スコットランド戦の感想と展望。日本ラグビーの分岐点? W杯で培った貯金が尽きかけてるぞ【ラグビーテストマッチ】

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スコットランド空イメージ
2016年6月18日に東京・味の素スタジアムで行われた日本vsスコットランドのラグビーテストマッチ。13-26で日本代表が敗れ、2015年のW杯以来のスコットランドへのリベンジを果たすことはできなかった。

前半8分に日本が速攻からのトライを奪い観客を沸かせたものの、結局トライはこの1本のみ。スコットランドの強力フォワード陣の縦突進に押され、要所の反則でシンビン2人を出すなど苦戦を強いられ、終わってみれば13-26での惜敗である。

2本のトライに加え、確実にPGを決めて加点したスコットランドの堅実な試合運びにまたしても苦杯を味わわされた形となった。

そして、2016年6月25日に味の素スタジアムでスコットランドとのテストマッチ第2戦に挑む日本代表。前回試合で国内のテストマッチでは最多の24,113人を記録したラグビー人気をさらに高めるためにも、絶対に負けられない試合である。

モヤモヤした試合。原因の1つは戦力不足かな。単純だけど

忙しくてなかなかチェックできなかった日本vsスコットランドのテストマッチだったが、先日ようやく観ることができた。

感想はというと、何というか非常にモヤッとした試合だった。

圧倒されているわけじゃないけど決め手がない。
「あそこのあれが悪い。ここをこうすれば」という指摘をするほどでもないけど、全体的に強くない。
スコットランドは勝てない相手じゃない感じがするけど、勝てる気もしない。
何がダメなのかがわからないけど、何となくスッキリしない。

恐らく多くの方が似たような感想を持ったのではないだろうか。
非常に健闘しているとは思うし、2015年W杯の10-45の大敗に比べれば間違いなく接戦なのだが、どことなく高揚感に欠ける。

「日本、スコットランドに大敗!! 日本ラグビーの運命を握る大一番に敗れる!!」

ひと言で言うと「物足りない」。
そんな試合だったと思う。

まあ、こういう抽象的な話をしていても仕方がないので具体的にどこが物足りなかったのかを考えていこう。
といっても大した答えを持っているわけではないのだが、要は単純なメンバー不足と練習不足だろう。

フォワードで言うと、No.8のマフィをサポートするプレイヤーの不足。
確かにマフィの突進力はすごいのだが、実は孤立するシーンも多い。
ボールを持って突進してゲインラインを突破するまではいい。だが、そこからさらに強引に前に出ようとするため、相手に囲まれて味方が追いつけなくなってしまうのである。

あれだけの突進力を持っていれば1人でぶち抜きたい気持ちはわかる。だが、ラグビーは1人で相手をなぎ倒して走りきれるほど甘くはない。1人目とコンタクトしたところでスピードを緩めてしっかりつなぐ意識を持てば、恐らくこの選手はもっといいプレイヤーになると思う。

そして、今の日本に欠けているのはマフィをフォローする2人目3人目のプレイヤー。マフィがボールを持って相手にコンタクトした後、すばやくサポートに入ってボールをつなぐプレイヤーだ。これは基本的にロックの役目になるのだが、W杯ではその役目をトンプソンが担っていた。だが、今回のテストマッチにトンプソンの名前はなく、東芝の小瀧と大ベテランの大野の両名である。

正直、これは物足りない。
もちろん両者ともにいい選手には変わりないし、大ベテランの大野を否定するのはタブーなのかもしれない。だが、勝敗のみを考えた場合には残念ながらマフィのサポート役としてのクオリティはトンプソンには及ばない。体力面でもフィジカル面でも、である。
まあ、W杯でのマフィは出場自体があまり多くなかったではないかと言われればそれまでなのだが。

「サンウルブズがなぜ勝てないかだって? 弱いからでしょ。戦力と準備、全部が不足してる」

次はバックスについてだが、こちらはフォワードよりもさらに明白で、外側を走るスピードスターの不在だろう。

コイツがボールを持ったら何かが起きる。
何とかパスを外に回してアイツに走らせれば。
こういう期待感を持たせる選手の不在。

そして、相手のバックスを大外で止めてくれる大砦。
身体の大きな相手にひるむことなく低いタックルをぶちかまして味方に勇気をくれる選手の不在。

つまり、五郎丸と山田の不在である。

日本代表のイケメン枠であり、学生時代からスーパースターだった両者の不在は今回の日本代表にとって本当に痛い。笹倉やマレ・サウ、松島もいいのだが、やはり日本代表の主役は五郎丸と山田だ。センターに立川という強烈なフィジカルを持ったインパクトプレイヤーがいるのに、そこから外展開した際の決定力不足はチームとしてどう考えても厳しい。

というか、マレ・サウってセンターじゃなかったか?

