ホーリー・ホルムがシェフチェンコに負けちゃった…。やっぱりUFCにはロンダ様が必要だね!! 最高のタイミングで復帰しろよ【結果・感想】

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シカゴ街並み
2016年7月23日(日本時間24日)に米・イリノイ州シカゴで行われたUFCファイトナイト。
女子バンタム級2位で元チャンピオンのホーリー・ホルムと、同級7位のヴァレンチーナ・シェフチェンコが5分3Rで対戦し、3-0(49-46、49-46、49-46)の判定でシェフチェンコが勝利を収めた。

2015年11月に絶対王者ロンダ・ラウジーを衝撃KOで敗り王座を獲得したホルムだったが、2016年3月の防衛戦でミーシャ・テイトに敗れて陥落。今回が再起戦となった。

「ロンダ・ラウジー失神KO負け!! ホーリー・ホルムが秒殺女王を完膚なきまでに叩きのめす」

対戦相手のシェフチェンコはテコンドーやムエタイをバックボーンに持ち、打撃に絶対の自信を持つ選手である。
元ボクシング3階級制覇王者ホーリー・ホルムとの打撃対決に注目が集まったが、終始優勢に進めたシェフチェンコが見事に勝利を飾った。

絶対王者ロンダ・ラウジー陥落後、群雄割拠の様相を呈している女子バンタム級。試合のたびに王者が入れかわる混沌とした状況の中、誰が抜け出し主役の座に躍り出るのか。今後も女子バンタム級から目が離すことができない。

「ロンダ・ラウジーがわかりやすくボブ・サップだった件。ヌネスに48秒TKOか。ちょっとマズい負け方かも」

連敗のホーリー・ホルム。シェフチェンコに研究し尽くされた上で負けた

ホーリー・ホルム連敗!!

ホーリー・ホルムが今年3月のミーシャ・テイト戦に続いてまさかの連敗である。
しかもラスト5Rまで有利に進めていた前回試合とはうって変わっての完敗。何の言い訳もできないくらいの敗戦である。

「ミーシャ・テイトがホーリー・ホルムに失神KO勝利で初タイトル奪還!!」

ロンダ・ラウジー戦以来、僕はこのホーリー・ホルムをガチ推しで応援しているのだが、今回の敗戦はちょっと残念だった。てっきり華麗に勝利を収めて存在感を示してくれるものだと思っていたのだが。

この試合を観た僕の率直な感想は、
「シェフチェンコが完璧に対策してきたな」

ホーリー・ホルムを徹底的に研究して作戦を練り、それをフルラウンド貫いた。つまり、ホーリー・ホルムがロンダ・ラウジーにやったことをそのままシェフチェンコがやってみせた試合である。

具体的には、

・自分からは攻めない
・ホルムに先に手を出させ、カウンターを狙う
・左のハイキックは絶対右でガード

というのがシェフチェンコの作戦である。

「とにかく自分から手を出さないこと」。
この作戦にホーリー・ホルムは完全にリズムを狂わされてしまった。
 
「サイボーグさんがクニツカヤに余裕の勝利!? マイッタね。攻略法はわかっても、それをできるヤツがいない」
 

サウスポーが苦手なのと、シェフチェンコの待ちのスタイルに焦れてしまったのが敗因かな

実はこの試合、ホルムの調子自体はよかったのだ。試合開始直後の動きは間違いなくキレッキレだった。

前後左右に動き、得意のフットワークを駆使して相手の周りを回りながら切り崩す。実際ダウンも奪っていたし、立ち上がりとしては非常にいい流れだったはずなのだ。

ただ、シェフチェンコがまったく手を出してこなかった
自分からは絶対に手を出さず、徹底して距離をとって待ち構えるシェフチェンコ。この作戦に先にホルムが焦れてしまった。そして、自分のスタイルを崩して直線的に攻めてしまったのである。
一発のビッグヒットを狙い過ぎるあまり左右への動きは激減。まっすぐ前に出てパンチを放ち、そのまままっすぐ下がるだけ。打撃の得意なシェフチェンコにとっては絶好のカウンターチャンスである。
 
「五味バッカ野郎お前、サイコーじゃねえかww ベストバウトかましやがってゴルァww 大みそかは判定じゃダメだよ」
 
相手に攻めさせ、フットワークで翻弄する。相手が出てきた分、自分がバックステップで距離をとる。強靭なフィジカルを活かし、鋭い踏み込みから得意の連打につなぐ。これがホーリー・ホルムの王道パターンである。
そのホルムに対し、シェフチェンコはとことんまでカウンターファイトに徹し、ホルムの攻め手を封じてみせた。つまり、ホルムの得意なスタイルでホルムの裏をかいたのである。

そしてもう一つ。恐らくホルムはサウスポーが苦手だ。
立ち技系の選手との試合を観るとわかるのだが、ホルムの試合の組み立ては右の蹴りからスタートすることが多い。
前蹴りや後ろ回し、ローなどで距離を測ってからパンチにつなぐパターンを得意としているのである。
ある意味この蹴りがジャブの役割を果たしているのだが、今回の試合ではサウスポーのシェフチェンコに対して右の蹴りがまったく機能しなかった。

