ドネアvsマグダレノ予想!! 世代交代を拒否しろフィリピンの元スター。フィリピーノフラッシュが無敗の剛腕サウスポーと激突【予想】

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2016年11月5日(日本時間6日)に米・ラスベガスにあるトーマス&マックセンターで行われるWBO世界S・バンタム級タイトルマッチ。同級王者ノニト・ドネアが、24歳の無敗サウスポー、ジェシー・マグダレノの挑戦を受ける。

2014年にニコラス・ウォータースに敗れて以来、約2年ぶりにアメリカのリングに立つドネア。11月16日に34歳の誕生日を迎えるベテランスーパースターはKO率74%を誇る強打者を見事に退け、健在ぶりをアピールすることができるか。

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なお、この試合はジェシー・バルガスを相手に復帰戦を行うマニー・パッキャオのアンダーカードとして開催される。

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突貫小僧マグダレノを迎えうつドネア。パッキャオ復帰戦のアンダーカードで負けるわけにはいかない

“フィリピーノフラッシュ”ドネア降臨!!
無敗の倒し屋マグダレノと一騎打ち!!

約2年ぶりにフィリピンのスーパースターがボクシングの中心地に帰ってくる。
しかも英雄マニー・パッキャオとの揃い踏みということで、否が応でもド派手なKOが期待される一戦である。

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挑戦者のマグダレノは163cmと上背はないものの、筋骨粒々の身体を活かした突進が持ち味の選手。太い腕を思いきり振り回し、遠心力でなぎ倒すようなパンチを得意とするファイターである。
至近距離のガードの意識も高く、強靭な体幹と太い首でパンチを跳ね返しながら相手をなぎ倒す。いわゆる「豪腕」という言葉がそのまま当てはまるスタイルの選手ではないだろうか。

試合自体もわかりやすい展開が多く、個人的に好きなタイプの選手でもある。

対するドネアだが、この選手の持ち味は何と言っても目の覚めるようなカウンター。
“フィリピーノフラッシュ”の異名が示すように、相手の後の先を狙う左フックが得意で、抜群のスピードとセンスで鮮烈な勝利を重ねてきた選手である。

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ビック・ダルチニャンやフェルナンド・モンティエルなど、多くの強敵を葬り去った左フックはまるで居合い抜きのような切れ味を見せる。一瞬の交錯の末に相手が崩れ落ちていく様はもはや芸術とも呼べる美しさがあり、ドネアの神懸かり的なカリスマ性を不動のものとしているパンチである。

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ここ何年かでリゴンドーやウォータースに完敗を喫し、適正階級を見失うなど若干の低迷を見せたドネアだが、S・バンタム級に留まったことによって再び輝きを取り戻している。

パッキャオ復帰戦のアンダーカードということで、露払いの意味もあるのだろう。今回はドネアにとっても絶対に負けられない試合である。

勝敗予想は7RでドネアのKO勝利。フィリピーノフラッシュが鮮やかに炸裂してのKOと予想

今回の勝敗予想だが、ドネアの7RKO勝ちでいきたいと思う。

踏み込みのタイミングを掴んだドネアが、バックステップしながらマグダレノの右に合わせてカウンター一閃。
マグダレノは一度は立ち上がるも、足が言うことを聞かずにロープに倒れ込んでのレフェリーストップ。

そんな感じで、ドネアの鮮やかなKO劇が観られるのではないだろうか。
コーナーポストで総立ちの観客席に向かって両手を突き上げるドネアの姿が目に浮かぶといったら言い過ぎか?

とはいえ、いざ試合が始まれば内容的にはかなり拮抗するのではないかと思う。

トレーナーをイスマエル・サラスに代えたおかげでスランプを脱したと言われるドネア。
だが、根本的な部分ではあまり変わっているとは思えない。

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直近のゾルト・ベダック戦を観直してみたが、基本的にやっていることはカウンターの1発狙いのみ。
ガードを上げ、リードのジャブを打つという意識は感じられるものの、射程内に立ったまま相手の打ち出しにカウンターを合わせるスタイルはこれまでと同様。超絶的な反射とカウンターのセンスに依存したボクシングから脱却したとは言い難い。

自分の才能と1発の魔力に取り憑かれた危険と隣り合わせのスタイルとでも呼べばいいだろうか。魅力的ではあるが、その日の出来が自身のコンディションに大きく左右される不安定なボクシングである。

