尾川堅一がテビン・ファーマーに勝つには? どうすりゃいいのかサッパリわかりませんが、一応考えてみる【予想・展望】

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IBFが、世界S・フェザー級4位尾川堅一と5位テビン・ファーマーに王座決定戦を開催するように指令を出した。
IBF同級ランキングは1位、2位が空位のため、当初は3位のビリー・ディブへの決定戦出場を指示していたが、ディブ自身が病気を理由に辞退。急遽4位の尾川堅一に順番が回ってきたとのこと。
 
なお同級王座は、2017年8月に2度目の防衛戦に臨んだジャーボンティ・デービスが体重超過を犯して剥奪され、現在空位となっている。
 
「尾川カター!! ファーマーに2-1の判定勝利。やったぜ尾川ww あの右は期待できると思ってたぞ! 僅差で世界タイトル初戴冠!!」
 
8月31日に日本王座を返上して世界戦に挑む尾川堅一は、階級屈指のテクニシャンであるテビン・ファーマーを倒すことができるか。開催地を含めた今後の交渉の行方に注目である。
 
「安全運転で完勝のトラメイン・ウィリアムズ。デリック・マレーに判定勝利。てか、ホントにリゴンドーに似てる」
 

改めて観たけど、ファーマーはやっぱりすごい。尾川堅一がこの選手にどうすれば勝てるかを考えてみる

尾川堅一vsテビン・ファーマー。
 
尾川にとっては、ビリー・ディブの辞退(?)によって急転直下で巡ってきたチャンスである。
ジャーボンティ・デービスの王座剥奪といい、まさにグッドタイミング。盤石だと思われたS・フェザー級戦線に大穴が開いたことで、日本タイトルマッチのキャンセルも致し方なしだろうか。
 
もし決まれば強敵だが、何とかがんばってもらいたい。
 
「ジャーボンティ・デービス体重超過ww フォンセカにKO勝利もさっそくネタキャラ化。尾川が防衛戦キャンセル? ええやん別に」
 
そして、尾川の相手となるテビン・ファーマー。
技巧派のサウスポーで、ワシル・ロマチェンコの練習相手を務めていたこともあり、最近ちょくちょく名前を聞く選手である。
また、ジャーボンティ・デービスと舌戦を繰り広げており、技巧派サウスポー対決として注目が集まっていた選手でもある。
 
 
この選手の過去の試合をいくつか観たが、確かにすごい。
見切りと一瞬のスピード、上体のさばきはさすがのひと言で、尾川堅一のこれまでの相手とはまったくタイプが違う(そんなに詳しくないですがww)。
パーネル・ウィテカーっぽいとも言われているようで、それもなるほどという感じである。
 
「は? ソーサがロマチェンコに勝てるわけねえじゃんかww え? 棄権した? よし、批判の時間だあああああぁぁぁアアアア!!」
 
仮に試合が実現したとして、マジな話、尾川がこの選手に勝つのは相当難しい。
大半の方がおっしゃる通り、普通に考えれば3-0の判定負けか、終盤でのKO負けという結末が妥当ではないか。
12Rのどこかでまぐれでもいいからクリーンヒットが入れば、もしかしたら……? という感じで、ファーマーのテクニックに空転させられるというのがだいたいの予想である。
 
「近藤明広がリピネッツを圧倒しながら惜敗。試合は支配してたけど、手数とヒット数がまったく足りず。やってしまいましたなぁ」
 
ただ、毎度のことながらそれではあまりにおもしろくない。
 
なのでここから先は、どうすれば尾川堅一がテビン・ファーマーに勝てるかについて、参考になりそうな試合を思い出しつつ考えてきたいと思う。
 
相変わらず僕の願望ばかりで「予想する気あれへん」という感じなのだが、特に気にしないことにする。
 
「セルゲイ・リピネッツvs近藤明広だってさ。よーわからんけど、どうやって勝てばいいんだろね。中谷正義なら勝てるんでね?」
 

尾川堅一のテビン・ファーマー対策その1:パーネル・ウィテカーvsフェリックス・トリニダード(1999年)

1999年2月に行われたIBF世界ウェルター級タイトルマッチ。晩年を迎えたウィテカーのキャリア最後のタイトルマッチとなった試合である。
 
まずディフェンスマスターと呼ばれるウィテカー。
相手と距離をとってカウンターを当て、さっと離れて安全地帯に退避して〜というイメージかもしれないが、実はこの選手、自分から手を出すスタイルである。
右のリードを出しながら積極的に前に出て、相手の反撃を上半身の柔軟性を活かした動きでかわす。そして、抜群のタイミングで左を叩き込む。
 
「アンカハスvsコンランが楽しみ。こんなロックな兄貴を観たことがないww そして、有村藍里が好きな俺もロックだろ?」
 
確かにディフェンスは一級品だが、決して守り一辺倒の当て逃げ長距離ランナーではない。
これはテビン・ファーマーにも共通するのだが、ジャーボンティ・デービスやジェスレル・コラレスなどのカウンター使いとはちょっとタイプが違う。
 
