巨人山口俊誕生!! ストーブリーグの巨人の補強戦略が的確過ぎて開いた口がふさがらない。そしてDeNAの間の悪さが……

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ドームイメージ
読売巨人山口俊が誕生した。

2016年12月1日に巨人の堤GMが「巨人軍でお世話になりたい」旨の連絡を山口から受けたと発表。
12月5日に、同じくソフトバンクからFA宣言して入団に合意した森福とともに入団会見に臨んだ。

会見の席で山口は「一試合でも多く完投して貯金を作りたい」と、新天地での活躍を誓った。

なお年俸は3年総額約7億円(推定)で、背番号は42番に決定している。

山口俊絡みのFA戦線がおもしろかった。巨人入りできてよかったな

山口俊、巨人入り決定。

このオフの目玉であった山口俊の巨人移籍が決定した。
11月初旬のFA宣言後、古巣DeNAと巨人、中日による三つ巴の争奪戦が繰り広げられたが、結果は巨人の貫録勝ち。
決断の理由は最初に声をかけてもらったこと、中日の出した条件を受けての上乗せがあったことだという。

個人的に、山口のFAから巨人入団決定までの流れは非常におもしろかった。
普段はあまりFAの動向には興味がないのだが、今回は妙なゴタゴタも含めて報道を毎日心待ちにしていた次第である。

「DeNA山口俊が巨人にFA移籍するべき3つの理由。横浜ファンから離れて新天地巨人でスターになれ」

僕がおすすめしていた中日も山口獲得に全力を尽くしていたし、本人も本命の巨人から満足のいく契約を提示されたようで本当によかったと思う。
また、中日が暗黒を甘んじて受け入れる気がさらさらないこともわかって安心したというのもある。

「2017年中日ドラゴンズ再建にはDeNA山口獲得が必須。投手陣の整備を進めて1-0での勝利を目指せ」

宣言後の言動やSNSでの発言など、優柔不断な振る舞いでベイスターズファンの心証を悪くした面はあるが、この決断が山口にとって成功だったと言えることを願うばかりである。

「DeNAがフィル・クレイン(クライン)獲得発表。3Aで無双の2メートルはベイスターズでも成功できるか?」

大補強の巨人軍。案の定、本気になった巨人の補強が批判の的になっている

2016年シーズンオフ、巨人の補強が止まらない。
そして、そのすべてが的確過ぎて震えが止まらない。

今回のストーブリーグで巨人が獲得した(獲得交渉中の)選手は以下である。

山口俊(DeNAからFA)
森福允彦(SBからFA)
陽岱鋼(日ハムからFA、交渉中)
吉川光夫(日ハムからトレード)
石川慎吾(日ハムからトレード)
柿沢貴裕(楽天からトレード)
ケーシー・マギー(MLBデトロイト・タイガースから移籍)

まさに帝王巨人。
獲れるものは全部いただこう精神満開、球界の盟主ぶりを遺憾なく発揮してくれている。

やはり2年連続で優勝を逃したというのは承服し難い事態だったのだろう。この危機的状況を打破するため、2016年オフの巨人は激マジである。
 
「ダラス・カイケルとかいう88マイルのシンカーをひたすら投げ続けてフライボール・レボリューションに巻き込まれなかった人」
 
だが、案の定この大型補強に対する風当たりは強い

「若手の出番を奪う」
「この球団はいつも育成をないがしろにする」
「これで優勝できなかったらシャレにならない」
「手当たり次第過ぎて長期的な展望がない」
「また失敗の歴史を繰り返すのか」

かつての各チームの4番を総取りする補強や、大枚をはたいて小笠原、ラミレス、グライシンガーなどを獲得したことを引き合いに出して巨人を批判する野球ファンは非常に多い。
人気チームゆえに相当数のアンチも存在する運命なのだろう。とにかくこのオフの巨人はいろいろな意味で注目の的である。

「アルキメデス・カミネロとかいうギリシャ神話に出てきそうな神々しい名前のノーコンは巨人で活躍できるのか?」

巨人の補強戦略が的確過ぎて感動しております。これほど的確で無駄のないストーブリーグをNPBで見られるとは

大型補強で批判を集める巨人。

ただ、僕は今回の一連の動きは非常にいいと思っている。
すべての補強が巨人のウィークポイントを解消する的確なものではないかと思っている。

確かに移籍市場の選手を総獲りする姿勢はえげつないが、一つ一つを冷静に見ていけば実に理にかなっていることがわかるはずである。

計算できる先発が菅野と田口のみという状況を解消するために山口俊を獲得
野球賭博で退団したサウスポー高木京介の代わりに森福を獲得
打力と守備力を兼ね備えた外野手(センター)獲得のために陽岱鋼と交渉
内海の劣化、復帰の見通しの立たない杉内など、先発左腕不足を解消するためにトレードで吉川を獲得。その際、森福獲得の目処が立っていたのだろう。同じ左のサイドスローである公文をトレードの弾として日ハムに差し出す。
一向に芽が出る気配がないドラ1大田を見限り、まだ23歳と若い石川慎吾を強打の外野手として獲得
枠の関係でレギュラー起用が難しいクルーズ、通年働けない片岡のバックアップとして強打の内野手柿沢貴裕をトレードで獲得。その際、山口俊の人的補償でベイスターズに穫られたくない小山をトレードの弾として楽天に放出。
ともに35歳を超え、全試合出場が厳しいサード村田とファースト阿部のサポート役兼右の代打要員としてケーシー・マギーを獲得

