小原佳太2RKO負けでWBO-AP王座陥落。ラガンベイとダブルノックダウンで立ち上がれず。でも「まさか」ではないかな【結果・感想】

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2018年4月12日、東京・後楽園ホールで行われたWBOアジアパシフィック・ウェルター級タイトルマッチ。同級王者小原佳太がランキング8位の挑戦者アルビン・ラガンベイと対戦。2R2分36秒KO負けを喫し、2度目の防衛に失敗した試合である。
 
 
試合はサウスポーのラガンベイがグイグイ前に出て、小原がサイドに回りながらカウンターを狙う展開。
開始直後から、両者のパンチが際どいタイミングで交錯する。
 
1R1分過ぎ。
小原がカウンターの右から返しの左をヒット。ラガンベイからダウンを奪う。
だが、ラガンベイはダメージを感じさせずすぐに立ち上がり、再び左を振るいながら前に出る。
 
2R。
1Rと同様、腕を振り回すラガンベイに対し、小原は時おり被弾しながらもカウンターを返していく。
 
「ライアン・ガルシアvsホセ・ロペス、小原佳太vsアブドカクロフ、カバラウスカスvsロビンソン。スター候補と中量級ウォーズ振り返り」
 
そしてラウンド終盤。
前に出て左を当てるラガンベイに対し、小原も下がりながら左をヒット。
両者相打ちで仰向けに倒れるダブルノックダウン。
 
ラガンベイはさっと立ち上がったものの、ダメージの深い小原は10カウントギリギリで立ち上がる。だが、足元がおぼつかず、そのままレフェリーに抱えられて試合終了。
 
2R2分36秒、ラガンベイのKO勝利が決定した。
 
「ロドリゲスvsバトラー!! この試合に注目しないとは何たることぞw 激闘必至の好カードちゃいます?」
 

小原佳太陥落!! がんばって深夜放送を観てヨカタww

小原佳太が負けた。
 
世界再挑戦に向けての4戦目。
2018年内の世界戦を目標に試合を消化していた中、まさかの敗退である。
 
僕はこの結果をニュースで知ったのだが、試合自体は深夜放送で初めて観た。
そして、なるほどというか「クッソおもしれえなオイ」と思った次第である。
 
ほほお、これは……。
本人も「めちゃおもしろい試合」とコメントしていたが、確かにその通り。
無理して夜更かしした甲斐があったなぁと。
 
できれば結果を知らずに観たかったところだが、結果を知らなければわざわざ夜更かししていないという。
この辺のミーハー()でニワカww っぷりが、我ながらしょーもないww
 
負けた小原は今後どうするのかは知らないが、まあがんばってくれ。
 
「ラッセルとかいう年1の風物詩。今回はジョセフ・ディアスとのお戯れですかww フェザー級最強の試合枯れマン」
 

「自信過剰」でも「本来、負ける相手」でもない。純粋にラガンベイは小原の天敵だったと思うぞ

なお今回の試合、個人的な感想を言うなら「負けるべくして負けた」かなと。
 
本人が「自信過剰だった」とコメントしたり、陣営が「勝負が早かった」「本来、負ける相手ではない」「リベンジさせたい」などと言っていたが、マジか?
 
どう見ても、ラガンベイは小原佳太にとって天敵の部類に思えたが。
「自信過剰」「本来負ける相手じゃない」とのたまっていたら、もう一度やっても普通に負ける可能性もあるんじゃないの?
 
