エストラーダがタブゴンを一蹴!! S・フライで準備万端か。井上尚弥、ロマゴンをパワフルに蹴散らす?【展望・感想】

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北米グリーンランド
2016年10月8日(日本時間9日)、メキシコで前WBO、WBA世界フライ級王者ファン・フランシスコ・エストラーダの復帰戦が開催された。相手はフィリピンのライムンド・タブゴン。試合はS・フライ級10回戦契約で行われた。

結果は終始タブゴンを圧倒したエストラーダが3-0(100-90、100-90、100-90)の大差判定で勝利。期待されたKO勝利はならなかったものの、階級アップの影響を感じさせない快勝で、最強王者ローマン・ゴンサレス戦との再戦へ向けて順調なスタートを切った。

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日本の井上尚弥との対戦も口にしているエストラーダ。軽量級の主役の1人がS・フライ級に参戦し、ますます群雄割拠の様相を呈しているトップ戦線に注目である。

なお、この試合でエストラーダは6Rに右拳を負傷したとのこと。検査の結果次第で今後のマッチメークに影響を与える可能性もある。

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エストラーダがS・フライ級初戦で快勝!! フィリピンのタブゴンを寄せつけない盤石の勝利

エストラーダ貫禄の判定勝ち!!

順当というか、文句なしの実力者がきっちりと力を見せつけた試合といったところだろうか。

相手のタブゴンだが、決して悪い選手ではなかったと思う。
ガードが堅く身体の強さもある。よくわからないが、アジア圏ではかなりの強さを発揮できる選手なのではないだろうか。戦績自体は平凡だが、S・フライ級の初戦としては相当の難敵だったと言える。

その強豪を相手に圧巻の勝利を見せつけたエストラーダはやはりさすがである。
大振りの右をよけ、打ち終わりにパンチを集める得意のパターンはブランク開けも健在で、多彩な左から右につなぐコンビネーションはロマゴンを除けば階級No.1といっても過言ではない。

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中間距離でのコンビネーションとカウンターの精度で相手を圧倒し、同時に身体の強さとボディワークでロープ際に押し込む盤石のスタイル。手が6本あるようなロマゴンのコンビネーションとはまた違うスタイルのボクシングである。
 
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上半身の柔軟性に頼り過ぎるディフェンスは若干ハラハラするが、タブゴンクラスが相手であればまったく問題はない。

逆にあの不安定さが2013年のブライアン・ビロリア戦のような名勝負を生んだとも言えるわけで、あれがエストラーダの魅力の1つとなっていることもまた事実なのだろう。

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何度もタブゴンをグラつかせながら詰め切れずに判定に持ち込まれたが、それもいずれS・フライ級に身体がなじめば解消すると考えていいのだろうか。
いずれにしろ、この階級でもトップクラスの実力者であることは間違いなさそうである。
 
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S・フライ級ならエストラーダはロマゴンにも勝てる? あながちハッタリでもないのかも

S・フライ級初戦となった今回、エストラーダはこの階級でも問題なくやれることをきっちりと証明した。まだ1試合なので何とも言えないが、このタブゴンを圧力と手数でこれだけ圧倒できれば、トップ戦線に上ってくることは間違いない。

なるほど。
本人が「S・フライ級ならロマゴンに勝てる」と言っているらしいが、確かにこの階級の方が可能性は高いのかもしれない。
明らかに適正階級をオーバーしてしまったロマゴンと、階級を上げてもそこまでパワー不足を感じさせなかったエストラーダ。
ロマゴンを寄せつけないほどのパワーで圧倒できれば、得意のコンビネーションとカウンターで勝利をたぐり寄せることは可能かもしれない。

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2013年に行われた両者の第一戦。
結果的にはロマゴンを最も苦しめた一戦となったわけだが、今観ても確かにいい試合である。

あの試合、エストラーダの作戦はとにかく打ち終わり狙い
千手観音のようなロマゴンのコンビネーションをガードしながら小さくサイドにステップし、ロマゴンの右側に回る。これで一瞬の間を作り、ロマゴンの身体がわずかに流れた瞬間を狙って左を強引にねじ込む。そこから怒濤のコンビネーションを打ち込み、ロマゴンを守勢に回らせる。つまり、相手の攻撃を力技で跳ね返す作戦である。

