セルゲイ・リピネッツvs近藤明広だってさ。よーわからんけど、どうやって勝てばいいんだろね。中谷正義なら勝てるんでね?【予想・展望】

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ニューヨークイメージ
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2017年11月4日(日本時間5日)、米・ニューヨークで行われるIBF世界S・ライト級王座決定戦。同級1位セルゲイ・リピネッツと3位近藤明広の一戦が行われる。
 
セルゲイ・リピネッツは12戦全勝10KOのオーソドックス。
左腕を下げたリラックスした構えから右の強打を振るうハードパンチャーである。
直近の4戦をすべてKO勝利でクリアしており、満を持しての世界挑戦となる。
 
対する近藤明広は29勝6敗1分16KOのボクサーファイター。
過去の対戦相手のネームバリューはリピネッツに及ばないものの、こちらも直近の5試合ですべてKO勝利を飾っており、波に乗っている選手である。
 
「近藤明広がリピネッツを圧倒しながら惜敗。試合は支配してたけど、手数とヒット数がまったく足りず。やってしまいましたなぁ」
 
だが、近藤は海外での試合が初めてなだけでなく、後楽園ホール以外での試合経験もない。
某大手カジノサイトのオッズも1.03対13.00(日本時間2017年11月4日現在)と大きく開いており、戦前予想では圧倒的不利と言われている。
 
日本人選手がニューヨークのリングに立つ大一番。
しかもデオンテイ・ワイルダーのアンダーカードという舞台で、大番狂わせを起こせるかに大注目である。
 
「ロマチェンコvsリゴンドー予想。利害の一致だろ? 先行きが見えない同士の消去法マッチ。ってゴメン、ちょっと楽しみにしてるw」
 

リピネッツは巧いというより「強い」剛腕のカウンター使い。近藤明広については申し訳ないが、よく知らない

日本人選手がニューヨークの舞台に立つということで話題のこの試合。
 
対戦相手のセルゲイ・リピネッツをちょろっと観てみたのだが、あ〜、なかなかですねこれは
 
左腕を下げた構えから全力で出す左。
単発気味ではあるが、1発1発の威力が尋常じゃない。
さらに得意の打ち下ろしの右。
狙いすましたように側頭部を捉え、対戦相手を腰砕けにしてしまう。
 
キックボクシング出身ということで、あまりフットワークを使える方ではないのだが、巧いというより強い
パッと思いついたイメージは上半身の強いクリス・ユーバンクJr.。
強靭なフィジカルを活かして間合いを詰め、とにかく目いっぱい腕を振る。まったく躊躇のない剛腕ファイターというか、打ち合い上等のカウンター使いである。
 
「ベルチェルトに三浦隆司完敗……。対策されてたなぁ。何もさせてもらえなかったなぁ。そして、ベルチェルトはよく走りきったなぁ」
 
対する近藤明広についてだが、僕はこの選手をよく知らない。
うまくまとまったバランス型という印象なのだが、それも正しいかは定かではない。
 
唯一観た試合が2017年5月の岡崎祐也戦。
だが、相手の岡崎選手がサウスポーだったこと。そして、申し訳ないことにそこまで強く見えなかったことで、あまり参考にならない気がしている。
 
試合を観る限り、左ジャブを出しながらのフットワークが使え、右のカウンターを得意としていることは何となくわかった。
直近の5試合をすべてKOで勝ち上がっているので、もしかしたらここ数戦でカウンターのコツを掴んだのかもしれない。
 
ただ、全体的にあまりスケールは感じられず、突出したものがあるようにも見えなかった。
今回の試合もジャブと足が機能すれば勝機を見出せそうな気がするが、正直よくわからない。
 
「コットvs亀海感想。あ~、亀海これでいっちゃったか。もう少しやりようがあったような気が…。頂上は高かった。コットに完敗」
 
どこかで肚を決めてカウンター勝負に持ち込めれば、リピネッツの低いガードの上から右が炸裂する可能性もある? のかな?
 
マジな話、あまりに近藤明広という選手を知らな過ぎるために何とも言えない。
勝敗予想は控えておくが、まあがんばってねという感じである。
 

リピネッツに勝つには当て逃げの持久走じゃないの? テレンス・クロフォードなら蹂躙できると思うけど

そして本題。
セルゲイ・リピネッツに勝つにはどうすればいいか。また、周辺階級でこの選手に勝てそうな日本人はいるのか。
 
 
まずセルゲイ・リピネッツについてだが、最初に申し上げたようにこの選手はとにかく強い。戦闘力が高いというか、相手に恐怖を植え付ける強さを感じる。
 
ただその分穴も多く、盤石なイメージはまったくない。
追い足があるわけではなく、パンチも単発で大振り。ガードも低く、ジャブを出しながらプレスをかけるタイプの選手には苦労しそうな気配がプンプンする。
 
「ヤファイが無難に石田匠に勝利。うん、石田全然間違ってない。アレで正解だしアレしかない。やっぱりヤファイに勝てるのはアイツだろ」
 
テレンス・クロフォードへの挑戦を切望していたらしいが、ちょっと厳しいように思える。
フィジカルではリピネッツの方が上だが、恐らくこの選手ではクロフォードの持久走にはついていけない。
遠い位置から削られ続け、顔面を腫らして大差判定負けorレフェリーストップという結末が濃厚ではないか。
 
