甲子園で肩の酷使を許すな議論に俺が終止符を打ってやんよ【才能ある若者の将来を潰すなファイナルアンサー】

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ヒマワリイメージ
甲子園での投手の酷使を許すな。才能ある若者の将来を潰すな。

第97回全国高校野球選手権が、8月6日に阪神甲子園球場にて開幕した。100年目の節目を迎えた今大会。これから15日間にわたり、全国49の代表校による熱戦が繰り広げられる。

夏の甲子園開幕である。
と、同時にここ数年、毎年行われる投手の酷使問題議論の開幕でもある。
真夏の炎天下で連日行われる試合、特に投手の連戦連投については国内外から問題視する声が多く聞かれる。15日間の大会中、勝ち進めば勝ち進むほど日程は過密になり、各チームのエースは連投を余儀なくされる。2013年から準々決勝と準決勝の間に休養日が設けられたとはいえ、炎天下での過酷な日程であることに変わりはない。一部では「残酷ショー」とまで呼ばれるほどに、甲子園大会に対する批判は近年大きなものとなっている。

「松坂大輔のフォームがおかしい」って連呼するけどさ?

甲子園の投手酷使議論。今年もこの季節がやってきた。
日程が深まれば深まるほど、いろいろなところで投手酷使の問題が取り上げられ、そこここで「自分の考える最高の甲子園改善策」が噴出する。
特に2013年、当時済美高校の2年生だった安樂智大投手が、5試合で722球を投げた頃からこの議論は熱を帯びているように思える。ベースボールの母国アメリカでも、この話題が特集されたことも大きかっただろう。この年あたりから巷でも「才能ある若者の将来を甲子園の酷使で潰すな」という声が多数聞かれるようになったのだ。

というわけで、今回は新たな夏の風物詩ともいえる「甲子園での投手の酷使を許すな」議論に便乗して、「僕の考える最高の甲子園改善策」を提唱しようと思う。
ちなみに、あくまでもネタなので適当に聞き流していただければありがたい。

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甲子園大会の知名度が圧倒的に高過ぎるんだよね

甲子園における投手の酷使が問題視される理由。それはひと言で言うと甲子園が目立つからである。

甲子園というブランド、積み重ねた伝統。その存在感が他のどのアマチュア大会とも比較にならないくらい圧倒的に抜きん出ているのだ。
過度に神格化され、人々の日常の一部と化してしまった甲子園での高校野球。注目度がダントツに高い分、批判も受けやすい。
 
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スポーツライターを名乗る方がどこかのコラムで「こんな過密日程で試合を組んでいる大会は他にはない。高校野球だけが異常なのだ」と断言していたが、これははっきり言って違う。

例えば大学野球。
春季リーグと秋季リーグが存在し、そのほとんどが3戦のうち2勝先勝方式を採用している。つまり第一戦に先発したエースは中1日で第3戦にも先発することになる。そして総当たりの六大学野球を例に挙げると、一人のエースが最大5回、中1日登板をしなくてはならないのである。しかも春と秋の2回。

また、死のリーグとも称される東都大学リーグでは降格方式を採用している。仮に名門校が降格することになれば間違いなく監督のクビが飛ぶので、信頼できるエースをためらいなく酷使する悪循環が起きているのだ。有力なOBからのプレッシャーも相当キツいと聞く。

さらに6月の全日本大学野球選手権に進もうものなら、各チームのエースは春からぶっ続けで投げなくてはならなくなる。そして世界大学野球や日米大学野球の代表に選ばれるようなことになれば、もはやわけがわからないほどの濃度で投げ続ける羽目になるのだ。

そしてそれがたっぷり4年間続くのである。
つまりプロに注目実力を持っている投手ほど、酷使の憂い目にあう可能性が高いのが大学野球なのである。
実際、この酷使によって潰された投手はかなり多い。

極端な話、負けたら終わりの甲子園で連日連投を強いられるのは全国で数人である。しかも、多くの場合エースナンバーを背負うのは2、3年になってからで、1年のうちからバリバリのエースという状況はまれだろう。
ところが大学野球ではそうはいかない。甲子園で活躍するほどの実力の持ち主なら、入学即戦力となることは間違いない。華やかな大学生活の一歩目から「エース」という名の過酷なブラック労働環境が待ち構えているのだ。
こう考えると、大学野球の酷使っぷりは高校野球よりも上ではないかとさえ思えてくる。

しかし、現実的にこの状況に警笛が鳴らされることはほとんどない。
人生80年のうち、30分を使って調べるだけでも大学野球の過酷さを知ることは可能なのにである。前述のスポーツライターを名乗る方ですらそうなのだから、一般人が能動的に調べることなどまずないと言っていい。

それはなぜか。
簡単な話だ。高校野球に比べて知名度が低いから。もっと言うと、誰も見ていないところでいくら酷使してもわかりゃしない。そんなことよりも、テレビのスイッチを入れれば目に入る甲子園を批判した方が遥かにわかりやすい。そういうことなのである。

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予選大会の日程を詰めて甲子園の日程を緩めればいい。テレビに映る部分だけ取り繕えば批判も減るでしょ

甲子園に批判が集まるのはなぜか。それは目立つから。テレビ中継で全国に流れるから。
だったらその目立つ部分だけを取り繕えばいい。

なぜ甲子園だけが批判の対象になるのかといえば、国営放送に近いテレビ局が全試合生中継をするほどに絶大な知名度を持っているからである。自分で能動的に調べなくても、テレビのスイッチを入れるだけで批判の対象を目にすることができるからである。

