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信じる心が拳に宿る。ドネアが井上尚弥に敗れるも、12Rの大激闘。敗者なきリングに感動しました【結果・感想】

ボクシング観戦, 趣味, 雑談 | 2019年11月8日 | タグ: , , ,

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ボクシングイメージ
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2019年11月7日、さいたまスーパーアリーナで行われたWBSSバンタム級トーナメント決勝戦。WBA・IBF世界同級王者井上尚弥がWBA世界同級スーパー王者で5階級制覇王者のノニト・ドネアと対戦。3-0(116-111、114-113、117-109)の判定で井上が勝利し、王座統一とともに見事WBSSトーナメント優勝を果たした一戦である。
 
 
開始のゴングと同時にリング中央で対峙する両者。
ともにガードをやや下げた構えで、前後にステップしながらお互いの出方をうかがう。
 
鋭い踏み込みからのジャブを放ち、すぐさま距離をとる井上に対し、ドネアも全盛期を思わせる左で応戦。時おり井上の顔面を跳ね上げるなど、序盤から緊張感のある攻防が続く。
 
続く2R。
ここからドネアがさらに積極的に前へ出る。
ラウンド終盤に得意の左フックを井上の顔面にヒットし、これによって井上が右目から出血。
それ以降、しきりに傷を気にしながら戦う井上だが、ドネアもスピードのある井上をなかなか追いきれない。
 
後半に入ると、再びペースをつかんだドネアが9Rにロープ際で右ストレートをヒット。この試合初めて井上がはっきりとしたグラつきを見せ、クリンチでピンチを逃れる。
 
ところが10R。
前のラウンドを挽回するべく井上がギアを上げる。
若干の失速を見せるドネアを攻めたて、11Rにはボディでダウンを奪うなど無理やりペースを引き寄せる。
 
ドネアも得意の左フックで反撃し、何とかダウンを拒否。大歓声の中12R終了のゴングを聞く。
 
激戦ではあったがポイント差は明確で、3-0の判定で井上尚弥の勝利が決定した。
 
 
なお試合後、井上尚弥とトップランク社の複数年契約が発表されている。


 
「井上拓真がウバーリに大差判定負けで王座統一失敗。相手に恐怖を感じさせる1発が出るといいな。兄貴みたいな」
 

ドネアがすごかった。井上のKO勝利予想が大半の中、それを覆す大健闘

バンタム級史上稀に見る大激戦となった今回。
凄まじい打ち合い、駆け引きの末に井上尚弥が判定勝利でトーナメント優勝を飾ったわけだが。
 
とはいえ、この試合はとにかくドネアだろうと。
 
申し上げた通り僕は今回、全力でドネアを応援すると決めていた。


だが、正直ここまでがんばるとは思っていなかった。
 
ファンの間でも大方の予想は井上尚弥のKO勝利。
これまでの両者の戦いっぷりを振り返ると、序盤1、2Rで終わる可能性も十分ある。後半までドネアが立っていれば上出来という論調が大半を占めていた(気がする)。
 
僕自身もその意見に賛成で、だいたい5Rくらいで井上がドネアをKOするのでは? と考えていた次第である。
 
「ノニト・ドネアが井上尚弥に勝つには? ドネアに勝ってほしいんだけど、井上尚弥が負ける要素が見当たらない件」
 
だが、それでも僕が応援するのはドネア。
どんな形でもいいから井上に一泡吹かせてくれ。
 
そんな期待感を持って観始めたところ……。
 
すごかった。
ホントにすごかった。
 
一瞬一瞬の動き、井上の目尻を切り裂いた左フックや9Rの右ストレートはまさしく全盛期のそれ。
冗談でも何でもなく、10R開始直後には井上尚弥のダウンもあり得ると本気で思ったくらい。


試合前に「“フィリピーノフラッシュ”と呼ばれた煌めきはすでに失われている」などとのたまったことを大いに恥じたいww
 

ドネアに感じた「自分を信じる意思の強さ」と「老獪さ」。“信仰”にも近い意思の強さが意味不明な力を生む


表題の通りなのだが、今回僕が感じたのがドネアの「自分を信じる意思の強さ」「老獪さ」
 
申し上げたように、この試合のドネアは下馬評では圧倒的不利。各所で井上のKO勝利が濃厚と言われていた。
当然陣営にもその情報は入っていたはずで、それなりにナーバスになっていた可能性もある。
 
