井上尚弥がワンパンKO。パヤノを瞬殺ってマジっすかw ロドリゲスだ? いくらでもかかってこいよだね【結果・感想】

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みなとみらいイメージ
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2018年10月7日、神奈川県・横浜アリーナで行われたWBA世界バンタム級タイトルマッチおよびWBSS1回戦。同級王者井上尚弥がランキング4位のファン・カルロス・パヤノと対戦し、1R1分10秒でKO勝利。初防衛とともに、WBSS準決勝への進出を決めた試合である。
 
 
各団体の王者が集結し、階級最強を決めるWBSSが開幕した。
 
日本の井上尚弥の1回戦は、元王者のファン・カルロス・パヤノ。
 
戦績20勝1敗の強豪で、なおかつ井上にとっては久しぶりのサウスポーとなる。
一部では井上の苦戦もあるかも? とも言われていた難敵である。
 
 
だが、蓋を開けてみればまったく問題なし。
最初にはなったワンツーがパヤノの顎を捉え、いきなりダウンを奪う。
そして、そのまま立つことができずに試合終了。
 
わずか70秒。
あっという間のKO劇に、場内は凄まじい盛り上がりを見せる。
 
「村田はブラントに勝負師として負けてる。準備、経験、覚悟。すべての面でブラントが上回り完勝。文句なしの感動的な試合」
 
これで準決勝進出を決めた井上は、10月20日のジェイソン・モロニーvsエマヌエル・ロドリゲス戦の勝者との激突が予定されている。
 

井上尚弥すご杉。凡人の想像を常に超えていけ

お、おう……。
そうか、井上尚弥勝ったか……。
 
って、何じゃこりゃww
 
 
大注目のWBSSバンタム級一回戦で、期待の井上尚弥が衝撃的なワンパンKO勝利を挙げたわけだが……。
 
いや、毎度のことながらとんでもない。
この選手には度肝を抜かれっぱなしというか。
 
せっかくあれこれと試合展開を考えたのが、あっという間に水泡に帰すという。
 
今回も、テレビの前で思わず「うおおお!!」と声を上げてしまったww
 
「結末は突然に。拳四朗がタコニンを右ショートでKO。今回は相当自信があったんだろうな。真正面から受けてたったし
 
てか、まさかパヤノをワンパンKOとはね。
 
試合前に
「今回は圧勝しろ」
「完膚なきまでに叩きのめせ」
「一縷の希望すら持たせるな」
などと喚きたてたが、結果はそれを大きく超えるもの。
 
完膚なきまでも希望もへったくれもない。
何かを考える前にすべてが終了してしまった。
 
「井上尚弥WBSS出陣。パヤノ? おう、だからどうした。圧勝しやがれ。全局面でねじ伏せろ。一片の希望すらも残すな」
 
うん、すげえわやっぱり。
恐るべし井上尚弥。
 
「予想の斜め上」という言葉はよく聞くが、この人についてはそんな次元には当てはまらない。
斜め上ではなく、しっかり「予想のはるか真上」を行ってくれる。
 
 
次戦で対戦する可能性の高いエマヌエル・ロドリゲスが井上にとっては危ないだって?
 
は?
誰がそんなこと言ったよ?
こんなもん、普通に圧勝ちゃうの?
 
知らんけど。
 
「信じる心が拳に宿る。ドネアが井上尚弥に敗れるも、12Rの大激闘。敗者なきリングに感動しました」
 

全員が同じ展開を見込んでたよね。パヤノが勝機を見出すにはラフな接近戦しかなかった

あまり意味はないかもしれないが、一応試合を振り返っての感想を。
 
 
まず今回のパヤノについてだが、やろうとしていること自体はめちゃくちゃ伝わってきた。
 
「接近戦でラフファイトに巻き込むしかない」
「あわよくば、頭をぶつけにいくくらいの勢いで」
 
パヤノが井上に対抗するには、とにかく接近戦。
懐にもぐりこんでの打ち合いに活路を見出す以外に井上に勝つ方法はない。
 
多くの方がそう予想し、僕自身もその通りだと思っていた。
 
そして、パヤノ陣営の作戦もまさにそれ。
井上を接近戦に巻き込み、ラフなファイトから勝機を見出す。
もっと言うと、迎えうつ井上陣営もパヤノの接近戦対策を立てて試合に臨んでいた(はず)。
 
パヤノがいつ、どのタイミングで踏み込むか。
それに対し、井上はどう対処するか。
 
要は、あのリングにいる人間全員が同じ方向を向き、アクションが起きる瞬間を待っていた感じ。
 

パヤノの警戒心と井上の準備、対応力。一瞬だけ「お?」と思ったけどね

急所を遠ざけるように斜に構え、奥足重心で対峙するパヤノ。
いつもよりも高い位置に置いた右を小刻みに動かし、井上をけん制する。
 
対する井上はパヤノの右に合わせて左を上下させ、仕掛けるタイミングを探す。
得意のボディをちらつかせながら、少しずつ間合いを詰めていく。
 
なるほど。
開始早々、パヤノの警戒心がすごい。
井上と極力正対しないように構え、見せパンチの右ボディストレートを打ち込む。とにかく井上に左を出すタイミングを与えないことを意識している感じ。
 
