2017年阪神優勝の可能性は? 阪神ってどんなチーム? どの部分を改善すればいいの? 助っ人獲得? 若手強化?

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虎横顔
5月も最終週に入り、セパ交流戦がスタートした2017年プロ野球。
阪神タイガース(ファンでも何でもない)は、5月30日現在、47試合を消化したところで28勝19敗。貯金9の2位につけている。
 
だが、ここ2週間で3カード連続の負け越しとやや調子を落としており、毎年大きく負け越す交流戦はまさしく鬼門である。
 
5月30日のロッテ戦は乱打戦の末に15-7と勝利したものの、ここから先の結果でシーズンの成績が大きく変動することが予想される。
 
 
2005年以来、リーグ優勝から遠ざかっている阪神タイガース。
金本監督の2年目、若手の台頭が著しい今シーズンの行方はどうなるのだろうか。
 
なお5月30日の試合では、最終回に登板した藤川球児が角中から三振を奪い、NPB通算1000奪三振に到達した。771回2/3での到達は、かつてトルネード投法で一世を風靡した野茂英雄の871回を上回って日本最速記録となっている。
 
「野茂氏を抜くスピード1000奪三振を記録した阪神・藤川球児の哲学とは?」
 

好調の2017年阪神タイガースに優勝の可能性はあるのか? このまますんなり行くとはとても思えないけど

我が阪神タイガース(ファンでも何でもない)の調子がいい。
5月末、シーズンの約1/3を消化したこの日までに積み上げた貯金は9。
開幕直後に「今シーズンの阪神は4位か5位じゃないの?」と予想したが、早くも外れそうな臭いがプンプンしている。
 
「2017年阪神が5位になる理由。2017年シーズンスタート!! 破綻した内野守備とリリーフ酷使の金本謎采配は解消したのか?」
 
ただ、それでも僕は阪神がこのまますんなりいくとは思っていない。
どこかで大幅に失速し、熱狂的なファンからあれこれと文句を言われる時期がくると予想している。
 
「阪神補強はよせいや!! 優勝する気ないんか? さっさと金使え!! ジャブジャブ金使って右の大砲獲ってこいや」
 
まあ、基本的に僕の予想は外れるのがデフォなので、まったく説得力はないのだが。
 
 
とはいえ、ここまでは思った以上にがんばっていることも確かで、どうせならこのまま突っ走れよとも思っている。厳しいだろうけど。
 
なので、今回は「2017年阪神優勝の可能性は?」と題して、阪神というチームの特徴や、今シーズン優勝するための運用について考えていきたい。
 
 
毎度申し上げているように僕は阪神ファンでも何でもないのだが、それなりに楽しくやっているので許していただければ幸いである。
 
「阪神ディエゴ・モレノ誕生。150km右腕が日本で活躍できるかを予想してみる。田中マー君とも同僚だったんだってさ」
 

今シーズンの阪神は完全に投手力のチーム。盤石のリリーフ陣がセリーグの他球団をぶち抜いている

まず申し上げたいのは、2017年の阪神は投手のチームであるということ。
 
開幕直後の記事でも書いたが、今年の阪神の投手陣はいい。
5月30日現在、チーム防御率は2.93で12球団1位。唯一2点台をキープしている。
さらに、特にいいのが救援防御率の2.17。セリーグの他球団が3点台前半~後半を推移していることを考えると、笑ってしまうくらいのダントツっぷりである。
 
「阪神香田がヤバい。香田勲男容疑者52歳。職業:2017年阪神無能投手コーチ兼投手陣崩壊担当」
 
特に7回桑原、8回マテオ、9回ドリスの盤石さは凄まじい。
ドリスがセーブ数17でセリーグ1位。マテオの17ホールドポイントもセリーグ1位。桑原も12ホールドポイントで7位につけている。
また、防御率は桑原1.21、マテオ1.80、ドリス1.64に加えてサウスポーの高橋聡文が1.17。トップ10の中の4人を阪神勢が占めている状況である。
 