ただ当の本人は一貫して堂々とした態度で、コメントも自信たっぷりのものばかり。
「私が勝つことはわかっている」
「自分がかつていた場所に戻れると思っています」
「今回の試合は、私がバンタム級戦線のトップに再浮上する一戦になる」
 
虚勢を張るでもなく、本当に自信があるんだなと思わせる言葉の数々である。


さらに入場シーンでも終始笑顔を絶やさず、客席からの声援に応える余裕すらも。やや入れ込んだ硬い表情を見せていた井上尚弥とは対照的だった。
 
 
恐らくだが、今回のドネアは周囲の声に流されることなく自分を信じて突き進んだのだと思う。
 
陣営の立てた作戦に自らの経験値を上乗せし、勝利までの筋道を構築。その道を一片の迷いもなく進み、万全の準備を経てリングに上がった。
 
上記のインタビュー記事でも「2011年のフェルナンド・モンティエル戦以降、これほどハードに練習したことは過去にもない」と答えているし、自分の得意な形さえ作れれば誰が相手だろうとKOできるという自信(信念)があったのではないか。
 
「ライアン・ガルシアすっげ…。ロメロ・デュノを1RKO。パワフルでスピーディでキラキラのクドい二重の超速連打に驚いた」
 
近年、科学的なトレーニングの進化により、効率と効果を両立する方法が次々考案されている。
それに伴い選手、指導者には常に知識のアップデートが要求され、炎天下の中、水を飲まずに走り続けるような「根性」や「量をこなせ」といった精神論は過去のものとなりつつある。
 
もちろんこれはすばらしいことなのだが、個人的にこの「根性論」「精神論」が優れていると思う点が一つだけある。
 
それがこの「信じる意思の強さ」
 
「この人の言うことを聞いていれば絶対に間違いはない」
「この練習をやれば絶対にうまくなる」
「この苦しさを乗り越えた先に違う景色がある」
 
不合理だろうが関係ない。
傍から見れば「何言ってんの? アンタ」と言われるのかもしれない。
 
だが、ある種の“信仰”とも呼べる意思の強さによって、科学では解明できない意味不明な力が生み出されることもまた事実だと思っている。
「拳に魂が宿る」ではないが、今回のドネアにはそのレベルの信念が感じられた気がする。
 
もともと勝負事に「メンタル」や「モチベーション」を持ち出すのはあまり好きではないのだが、今回のような拮抗した試合に勝つには(勝ってないけど)精神面の充実が最後の一押しになるというのは確実にある。
 
 
なお一応言っておくと、体罰を含めた根性論を肯定しているわけではない。
 
「京太郎vsデュボア! 角海老は夜王の力で京太郎をプッシュしろとは思ったけど、いきなりこんなヤツとは…」
 

ドネアの老獪さに感服した。レフェリーにローブローと勘違いさせたのはすごかったよねw

さらにもう一つの「老獪さ」について。
 
これは9Rの右ストレートで井上をグラつかせたシーンで感じたのだが、クリンチにくる井上に対して腕を前に出して突き離す動き。アレがサッと出るのがすげえなと。
 
そこからやや躊躇して一気に攻められなかったのがもったいなかったが、相手のダメージを観察しながらの冷静な対応は文句なしにすばらしかった。
 
 
さらに11Rのダウンのシーン。
井上のボディによってドネアがこの日唯一のダウンを喫するわけだが、その際の動きがまた……。
 
ボディを被弾した直後、右手で自分のトランクスをサッと触り反則打をアピール。そして、井上に背中を向けて小走りし、レフェリーの後ろにスルスルッと隠れる。
 
これをローブローと勘違いしたレフェリーが間に入って井上の追撃を止めてしまうのである。
一方のドネアはレフェリーの後ろでカウントギリギリまで休み、まんまと井上の猛攻を寸断してみせるという。
 
