マイキー・ガルシアがブローナーに判定勝利。階級の壁をちょっと感じたかな。ブローナーもよかったよね?【結果・感想】

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2017年7月29日(日本時間30日)、米・ニューヨーク州で行われたWBC世界S・ライト級ダイヤモンド王座決定戦。
WBC世界ライト級王者ミゲル・アンヘル(マイキー)・ガルシアvs元4階級制覇王者エイドリアン・ブローナーの一戦が行われ、マイキー・ガルシアが3-0(117-111、116-112、116-112)の判定で勝利を飾った。
 
 
ガードを上げて前に出るブローナーに対し、マイキー・ガルシアは貫通力の高いワンツーで迎撃。再三ブローナーの顔面を跳ね上げ、有利な展開で試合を進める。
 
「金子大樹引退?! マジでか。内山引退→しゃーない。三浦引退→ワカル。山中陥落→完敗だね。てか会長老害過ぎワロタww 金子引退→は?」
 
ブローナーは足を使ったりカウンターを狙ったりと、状況を打破するためにさまざまな動きを見せる。だが、マイキーは動じず、落ち着いてワンツーを返す。
 
「比嘉大吾vsトマ・マソン予想。トリプル世界戦の中で唯一楽しみな試合。余裕ぶっこいてると危ないんじゃないの?」
 
ブローナーのジャブをはたき落としながら、基本のワンツーを中心に攻めるマイキー。
終盤、懸命に反撃を見せたブローナーだが、最後までマイキーの牙城を崩せず。大差判定でキャリア3敗目を喫する。
 
「マイキー・ガルシアがズラティカニンにKO勝ち。空中で失神してゆっくり崩れ落ちる衝撃映像」
 
ライト級の王座を保持したままS・ライト級のダイヤモンド王座を獲得したマイキー。この選手の今後に大いに注目が集まる。
 

実はブローナーを応援してました。破竹の勢いで勝利を重ねるマイキーを、体重超過も辞さずに勝ちにいくブローナーが観たかった……

マイキー・ガルシア大差判定勝利!!
4階級制覇王者ブローナーを寄せつけず!!

 
強敵ブローナーに完勝したマイキー・ガルシア。
4階級制覇王者ブローナーに対してこの結果は、「お見事マイキー」の言葉しかない。
個人的にかなり楽しみにしていた試合で、内容的にもグッドファイトだったのではないだろうか。
 
 
まず、リング上で対峙した両者を観て思ったのが「ブローナーが小さい」。そして、マイキーの肩回りがゴツい
 
これを言うと怒られるかもしれないのだが、試合前にブローナーが計量をクリアしたと聞いて、僕は「あ〜、ウェイト守っちゃったかブローナー」と思ってしまった。
 
「パッキャオvsブローナー予想。何気にブローナー応援の僕がいるw 理由はないけどアップセットを起こしてほしいぞ」
 
今回の試合、ブローナーが勝つためには体格差を活かしたパワーボクシングでねじ伏せるのが近道だと考えていた。
ライト級からアップしたマイキーを、ウェルター級でもそれなりにやれていたブローナーが物量で押し潰す。これがもっとも手っ取り早く、なおかつ勝てる可能性が高い方法ではないかと思っていた。
 
予想記事でも申し上げたように、そのためには「体重超過をやらかすのもアリっちゃアリ」とまで考えていた次第である。
 
「マイキー・ガルシアvsブローナー決定!! マジかよスゲー試合だよこのマッチメイク。体重超過あり?」
 
そもそも論として、2016年に復帰してからのマイキーは順調すぎて、実はあまりおもしろくない
なので、ここらでちょっと停滞してもいいのではないか。ブローナーならそれを止められるのではないかと期待していた部分もある。
 
そういう意味でも、なりふり構わず勝ちにいくブローナーというのを観たかったのだが、さすがに多額の罰金と周囲の目は相当厳しかったようである。
 

マイキーの攻撃力に面食らったブローナー。1、2Rと足を使って守勢に回る。いや、それじゃ勝てないんじゃないの?

