拳四朗忘れんなよ。ロペスとの再戦をボディ一撃で終わらせる。北斗一烈拳炸裂()でパーヘクツ勝利【結果・感想】

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2018年5月25日、東京・大田区総合体育館で行われたWBC世界L・フライ級タイトルマッチ。同級王者拳四朗がランキング1位で前王者のガニガン・ロペスと対戦し、2R1分58秒KOで勝利。3度目の防衛に成功した。
 
 
2017年5月以来、1年ぶりの再戦となった今回。
序盤からリング中央で、両者がリードの差し合いを繰り広げる。
 
的確にジャブをヒットする拳四朗に対し、なかなか距離感がつかめないロペス。攻撃をうまくいなされ、苦戦を強いられる。
 
「最強クロフォードがホーンに圧勝で3階級制覇。ん? 最強? いやいや、クロフォードに勝てそうなヤツが1人いるんだが」
 
2R。
鋭い踏み込みからの右をボディ、顔面に当てていく拳四朗。
ロペスも思い切った突進を見せるが、拳四朗は落ち着いて身体を入れ替える。
 
そしてラウンド中盤。
拳四朗の右ボディを被弾したロペスが壮絶なダウンを喫する。
苦悶の表情を浮かべたまま立ち上がれずにカウントアウト。
 
拳四朗が3度目の防衛に成功するとともに、微妙な判定となった前戦以来の再戦をパーフェクトな勝利で飾った。
 
「猛獣井上尚弥がマクドネルを1RTKO。あんぐりですね。解説山中慎介に喋る暇を与えない秒殺劇。マクドネルはお疲れ」
 

再戦で完勝の拳四朗。もうアレだ。開始直後から「これは勝つな」って思ったよね

拳四朗勝利!!
ベテランサウスポーのロペスをボディ1発で沈める!!
 
1年振りの再戦となった今回。
ただ、個人的にはこの結果はかなり順当だった気がする。
 
1Rからリードの差し合いを展開する両者。
その時点で「お、拳四朗よさそうですね」と。
 
得意のジャブがタイミングよくヒットする拳四朗に対し、ロペスの右はほとんど当たらない。前戦の中盤以降に掴んだ距離感をそのまま持ち込んだイメージ。
 
ロペスの射程の1歩外をキープし、内側と外側に交互に踏み込みながら左をうまくヒットしていく。
さらに軽く旋回しながら、徐々にロペスの奥足を目がけるように正面に回り込む。
 
そうそう、これね。
前回も中盤あたりからやってたよね。
 
「見どころ満載の拳四朗vsガニガン・ロペス。思った以上におもしろかった試合。拳四朗が大接戦を制して初戴冠」
 
左リードで相手の右をはたき落としつつ、ロペスの左を警戒しながら右を打ち込める位置までスルスルと移動する。
そして、身体をぐいっと伸ばして顔面、もしくはボディに右ストレート。
 
これを言うと不愉快に思われるかもしれないが、山中慎介との再戦でルイス・ネリが見せた動きともちょっと近い(気がする)。
 

お見事過ぎです。前回対戦の情報をインプットし、完璧にロペスをコントロールしてのボディストレートでKO

そして、2Rに入るとさらに距離を詰め、積極的に右を打ち込む拳四朗。
 
左足をロペスの右足の内側に差し込み、打ち終わりに右をヒット。すぐさま離れて射程外へ。
ロペスが強引に踏み込んでくれば、それに合わせて大きくバックステップ。ロペスに左を出すタイミングを与えない。
 
「拳四朗がメリンドに圧勝!! これを待ってた。WBSS観戦はテレビでよかった。シーサケットのONEについても」
 
いや、もう完璧じゃないっすかね。
前回は最初の差し合いで苦労させられたが、今回は「間合いは完全にインプット済みですけど何か?」みたいな。
後半にロペスの強引な突進に巻き込まれそうになるシーンもあったが、それもバックステップしながらカウンター気味の左で迎撃。
 
ロペスの攻め手をほぼ奪った状態で、落ち着いて右を当てていく。
 
ボディの一撃で決めたような印象が強いが、実はそれまでにも同じようなパンチが何発か当たっている。
しかも、ロペスの左を警戒しながらだった1Rとは違い、より深く踏み込んでの右。
あのダウンは一撃必殺というより、ダメージの蓄積によるものだったのではないか。
 