そして、井上の1発目の左に備え、いつでも動ける姿勢を整えておく。
 
実際、開始45秒あたりでパヤノがカウンター→もみ合いまで持ち込もうという瞬間があった。
井上が頭を下げてうまく距離をとったが、パヤノの実力の片鱗が見られた一瞬だったなと。
 
と同時に、この試合におけるパヤノの見せ場はそこまで。
 
残り1分に迫ったところで、井上の右をモロに被弾。
全身を硬直させて仰向けにダウンし、そのまま試合終了。
 
言い訳のしようのない結末である。
 

パヤノは警戒心が強すぎたかな。左をもらいたくない、距離を詰めたい一心で井上のパンチの軌道上に留まりすぎた

改めてKOの瞬間を観直すと、パヤノは井上の左に合わせて踏み込んでいることがわかる。
 
パヤノの出した右に対し、井上の左がさらに内側を通過し顔面に軽くヒット。
その戻り際に合わせてパヤノが踏み込む。
だが、そこに井上がさらに追撃の右を打ち込みジ・エンド。
 
動き出しの硬直の瞬間にもらったせいで、あまりに無防備。
解説の長谷川穂積も言っていたが、アレはちょっとどうしようもない。
 
小刻みに動くパヤノの右を外側から押さえるように叩き、踏み込みのタイミングを計る。
ガードの外からの左を意識させたところで、いきなり内側に踏み込み左を通す。
 
「井上尚弥vsドネア予想。ドネアはぶん回しの1発を当てるしかなさそうだけど…。開催地なんて日本以外ないのに何やってたんだろな」
 
慌ててカウンターを狙ったパヤノの顎に、狙いすました追撃の右をスコーン。
左で餌を撒き、食いついてきた獲物をドンピシャで刈りとった1発だった。
 
あとはまあ、パヤノの警戒心が強すぎた部分もあるかな。
 
井上の左と戻り際に距離を詰める意識があまりに強いせいで、パンチの軌道上に留まる時間が長すぎた(気がする)。
 
もともとパヤノは直線的な選手ではあるが、もう少し左右の動きがあってもよかったかなと思う。
 
「ゾラニ・テテvsミーシャ・アロイヤン予想。WBSS準々決勝で長身サウスポーとトップアマの塩マッチ?」
 

井上尚弥の強さが極まりつつある。自分から手を出さないことが無言の圧力になり、勝手に相手がビビってくれる

とはいえ、ここ最近の井上尚弥はマジで強さが極まってきた感が強い。
 
先日も申し上げたように、今回の試合を含めて直近4戦はちょっと手がつけられない領域まできている感じ。
 
ペッチバンボーン戦やダビド・カルモナ戦を経て初期の喧嘩ファイトから脱却し、ハンマーのような左で相手を突き放すスタイルを確立した。
 
だが、左の多用はカウンターを合わせられるタイミングを生み、そこを起点に接近戦に持ち込まれるシーンも目立った。
 
河野公平戦やリカルド・ロドリゲス戦では、ロープに詰まる局面もたびたび訪れている。
 
そして本人がそれを学習したのか、ヨワン・ボワイヨ戦あたりから、自分からはあまり手を出さずに前進するスタイルへの移行が見られる。
 
ガードを高く上げ、じっくりとプレッシャーをかけて至近距離まで近づく。
相手に先に手を出させ、そこにカウンターを合わせて萎縮させるパティーン。
 
自分から手を出さなければカウンターをもらう危険はなく、なおかつ無言の圧力で勝手に相手がビビってくれる。
 
「俺のラッシュを受けたらひとたまりもないぞ?」
「わかってんのか? お?」
相手に自分の強打をたっぷり意識させ、うかつに手を出せないがんじがらめの状況を作り出す。
その状態でじっくり距離を詰め、止むを得ず手を出してきたところにカウンターをズドン。
 
「ネリvsパヤノ。井上尚弥はパヤノに勝ってほしいって? じゃあ僕はあえてネリを応援してみようか。近場での流血戦に期待」
 
冗談でも何でもなく、今の井上は中間距離で構えているだけでペースを支配できるレベル。
極端な話、相手に一度も触れずにリングジェネラルシップを奪えるまである。
 
正直、このコンディションならエマヌエル・ロドリゲスが相手でも問題ないと思う。
恐らく左の差し合いになると予想するが、スケールの違いで普通にねじ伏せられるんじゃないの?
 
というか、ぶっちゃけギジェルモ・リゴンドーにも勝てるんちゃう?
ガードを上げてじっくり距離を詰めれば、強打を打ち込める位置まで到達できるんちゃう?
ロマチェンコが果たせなかった完全KOすらも期待できる? かも?
 
 
さすがにちょっと飛躍しすぎですかね。
 
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