「コラレスゥゥウウ〜〜……。カスティジャノスに大苦戦の末ベルトを守る。負傷判定で3度目の防衛成功」
 
むしろ持ち前のスピードと見切りを全開にして、自分から試合を動かしていくスタイルといえるのではないかと思う。
 
 
そして、この超絶テクニシャンを、トリニダードは得意のシャープなワンツーで粉砕してみせた。
 
「ベテルビエフvsコーリン感想。攻略法が見えたような見えないような…。ベテルビエフの剛腕フィジカルにコーリンが撃沈」
 
ウィテカーの右を左で打ち落とし、ガードを上げて正面に回る。
迎撃の左をブロックしつつ、大きく踏み込んでど真ん中から右ストレートを突き刺す。
 
圧力をかけてウィテカーを徐々に疲弊させ、バックステップの反応を鈍らせておいてからのノーモーションの右。
 
「ポール・バトラーがスチュアート・ホールを当て逃げで下す。そうそう、井上尚弥相手にこれをできるヤツを探してんのよ」
 
身長168cmのウィテカーに対し、トリニダードは180cm。
試合後半、ウィテカーがフラフラになっていたところを見ると、恐らくフィジカルの差が想像以上に効果を発揮していたのだと思う。
 
「ロマチェンコvsリゴンドー予想。利害の一致だろ? 先行きが見えない同士の消去法マッチ。ってゴメン、ちょっと楽しみにしてるw」
 
もちろん自分から相手の真正面に立つため、被弾の危険性は増す。
この試合のトリニダードも、ウィテカーの左を危ないタイミングでもらうシーンが見られた。
だが、それ以上にトリニダードの右の効果が高く、ウィテカーが再三顔面を跳ね上げられていたのが印象的だった。
 
「岩佐圧勝で世界王者!! 小國は手も足も出ず、試合後に引退を表明。ラフさが足りなかったかな小國は」
 
ちなみにだが、僕はこの試合をリアルタイムでは観ていない。
 

尾川堅一のテビン・ファーマー対策その2:ザブ・ジュダーvsダニー・ガルシア(2013年)

2013年4月のWBC・WBA統一S・ライト級タイトルマッチ。同級王者ダニー・ガルシアに元2階級制覇王者ザブ・ジュダーが挑んだ一戦である。
 
「トラメイン・ウィリアムズvsアレクセイ・コラド。ウィリアムズの2017年ラスト。超絶見切りのテクニシャンが登場するぞ」
 
なおこのザブ・ジュダー。
個人的に、テビン・ファーマーやパーネル・ウィテカーと少し似ている気がする。
天才的なタイミングや信じられないような身体の動きなど。一瞬の煌めきというか、誰にもマネできないような爆発はこれ系の選手の専売特許ではないだろうか。
後半の失速も含めて。
 
「衰えまくったメイウェザーがセンス抜群のマクレガーにTKO勝利!! お前ら最高やww 報酬100億円のメイウェザーは久しぶりのKO」
 
そしてこの試合のガルシアは、天才ジュダーを相手に本当にうまい試合運びを見せたと思っている。
 
サウスポーのジュダーに対し、左のジャブで右リードを封じて進行方向をふさぐ。
さらに右ボディストレートを鋭角に叩き込んで動きを止める。
そして、ジュダーのフットワークが鈍ったところで、大きく踏み込んで顔面に右ストレート。
ジュダーが出てくれば、得意の右カウンターで迎撃。
 
「比嘉大吾vsトマ・マソン予想。トリプル世界戦の中で唯一楽しみな試合。余裕ぶっこいてると危ないんじゃないの?」
 
ジュダーの調子もかなりよかったとは思うが、徐々に手詰まりになっていく様子がありありと伝わってきた。
 
ガードを上げて前進しながらボディストレート。
相手の進行方向を左ジャブでふさぎ、顔面に右。
飛び込んでの左にはカウンターの右で対抗する。
 
「圧勝ザキヤノフ!! ウォーレン手も足も出ず。やべえなww サウスポーの墓場みたいな試合だった」
 
これは2006年にフロイド・メイウェザーが実行した作戦でもあるが、ザブ・ジュダー封じとしては非常に有効に思える。
 
「拳四朗は和製ロマチェンコを目指せ。ゲバラに消耗戦で勝利!! だけど、これじゃない感半端ない」
 
また、ガルシアの右の多彩さは本当に目を見張るものがあった。
外旋回のフックや最短距離を突き抜けるストレート、抜群のタイミングでのカウンターなど。
角度、スピードを自由自在に変え、完全にジュダーを翻弄していた。
 
最近つまらない選手になったと言われているが、何だかんだで世界トップの実力は半端じゃない。
 
「ガルシアvsサーマン感想!! 才能の塊キース・サーマンがパワーでダニー・ガルシアを置き去りにする。まあそうなるよな」
 

尾川堅一とテビン・ファーマーの相性は悪くない。強烈な右ストレートがあり、サウスポーが得意な尾川がファーマーを沈める可能性はある?