どうだろうか。
何一つ無駄のない、守備位置とウィークポイントを同時に補う合理的かつ大胆な補強である。

無理矢理ダメなところを探すのであれば、レギュラー扱いではないケーシー・マギーの年俸が3億円と高額で、なおかつ外国人枠を消費するくらいだろうか。
マイコラス、マシソンは確定と考えて、クルーズ、ギャレット、マギーの3人をどう運用するか。そのあたりがやや難しいかな? 程度である。

「巨人は優勝を狙わなアカン。可能性が低いとかCS狙いとか関係ない。帝王巨人の至上命題は優勝のみ」

少なくとも、かつての4番ファーストをコレクションしていた時代の「レフトマルティネス」「サード清原」などという狂気が発動されることはないと断言できる。

「清原逮捕に対する中畑清の発言に納得がいかない件。「ああ、やっぱり」って何?」

「若手の出番を奪うな」という声も聞かれるが、正直この数年の巨人に上がり目のある若手などほとんどいない。
強いていうならサード岡本だが、それでもチーム自体がしっかりしていなければ育成もクソもない。

以前も申し上げたように、強力な打撃陣を擁しているからこそ下位にお試し枠を置けるのであって、ある意味若手の育成というのは強いチームだけに許された特権である。
「ある程度我慢して育成しろ」といっても、これだけの大補強を敢行しておいてシーズンを犠牲にしていいわけがない。

巨人の標的にされているベイスターズの補強があまり芳しくない?

今回の大補強を見る限り、巨人にとって2016年シーズンは相当悔しかったのだろう。
広島にぶっちぎられたことはもちろん、特にこれまでカモにしてきたベイスターズにCSで負けたことはかなりの屈辱だったように思える。

条件を上乗せしてまで勝ち頭である山口俊を獲得し、先発要員になり得る小山を早々に楽天へトレードする。自チームの補強を進めながらベイスターズの戦力を削りにいく一貫した姿勢はまさに帝王巨人復活の前触れである。

「阪神ロマン・メンデスはやれんのか? 2017年成績予想。守護神? 中継ぎ?」

そして、そのベイスターズだが、こちらの補強状況はどうなのだろうか。
ざっと見たところ、あまりいいオフを過ごしているようには思えないのだが。

11勝を挙げた山口俊が抜けた後の先発陣の成績は、

石田 9勝
井納 7勝
今永 8勝
久保 5勝
モスコーソ 5勝(去就未定)
砂田 2勝
三嶋 1勝

となっている。

「ベイスターズには能力のある若手がたくさんいる。だから山口が抜けても悲観することはない」という声を多数見かけたが、そんなわけはない。どう考えても悲観すべき事態である。
ジョー・ウィーランドという選手を獲得したが、ちょろっと観たところあまり期待できる感じがしない。ポテンシャルをMAX発揮したとしてモスコーソとどっこいどっこいといったところではないだろうか。

「ベイスターズCS初進出に際して愚将中畑清を語る。まあCS進出は1年遅かったよな」

リリーフ陣にしても同様である。
抑えの山崎は疲労の色が濃く、三上、須田、田中健二郎の勝ちパターンは全員故障歴がある選手ばかり。ラミレス監督の運用で軒並みキャリアハイを記録したが、2017年もそれが続く保証はどこにもない。
新外国人のスペンサー・パットンはなかなかいいと思うが、上積みと呼べるのはそのくらいである。

そして、投手陣以上に整備が進んでいないのが打撃陣である。
大黒柱の筒香は問題ないとして、その前後を打つ打者という課題は相変わらずである。

爆発力はあるが安定感のない梶谷。
センス抜群ながらも通年試合に出続ける体力のない宮崎。
確変的な活躍だった疑いもある桑原。
好不調の波が激しいロペス。
複数ポジションを守れる内野手エリアンは打撃がいまいち。

ご覧のように、あっちが立てばこっちが立たずの状態は依然として続いている。日本一のヒッターズパークを本拠地としながら、リーグ随一の貧打線の解消は夢のまた夢と言わざるを得ない。
独立リーグからアウディ・シリアコという選手を獲得したが、この選手がロマック並の外れだった場合は目も当てられない。

「広島がライアン・ブレイザー(ブレイジア)獲得? バース(元日ハム)っぽいのかな?」

ベイスターズのタイミングの悪さ、間の悪さに笑ってしまう。ここまでマネジメントがことごとく裏目に出るチームも珍しい

これは本当に笑ってしまうのだが、ベイスターズというチームはつくづく間の悪いチームである。

リリーフ陣の不足に苦しんだ2014、2015年、かつて戦力外を言い渡した福山博之が楽天で2年連続65試合に登板。
慢性的なセカンドの人材不足に悩むベイスターズを尻目に、楽天に放出した藤田一也が2013、2014年と2年連続でゴールデングラブ賞を獲得。交換要員の内村賢介はすでにベイスターズを退団。
レギュラー格のキャッチャーである鶴岡一成を人的補償で阪神に穫られ、案の定2014、2015年と捕手を固定できずに苦労する。
4番筒香の後を打つ打者と強打のサードの人材不足に悩む中、かつてベイスターズでプレーしていた村田修一が華麗に復活。
そして来る2017年シーズン。先発不足に悩むベイスターズを横目に、巨人の42番を背負った山口俊が快投を連発する予定である。

別に球団を批判するつもりは毛頭ないのだが、ここまでマネジメントが裏目に出るチームも珍しい。

額面通りに巨人があっさり優勝するとは思わないが、2017年のベイスターズの展望は決して明るくない。

また、黒田博樹引退後の広島が目立った補強をしていないところを見ると、来年のセリーグはかなりもつれるのではないだろうか。それはそれで楽しみなのだが。

「三浦大輔と黒田博樹の引退があまりにも見事で、FA移籍と生え抜きへの考えが揺らぎそうになった件」

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