涙が止まらんw 亀海TKO勝ち!! ソト・カラスとの再戦を制してS・ウェルター級に名前を刻む。リアム・スミス戦はどうよ?【結果・感想】

涙が止まらんw 亀海TKO勝ち!! ソト・カラスとの再戦を制してS・ウェルター級に名前を刻む。リアム・スミス戦はどうよ?【結果・感想】

ロスホテルイメージ
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2016年9月10日(日本時間11日)に米・カリフォルニアイングルウッドにあるザ・フォーラムで行われたS・ウェルター級10回戦。元東洋太平洋ウェルター級王座の亀海喜寛がヘスス・ソト・カラスと対戦し、大激戦の末に8R終了TKOで勝利を飾った。

両者は2016年4月の対戦で引き分けており、ダイレクトリマッチとなった今回、亀海が見事決着をつけた形である。

「亀海惜しくもソト・カラスとドロー!! 勝ったと思ったけどな。でもいい試合だった」

これで戦績を27勝3敗2分(24KO)とした亀海。ロマゴンvsクアドラス戦のセミファイナルという大舞台で、米国のファンに強烈な印象を残したことは間違いない。次戦以降、大チャンスが巡ってくることが期待される。

スピード&パワーのS・ウェルター級で、日本人ボクサーが王座を奪還する日は来るのか。33歳で今なお進化を続ける亀海喜寛の今後に注目である。

最高の試合!! 週末に観た中で亀海の試合が一番燃えて一番感動した

KO Victory!!
from Tokyo Japan!!

Yoshihiro Kamegai!!!!

いや、最高の試合!!
マジで最高の試合だった。

前回の試合もよかったが、今回はさらによかった。個人的には週末に観た試合の中でNo.1だったと思う(というか、試合が多すぎてちっとも追いつかないっすww)。
タフなソト・カラスを相手に終始有利な展開で試合を進め、最後はギブアップを呼び込む。亀海喜寛すばらしすぎる。

「井上vs河野予想!! ペッチバンボーン最強説を覆せ。モンスター井上の実力を証明する試合」

個人的には前回の試合も亀海の勝ちだと思っていたので、正直再戦の必要性については若干疑問ではあった。だが、前回とはケタ違いの大舞台ではっきりと白黒つけてくれたのだから、結果的にはよかった。
以前から亀海は応援している選手の1人だったので、その選手にこれだけ注目が集まるのは嬉しいかぎりである。

これで「ロバート・ゲレロに善戦を演じた選手」から「ロバート・ゲレロに肉薄し、階級アップ後にタフなヘスス・ソト・カラスをKOした選手」に格上げである。
海外のリングに上がり続け、時間はかかってもしっかりとキャリアを積み上げる亀海の骨太路線は日本のボクシングファンからも好意的に見られるのではないだろうか。

「ダニー・ガルシアがロバート・ゲレロに完勝して2階級制覇達成!!」

いつも言うように、無敗のキャリアというものにはマジで大した意味がない。そんなものはメイウェザーやロマゴン、ゴロフキンなど一握りの超人のみに許された特権であって、それ以外の選手はやはり、勝った負けたを繰り返しながら成長していくというのが健全な姿なのだろう。

そして、負けない相手を選ぶのではなく、たとえ負けてもそれを糧にして一回り大きくなる。その方がよっぽど選手としてスケールアップできることを亀海喜寛は身をもって示してくれていると思うのだ。

「河野惜敗!! 激闘の末、コンセプシオンに敗れる。引退なんかするなよ?」

極端な話、ジムのプロテクトから外れて自由に試合がしたければ、キャリア初期でわざと負けておくのも一つの手なのではないだろうか。
スポンサーがつき、試合がゴールデンタイムでテレビ放送されるされるようになれば生活は安定するし、将来も安泰である。
だが、国内で有名になればなるほど「本当に強い相手と試合をしたい」という欲求が満たされる機会は減り、そのジレンマに苦しむことになる。

どちらがいいか悪いかではなく、長期的なキャリアで見れば名前が売れる前にさっさと無敗のプロテクトから外れておくというのも悪くない。
そんな寂しいことを考えなくてはならないほど、今回の亀海は見事だったと思う。

いつも申し上げているように、僕は「本物」だの「本質」だのという話にはあまり興味はない。だが、亀海喜寛という選手が修羅場をくぐりぬけるたびに成長していることは間違いないと思う。

「恐れ入りましたカネロ。リアム・スミスにあんな勝ち方するか」

前回と同様の激しい打ち合いだが、スリッピングアウェイを控えたことでパンチに体重が乗った

テンションが上がって余計なことを語ったが、試合自体は前回以上に亀海の完勝だった。TKOで終わったこともそうだが、そこまでの過程でも亀海が終始ソト・カラスを圧倒し続けた試合である。

「ほら見ろ! 再戦なんていらんかったんや!!」
これが僕の率直な感想である。

試合の流れとしては基本的には前回と同じ。
手数のソト・カラスに対し、1発の威力と正確性の亀海。フィジカル面で勝っているのは前回同様亀海で、常に亀海がソト・カラスをロープに押し込んだ状態での打ち合いが続く。

