パッキャオ圧勝w ブローナーをまったく問題にせず。おかしいだろコイツ。議員との二刀流のルーティーンを掴んだっぽい【結果・感想】

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ラスベガスイメージ
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2019年1月19日(日本時間20日)、米・ネバダ州ラスベガスで行われたWBA世界ウェルター級タイトルマッチ。
同級王者で6階級制覇王者のマニー・パッキャオが同級6位で元4階級制覇王者のエイドリアン・ブローナーと対戦。3-0(117-111、116-112、116-112)の判定で勝利し、初防衛に成功した試合である。
 
 
開始直後から鋭い左とカウンターを狙うブローナーに対し、王者パッキャオは積極的な踏み込みからどんどん腕を振っていく。
 
快調に飛ばすパッキャオの圧力に押され、徐々に手が出なくなるブローナー。
7Rにはロープ際で左を被弾し、動きが止まったところにラッシュを浴びる。
クリンチで何とか持ちこたえるものの、試合は完全にパッキャオのペースに。
 
後半になっても動きの落ちないパッキャオは、9Rにも相打ちながら再び左をヒットしブローナーを後退させる。
コーナーに追い詰めて得意のラッシュを浴びせ、あわよくばKO勝利か? と思わせるシーンを作る。
 
そして、そのままペースを渡すことなく12Rを終了。
文句なしの勝利で初防衛を飾った。
 
 
また、試合後のインタビューでは、期待されるメイウェザーとの再戦について「彼がやる気ならばいつでも準備はできている」とコメント。世紀の一戦と呼ばれた2015年以来の対戦に前向きな姿勢を示している。
 
「新井田豊とかいう全盛期ロマゴンと真正面から打ち合った男。新井田豊vs高山勝成は歴代日本人対決のベストバウト」
 

パッキャオとんでもねえな。押し引きの使い分けが抜群。議員との両立を完全にマスターしやがったなww

パッキャオ勝利!!
ブローナーをまったく寄せつけず。
 
 
いや、すごかった。
今回のパッキャオは本当にすごかった。
 
王座に返り咲いた前回のマティセ戦ももちろんよかったのだが、正直パッキャオにとってはやりやすい相手だった感が強い。
しかも、自分の拳に振り回されてバランスを崩すシーンも散見され、完全復活とは言えない内容だった気がする。
 
そういう意味で、今回のブローナー戦でのコンディションに注目していたのだが。
 
「パッキャオがマティセを寄せ付けずに9年ぶりKO勝利。僕たちの英雄は世界一強い大統領(予定)」
 
うん。
完璧じゃないっすかね。
 
奥足に重心を残しつつ、相手の懐に飛び込み軽く右を当てる。
カウンターの左が当たる前にバックステップで距離を取り、打ち終わりにリターンを返す。
また、ブローナーがカウンターを打てないタイミングを見計らって連打を浴びせ、ロープ際に後退させる。
 
防御重視でジャブを当てつつ、一瞬の隙をついて全力で踏み込む。
局面ごとの使い分けがあまりに絶妙。
 
もちろんイケイケだった2000年代後半に比べれば動き自体は落ちているとは思うが、それでも嗅覚の鋭さや瞬間的な爆発力は全盛期を彷彿とさせる。うまい抜きどころを覚えたというか、押し引きの見極めがめちゃくちゃ向上したイメージ。
 
コイツ、アレだな。
政治活動との両立のルーティーンを完全に確立しやがったなww
 
2017年のジェフ・ホーン戦では全体的に動きも鈍く、後半には明らかにガス欠を起こしていたのだが。
 
「パッキャオvsサーマンちっともわからん。パッキャオのコンビネーションか、サーマンの足か。サーマンは早くランニングマンに改名しろ」
 
あの試合は議員活動との両立+久しぶりの実戦だったことに加え、確かフレディ・ローチとも微妙にギクシャクしてたんだっけ?
 
そういった諸々の不安要素が解消され、今の自分にできる最高のコンディショニングと戦術にたどり着いた感じ。
 
 
とんでもねえわマジで。
あれこれと語るのもいいけど、単純にカッチョよかったよな。
 
「チャーロがコロボフに苦労しつつ防衛。モンローの禁止薬物陽性による代役。ドーピングはどっちでもいいや。尾川堅一も復帰したね」
 

ブローナーもよかったです。ここ数戦ではかなりいいコンディションだったんじゃない?

