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映画「クリード 炎の宿敵」感想。リングでは俺はひとりじゃない。ここまで綺麗に次世代に引き継がれた名作が今までにあったか?

ボクシング観戦, 映画・マンガ・ドラマ, 趣味, 雑談 | 2019年9月16日 | タグ: , ,

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映画「クリード 炎の宿敵」を観た。
 
〜〜〜〜〜
 
「クリード 炎の宿敵」(2018年)
 
かつての名王者アポロ・クリードの遺児アドニスは、ロッキー・バルボアの指導のもと順調に実力を伸ばし、ついに現王者ダニー・ウィーラーとのタイトルマッチにたどり着く。
 
激闘の末にウィーラーを下し念願のヘビー級王者となったアドニスは、その夜、恋人のビアンカにプロポーズ。幸せの絶頂の中、結婚報告のためにビアンカとともに母親メアリーの元を訪れる。
 
食事の最中、メアリーに妊娠の可能性を指摘された2人。
まさかと思いながらも妊娠検査薬を使用したところ、ビアンカのお腹にはすでに新しい命が宿っていることが判明する。
 
 
一方、ロッキーはレストランを経営しながら妻エイドリアンの墓を訪れる寂しい日常に逆戻りしていた。ある日ロッキーがレストランに戻ると、そこには親友アポロの命を奪った張本人イワン・ドラゴの姿が。
 
ロッキーに敗れ、地位や財産をすべて失ったイワン・ドラゴは現在、ウクライナで貧しい暮らしを送っている。そして、息子であるヴィクター・ドラゴに自らのボクシングを叩き込み、ロッキーへの恨みを晴らす機会を伺っていたのである。
 
 
父親の命を奪った男の息子と、父親に勝利した男の弟子。
運命の糸に引き寄せられた2人の戦士が、宿命の炎の中で向かい合う……。
 
〜〜〜〜〜
 

 

 

よくここまで過去の名作を綺麗に引き継いだよね。今作は前作以上にアドニスの過去に踏み込んだ内容

名作「ロッキー」シリーズのスピンオフ映画「クリード チャンプを継ぐ男」の続編として公開された本作「クリード 炎の宿敵」を観たので、その感想を。
 
まず何より、よくここまで綺麗に過去の名作を引き継いだなと。
 
前作「クリード チャンプを継ぐ男」もめちゃくちゃよかったのだが、今回もそれに匹敵する出来。「ロッキー」シリーズの膨大な貯金、偉大さを改めて知らされるとともに、新しいステージを切り開くための第一歩を踏み出したと言えるのではないか。
 
「「クリード チャンプを継ぐ男」感想。最強のワンパターンの世代交代。孤独な主人公とお師匠さまと一途な彼女の逆転ホームラン」
 
過去の栄光に頼って細々と生活するロッキーの前に、かつてのライバルの息子を名乗る男、アドニスが現れる。
アドニスにボクシングを教えてくれと懇願され、とうの昔に失ったはずの情熱が蘇るロッキー。そして、自らの過去の清算とアドニスの未来のために、再び強敵の待つリングに向かう。
 
ここまでが前作の大雑把なあらすじなわけだが、今作はそこからさらに踏み込んだものとなっている。
 

過去の清算。30年前から蘇った父親の亡霊と対峙し、未来へ踏み出すために戦う


念願のヘビー級王者となったアドニスは恋人ビアンカと結婚し、新しい土地で新しい生活をスタートすることを決心する。
 
一方、師であるロッキーは再びレストランを経営しながら妻の思い出に浸る寂しい日常に逆戻り。疎遠となっている息子にも連絡できず、過去に縛られる情けない姿を晒す。
 
そして、そのロッキーの前にかつての強敵イワン・ドラゴが現れる。
彼もまた、ロッキーに敗れた過去から抜け出せないまま恨みを抱えて生きてきたのである。
 
 
生涯の伴侶とともに新しい命を授かり、新たな旅立ちを迎えるアドニス。だが、“父親を殺された”過去だけは消えることなく、小さな炎となって彼の中でくすぶり続けている。
 
つまり、今作のテーマは「過去の清算」
 
前作で自らの生い立ち、父親の存在を肯定したアドニスが、父親の抱えた十字架を下ろすために再びリングに上がる。
 
繰り返しになるが、今作は「ロッキー」シリーズの積み重ねた歴史の重さを改めて実感させてくれる。
マジな話、ここまで綺麗に次世代にバトンを渡した作品が他にあっただろうか。「チャイルド・プレイ」などは過去の貯金を完全に使い切った上で赤字を垂れ流し続けているというのに。
 
「映画「バスキア(BASWUIAT)」感想。孤独でセクシーなジェフリー・ライトとデヴィッド・ボウイ他。闇堕ちから救った親友ベニーに感動」
 
次回作以降は失われていくビアンカの聴覚や娘の障害と向き合う内容になると予想しているが、仮にスタローンが亡くなったとしてもシリーズ自体は継続可能と言えるのではないか。
 