その批判を逸らしたければ、テレビに映る部分だけを改善するのが手っ取り早い。つまり甲子園で行われる本戦の日程を緩めて、その分予選大会の日程を詰めればいいのである。
なぜなら予選大会は目立たないから。大学野球と同様、人目に触れなければ批判も起こらない。「臭い物には蓋をすればいい」の考え方である。
さらに、将来有望な選手がいる有力校とやらの試合数を減らすことで、より批判されにくい状況を生み出せばいいのである。

では、具体的な改善策を提唱する前に、今回の目標を掲げたいと思う。
・甲子園大会本戦の日程を緩める
・投手の連投を防ぐため、中1日は必ず開ける
・大会の全日程を15日間から18日間に延ばす
・大会の終了日は変えない
・大会開始を8月6日から8月3日に前倒しする
・それに伴って、予選大会の日程を最低でも3日間短縮する

大体こんなところだろうか。
では、次章から改善策の考察に入りたいと思う。
 
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186校参加。激戦区の神奈川大会を例に、日程圧縮を考察する

では具体的な改善策を考えていく。
今回は全国屈指の激戦区である神奈川大会を例に考えていきたい。

まず2015年に行われた「第97回全国高校野球選手権神奈川大会」の概要は以下のとおりである。
・参加校は186校
・開催期間は7月11日~7月28日
・シード校は16チーム
・甲子園出場を決めたシード校の東海大相模高校の試合数が6試合
・ノーシードから決勝まで勝ち上がった横浜高校の試合数が7試合
・大会中に3日ほど雨天予備日が設けられている
・使用する球場は12箇所
・一つの球場での一日の試合数は3試合
・準決勝と決勝は中0日での連戦となる

概ねこんなところだろうか。
では順番に改善点を探っていこう。
まず開催期間17日間というのは長い。ここをもう少し圧縮したい。となると3日ほど設けられている予備日は必要ないと考えていいだろう。災害レベルの悪天候でない限り基本雨天決行。これは必須である。

次は試合数。シード校の試合数が最大で6試合。対してノーシードから勝ち上がった場合の試合数は最大で7試合。ここにもっと明確な差が欲しい。
シード校の16チームは、将来有望な選手が所属する有力校である可能性が高い。この才能ある若者の将来を守るために、シード校の試合数を5試合に減らす。その分、高校で燃え尽きることが許されたその他の学校に、より多くの実戦機会を提供したい。

さらに、各会場で行われる一日の最大試合数を3試合から4試合に増やそうと思う。そうすることで、より効率的な日程が組めるはずである。
各会場での第一試合の開始時刻は9:00となっているが、これを8:00開始とする。施設の使用時間外である可能性もあるが、そこは例外を認めてもらうように交渉する。才能ある若者の将来を守るためには、それくらいの措置が必要なのだ。

シード校が登場するベスト32からは中1日ごとの試合とする。そして各会場で行われる試合数も一日3試合までに戻そうと思う。
大会が進み、有力校同士の試合が組まれるようになると、ローカル局とはいえテレビ中継が入る。やはりメディアに映る部分では、しっかりと選手の体調管理を行っていることを世間にアピールしなくてはならない。その意味でも中1日の休養日は欠かせないだろう。
つまりシード校の16チームに関しては、初戦から中1日ずつの休養日を確保するシステムである。強ければ強いほど優遇される、まさしくピラミッド型の弱肉強食の構造だ。不公平ではない。才能ある若者の将来を守るためには、それくらいの措置が必要なのだ。

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これらを踏まえた上で、以下のような内容で予選大会の日程を見直してみたいと思う。
・開催期間を最低3日間短縮
・シード校はベスト32からスタート
・シード校の最大試合数は5試合
・ベスト32からは中1日の休養日を設ける
・ノーシード校にはより多くの実戦機会を提供するため、最大試合数を9試合とする

投手酷使議論に終止符を打つトーナメント表が完成したぞ

では、上述の内容を踏まえた上で再考したトーナメント表をご覧いただきたい。

まず、各会場に1~12までの番号を振った。
球場

そして、記載された日程は以下のように見ていただきたい。
日程の見方
上の数字が日付(13の場合は7月13日)、左下の丸数字が球場の番号(5は大和スタジアム)、そして右下の数字が何試合目かを表す数字(4は4試合目)である。
つまり、この例で言うと7月13日に大和スタジアムで行われる4試合目を指すことになる。
これを踏まえて、再考したトーナメント表をご紹介する。

まずAブロック。
Aブロック

続いてBブロック。
Bブロック

さらにCブロック。
Cブロック

最後にDブロック。
Dブロック

そして大会も後半を迎えたベスト16の日程。
ベスト8

いかがだろうか。
有力校16チームが登場するベスト32からは中1日の休養日を確保しつつ、7月28日までかかっていた日程を24日で終わらせることに成功している。当初の8月3日開始目標であった甲子園本戦を、さらに1日早めた8月2日に開始することが可能になった。
才能ある若者の将来を守りつつ、高校野球で燃え尽きたい多くの球児たちにも配慮した日程である。

今回短縮した日数は4日間。つまり本戦の甲子園大会では、終了日をずらすことなく4日間の休養日を確保できたことになる。
これなら「炎天下の残酷ショー」と揶揄されることもなく、才能ある若者の将来も守ることができる。高校野球で燃え尽きたい多くの球児たちにも満足感を感じてもらえるし、万々歳である。

以上が「甲子園で肩の酷使を許すな議論」に対する僕なりのファイナルアンサーだ。
言うまでもないが、もちろんネタである。

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