解説の長谷川穂積が「再戦では、前回の試合からどちらがどれだけ成長しているかが重要になる」と言っていたが、この試合に関しては成長というより対応力の差が大きかった気がする。
 
うん。
さすがは拳四朗。
僕が「和製ロマチェンコになれるのは田中恒成ではなく拳四朗」と喚き続けているだけある。
相変わらず誰にも共感されないけどww
 
「拳四朗4RTKO!! ペドロサ手も足も出ず。いいですね拳四朗。ホントに期待できるぞこの選手。まあ、今回は相手が微妙だったけど」
 
唯一の懸念材料だったvsサウスポーの対応も完璧にこなした結果、いよいよモンスター化するんじゃないの? と言ったら言い過ぎか。
 
井上尚弥のおかげで存在がすっ飛んだが、今回は文句なしのベストバウトだったと思う。割とガチで。
 

今後の拳四朗? 勝手な希望を言うならヘッキー・ブドラーとの統一戦ですよね。京口紘人は……ちょっと微妙かな

なお拳四朗の次戦以降については、独りよがりの希望を申し上げるならヘッキー・ブドラーとの統一戦が観たい。
 
アングル調整とサイドに回ってのカウンターが得意なヘッキー・ブドラーと、動きながらの左リードと抜群の右、さらにインファイトも可能な拳四朗。
 
相性的にも戦力的にも、かなりおもしろそうな組み合わせかなと。
少なくとも、田口とブドラーの再戦よりはよっぽど興味をそそられるというか。
 
IBFミニマム級王者の京口紘人との日本人対決の声もちょくちょく聞くが、これはどうなんだろうか。
正直、拳四朗にとっての京口は苦手な部類に思えるが。
アマチュア時代の対戦では拳四朗が勝利したらしいが、12Rの長丁場だとむしろ京口の方が有利になりそうな……。
 
いや。知らんけど。
 
それこそミニマム級を含めるのであれば、どちらかというと僕はvs山中竜也の方が観たい。ミゲール・コットやダニエル・ローマンを彷彿とさせる山中のコンビネーションを、拳四朗がどうさばくか。
ガン詰めボディ打ちの京口紘人より、こちらの方が動きの多い試合になると想像する。
 
「拳四朗vsタコニン予想。こういう相手を圧倒してほしい。ペドロ・タドゥランと練習してるなら平気じゃない?」
 
まあ、そもそも論として、拳四朗自身があまりビッグマッチ路線に興味がなさそうなのがね。
統一戦等で一発勝負に出るより、長く防衛する方を優先しそうな気がしないでもない。
 
でもアレか。
意外と激情家な部分もあるから、煽られれば「おう、やってやんよ!!」というパティーンもある? のかな?
 

会場の放置地獄は大丈夫だったのか? テレビ観戦の僕ですら「長えなオイ」って思ったからね

これは余談だが、この日に会場で生観戦された方は大丈夫だったのだろうか。
 
拳四朗がロペスを2RKO。
そこから井上尚弥の試合まで、だいたい40〜50分。
その間、井上の過去の試合が延々と流れさる状況。
 
正直、自宅でテレビ観戦していた僕ですら「まだかよ」と感じたくらいで、大田区総合体育館のカッチンコッチンの座席で放置された方にとってはマジで地獄だったのではないか。
 
それとも、すばらしい試合の連続で、テンポの悪さがかき消されるくらい大満足だったのか。
 
一応、僕は今回、現地観戦を迷った挙句に止めた経緯がある。
理由は以前にも申し上げたように、大田区総合体育館が好きじゃないのとテレビの生放送があるから。
 
そして、個人的には正解だったと思っている。
豆腐メンタルの僕に、あの時間調整放置地獄を平静を保って耐えきる自信はない。
多くの方が「井上すごかった」との感想を述べる中、「この金額であれはないわ」とぶちまけていた可能性が濃厚だったのではないかと。
 
てか、KOが多ければ多いほどイベントのテンポが悪くなる謎現象、マジで厳しいよね。
空き時間に催し物でもやればいいのにとも思うのだが、「俺はボクシングを観にきたんだ。そんなものを求めてない」と嫌悪感を示す方も多いという。
 
ホントに詰んでるよね。
 
「拳四朗は和製ロマチェンコを目指せ。ゲバラに消耗戦で勝利!! だけど、これじゃない感半端ない」
 
まあ、いいけどさ。
 
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