「クロフォードww インドンゴをボディ一閃!! 4団体統一戦に3RKO勝利。ナミビアのシンデレラストーリーを破壊する」
 
そしてリピネッツ攻略として考えられるのが、この持久走での当て逃げだと思う。
 
2015年にハスケル・ローデスが実行したのがこの作戦なのだが、それまで継続していた6連続KOがストップしたのもこの試合である。
 
距離をとってひたすら左右に動き回り、リピネッツの左にカウンターを合わせる。極力打ち合いは避け、1発目の交錯でヒットを稼ぐ作戦。
 
だが、リピネッツのパンチが強力だったことに加え、リピネッツが根気よく追いかけたおかげで中盤以降ローデスが失速。ラスト2Rはダウン寸前というギリギリの状況まで追い詰められてしまった。
 
確かにリピネッツは追い足のなさが弱点ではあるが、それでもこの選手には剛腕のカウンターがある。ローデスは飛び込んでの1発からカウンターという流れを狙っていたのだが、最初の交錯でことごとくリピネッツに上をいかれてしまった。
 
「コラレス陥落。マチャドのカウンターで壮絶ダウン。って、体重超過で負けるってどこのネタキャラだよw これからどうすんねん」
 
フィジカルに差があるリピネッツと真正面から打ち合うのは自殺行為。
だが、持久走の当て逃げに持ち込もうにも、カウンターの打ち合いで劣ったせいでうまく近づけず。健闘はしたが、ローデスが勝利する気配はなかったというのがこの試合の感想である。
 
この選手を攻略するのに持久走の当て逃げは有効だが、
・12R走りきれるスタミナ
・リピネッツを上回るカウンター
・抜群の見切り
を兼ね備えている必要がある。
 
逆にその手のタイプの選手であれば、割とイージーゲームに持ち込めるような気がする。つまり、テレンス・クロフォードならセルゲイ・リピネッツを子ども扱いするのではないか。
 
「こんなん予想できるかww ジャーメル・チャーロが怪童ルビンをワンパンKO!! まさかの1R決着で注目の対決を制す」
 

至近距離でのカウンター勝負はどうよ? 右のカウンターの打ち合いなら近藤選手にも勝機があるかも?

そしてもう一つ。
セルゲイ・リピネッツを倒すには、カウンター勝負に持ち込むのがいいのではないかと思う。
 
ジャブを出しつつ間合いを詰め、リピネッツの左をガードしながら至近距離まで近づく。
左ジャブの連打を止めず、リピネッツに防御姿勢をキープさせる。
 
ワンツーで右のオーバーハンドを出す機会を封じつつ、左サイドに回り込んで、左のボディストレートから右。
 
リピネッツの動き出しを狙って側頭部に右を叩き込めば、大の字になってくれるのではないか。
 
今回の試合で近藤選手が勝つとすればこんな感じだと思うのだが、果たしてどうなるか。
 
これをやるには、
・リピネッツの圧力に負けないフィジカル
・ジャブを出しながらのプレス
・手を止めずにサイドに回り込むフットワーク
・精度の高い右のカウンター
が必要になるように思える。
 
2016年12月のレニー・ザッパビグナがこれをやろうとしていたのだが、真正面から行き過ぎたために逆にカウンターをもらいまくってしまった。
序盤から中盤にかけてカウンターを食い続けて疲弊させられ、KOされた8Rには余力はほとんど残っていなかった。
 
なので、近藤選手が勝つには序盤4R。
体力が残っているうちに前に出て、右のカウンター勝負に持ち込みたい。
リピネッツのカウンターをもらうリスクもあるが、ジリジリ削られた上での後半KO負けよりははるかにいい。
 
「ジャレット・ハードの理不尽フィジカルがトラウトを粉砕する。ダメだトラウト…。パンチがまったく効かない地獄」
 

中谷正義ならセルゲイ・リピネッツに勝てる可能性があるんじゃないか。S・ライト級にアップして狙っちゃえよ(無茶言うな)

セルゲイ・リピネッツの攻略法を長々と考えてきたが、では周辺階級でリピネッツに勝てる日本人選手はいるだろうか。
 
日本人が食い込むには困難なS・ライト級で、猛獣リピネッツを上回る可能性を持った日本人選手。
 
個人的な意見を言うなら、OPBFライト級王者の中谷正義選手ではないかと思う。
 
主戦場は1階級下ではあるが、何と言ってもこの選手の特徴は182cmという長身。しかも、長身選手にありがちなひ弱さもなく、それなりにフィジカルも強い。
 
「尾川堅一がテビン・ファーマーに勝つには? どうすりゃいいのかサッパリわかりませんが、一応考えてみる」
 
遠い位置から出すジャブの当て勘がよく、相手の動き出しを狙った右のカウンターも打てる。
井岡ジム所属だからかは知らないが、多彩なボディ打ちも得意としている。
 
この選手が正面を外しながらジャブを当てていけば、割とガチでリピネッツは追いつけないのではないか。
右のオーバーハンドのカウンターも、あの長身なら回避できるはず。
 
恐らく追い足のないリピネッツにとって、中谷正義選手は天敵の部類。圧力に耐えられずに吹っ飛ばされることも考えられるが、距離感さえ支配すれば十分勝機はあると思う。
 
やっぱり「身体が大きい」というのは、すべてにおいて有利だよねという話。
 
現在OPBFを防衛しながら世界挑戦の機会をうかがっているようだが、統一王者のクロフォードが返上したS・ライト級を狙うのもありではないか?
 
「比嘉がマソンを圧倒。打倒井上尚弥一番手キタんじゃない? 井岡よりも普通に強いんジャマイカ? あ? 武井壮? ブロックしちゃいなよ」
 
ロバート・イースターやマイキー・ガルシア、ホルヘ・リナレスの中に食い込むより、リピネッツに狙いを定めた方が可能性がある気がするのだが。
 
いや、無茶を言っていることは自分でも承知しておりますよ?
 
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