全体的な感想としては、やはり「マイキーの攻撃力すげえ」に尽きる。
 
 
今回、ブローナーのコンディションはかなりよかったと思う。
 
1R開始直後に見せた閃光のようなジャブ。そこからの鋭いワンツーなど。
あの動きを観る限り、この試合に向けてのコンディション作りは相当うまくいっていたのではないか。
 
「ブローナー(笑)vsグラナドス感想。エイドリアン同士のキャッチウェイト対決はブローナーの辛勝。激しい打撃戦の末にギリギリ勝利」
 
だが、1分秒過ぎ以降のマイキーのラッシュやプレッシャーにより、ブローナーが一気に守勢に回ってしまった。残り1分あたりのラッシュも相当脅威だったのだろう。マイキーの攻撃力にかなり面食らったと思われる。
 
 
続く2Rも足を使って動き回るブローナー。
クリーンヒットは許さないが、その分手数も極端に減る。
得意の大きく踏み込んでのボディストレートを打ち込むものの、マイキーにバックステップでかわされ、逆に左のカウンターを被弾してしまう。
 
いや、これはキツいぞ。
このスタイルだと、倒される心配は少ないけど勝てる可能性も低い。
マイキーの圧力に面食らったのはわかるが、ブローナーは自分から前に出なくては話にならん。
 

ようやく肚を決めてインファイトを仕掛けるブローナー。だが、マイキーの圧力が強過ぎてうまく前に出られない。ガードを下げる暇もない

などと思っているうちに迎えた3R。
 
ブローナーがガードを高く上げ、マイキーと正対して前に出る。
マイキーのワンツーをガードで防ぎ、足を踏ん張って前進する。
さらに左をボディワークでかわし、つなぎの右にカウンターを合わせる。
 
「山中がネリと再戦? やめた方がよくね? 勝てそうに見えないんだが。というより、ホントにこの試合やっちゃうんすか?」
 
お、いいですね。
やっと肚を決めたかブローナー。
 
やっぱりそれをやらんとね。
体格差で圧倒しなきゃ、この試合は勝てないんですよ。ええ。
 
でもアレか。ウェイトを守っちゃったんだよな……。
 
「ラフファイトとか体重超過とか、別にアリだよな? というお話。パッキャオやシーサケットのヘッドバット、アンドレ・ウォードのローブローなど」
 
決心を固め、ガードを上げて前に出るブローナー。
先ほどのインターバルでセコンドと激しく言い争っていたところを見ると、相当ハッパをかけられたと思われる。
 
だが、マイキーの圧力が強過ぎるのか、思ったよりも前に出られない。
前足が交差する位置まで近づきたいのだが、マイキーの攻撃力を殺しきれずにガードを下げる暇がない。
逆に左で突き放され、コーナーに詰められてしまう。
 
「村田ズルいww このタイミングでエンダムと再戦決定って、こんなの村田が勝つに決まってるじゃんか」
 
自分のジャブははたき落とされ、相手のジャブはガードの間を突き抜ける。
そして、下の階級から上げてきたマイキーをフィジカルで圧倒できない。
 
いや〜、厳しいなブローナー。
この距離で左の差し合いをしても、マイキーには歯が立たないことは明白。
でも、相手の圧力が強過ぎてガードを下げる余裕もないという。
 
「大激戦のバルテレミーvsキリル・レリク!! まさかの苦戦のダークヒーロー、バルテレミーはクロフォード打倒を果たせるか?」
 
だからあれほど言っただろww
体重超過をしておけとww
 
「木村翔はワシが育てたww ゾウ・シミンにアウェーでジャイアント・キリング!! 大観衆の前で中国の英雄にTKO勝利」
 

ここまでブローナーがマイキーの攻撃力に屈するとは。この負け方はブローナーにとってショックが大きいんじゃないの?

試合は終始マイキーのペースで進む。
 
ブローナーも距離を変えたり、サイドステップしてから踏み込んだりとあれこれ工夫を見せる。
だが、マイキーのパリングを突き破ることができず、逆に貫通力の高いワンツーで顔を跳ね上げられてしまう。
 
「クロフォードvsインドンゴの統一戦予想。クロフォードのランニングスキルとインドンゴの踏み込みに注目」
 
ロープに詰められ、右で頭を抑えた状態から左にボディ。
さらにチョンチョンと左をついてガードを上げさせ、下から右のアッパー。
 
マジな話、ブローナーがここまでパワフルな連打に巻き込まれるとは思わなかった。
左の差し合いで対抗できるとは思っていなかったが、まさかカウンターを返す余裕すらないとは。
 
「トロヤノフスキー、ワンパンKO負け!! 40秒でインドンゴの左で衝撃ダウンで王座陥落!! 内山vsコラレスの既視感すげー」
 
繰り返しになるが、今回のブローナーはかなり調子がよかったと思う。
大きく踏み込んで打ち込む左ボディストレートも随所に見られたし、身体は明らかに軽そうだった。前回のグラナドス戦に比べても、動きはキレていたはず。
 
