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アミール・カーンはメイウェザーの相手にふさわしいのか? クリス・アルジェリ戦を振り返りつつラストマッチを検証する

ボクシング観戦, 趣味, 雑談 | 2015年7月20日 | タグ: , , ,

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リングイメージ
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メイウェザーのラストマッチと言われる9月の試合の対戦相手として、アミール・カーンは果たしてふさわしいのか?

2015年5月2日に行われた世紀の一戦、フロイド・メイウェザーvsマニー・パッキャオ。この試合を3-0の判定で制したメイウェザーが9月の試合をもって引退することを明言している。ところが残り2ヶ月となった今も、このラストマッチの対戦相手が誰になるのかが正式に発表されてはいない。

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一部報道ではアンドレ・ベルトとも言われているが、目下のところ最も有力な候補とされているのがアミール・カーンである。イギリス出身の28歳。超高速のハンドスピードを活かしたコンビネーションが持ち味のスピードスターである。「キング」の異名を持ち、端正なマスクとその華のあるファイトスタイル。メイウェザーのラストマッチの相手としては絶好のボクサーの一人といえるだろう。

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このアミール・カーン。果たして本当にメイウェザーのラストマッチの相手をつとめるに足る実力の持ち主なのだろうか。仮にカーンが9月の試合の対戦相手に選ばれたとして、5月29日に行われたクリス・アルジェリ戦を振り返りつつメイウェザーとの試合を考察してみたいと思う。

接近戦を選択したアルジェリに対し、カーンは戸惑いながらも対応

まず、5月29日のクリス・アルジェリ戦。試合自体はカーンが物足りなかったと言われているものの、個人的にはかなりおもしろかった。

ひと言で言うと、アルジェリの作戦にカーンが手を焼いた試合だった。
普段の足を使うスタイルを捨てて身長とリーチの差を活かした接近戦を選択したアルジェリ。そしてカーンがそれを迎え撃つ展開。試合序盤は明らかに面食らっていたカーンだが、徐々に相手のプレッシャーに対応し、何とかポイントを奪取する展開に持ち込むことができたのではないだろうか。

得意の高速コンビネーションを思ったように出させてもらえずフラストレーションが溜まるカーン。そしてクリンチ際にカーンに頭を抑えられてイライラするアルジェリ。結果的にはカーンが3-0で判定勝ちを収めたのだが、お互いに、どこかストレスを抱えながら進む試合であった。

恐らくカーンは自分より背が高くリーチのある相手が苦手なのだ。ガンガン前に出てこられると、得意の高速コンビネーションが出せなくなる。出せないというよりも、本来は3、4発打ちたいパンチを2発で止められるなど、やや手詰まりになるのである。引き出しがあまり多いタイプではないので、予想と違うスタイルでこられると対処が遅れてしまうのだ。

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とはいえ、クリンチとサークリングでアルジェリの体力をうまく削り、アルジェリの出足が鈍った後半にコンビネーションを立て続けにヒットさせる展開に持ち込んだカーン。最終的にポイントアウトで逃げ切り、文句なしの判定勝ちを収めた試合であった。

個人的にはなかなか楽しめたが、メイウェザー戦を切望するカーンにとってはアピール不足は否めない試合だったことは間違いないだろう。

左から始まる高速コンビネーション、フットワークを活かしたサークリングがカーンのスタイル


主に左のリードから始まる高速のコンビネーション。これで相手を圧倒するのがカーンのスタイルだ。
まっすぐ飛び込み、3、4発高速のパンチを出して下がる攻防分離のスタイル。
後ろ足を強烈に蹴り上げての直線的な出入り。ハンドスピードを活かした高速コンビネーション。このスピーディなボクシングで相手を圧倒するのがカーンの持ち味だ。
ただ直線的過ぎる動きに加えて防御の甘さも目立つので、しばしば打ち終わりを狙われる場面が観られた。特にダニー・ガルシア戦で喫したダウンは強烈で、カーンの弱点をモロに露呈した一戦といえるだろう。

ただ、前回のデボン・アレキサンダー戦あたりからリングを広く使うサークリング、左右へのフットワークを使うようになり、直線的な動きに変化をつけられるようになってきた。コンビネーションを出した後に身体を入れ換えて、常にアングルを変えて同じ位置にとどまらない戦い方ができるようになっているのだ。