1発目の蹴りで距離を作ることができないため、必然的にパンチの距離は遠くなる。そのためシェフチェンコはホルムの攻撃を読みやすく、カウンターのスペースも作りやすい。
もちろんホルムのパンチを恐れず踏み込むシェフチェンコの勇気はすばらしいのだが、サウスポーが苦手なホルムが右の蹴りから崩すパターンを失って窮屈になった部分は間違いなくあったと思う。

「背中を向けて逃げるマクレガーに中指を立てて挑発するネイト・ディアス。しょーもない、悪童が聞いて呆れるわ」

復帰のタイミングを見極めているロンダ・ラウジー。最高のタイミングで王座に返り咲く?

圧倒的なフィジカルで並みいる強豪をなぎ倒してきたロンダ・ラウジーをカウンタースタイルで葬り去ったホーリー・ホルム。
そのホルムの一瞬の隙をついてグラウンドに持ち込んだミーシャ・テイト。
ミーシャ・テイトの苦手な打撃で一気に勝負をつけたアマンダ・ヌネス。
ホーリー・ホルムのスタイルを逆手に取ったカウンターファイトで完勝したシェフチェンコ。

前回の記事でも申し上げたが、ロンダ・ラウジー陥落後の女子バンタム級の群雄割拠ぶりは尋常じゃない。

「さっそく陥落ミーシャ!! 女子MMAおもしろすぎ?! ヌネスが1R一本勝ちで新女王誕生!!」

1人の選手が突出した能力で王座を奪取し、別の選手がすぐに万全の対策を講じる。死角なしのスタイルだと思われた選手に対し、思いもよらない作戦で裏をかく。
このカオス状態の中、かつての絶対王者ロンダ・ラウジーが再び王座に君臨できるか。技術戦でしのぎを削るトップファイターたちを問答無用でなぎ倒すことができるか。
もう、楽しくてたまらない。

よくわからないが、今のロンダ・ラウジーは自分の売り時を見極めている最中なのだろう。あれだけの人気選手である。復帰には万全の準備とふさわしい舞台が必要になる。期待を膨らませるだけ膨らませ、観客を焦らすだけ焦らした上で一気に爆発させる。その最高のタイミングと最高の相手の出現を見計らっているのだ。

まさしくロンダ・ラウジーにだけ許された特権である。
こんなことを他の選手がやったら大ブーイングだろうが、ロンダ・ラウジーなら許される。やはり選手としての格やネームバリューは別格だ。

ホーリー・ホルムの試合はエキサイティングではない。UFC人気の向上にはやはりロンダ・ラウジーが必要だ

以前にも言った通り、ホーリー・ホルムは僕の一番のお気に入りだが、決して試合がおもしろいわけではない。
フィジカルでゴリ押しするロンダ・ラウジーとの試合ではカウンタースタイルが機能し、一瞬の隙をついてグラウンドに持ち込んだミーシャ・テイトとの試合では痺れるような緊張感が生まれた。

「UFCが終わる? ロンダ・ラウジーの敗北はUFC終焉の序章」

だが、今回はシェフチェンコが5Rを通じて待ちのスタイルに徹したため、非常にアクションの少ない試合になった。お互いに打撃が得意な選手であるために「グラウンドvs立ち技」という図式も生まれにくい。

そして、恐らくこれがホーリー・ホルムの本来の姿である。
もし3月の防衛戦でミーシャ・テイトが負けていたら、ホルムの塩試合ぶりにはますます塩試合ぶりに拍車がかかったはずだ。ロンダ・ラウジー、ミーシャ・テイトという二大巨頭に連勝して自信を深め、最高に退屈な安定政権が継続していたのではないだろうか。
ロンダやミーシャのように特徴的な選手が相手だったからおもしろかったのであって、ホーリー・ホルムの本当の姿は今回のシェフチェンコ戦に凝縮されている。

そう考えると、やっぱりロンダ・ラウジーの試合はエキサイティングだった。あれほどのスター性とビジュアルを兼ね備えたファイターはそうそう出てくるものじゃない。ダナ・ホワイトが贔屓したくなるのもわかる。

やはりロンダ・ラウジーの復帰には最高の舞台が必要だし、絶対に王座に返り咲かなければならない選手である。女子MMA人気を継続させるためにも、UFC全体の人気を支える意味でも。

別に僕は好きでも嫌いでもないが。

でも、相手はマジで誰になるんだろうな。
ヌネスやシェフチェンコじゃ役不足だし、ホーリー・ホルムは連敗しちゃったし。クリス・サイボーグ姐さんはウェイト的な問題があるし。

「相手いるのか? クリス・サイボーグ姐さんがUFCデビュー戦で圧勝!! 期待以上の結果に衝撃走る」

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