「ホルヘ・リナレスvsアンソニー・クローラ(クロラ)予想! シャレにならんぞリナレス。スピードで勝てるってマジ?」

そして、亀海は恐らく前回の反省を活かしたのだろう。パンチの方向に首をひねって威力を逃がすスリッピングアウェイを極力控えたディフェンスを意識していた。
前回の試合ではあのスリッピングアウェイがポイントになっていた可能性が高く、本人も試合前に今回はしっかりとしたガードを重視する旨のコメントを出している。

結果的にはこれがいい方に作用した。

相手の右に対し、右足を下げて左半身の姿勢をとり、左肩や左肘、または背中で受ける。その状態から腰を回転させて右を打ち込む。
打ち終わりにそのまま右足を踏み出すことで自然と右半身の態勢を作り、今度は相手の左を右肩や右肘でガードする。
左右交互に半身の態勢を作ることで、腰の回転とシフトウェイトのみで威力あるパンチを打ち込むことができ、自然と攻防一体のスタイルを実現する。

「言うほどいい試合かこれ? 長谷川穂積がウーゴ・ルイスから王座奪取!! すまん長谷川、あんまり感動せんかった」

しかも今回はスリッピングアウェイの使用を控えたおかげで上半身のブレが抑えられ、1発1発にしっかりと腰が入っていた。
アウトボクサー時代のスタイルをそのまま接近戦に持ち込み、そこにフィジカルの強さを上乗せした攻防兼備のスタイルである。

アメリカでやっていくには客受けしないと話にならない。そのため、元々のアウトボクサースタイルからファイタースタイルへ変更をせざるを得なかった亀海。
それもこれもやはりフィジカルあってのものであり、先日の小原佳太や和氣慎吾とはひと味違う部分である。

「小原佳太がトロヤノフスキーに場外に吹っ飛ばされる!!」

いや、アタシャ感動して泣きそうになりましたよ。4Rの残り30秒からの至近距離での連続のカウンター。亀海スタイルの真骨頂ですわ。

亀海のスタイルはロマゴンの影響? でも、実はちょっと違うと思うけどな

交互に半身の態勢を作り、攻防兼備を実現する亀海の接近戦スタイル。
肩を交互に入れ替えるために左右どちらかのパンチを連打しにくい、機動力の面で若干の難があるなど多少の弱点は見られるが、ソト・カラスのようなファイターとの打ち合いには抜群の効果を発揮する。まさしく亀海オリジナルのスタイルである。

と思っていたのだが、聞くところによるとどうやら亀海はロマゴンの影響を受けているらしい。帝拳ジムで一緒に練習をするうちに身につけたのだとか。

「怪物ロマゴンも人間だった? クアドラスを判定で下して4階級制覇達成!!」

なるほど。
確かに言われてみれば、あの体重移動はロマゴンと似ていると言えなくもない。
ただ、亀海のスタイルはあくまで相手ありきで、相手が右を出したら左、左を出したら右という受動的なスタイルである。
まずは防御、まずはガード。
相手の攻撃を防いだ流れでパンチを返し、チャンスがあればカウンターを狙う。いわゆるアウトボクサー的なスタイルとでも言えばいいだろうか。

それに対し、ロマゴンはとにかく自分から。
能動的にシフトウェイトを繰り返し、自分から相手を追いつめてパンチを打ち込んでいく。相手の出方というより、自分主導で攻撃の流れを作るスタイルである。

恐らく亀海がロマゴンの影響を受けているは間違いないのだろう。
とはいえ、両者のスタイルには決定的な違いがあるように思えるのだが、どうだろうか。

「無謀? 大沢宏晋がオスカー・バルデスに挑む!! 聖地ラスベガスでパッキャオのアンダーカード」

やっぱりリアム・スミス戦が観たい。難しいとは思うが、実現したら嬉し過ぎる

感動的な試合を見せてくれた亀海だが、次戦以降はどんな流れになるのだろうか。
一応、ロマゴンのセミ・ファイナルで実力者のソト・カラスを相手にKO勝ちを収めたのだから、それなりの道が拓けると期待してもいいような気がする。

といっても、具体的にどうなると言われても、マッチメークにはあまり詳しくないので何とも言えないのだが。

「大沢、オスカル・バルデスに7RTKO負け。実力差を承知で海外のリングに上がるのは本当に「すばらしい」のか?」

個人的な希望を言うのであれば、以前の記事でも申し上げたように亀海喜寛vsリアム・スミス戦が観てみたい
ガードを高く上げた堅実で硬派なスタイルのリアム・スミスと、至近距離での打ち合いとカウンターが得意な亀海。
正直、勝つのは相当難しいとは思うが、フィジカル面で上回ることができればチャンスはあるような気がする。

ああ、でもリアム・スミスは今度カネロと防衛戦か。
そこでカネロが勝つとややこしいことになるな。

「“カネロ”・アルバレスがリアム・スミス挑戦にファン失望? ゴロフキンとの一騎打ちを回避」

でも、カネロはあくまでゴロフキン戦に向けての調整試合なわけで、タイトルを獲得してもすぐに返上する可能性もある。ということは、空位のWBOタイトルをリアム・スミスと亀海で争う流れになるかも……。

「無謀にもほどがあるケル・ブルックがゴロフキンに5RTKO負け!! セコンドのナイス判断」

正直確率は低いと思うが、実現したら卒倒してしまいそうであるww

ところで、何でこの人は馬で全力疾走してるんですかねww

 
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