「ラグビー人気アカンな…。ダン・カーター来日が完全に空気って……」

もう1つの原因は練習不足。W杯の貯金が底を尽きかけてる状態かな

そしてもう1つは練習の不足。
これはもう本当に単純で、2015年のW杯以来の日本代表ということで、意思の疎通ができていないというのが大きな原因である。

18日の試合を観ていて思ったのだが、それぞれのプレーに明確な意図が感じられるスコットランドに対して日本は行き当たりばったり感が非常に強い。

「ラグビー7人制(セブンス)の魅力。メダル獲得できるか?」

ポイントサイドに決められた人数のフォワードがきっちりとポジショニングし、最後の外展開を見据えたラッシュを仕掛けるスコットランド。
さらに、中心選手であるレイドローがゴールキックに絶対の自信を持っているため、敵陣ではより積極的なプレーを選択できるというアドバンテージもある。
プレイヤー全員が明確なプランに沿って動く統率力がスコットランドからは強く感じられた。

その点、日本は対照的である。
仮に1人がゲインラインを突破しても、そこからのプランがないのでボールを持ったプレイヤーが戸惑うシーンがたびたび見られた。サポート役のプレイヤーも、ボールキャリアがポイントを作るのかそのまま走りきるのかわからないため、次への対応が一瞬遅れるのである。

「日本vsジョージアテストマッチ感想。タックルの精度と両翼の決定力が光った試合」

この微妙な差が後半になってじわじわと効いての13-26ということではないだろうか。

また、タックルの精度や密集でのボール獲得率、ターンオーバーなど、エディHCの指揮下で鍛え上げた「世界一のフィットネス」にも緩みが出てきていることも確かである。
スーパーラグビーの影響もあってか、ラインアウトの精度低下も目につき、あの頃の充実が徐々に失われていることは間違いない。

つまり、2015年のW杯で培った貯金が底を尽きかけている。恐らくそういうことなのだと思う。

「サンウルブズが五郎丸レッズに惜敗!! 出たよ無能解説。おもしろい試合だったのに台無しだわ」

でも難しい試合ではあるよな。あまりに位置づけが中途半端なテストマッチだし

「世界一のフィットネス」を旗印にセンセーションを起こしたW杯から約8ヶ月。日本代表が長年かけて培ってきた貯金が底を尽きかけている。
これが今回のスコットランドとのテストマッチ第一戦を観た感想だが、僕が思うに、これはある程度仕方ないのではないのだろうか。

「【ラグビー】帝京vs東海感想。帝京は小型版オールブラックス? 驚異の8連覇の秘訣を考察」

2015年のW杯以来の日本代表戦だったわけだし、エディ退陣のきっかけになったスーパーラグビーの集まりの悪さも日本代表衰退に多大なる影響を与えていることは想像に難くない。

また、2019年に日本で開催されるW杯に向けての強化試合というのはわかるのだが、現日本代表の多くは恐らく2019年には退いている。しかもヘッドコーチは今回のみの代行マーク・ハメットである。

「サンウルブズ勝利!! やればできるじゃねえかww ジャガーズに逆転勝ちで、スーパーラグビー初年度での歴史的勝利」

冗談抜きで「初参戦のスーパーラグビーで歴史的な勝利を」という明確な目的があるわけでもない単なるテストマッチに、ベストコンディションで挑めというのは無理がある。
いくら「スコットランドにリベンジを」と煽ったところで、実際は久しぶりに集まった急造チームのちぐはぐさが露呈されただけの試合である。

今後数年間で日本代表がどのようなチーム作りをしていくのかはわからないが、今回の試合が非常に中途半端な位置づけであることは間違いない。そういう意味でも日本にとっては若干かわいそうな試合ではあったと思う。

まあ、相手も条件は同じなのでまったく言い訳にはならないのだが。

「ウェールズvs日本戦予想!! ラグビーテストマッチ2016。日本勝てるんじゃないのかこれ?」

相手の不安を煽れ。EU離脱の影響を勝利に結びつけろ

25日(本日)の試合も、前回同様難しい試合になると思うが、どうにかがんばってもらいたい。
そして個人的な意見を言えば、前回18日の試合よりは勝てる可能性はあると思っている。

なぜなら相手はスコットランドである。
あのEUからの離脱を決めた英国からの独立を示唆するスコットランドである。

選手にしてみれば自分の生活に直面する分岐点。
ぶっちゃけ、こんな極東の島国でボール遊びをしている場合じゃない状況である。

なので、日本代表の必勝法としては心理作戦。とにかく試合中に心理面での揺さぶりをかけるのである。

「お前、これから大丈夫か?」
「こんなところにいていいのか?」
「独立? 無理だと思うぞ?」
「ジャパンマネーで助けてやろうか?」

こんな感じで、密集やスクラム、ラインアウトなどあらゆる局面でセコくプレッシャ―をかけて平常心を失わせるのである。国際問題にならないギリギリのボーダーラインを狙って相手の感情を逆撫でするのである。

そうすれば、カッときたスコットランドの選手はミスを連発するだろうし、先行きに不安を覚えて消極的なプレーに終始するかもしれない。

日本の選手はその瞬間を狙ってグランドを縦横無尽に走り、トライを量産するのだ。ラグビーの試合と同時に国際競争力でもスコットランドを圧倒してやるのだ。

うん、我ながら何を言っているのかわからない

とにかくアレだ。
日本代表がんばれ。

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