわとプレッシャーをかけ、ギブソンを追い詰める展開。
ギブソンは時おりシャープなジャブで顔面を跳ね上げるものの、オロスコはまったく気にするそぶりを見せず前進する。
 
得意のカウンターで打ち終わりを狙うギブソンだが、いつもよりガードを上げて身体を固めているため、どうしても遅れが生じる。
 
「KO必至? ブルックvsスペンスウェルター級頂上決戦の行方は? パワーとテクニックの最高峰の激突が待ちきれないぞ」
 
あっさりと懐に入られ、インサイドからボディを打ち込まれるギブソン。
左右に動いて芯を外そうとするが、オロスコの圧力を受け止めるのに手一杯で足がうまく使えない。
といっても、アウトボクシングをしようにもそれも難しい。足に力を入れておかないと一気に持っていかれる感じがしているのだろう。
 
ああ、これはキツいな。
ここまでパワー負けすると、ギブソンにはできることが何もない。
もともと連打が続くタイプでもないし、ハンドスピードではまず敵わない。
カウンターの1発で逆転を狙いたいが、パワーで圧倒され過ぎてパンチに力が乗らない。
 
前回の予想記事で「この選手は懐に入られると長いリーチが邪魔になる。パワフルなファイターには相当苦労させられるはず」と申し上げたが、まさしくそのままの流れである。
 
まあ、それをオロスコさんがやれるとは思っていなかったのだが。
 

最後はテンプルへの一撃で戦意喪失KO勝ち。確かにあの展開では勝てる可能性は低い。ギブアップもアリかな

4R1分15秒過ぎ。
ガードの外側からオロスコの右がギブソンのテンプルを捉える。
一瞬遅れてギブソンが前のめりにダウン!!
 
かすめただけに見えたが、三半規管を揺らしたか。
 
一度は立ち上がったものの、足元がおぼつかないギブソン。コーナーで状態を確認したレフェリーが続行不可能と判断し、試合をストップ!!
4R1分31秒、アントニオ・オロスコのTKO勝利!!
 
 
まあ、アレだな。
最後は戦意喪失した感じではあったな。
 
「大激戦のバルテレミーvsキリル・レリク!! まさかの苦戦のダークヒーロー、バルテレミーはクロフォード打倒を果たせるか?」
 
確かにあのまま続けていても勝機は薄い。
無理に続行して残り6Rなぶられ続けるより、あそこでさっさと終わっておいた方がダメージも少なく済む。ギブソンとしては英断だったのかもしれない。
 
「マイキー・ガルシア(ミゲル・アンヘル・ガルシア)復活!! ライト級戦線の主人公が戻ってきたぞ」
 
個人的にケアンドレ・ギブソンは結構いい選手だと思っていたのだが、実はそうでもなかったか。
それともアントニオ・オロスコさんの出来がよかったと考える方が妥当なのか。何とも言えないところだが、とにかくこの一方的な結末はちょっと意外だった。
 

陣営の出した課題をすべて解消してみせたオロスコ。これは2017年中のタイトル奪還あるか?

圧倒的な勝利でウェルター級10回戦をクリアしたアントニオ・オロスコ。
申し上げた通り、こちらは100点満点の試合内容だったのではないだろうか。
 
恐らく陣営がこの選手をブッキングしたのは「パワーで押し切ってもらいたい」との意図があってのもの。
前戦のアブネル・ロペス戦では身体の大きな相手に力負けして嫌な印象を残したが、階級が上のギブソンにパワーで勝てばそれも払拭できる。
 
確かにギブソンはロペスと違ってパワフルなタイプではないが、それでもサイズが違う相手を押し切ればパワー不足の懸念も吹き飛ばせるし、本人の自信にもなるはず。
 
そしてこの結果を観る限り、オロスコさんはすべての課題に満点の解答を出したと言っていい。
 
「クロフォードがモリナに圧勝! でもスター候補がそれでいいのか? ホントに強いのかクロフォード」
 
強豪ぞろいのS・ライト級では突き抜けた実力があるわけじゃない。
かといって、ウェルター級に上げるにはサイズが足りない。
しかも、前に出て相手を圧倒するスタイルの割にパンチに威力がない。
突進力はあるのにパンチがパワーレス。
 
こういう微妙な立ち位置にいたオロスコさんだが、この見事なKO勝利によって一気に視界が開けた感が強い。
 
どうしたオロスコさん。
この9ヶ月の間にビルドアップしてきたか?
 
これなら恐らくリッキー・バーンズには勝てるだろうし、ジュリアス・インドンゴが相手でもうまく懐に入れるのではないか。相変わらずテレンス・クロフォードに勝てるイメージは沸かないが、それなりに王座を獲得する道筋が見えたような気がする。
 
「ジェイコブス大健闘!! ゴロフキンのKO記録をストップ!! でもがんばった止まりかな。倒し方は見えたけど誰ができんの?」
 
後は前戦のアブネル・ロペスのようなファイタータイプにも同じことができるか。タイトルマッチの前に、もう一度そういうゴリゴリの相手とマッチメークをしてもいいかもしれない。それで再び今回のような試合ができれば、完全に覚醒と判断してもOKである。
 
まあ「強い相手に挑んでこそ、本物の王者だ」という声も聞かれるのだろうが、それはそれ。とりあえず王者になって、世界的な知名度とブランド力をアップさせてからでもビッグマッチ路線に進むのは遅くない。
 
「シーサケット勝利!! PFP No.1 ロマゴンに判定で大金星を挙げる!! すっばらしいねシーサケット」
 
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