しかも、テンパったレフェリーは明らかな10カウントにもかかわらず、立ち上がったドネアに続行を宣言する事態に。
 
さすがに立ち上がるタイミングまで計算していたとは思えないが、一連の動きにはドネアの分厚いキャリアが山ほど詰まっていた。
 
てか、スローで観たらクソほどボディにぶっ刺さっててワロタww
 
「盛り上がりが遅れてやってくる? ラグビーW杯のにわか論にめちゃくちゃ納得できた話。亀田京之介の売り込みに飲み込まれそうww」
 
2Rにロープ際でドネアの左フックをもらった井上(実はアレも効いていたと思う)が足を使って距離をとろうとしたことを考えると、ドネアの過去の敗戦は確実に糧になっているのかなと。
 

危険地帯から離れず真正面から打ち合った井上尚弥もすばらしい。ドネアの現役続行宣言にホッとしている

繰り返しになるが、今回の試合は本当に感動した。
 
ドネアの仕上がりのよさ、老獪さが生み出した「敗者なきリング」。割とガチで、1999年のオスカー・デラホーヤvsアイク・クォーティ戦にも匹敵する試合だったと思っている。
 
「オスカー・デラホーヤvsアイク・クォーティ。観ないと人生損する名試合。スーパースターのベストバウト」
 
そして、言うまでもなく井上尚弥もすばらしかった。
 
ノニト・ドネアは比較的攻略法がはっきりしている選手で、とにかく足を使って射程内に立ち入らないことが重要になる。
 
数々のKOを生み出した左フックを始めとする1発の威力、当て勘は凄まじい。
だがその反面、追い足がある方ではなく、必殺のパンチを打たせない間合いをキープすることがこの選手に勝つ近道と言える。
 
ギジェルモ・リゴンドー、カール・フランプトンはもちろん、ライアン・バーネットやステフォン・ヤングも同じような作戦でドネアと対峙している。仮にゾラニ・テテが負傷離脱しなかった場合も、彼らと似た展開を選択していたはず。
 
 
だが、井上尚弥だけはそれをしなかった。
 
ドネアが井上の強打を恐れず危険地帯に足を踏み入れたことが称賛されていたが、同時に井上もドネアの危険地帯に居続けたことを忘れてはいけない。
 
戦前から「井上は足を使えば勝てる」と言われており、実際ドネアが完全にベタ足になった6Rからでもそれをやればもっと楽に勝てたはず。
 
ただ今回の試合の意味を理解している井上は、あえて射程内にとどまりドネアと打ち合った。
 
・井上本人がずっと望んでいた最強トーナメント
・その大本命
・1、2回戦の衝撃的なKO勝利
・日本開催の決勝戦
・さいたまスーパーアリーナがソールドアウト
 
これだけの大舞台で、リスクを負わず勝ちに徹するというのはどう考えてもそぐわない。
先日のカネロvsコバレフ戦もそうだが、観客の期待に応える試合を自ら演出できるのがスーパースターの重要な要素というヤツ。
 
「カネロがコバレフを失神KO! スターってこういうことだよな。ここぞの勝負で予想を超えてくる」
 
決して勝利至上主義が悪いとは思わないし、僕自身、基本的には「化かし合い上等」「正々堂々の勝負などクソ食らえ」な人間である。
それを踏まえた上で、ときにはリスクを負った勝負をしなきゃいけない試合もあるよねという話。
 
まあメイウェザーくらいまでヒールに振り切るのであれば、アレはアレで認めざるを得ないが。
ただ、2015年5月のフロイド・メイウェザーvsマニー・パッキャオ戦のあと「もうボクシングはいいや」とおっしゃっている方が僕の周りにも山ほどいたことを報告しておく。
 
 
なお下記のインタビューによると、ドネアはまだまだ現役を続けるとのこと。


うん。
それを聞いて安心したわ。
 
あの試合で辞めるなんてもったいなさ過ぎるからね。
 
「世代交代マッチ」「バトンを渡す試合」などと言われていたが、そんなもん渡す必要ねえからww
 
まだまだあと2年は主人公のままボクシング界に君臨しとけや。


 
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