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絶えずロマゴンの右に回り込み、1発1発のパンチに全力を込めて手を出し続ける。
多彩なコンビネーションと1発のパワー、そしてロープに押し込まれた状況からでもリング中央まで押し戻すだけのフィジカル。
エストラーダのポテンシャルを限界まで発揮した結果、あの好試合が生まれた。そんな感じである。

ただ、あの作戦の最大の欠点は体力の消費が激し過ぎること。
ひたすら足を動かし続け、1発1発を全力で打ち続けなくてはならない。なおかつ、コンビネーションの最中に無理矢理流れを引き戻すやり方なので、1回1回の体力消費が尋常じゃない。

あの試合も前半はエストラーダが優位(?)に進めていたが、4、5R以降に体力切れを起こしてしまった。健闘はしたが、結局最後はロマゴンのコンビネーション地獄に巻き込まれ、敗北を喫したという試合である。

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パワー面でロマゴンを圧倒できればエストラーダに勝機が生まれる? というか、井岡は最初からノーチャンスだったな

今回の階級アップによって、エストラーダは体力的な面が強化されることは確実である。
仮にエストラーダvsロマゴン戦が実現した場合、エストラーダは体力面のアドバンテージをどう活かすつもりなのだろうか。

前回の対戦では中盤でガス欠を起こして負けてしまったが、体力面のアップによってガス欠のラウンドを遅らせることができる。つまり前回と同じ作戦で戦って、前半のペースを貫いてポイントアウトまで持ち込む作戦だろうか。
 
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もしくは試合運びをガラッと変えて、リング中央で正面衝突するというのもあり得る。
コンビネーションの打ち合いだけなら6-4から7-3でロマゴンだが、パワー面のアドバンテージをプラスすれば互角の打ち合いにもっていくことができる。得意な中間距離をキープできれば自分に分があるという判断である。

先日のクアドラス戦でロマゴンは階級の壁を大きく露呈してしまっている。どちらにしろ、エストラーダがパワー面のアドバンテージで勝機を見出そうというのは理にかなっていると思う。

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そう考えると、フライ級で井岡一翔と統一戦をしている場合ではないというのは確かに納得できる。ロマゴンとの再戦に向けてパワー強化をしなければならない時期に、わざわざ減量のキツい(?)階級で井岡のようなタイプと距離の駆け引きをする意義は薄い。

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井岡陣営がどの程度の意気込みで交渉していたかは不明だが、エストラーダが「井岡とロマゴンを天秤にかけた末にロマゴンを選んだ」というのがファイナルアンサーなのだろう。
アホみたいな金額を提示すれば何とかなったのかもしれないが、ジャパンマネーの威力を持ってしてもエストラーダの心は動かせなかった。恐らくそういうことなのだ。

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井上尚弥vsエストラーダはかなりいいマッチメーク。勝った方にメリットの大きい一戦になる

ちなみに、エストラーダ陣営はWBO王者である井上尚弥を標的にしているとのことで、この対戦はかなりいいと思う。

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王者の肩書きがあれば、ビッグマッチを希望するロマゴンにとってもエストラーダは視界に入ってくるだろうし、何よりスピード&パワーの井上尚弥に勝てば対ロマゴン戦に向けての準備は完全に整う。

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井上尚弥にとってもこの話はありがたい。
オマール・ナルバエス戦でのインパクトが薄れつつある今、ファン・フランシスコ・エストラーダのようなビッグネームに勝てば、再びその名を世界中に轟かせることができる。
コンスタントにビッグマッチをこなし、北米のリングでメインを張るほどの知名度を得たロマゴンにも「格」の面で少しは追いつけるかもしれない。
個人的に「格」というものにはあまり興味がないのでアレなのだが。

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エストラーダは12月に試合をしたいと言っているようだし、年末に日本に呼べるなら最高なのではないだろうか。
まあ、エストラーダの拳のこともあるので実現の可能性は薄いと思うが。

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