とにかく今後も2、3年に一度、この時代錯誤な王道スポ根映画に出会えるというのは嬉しい限りであるww
 

粗探しその1:アンドレ・ウォード無駄遣い問題

とまあ、山ほど絶賛しまくったところで。
ここから先は、僕が「おや?」と思った部分について申し上げていく。
 
正直、この作品に関しては矛盾点どうこうを言うのは野暮だとも思うのだが、そこをあえて粗探しをしてみようと思う。
 
 
まず気になったのが、何と言っても「アンドレ・ウォード無駄遣い問題」である。
 
王者ダニー・ウィーラー役として前作から出演しているアンドレ・ウォード。この人は元ボクシングスーパーミドル級、ライトヘビー級統一王者で無敗のまま引退した偉大な選手なのだが、作中での扱いがとにかく雑で笑ってしまう。
 
前作では初登場シーンでアドニスをボコるものの、試合前の会見でリッキー・コンランに殴られたところで出番は終わり。
そして、今作での出演シーンはプロローグでの試合のみ。「ピークを過ぎた王者」として、かませ犬以下の扱いのまま開始数分での退場を余儀なくされている。
 
率直に申し上げて、ウォードのこの扱いはキツい。
前々から「アンドレ・ウォードがクリードに出演する」という話は聞いていたし、実際にファンとしても楽しみにしていた。それがこんなチョイ役というか、肩書き詐欺で終わってしまうとは。
 
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コンラン役のトニー・ベリューやヴィクター・ドラゴ役のフロリアン・ムンテアヌなど。ウォードよりもはるかに知名度も低く実績もない選手があれだけおいしい役柄なのに。前作の時点では現役だったせいもあるとは思うが、何とも切ない話である。
 
しかも、もともとはライトヘビー級の設定だったのが、いつの間にかヘビー級に変わってるしね。
 

粗探しその2:メアリー・アン聖母過ぎ問題


続いてはこれ。
「メアリー・アン聖母過ぎ問題」
アドニスの母親メアリー・アン・クリードの変化についてである。
 
前作ではアドニスにエリート人生を歩ませる教育ママとして登場し、ボクシングにのめり込むアドニスを真っ向から否定する気難しい性格だったのだが、今作ではそういった刺々しさはいっさいなく。プロボクサーとしてのアドニスを心から応援するばかりか、ビアンカの妊娠を数分で見抜く神通力も持ち合わせる。
 
しかも、あれだけアドニスがリングに上がることを嫌がっていたにも関わらず、自分を見失ったアドニスを救ってくれるようロッキーに懇願するという。
 
いや、わかる。
ストーリーの展開上、その役割を与えなくてはならないのはめちゃくちゃ理解できる。
 
理解できるのだが、キャラ設定が前作と比べてあまりにも聖母過ぎて……。
強烈な違和感というか、リングサイドでビアンカの手を握る姿によくも悪くも「違う、お前はそんなヤツじゃなかった」と思ってしまった。
 
「「はじめの一歩」とかいう最高のギャグマンガ。滅びの美学への方向転換のために作品の根幹すらも折っててワロタw」
 

粗探しその3:トレーニング環境無意味問題

そして、ラストはこれ。
「トレーニング環境無意味問題」
 
本シリーズで欠かせない見どころの一つとして、主人公のトレーニングシーンがある。
 
「ロッキー」シリーズでは卵をジョッキで一気飲みしたり、冷凍の肉を叩いたり。
前作でもスラム街を走るアドニスの姿に周りが触発され、最終的に地域総出で強敵に立ち向かうチームのような雰囲気を醸していた。
 
ただ、今回に関しては……。
残念ながら「う〜ん……」という感想である。
 
そもそも論として、あんな砂漠に出向いてトレーニングする必要あんの?
 
懸垂バーにぶら下がってボディを鍛える。
向かい合った2人がタイヤに片足を突っ込み、至近距離で打ち合う。
ジムハンマーでの強打トレーニング。
車を追走ランニング。
炎に向かってシャドーボクシング。
タイヤ引き。
首のダンベル。
 
うん。
全部砂漠じゃなくてもできるやつだね。
 
てか、道端でぶっ倒れた人間に「立つんだ」とか言っちゃダメww
業火の前でシャドーボクシングなんかしたら危ないww
練習とはいえ、ヘビー級王者を圧倒できるような強者がこんな砂漠にいるのはおかしいww
 
申し上げたようにトレーニングシーンも見どころの一つというのはわかっているのだが、さすがにやり過ぎ感が強かったなと。
 
「映画「バッドボーイズ」感想。主役はウィル・スミスじゃなくてマーティン・ローレンスなんだな」
 
一応言っておくと、上記はあくまで粗探しレベルの話。
映画自体はおもしろかったし、次回作があるならめちゃくちゃ楽しみ。それを踏まえた上でのネタツッコミである。
 
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