 
阪神のブルペン陣が優秀なのはわかっていたが、正直ここまでとは思わなかった。
「香田勲男コーチの運用がダメだ。アイツがいる限りチームの上昇はない」と喚き散らしたものの、これだけ分厚い投手陣がいれば運用も楽になる。どの投手もそれなりの結果を残すおかげで、今の阪神はかなりの余裕をもってやりくりができている。
 
「阪神CS進出決定(予定)!! 1stステージで当たるのはDeNAと巨人どっちがいい? 2位と3位フィニッシュどっちがいい?」
 
逆にチーム打率は.244で、現在ヤクルトと同率の4位。
間違いなく今シーズンの阪神は投手のチームである。
 
まあ最下位の巨人が.239、5位の中日が.245、3位のDeNAが.249ということを考えると、広島(.278)以外はドングリの背比べ状態なのだが。
 

本拠地で打てない、守備が崩壊している。それを強力投手陣が支えている状況

チーム防御率セリーグ1位、チーム打率4位の阪神だが、内訳を見るとさらにチームの特徴がわかる。
 
ビジターでのチーム打率が.264に対し、ホームでのチーム打率が.220。実に4分以上の差があるのである。
また防御率で言うと、ビジターの3.53に対し、ホームでは2.42。
 
そして、もっとビックリするのがエラー数。47試合を終えて、チームの総エラー数は驚きの40である。ワースト2位の広島が29ということを考えると、阪神の守備の崩壊ぶりがどれだけすごいかがわかるのではないだろうか。
 
 
↓このページを見ると、さらに阪神というチームの特徴が見えてくる
「PFを考慮した2017年セリーグwOBAとRSAA(5月19日時点)」
 
・パークファクターを考慮した阪神打線のwRC+が111(平均的な打線が同じ球場でプレーする場合と比べて111%多く得点を生み出したという意味)
・パークファクターを考慮した阪神投手陣のRSAA(失)が34(平均的な投手陣が同じ環境でプレーする場合と比べて(失点率ベースで)34点分失点を少なく抑えたという意味)
・パークファクターを考慮した阪神守備陣の守備得点が-24(平均的な守備陣と比べて24点分多く失点したという意味)
 
これらを考慮すると、2017年の阪神がいかに投手のチームであるか、グダグダな守備陣と本拠地が苦手な打線をいかに強力投手陣が支えているがはっきりするのである。
 
「2017年マエケンがやばい? 不調? 開幕2戦目に負け投手。今シーズンは苦労するかも?」
 

鳥谷、糸井、福留が打線をけん引する。でも、3人とも甲子園が苦手……

また、ポジション別のwRAA(平均的な打者が同じ打席数立った場合に比べて増やした得点)を見ると、ますます阪神というチームの特徴をつかめる。
 
「敗因は実力? 采配? 侍ジャパン敗退。アメリカに準決勝で2-1で敗れて世界一奪還ならず。小久保監督は退任の意向」
 
パークファクターを考慮した阪神打線のwRAAが15(平均的な打線が同じ球場でプレーする場合と比べて15点多く生み出したという意味)のうち、プラスの指標を出しているのがサードの5、センターの8、ライトの6。つまり鳥谷、糸井、福留の3人が打線をけん引しているのである。
 
「ダラス・カイケルとかいう88マイルのシンカーをひたすら投げ続けてフライボール・レボリューションに巻き込まれなかった人」
 
現在この3人の打率が、
 
鳥谷.293
糸井.275
福留.290
 
だが、これをホームとビジター別に見ると、
 
鳥谷:ホーム.279 ビジター.304
糸井:ホーム.277 ビジター.273
福留:ホーム.179 ビジター.393
 
さらに甲子園に限定すると、
 
鳥谷:.232
糸井:.265
福留:.206
 
となる。
 
要は、打線をけん引している3人が、本拠地甲子園で軒並み成績を落としているのである。福留に至っては顕著で、甲子園と他球場では実に2割以上の差がある。
 
原因は明白過ぎるくらい明白で、ライト方向から逆風が吹くと言われる甲子園の浜風。これが左打者である彼らを苦しめるのである。
 
「藤浪イップスってマジか…。復帰登板で5回途中7安打7四死球3失点KO。2017年阪神終焉? NPB史上屈指の才能がががが」
 

今すぐ守備を改善するのは難しい。もっとも手っ取り早いのは打線の活性化

繰り返しになるが、2017年の阪神は完全に投手力のチーム。
上述してきた内容で、いかに阪神というチームが本拠地甲子園を苦手としているか、それを強力投手陣が支えているかがわかるのではないだろうか。
 