とまあ、適当にテビン・ファーマー対策を並べてみたが、果たして尾川堅一にこれが可能なのか。
 
 
まあ、可能かどうかはともかく、一つ言えるのは尾川堅一はテビン・ファーマーとの相性自体は悪くない
 
・日本拳法がルーツの貫通力の高い右ストレート
・前に出る突進力、馬力
・追い足のなさ
・直線的な動き
・左ジャブのヌルさ
 
これが尾川堅一の試合を観た僕の印象だが、この選手がサウスポーを得意としているのは一目瞭然である。それも、自分から前に出てくるタイプのサウスポー。
 
「村田再戦で勝利!! 絶不調のエンダム(ヌジカム)にTKO勝ちでミドル級戴冠。疑惑の判定から因縁に終止符を打つ」
 
逆に追い足がなく左右への動きにも弱いため、足を使って動かれると厳しい。
だが自分から前に出て腕を振るタイプであれば、尾川のフィジカルを活かすことができ、得意の右も当たりやすくなる。
サウスポーの内藤リッキーに2連勝しつつ、オーソドックスの杉田のジャブに大苦戦したことからも、明らか過ぎるくらい明らかである。
 
「消耗戦ゴルァw ヒルベルト・ラミレスvsジェシー・ハート。フラッフラで打ち合う疲労感満載の壮絶なシーソーゲーム」
 
やたらと強い右と追い足のなさ。
僕の中で尾川堅一の印象がダニー・ガルシアと若干被るのだが、この辺がその要因である。
 
なので、テビン・ファーマーが前に出てくるであろう前半に右のボディストレートで動きを鈍らせ、必殺の右を顔面に叩き込めば、マジで勝てる可能性はあるのではないか。
 
しかもテビン・ファーマーの試合を観ると、5、6R辺りで失速する傾向が見られる。
それまでにボディで足を止めておき、ラスト3Rで一気に圧力を強めれば……。
 
「リナレスはキャンベルに二度と関わるなww 2-1の判定でスレスレ勝利。危ない試合だった。再戦したら負けるんでない?」
 

尾川がファーマーに勝つのは難しいかな……。リードの精度に差があり過ぎる気がする

いや、無理か。
 
ウィテカー戦のトリニダードもジュダー戦のガルシアも、相手の右リードを左で打ち落としている。必殺の右につなげるには左の精度の高さが必須で、上記の両選手にはそれがあった。
 
だが、残念ながら尾川堅一の左がファーマーの右に対抗できるようには見えない。
 
尾川の左がダメというのではなく、ファーマーの右は単純にすごい。
実際この選手の右はかなり多彩かつ強烈で、恐らくウィテカーやジュダーよりも上ではないか。
あの右を尾川が左だけで抑え込めるとは思えず、簡単にロープに詰められてラッシュを浴びてしまうのではないか。
 
「田中イキり過ぎたな。パランポンを9RTKOに下すも、試合後に病院に直行」
 
また、この選手には相手の踏み込みを抑止するようなカウンターもない。
ダニー・ガルシアは超絶カウンターでジュダーに突進を躊躇させたが、尾川の右にガルシアほどの精度と多彩さがあるようにはとても思えない。
 
やはり、スピードと身体能力でぶち抜かれてしまうと考えるのが普通か。
 
「クローラvsバーンズ感想。もの足りない人同士の壮絶サバイバル。両者が足りない部分を攻め合う駆け引き」
 

勝敗予想は尾川堅一の9RKO勝利。というか、勝て尾川。絶対勝て。どんなことをしてでも勝て

今回の勝敗予想だが、尾川堅一の9RKO勝利でいきたい。
 
はい。
尾川が勝つのは難しい、テビン・ファーマーはすごいと散々言っておきながら、予想はまさかの尾川勝利。しかもKOでの勝利である。
 
「ロマゴンの手詰まり感ぱねえっす…。シーサケットのカウンターで大の字KO負け。PFP No.1の伝説に終止符?」
 
もはや僕の願望以外の何物でもないのだが(いつも同じことを言ってる)、尾川堅一にはどんな手を使ってでも勝ってもらいたい。
 
ウィテカーvsトリニダード戦を観ると、トリニダードがクリンチ際でウィテカーのラフファイトにうまく対応していることがわかる。
 
もみ合いで足をかけ、肘で顎を押してくるウィテカーを上から押し潰し、逆に足をかけてみせたり。
ああいう急場の対応力も含め、あらゆる手を使ってファーマーをねじ伏せてもらいたい。
 
「ジャレット・ハードの理不尽フィジカルがトラウトを粉砕する。ダメだトラウト…。パンチがまったく効かない地獄」
 
後味がどうとか、フェアじゃないとか、マジで知ったこっちゃない。
とにかく強敵ファーマーに勝利して、S・フェザー級の日本人王者を誕生させてほしい。
 
「ラフファイトとか体重超過とか、別にアリだよな? というお話。パッキャオやシーサケットのヘッドバット、アンドレ・ウォードのローブローなど」
 
てか、今のS・フェザー級で唯一期待している選手なので、マジでがんばってもらいたいんですけどね。
難しいと思うけど。
 
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