まず、小原佳太という選手はアングルと距離感の選手。
相手のサイドに回りながら初弾にカウンターを被せ、ガードの外側から連打を浴びせるスタイル。
タイプ的にはリッキー・バーンズやボール・バトラーなどと近い。
また、動きながらのカウンターが得意なところなどから、勝手に「背の高いブライアン・バスケス」と名づけていた。
 
そして、こういう選手が苦手なのが間合いの外からすっ飛んでくる相手。
リッキー・バーンズに対するジュリアス・インドンゴなど、得意の中間距離を一足飛びで踏み越えてくるタイプを苦手とする。
 
「インドンゴがバーンズ討伐を果たして王座統一。おもしれえ試合ww 野生動物のようなインドンゴにビックリ」
 
今回の小原vsラガンベイ戦はまさにそれだった。
遠い位置から一気に距離を詰め、身体を目いっぱい伸ばして左を打ち込む。
小原は距離感とアングルの調整をする間もなく間合いを潰され、サイドに回る余裕もなく顔面に被弾。
序盤から際どい角度とタイミングで左が小原の顔をかすめ、ギリギリで距離をとる光景が何度も見られた。
 
最後のダブルノックダウンも相打ちではあるが、躊躇なく踏み込んだラガンベイと、下がりながらカウンターを合わせた小原ではダメージがあまりにも違う。
 
中間距離での差し合いが信条の選手が、野生的なサウスポーにぶち抜かれる典型的なパティーンだった。
 

だからと言って、小原佳太がダメなわけじゃない。今後はしっかり得手不得手を把握してマッチメークすれば世界戦線に返り咲けるんじゃない?

繰り返しになるが、今回の結果は「負けるべくして負けた」。
本人や陣営が「自信過剰」「負ける相手ではない」などとコメントしているようでは、また同じ結果になる可能性も十分ある。
 
「福原辰弥vs高橋悠斗戦感想。ミニマム級の長身福原が再起戦で勝利。この長距離サウスポーは珍しくないっすか?」
 
ただ、この敗戦がイコール「小原佳太はアカン」になるわけでもない。
今回の結果を受けて「小原はもともと世界レベルの選手じゃない」「この程度」といった辛辣な意見が聞かれたが、それはちょっと早計な気がする。
 
小原佳太が世界レベルかはともかく、この試合の結果に関しては上述の通り。残念ながら相性が悪過ぎた。
しかも、僕のうっすらとした記憶では、ラガンベイは確か右構えだったのではないか。もしかしたら右利きのスイッチなのかもしれないし、小原陣営がそれを知らなかった可能性もある。
 
なので、しっかりと相性や得手不得手を考えてマッチメークすれば、もう一度世界戦線にたどり着くのは不可能ではないと思っている。
 
僕が「リトアニアの井上尚弥」と名づけたエジディウス・カバロウスカス相手ならたぶんいい勝負ができるし、もしかしたらレジス・プログレイスにも肉薄できるかもしれない。あっさりぶっ倒されるかもしれないけど。
 
てか、仮にタイトルマッチまで進んだとして、それがどんな相手になるかまでは知らんけど。
 

WBOアジア・パシフィック王座舐めたらアカンな。こういうバラエティに富んだ選手が出てくるのはいいよね

以前から申し上げているように、僕は基本的にWBOアジア・パシフィック王座には賛成の人間である。
そして今回の小原陥落によって、改めて「やっぱりWBO-AP舐めたらアカンな」と思っている。
 
OPBF王座とWBO-AP王座のどちらが上か下かという議論もたまに耳にするが、正直その辺はよくわからない。どちらにしても、それが世界ランク入りの近道ならどんどん利用すればいい。
 
それはそれとして、この試合に関してはいろいろな意味でおもしろかった。
 
「ブローナーvsバルガスが熱かった。まさかブローナーの試合でこんなにテンションが上がるとはw 会場が殺伐としたんだって」
 
試合自体はもちろん、世界を狙う日本人選手がこれまで遭遇したことのないタイプにぶち抜かれる光景が観られたのもよかった。
ラガンベイ陣営は小原を山ほど研究してきたとも言っていたし、いわゆるスカウティング? の重要性も証明された。
 
小原佳太にとっても、この場で天敵タイプと遭遇できた経験は大きい。防衛記録寸前の大舞台で未知の強敵に吹っ飛ばされた内山高志とは一味違う。
 
日本のリングで、こういうバラエティ感満載の試合が観られるのは普通に悪くない。
 
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