カバロウスカスがアブレウに大苦戦の末に判定勝利。今回は苦手なタイプだったな。ジャブの強さでスレスレ生き残った【結果・感想】

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2018年7月7日(日本時間8日)、米・カリフォルニア州で行われたNABF北米ウェルター級タイトルマッチ。
同級王者エジディウス・カバロウスカスが挑戦者ファン・カルロス・アブレウと10回戦で対戦し、3-0(96-94、97-93、97-93)で勝利。王座防衛を果たした。
 
 
序盤から得意の左で距離を作り、踏み込みのタイミングを測るカバロウスカス。
だが、長いリーチを活かしたアブレウのカウンターに阻まれ、思いきった攻撃ができない。
 
遠い位置でくぎ付けにされ、攻めあぐねるカバロウスカスに対し、会場からは徐々にブーイングも聞かれる。
対するアブレウもカバロウスカスの攻撃力を警戒して、ディフェンス重視のスタイルを貫く。
 
 
時おり激しい打ち合いを見せるものの、お互い決め手がなくこう着の多い試合。
ラウンドを重ねるごとにブーイングは大きくなり、観客のフラストレーションも溜まっていく。
 
「ライアン・ガルシアvsホセ・ロペス、小原佳太vsアブドカクロフ、カバラウスカスvsロビンソン。スター候補と中量級ウォーズ振り返り」
 
結果的に左ジャブの精度でカバロウスカスが勝利したが、残念ながら期待値からは程遠い内容となってしまった。
 
 
なおこの試合は当初、WBC世界S・ライト級タイトルマッチのセミファイナルとして組まれていたが、挑戦者ダニー・オコーナーのドクターストップにより中止。急きょメインイベントに繰り上げされている。
 

エジディウス・カバロウスカスvsファン・カルロス・アブレウ。カバロウスカスはちょっとだけ注目してる選手です

僕が勝手に「リトアニアの井上尚弥」と名付けたエジディウス・カバロウスカス。
 
強い左ジャブと鋭い踏み込み、近場での爆発力。また、上体を逸らしながらのカウンターなど。日本の井上尚弥との共通点はかなり多い(気がする)。
 
現在、地域タイトルを防衛しながらステップアップの機会をうかがっている最中で、個人的にちょ~~っとだけ注目している選手でもある。
 
「エジディウス・カバロウスカスとかいうウェルター級の井上尚弥。こんなに似てる選手は初めてじゃないっすか」
 
そして、今回の相手であるファン・カルロス・アブレウは、戦績21勝3敗1分19KOの挑戦者。
過去、ヘスス・ソト・カラスにも勝利したこともある強打者である。
 
ただ、戦績を見ると無敗のホープっぽい選手に軒並み負けていることがわかる。確かにカバロウスカスにとっては「ちょうどいい踏み台」的な立ち位置の選手なのかもしれない。
 
「人気階級のウェルター級で名前を売るには、ただ勝てばいいわけじゃない」
これはWOWOWエキサイトマッチの解説者がよく言うセリフだが、今回のカバロウスカスも今後のためにインパクトのある勝利を見せたいところである。
 

半端ない塩試だったけど、個人的にはおもしろかった。挑戦者のアブレウはカバロウスカスの天敵タイプ

そんな感じで試合を観たのだが、個人的にはなかなかおもしろかった。
 
いや、会場のブーイングもすごかったし、恐らくカバロウスカスの爆発力に期待した人にとっては不満の多い試合だったとは思う。
 
それでも、僕にとっては「普通に楽しかった」というのが本音である。
 
何と言っても、挑戦者のアブレウがよかった。
よかったというより、この選手はカバロウスカスがめちゃくちゃ苦手なタイプだった。
 
奥足重心で広めのスタンスで構え、顔面を極力遠ざける。
右腕で顎とボディを守り、L字気味の左は常にジャブを打てる状態を保つ。
 
大きく前に出した足で侵入経路を塞ぎ、相手のつま先を軽く踏んで動きを制限。
そして、左リードにカウンターの左を被せ、追撃の右を振る。
 
たっぷりとカウンターを意識させ、大きく広げた足で踏み込みを封じる。
これによってカバロウスカスは自分から手が出しにくくなり、遠い位置でくぎ付けにされてしまった。
 
うん、アブレウはいいですね。
 
強い左と鋭い踏み込み、近場での連打というカバロウスカスの持ち味をまったく機能させない作戦。
相手を遠ざける左の鋭さと、最低限当たり負けしないフィジカルもある。
 
何となくだが、ランセス・バルテレミーとギジェルモ・リゴンドーを足して2で割ったような。
カバロウスカスにとって、今回はマジで天敵だった。
 
「激戦のアレクサンダーvsベルト。思った以上におもしろかったし、思った以上に泥試合だった」
 

アブレウさん、後半疲れたよね。左のカウンターも雑だったし、精神面にもムラがあるのかも

ただまあ、疲れたなと。
 
ラウンドが進むにつれてアブレウのスタンスがだんだん狭くなり、左のカウンターからも徐々に鋭さが失われた。
 
この選手の圧力に耐えながら塩漬けにするのは、精神的にも肉体的にもキツいということか。
 
また、パンチの精度に差があったのも痛かった。
何だかんだで的確な左をヒットし続けたカバロウスカスに比べ、アブレウはパンチの命中率がすこぶる悪い。首に腕を絡めたりするだけで、実はそこまで当たっていない。
 