対するブローナーについてだが、こちらも普通によかったと思う。
 
今回はてっきり重めの体重でくると思っていたが、実際にはアンダーで計量をクリアしたとのこと。
 
なるほど。
パッキャオの踏み込みと連打にスピード重視で対処する作戦か。
 
身体も軽そうだったし、1発1発のパンチにも鋭さがあった。
フィジカル面で対抗するより、確かにこちらの方が正解だったのかもしれない。
 
 
前回申し上げたように、僕はこの試合でブローナーが勝つには2015年のパッキャオvsメイウェザー戦を踏襲すればいいんじゃないの?と思っていた。
 
「パッキャオvsブローナー予想。何気にブローナー応援の僕がいるw 理由はないけどアップセットを起こしてほしいぞ」
 
強めの左でパッキャオの突進を止め、右のカウンターの脅威で出足を鈍らせる。
時おりボディストレートを見せつつ、パッキャオを中間距離に釘付けにする。
そして、開き直って踏み込んできたタイミングで、カウンターの右を顔面に叩き込む。
 
実際、この試合のブローナーはそれに近いパフォーマンスを見せていた気がする。
 
ウェイトを絞ったおかげで動きが軽く、これまでよりもバックステップも利く。
また、左リードにも鋭さがあり、得意の左フックのキレも抜群。
カウンターの右がパッキャオの顔面をかすめるシーンも何度も見られた。
 
エキサイトマッチの解説者も言っていたが、ここ数試合の中では相当コンディションがよかったのではないか。
 

パッキャオの突進に面食らったかな。左が出ずにカウンター狙いに閉じこもる

ただ、この試合はとにかくパッキャオがすご過ぎた。
 
踏み込みの鋭さはブローナーの想定を超え、カウンター対策も万全。
後半の失速も最小限で、ちょっと付け入る隙が見当たらなかった。
 
恐らくパッキャオ陣営は序盤2Rでペースを掴む作戦だったと思うが、ブローナーはそれにモロにはまった感じ。
 
パッキャオの突進力に面食らい、3R以降は得意の左フックに依存したカウンター狙いに閉じこもる。
リードのジャブがほとんど出ず、パッキャオにフリーパスで侵入を許し続けてしまった。
 
自分から動いて試合を作るパッキャオと、相手の出方を見てから動く“待ち”のブローナー。
両者のスペック、身体能力が近い場合、“待ち”の側が不利なのは明白。結局、最後までブローナーは主導権を握ることができなかった。
 
 
あえて言うなら、意識して左を出し始めた7Rから明らかにパッキャオの出足が鈍ったので、序盤2Rにテンパったのが本当に痛かったなと。
 
パッキャオの出入りがもう少し鈍ければ。
もう少しブローナーがパンチ力とフィジカルで恐怖を与えることができれば。
 
“たられば”を言っても仕方ないが、パッキャオが絶好調だったことも含めていろいろ惜しい試合だった。
 
まあでも、アレか。
パンチ力とフィジカル重視で体重を増やせば、恐らくパッキャオの動きにはついていけない。
かといって、軽めのウェイトで挑んでもこの階級では迫力不足。
 
毎度言われていることだが、S・フェザー級やライト級時代はマジでスペシャルなヤツだったんだよなコイツ。
 

あまりにヒールでアンダードッグな扱いのせいでブローナーを応援したくなった。今回はそこそこよかったと思うんですけどね


なお、何度か申し上げているように、僕は今回の試合、パッキャオではなくブローナーを応援していた
 
なぜ今回に限ってブローナー応援なのかが自分でもよくわからなかったのだが、試合を観てようやく合点がいった。
単純にアンダードッグを応援したかった
それだけの話である。
 
画面越しでもわかるように、会場の雰囲気はほぼパッキャオ一色。
パッキャオのパンチが当たるたびに大歓声が沸き起こり、リングサイドは総立ちになる。
 
逆にブローナーに対してはめちゃくちゃ手厳しい。
入場の段階からヒール丸出しで、何かアクションを起こすたびに大ブーイング。
 
ここまでヒール扱いなアンダードッグだと、ひねくれ者な僕としてはちょっとだけブローナーを応援したくなる。
しかも、この状況になることが容易に予想できたせいで、何となくブローナー寄りのテンションになった次第である。
 
てか、今回のブローナーってそこまでだったか?
普通にがんばってたし、動きもよかったと思うけどな。
ボディがローブロー気味に入っただけで、あそこまでブーイングします? みたいな。
 
強いて言うなら試合前に無免許、スピード違反で逮捕されたくらいでしょ?
いや、それが一番アカンやんけww
さすがは犯罪履歴が服着て歩いてるだけあるでホンマ(違う)。
 
「久々のサーマンがロペスに大苦戦。2-0の判定で防衛成功。2年間、水道橋とNYの往復しかしてないからなw」
 
明らかに劣勢なのに足を使って時間稼ぎをしたり、試合後に大げさに勝利をアピールしたり。
自分の役回りをしっかりこなしてたと思うんですけどね。
 
試合後のインタビューで「勝ったのは俺や!!」とガチ切れ→「いや、マジで勝ったと思ってたんかいワレェww」というツッコミまで含めて、僕はおもしろかったんですけどね。
 
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