「ブローナーvsバルガスが熱かった。まさかブローナーの試合でこんなにテンションが上がるとはw 会場が殺伐としたんだって」
 
ただ、純粋な攻撃力の部分でマイキーに圧倒されてしまった。
ハンドスピードを活かして至近距離での打ち合いに持ち込みたいのだが、マイキーの圧力が強過ぎてまともに近づけない。
かといって、「距離をとってアウトボクシング〜」ではあのワンツーから逃げ切れない。
 
「マクレガーがメイウェザーに勝利するには? 世紀の茶番()マッチの勝敗予想。8オンスの影響は?」
 
正直、ここまで純粋な戦力差でブローナーが圧倒されたのは初めてではないだろうか。
マルコス・マイダナ戦やショーン・ポーター戦では「階級差、体格差で圧力負けした」という言い訳が通用したが、今回はライト級から上げてきたマイキーである。
しかも、強引にロープに詰められて打ち合いに巻き込まれたわけでもなく、ハンドスピードや手数で劣ったわけでもない。
 
単純に中間距離での攻防で歯が立たなかったというのは、ブローナーにとってはショックが大きい敗戦ではないか。
 
「L・ヘビー級アツ過ぎもっと盛り上がって(^○^) バレラがスミスに大差判定勝利。神々の階級」
 

マイキーにはさすがに階級の壁を感じた。攻撃力はすごかったけど、ブローナーをKOする光景はまったく想像できなかった

とはいえ、S・ライト級でのマイキーには階級の壁を感じたことも確かである。
 
今回の試合、あれだけ真正面からワンツーを打ち込めば、今までのマイキーならダウンを奪えていたはず。もし相手がライト級の選手であれば、ガードごと吹き飛ばしてKOまで持ち込めていたのではないだろうか。
 
だが、この階級ではさすがにそこまでの破壊力は感じられなかった。
ブローナーを終始攻めてはいたが、KOする光景は思い浮かばなかったのが正直なところである。
 
「今年一番興味の薄い再戦リナレスvsクローラ。無理ゲー? リナレスのとびっきりの才能がクローラの努力をまたしても凌駕する」
 
しかも9R以降はさすがに失速したか、それともブローナーが圧力に慣れたか、マイキーが後退させられるシーンが目立っていた。
 
逆にブローナーとしては、あのスタイルで前半からグイグイ押せていれば、どこかでKOするチャンスがきたのかもしれない。
まあ、マイキー相手にあれを12R続けるのはキツいのも確かなのだろうが。
 
 
というか、試合前にマイキーのKO勝利予想がたくさん聞こえてきたが、さすがにそれはない。
調整試合もなくいきなりブローナーにKO勝ちなど、ちょっとブローナーを舐め過ぎである。
 
個人的にS・フライ級とバンタム級、ライト級とS・ライト級の間には高い壁があると思っていて、どちらの階級もそこを境に一気に相手がスケールアップするイメージが強い。
今回のマイキーも、その階級の壁を超えきれていないような気がしたのだが、どうだろうか。
 
「俺のウィリー・モンローJr.さんキター!! サンダースとのタイトルマッチでついに2度目の王座挑戦」
 

僕としてはS・ライト級でこのままいってほしい。マイキーvsクロフォード、マイキーvsバルテレミー。で、最終的にはマイキーvsエロール・スペンスとか

だが、マイキーの攻撃力がこの階級でも通用することを証明したのは大きい。
 
「リナレスvsルーク・キャンベル予想。濃い顔族か平たい顔族か。強化版阿部寛の顔力で英国の英雄を吹っ飛ばせリナレス」
 
今後この選手がどうするのかは知らないが、僕としてはこのままこの階級で続けてもらいたいと思う。正直、今からライト級に戻ってホルヘ・リナレスorテリー・フラナガン戦というのは必要ないような気がする。
 
「クロフォードww インドンゴをボディ一閃!! 4団体統一戦に3RKO勝利。ナミビアのシンデレラストーリーを破壊する」
 
むしろクロフォードvsインドンゴの勝者や、ダークヒーロー(僕が名付けた)ランセス・バルテレミー相手に、あのオールドスクールなワンツーボクシングがどこまで通用するかを観てみたい。
 
「マイキー・ガルシア4階級制覇達成!! リピネッツに3-0で勝利。やっぱりS・ライト級ではスペシャル感は薄れるよな」
 
ロマチェンコ戦も興味深いが、それは向こうが階級を上げてくるのを待っていればいい。
そして、最終的にはエロール・スペンス戦までたどり着ければ最高である。
 
「スペンス圧勝!! ケル・ブルックを一方的にコントロールしてウェルター級最強対決に勝利」
 
いや、さすがにフィジカル的にスペンスは厳しいか……。
でもあの肩回りのゴツさを見ると、ちょっと期待しちゃうんだよな。
 
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