自信たっぷりにノーガードで攻めたりもしていたが、アレのせいでもらったパンチも多い。
後半やや雑になったところを見ると、精神的なムラも大きいのかもしれない。
 
カバロウスカスの攻略法は間違いじゃないし、惜しいところまでは追い詰めた。
だが、その先に進めなかった感じか。
意外に(?)いい選手だったので残念ではあるが。
 

やっぱり小原佳太はカバロウスカスといい勝負になると思う。後楽園ホールに呼んで、お互いに意味のないダブルタイトルマッチを実現すればいい

ついでに言うと、やはり日本の小原佳太ならカバロウスカスといい勝負になるのではないか。
 
「リトアニアの井上尚弥、カバロウスカスがアバネシャンを6RKO。いや、でも日本の小原佳太なら勝てるんじゃないの?」
 
相手の左にせっせとカウンターを被せていけば、カバロウスカスが踏み込みを躊躇することは今回の試合でわかった。
 
強力な左にビビらず、常にサイドに回りながらのカウンター。
突進力を発揮するスペースを与えず、近場で連打を浴びせる。
小原佳太の長身とスピードなら、マジで可能性があると思うのだが。
 
以前にも申し上げたが、カバロウスカスを後楽園ホールに呼んでWBOアジア・パシフィックとNABF北米のダブルタイトルマッチを実現すればいい。
 
お互いに取っても意味のないタイトルを賭けてリングに上がり、大激戦を繰り広げる。勝者は試合後のインタビューで「活動拠点が違うから、タイトル取っても意味ねえじゃねえか!!」とでも叫べば最高であるww
 
その前に小原佳太は8月のアルビン・ラガンベイとの再戦か。
まあ、距離をとって前半をやり過ごせば、ラガンベイが勝手に失速してくれるとは思うんだけどね。
再戦でそれをやったら興醒めという噂もありますが。
 
「小原佳太2RKO負けでWBO-AP王座陥落。ラガンベイとダブルノックダウンで立ち上がれず。でも「まさか」ではないかな」
 

井上尚弥に今回のアブレウの作戦を実行できる人いませんか? アイザック・ドグボエが第一候補かな

あとは毎度似たようなことを申し上げてアレなのだが、今回のアブレウの作戦を井上尚弥相手に実行できる人を絶賛募集中であるww
 
 
とりあえず、バンタム級の井上はカバロウスカスよりも数段スケールが大きい。
 
その井上の圧力に耐えながら、塩漬けにできる選手。
ハンマーのような左にビビらず、カウンターを合わせられる選手。
しかも、それを12R継続できるスタミナのある選手。
 
どこかにいないっすかね?
 
パッと思いつくところではやはりギジェルモ・リゴンドーなのだが、現状、彼自身が完全に消息不明という。
WBSSのオファーも謎の理由で断ったとのことで、階級下の選手に負けるのはプライドが許さないのだろうか。
 
「エマヌエル・ロドリゲスなかなかいいっすね!! ポール・バトラーを寄せつけず。井上尚弥vsペッチバンボーンだったな」
 
だったらアイザック・ドグボエはどうよ? と。
 
井上よりも階級が上で身体の強さもある。
カウンターも得意だし、メンタルも強そう。
これまでの対戦相手のように、井上の圧力を受けて「くう~~ん」と委縮するひ弱さは感じない。
 
懸念材料としては、身長が低いことか(井上尚弥165cm、ドグボエ157cm)。
これだけ差があると、今回のアブレウのように遠い位置でくぎ付けにするのが難しい? かな?
 

井上はWBSSで優勝したらバンタム級卒業でいいよね。案外、2019年末に井上vsドグボエが実現したり……

なお、先日井上のWBSSへの参加が正式発表され、ファンの間でも期待が高まっている。
 
そして、個人的にはここで優勝すればバンタム級は卒業でいいと思っている。割とガチで。
 
「猛獣井上尚弥がマクドネルを1RTKO。あんぐりですね。解説山中慎介に喋る暇を与えない秒殺劇。マクドネルはお疲れ」
 
2018年秋からトーナメントがスタートすると考えると、
 
・9、10月前後に1回戦
・年末に準決勝
・2019年3、4月前後に決勝戦
 
順調にいけばこんな感じだろうか?
 
開催場所は何とも言えないが、相手がドネアなら日本、ゾラニ・テテ、バーネットなら英国かな?
他はよくわからん。
てか、日本と英国以外に候補地ってあります?
 
となると、2019年夏ごろには井上はS・バンタム級に進出している計算になる。
意外と年末の有明コロシアムで井上がドグボエに挑戦するパティーンとかもあったりして。
 
 
でも、その前にドグボエvs大竹秀典ですよね。
この試合には大いに期待したいところでございます。
 
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