何とも言えないのだが、直近の試合を観る限りサウスポーへの苦手意識も相変わらずではないかと予想する。

つまり、今回の相手であるマグダレノとの相性は決していいとは言い難い
勝敗予想はドネアのKO勝利だが、内容的には拮抗するのでは? と言ったのはそういう意味である。

ドネアはサウスポーが苦手。ドネア対策の理想型は2011年のオマール・ナルバエスかな

申し上げたように、ドネアとマグダレノは相性的な部分ではあまりいいとは言えない。
というより、多くの方がおっしゃっているようにドネアはサウスポー全般が苦手である。

理由は明白で、戦術が相手の射程内に留まってのカウンター狙いのみだから。
左右に動くこともせず、ジャブを出して身体を振りながら前進することもない。
相手の打ち出しに合わせての後の先狙いに終始するため、相手の右手が前にあると途端に窮屈になるのである。

例のダルチニャン戦でも、カウンターを当てるまでは相手にグイグイ懐に入られていたし、2012年の西岡戦でも左フックを警戒して右を高く上げて構える西岡を明らかに攻めあぐねていた。
さらに言うと、この選手は自分から前に出てくる相手には滅法強いが、左右に動きながらカウンターを狙う相手への追い足がまったくない

つまりサウスポーの選手がドネアを攻略するには、適度に左右に動きながら待ちのスタイルを貫くこと。できるだけ試合をこう着させてドネアを焦らし、自分から攻めさせておいてカウンターを狙うことである。

ちなみにだが、過去最も的確にドネア対策を実行してみせたのは2011年のオマール・ナルバエスである。
ガードを高く上げた状態をキープし、絶えず左右に動き続ける。ドネアが焦れて強引に打ち込んできた瞬間を狙って、左側に回り込んでカウンターを返す。
両者に体格的な差があったために崩しきれなかったが、あの試合をコントロールしていたのは間違いなくナルバエスである。

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反則的なスピードでポイントアウトしてみせたリゴンドー、体格差でねじ伏せたウォータースに関してはあまり参考にならないのでノーカンである。
というか、僕はリゴンドーのことが大嫌いなのであまり覚えてないっす。

マグダレノの突進力vsドネアの反射速度。ものすごく刹那的で破壊的な試合になる?

申し上げたように、サウスポーによるドネア対策は左右への細かいポジショニングで芯を外しておいてのカウンター。
ただ、今回の挑戦者であるマグダレノがそれをできるかと言えば、残念ながら難しいような気がする。

マグダレノは確かにパワーもあり、凄まじい突進力を兼ね備えた選手である。至近距離で相手の左側に回り込むなど、細かいポジショニングの工夫も見られる。

だが、基本的には自分から踏み込んでいく積極さが持ち味の選手で、なおかつパンチの軌道がややオープン気味で見切りやすい。あの外旋回のパンチだと、タイミングさえ合えばドネアにとっては絶好のカウンターチャンスになるはずである。

マグダレノが自慢の爆発力を発揮するには、相手にロープを背負わせる必要がある。つまり、試合を優位に試合を進めるにはどうしてもドネアの懐に入らなくてはならない。
だが、あの踏み込みと大振りのパンチを見ると、ドネアのカウンターの餌食になってしまうように思える。

試合序盤はマグダレノの突進がドネアを慌てさせる可能性はあるが、そこさえ凌いでしまえばスピードとリーチの差がそのまま直結する試合展開になるのではないだろうか。

この展開からマグダレノが抜け出そうと思えば、やはり待ちのボクシングを実行することだろう。中盤までドネアをとことん空転させ、動きの落ちてきた後半に一気に勝負を賭ける。
ガス欠で失速したドネアにマグダレノが残ったパワーをすべてぶつけることができれば、間違いなく勝機は生まれる。ロープを背負わせた状態から得意の左ボディで悶絶KO。そんな展開に持ち込める可能性は高い。

だが、果たしてマグダレノはそういう器用なことができる選手なのだろうか。
少なくとも僕はこの選手の試合で「相手の出方を見ながらサイドへ回り込んで〜」という展開を観たことがない。僕が知らないだけかもしれないが。

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まあ、普通に考えればやはりマグダレノが前進してドネアが迎えうつというのが一番オーソドックスな流れだろう。

マグダレノの突進力と踏み込みのレンジ。
ドネアのバックステップと反応の速さ。
マグダレノの右とドネアの左。

両者がそれぞれの得意分野で勝負を挑み、より高いポテンシャルを持った方が生き残る。
結果的には、先にタイミングを掴んだドネアがマグダレノを切って落とす。そういう刹那的な勝負になりそうな気がするのだが、どうだろうか。

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