では、このチームが今後上昇するには、あわよくばセリーグで優勝するにはどうすればいいか。どの部分を改善すればいいかについて考えていきたい。
 
とりあえず、明白な改善点としては、
 
・崩壊した守備
・左打者中心の打線
 
である。
 
 
だが、あれだけ崩壊した守備を今すぐ改善するというのはちょっと難しい。
 
となると、即効性のある施策としては打線の活性化ということになる。
 

梅野、北条は外せない。原口の打撃に期待するのも厳しい。なので、ファーストを守れる右の大砲を見つけてくるべし

先ほどの「PFを考慮した2017年セリーグwOBAとRSAA(5月19日時点)」ページにおいて、ポジション別のwRAAを見ると、
 
キャッチャー:-5
ファースト:-1
セカンド:4
サード:5
ショート:-2
レフト:1
センター:8
ライト:6
 
となっている。
 
特に貢献度が低いのがキャッチャーの-5とショートの-2。
だが、ここは将来的にチームのコアとなることを期待される梅野と北条が入っているため、今すぐ誰かと交代するわけにはいかない。
 
そして、次に低いのがファーストの-1。
要はここを強化するのが手っ取り早いのではないだろうか。
 
現状、ファーストには原口を中心に、調子を見ながら中谷が起用されている。
ただ、どちらも満足のいく成績とは言い難く、特に原口は打力を活かすためにキャッチャーから転向したことを考えれば合格点にはほど遠い。
 
「「リスペクト」を便利使いするお前らに言いたいことがある。「マスコミ対応もプロフェッショナルの仕事だ」ってのはお前らマスコミ側が言うことじゃない」
 
つまり、阪神に必要なのはファーストを守れる大砲。それも甲子園の浜風が影響しない右打者。打率はある程度低くてもいいから、とにかく1発が打てる右打者である。2016年まで在籍したマウロ・ゴメスのような。
 
とりあえず、ここ数試合で金本監督がキャンベルをじっくり使う気がないのははっきりした。
サード守備のクソっぷりも露呈したし、タイプ的にも今の阪神にはマッチしていない。
かといって、中谷や原口の急激な打撃改善に期待するのもどうなの? という感じである。
 
そう考えると、やはり7月の移籍期限までに助っ人獲得を目指すべきではないだろうか。3AでもKBOでもどこでもいいので。マジで優勝を目指すのであれば。
 
まあ、今シーズン中に国内FA権を取得する中田翔の獲得を見越しているのだと思うが。
 
「大谷翔平さんが今すぐにメジャー移籍しないといけない3つの理由。最低でも2017年オフまでにメジャー移籍しなきゃダメ」
 

鳥谷、糸井、福留のベテラン3人をうまく休ませろ。首脳陣の腕の見せ所だぞ?

さらに言うと、チームをけん引する3人の疲労には極力配慮してもらいたい。
 
鳥谷35歳、糸井35歳、福留40歳。
このベテラン3人の状態をいかにフレッシュに保つか。
 
終盤の守備固めや適度な休養を設けて調子を維持するというのは、まさしく首脳陣の腕の見せ所。そして、これこそが阪神の一番の課題でもある。
 
稚拙な投手運用を含め、僕がそのうち阪神は落ちてくるだろうと思っている最大の要因がこれである。
「糸井は休ません!!」とか言ってる場合じゃないんだよなマジで。
 
いや、もうホントに戦力的には悪くないんですよ今年の阪神は。
育成に舵を切る()のではなく、どう考えても勝負を賭けるシーズンなんですよね。
 
「大谷165kmキター!! 大谷のストレートの質が悪い? ファールされる160kmより空振りが取れる140kmの方が上? そうなの?」
 
まあ、何だかんだで優勝は広島だとは思いますが。
 
 

 

 
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