このスタイルの変化は大きな成長で、直線的な攻防分離スタイルから脱皮して、かなりバランスのいいボクシングが展開できるようになってきている。特にスピードを活かした左右へのフットワークは相当ハイレベルだ。打ったら場所を変え、サークリングでアングルを変え、さらに高速の連打で飛び込む。ハンドスピードも健在なので相手にとっては相当やりにくいスタイルである。
昨年行われたデボン・アレキサンダー戦では、フットワークとスピードで一歩ずつ相手の上にいき、最終的に大差での判定をもぎ取ることができたのだ。

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防御の面で言うと左のガードは相変わらず低いままである。そのため出足のスピードがある相手、リーチが長くパンチが伸びる相手には被弾する場面が多い。また、今回のクリス・アルジェリのようにどんどん前に出てプレッシャーをかけられると、高速のコンビネーションの途中でパンチを封じられてしまうため、消化不良に陥る傾向がある。
思い切り腕を振って素早く離れるヒット・アンド・アウェイで圧倒したいのだが、前に出て身体を密着されることでパンチを思い通りに出せなくなるのだ。また左ガードが常に低いので、被せの右をカウンターでもらいやすいのも欠点の一つだろう。

加えて、スピードは一級品なのだが打ち方自体は腰の入らないもので、そこまで強力なパンチを打っているわけではない。今回のアルジェリにしても、カーンのパンチならある程度耐えられると考えたのだろう。どんどん前に出てもKO負けの心配はないと判断したのだ。

ただこの試合のカーンは頭を下げて前に出るアルジェリに対して、頭を抑えつけるようなクリンチで体力を奪ったのがうまかった。ラウンドが進むに連れてアルジェリの突進力は衰え、得意のコンビネーションを思い切り打てる間合いを作ることに成功したのだ。

メイウェザーは恐らくこの試合を観て、カーンに100%勝てると確信したはずだ

このアミール・カーンvsクリス・アルジェリ戦を観て、メイウェザーは勝利を確信したはずである。

恐らくこの試合を観たメイウェザーはほくそ笑んだのではないだろうか。カーンとの試合では間違いなく接近戦を選択するだろう。
しかもアルジェリよりも長く速い飛び込みで被せの右を狙い、カーンのサークリングでは逃げ切れないほどの追い足を見せるだろう。
メイウェザーが身体を密着させてカーンのコンビネーションを出させなくする作戦に出れば、カーンはあっという間に手詰まりになり、ただただポイントを失うラウンドを重ねるだろう。

カーンに勝機があるとすれば、メイウェザーがカーンのスピードに慣れる前に高速のコンビネーションをヒットさせることだが、そこでKOできないだろうというのが厳しいところではある。早い回でコンビネーションを当てられたとしても、そこで試合を決めることができなければ、間違いなく中盤以降メイウェザーは対応してくる。そうなればメイウェザーの思うつぼで、後はいつものポイントゲームに突入、山も谷もないまま最終ラウンドのゴングを聞くことになるだろう。

もう一つカーンに勝機があるとすれば、メイウェザーの失速ではないだろうか。
万が一、試合後半メイウェザーが失速した場合、かすかにカーンにも勝機が生まれる可能性はある。
今回のアルジェリのように慣れない接近戦で出足が鈍り、カーンのサークリングについていけない事態が起きれば、カーン得意のコンビネーションとヒット・アンド・アウェイでギリギリポイントで勝利できるかもしれない。

ただ、メイウェザーほど賢いボクサーならペース配分を間違うことは考えにくいし、仮に失速が起きたとしてもポイントで逆転されるようなミスを犯すとは思えない。相当の奇跡と不運が重ならなければ、この展開にはならないだろう。

気力、体力、調子すべてが絶好調だったデボン・アレキサンダー戦。あの試合からダイレクトでメイウェザー戦に進むことができていれば、もしかしたらポイントアウトで勝てる可能性はあった。だが、今回のアルジェリ戦で接近戦での脆さを露呈してしまったカーン。メイウェザーに勝つ可能性はほぼないといっても過言ではない。

あのアレキサンダー戦を観る限り、カーンはメイウェザーを慌てさせることができる唯一のボクサーだと思っていたのだが、やはりその牙城を崩すのは難しいと言わざるを得ない。残念だが現実的にはいつものメイウェザー劇場が展開される。そんな結末が容易に想像できてしまう。

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