俺のアムナットさんが負けただと……?! カシメロに4RKO負けを喫して王座陥落!! 6度目の防衛に失敗してキャリア初の敗戦【結果】

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北京イメージ
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2016年5月25日(日本時間26日)に中国・北京でIBF世界フライ級タイトルマッチが行われ、王者アムナット・ルエンロエンが挑戦者ジョンリル・カシメロに4RKOで敗れる波乱が起きた。

試合は序盤からアムナットペースで進み、いつものように曲者王者が老獪さを披露してポイントアウトで逃げ切るかと思われた。

だが、4Rにカシメロが左の強打をアムナットに浴びせて最初のダウンを奪う。アムナットは何とか立ち上がるが、ダメージは深くカシメロの猛攻を許す。最後はフックからのボディブローをレバーに被弾し崩れ落ちるようにダウン。そのままフィニッシュとなった。
 
「さすが俺のアムナットさん。20年ぶりのキックルールで那須川天心に肉薄。プニプニのお腹にパンチをもらって倒れ込むもナイスファイト」
 
2015年の第1戦目ではアムナットの老獪さに屈したカシメロだったが、見事に再戦を制し因縁に決着。2階級制覇を達成した。

なお、敗れたアムナットの戦績は17勝1敗5KO。

カシメロ? よく知らんけど、まあアムナットが勝つでしょ

まずこの試合、勝つのは高確率でアムナットだと思っていた。

カシメロという選手については名前は聞いたことがあったが、それ以外はほとんど知らず。2015年に行われたアムナットとの第1戦も観ていない。
ただ、戦績や対戦相手を見るとそれなりの相手との試合をこなし、それなりの戦績を収めている。決して弱い選手ではないようだ。

過去の映像をちらっと眺めたが、確かにパンチ力はありそうである。
だが、両腕でフックを振り回すタイプであること、身長がそこまで高くないことを考えると、まあアムナットが勝つのではないか。
そんな感じで、予想するまでもなくアムナットの判定勝ちだろうと思っていた。

アムナットの巧さ、老獪さは2014年の井岡戦で十分過ぎるほど証明されている。井岡にとっては顔も見たくないほどの完敗だったはずだ。

「井岡vsレベコ決着!! やればできるじゃねえか井岡おいww」

前回の李明浩との防衛戦では後半にかなり失速を見せていたが、まあ大丈夫だろう。
もともと体力にやや難のある選手ではあるが、まあ大丈夫だろう。
「おや、ちょっと衰えたかな?」と思わせる局面もあったが、まあ大丈夫だろう。

そんな感じで不安要素からは徹底的に目をそらしつつ、アムナットの勝利を普通に信じていた次第である。

「ダークヒーロー・バルテレミーが曲者ミッキー・ベイに完勝!! 文句なしの最強だけど不人気」

「アムナットなら大丈夫だろう」。そんな風に思っていた時期がありました

試合開始のゴングが鳴った後も、僕の中での「まあ大丈夫だろう」という思いは消えることがなかった。
 
「井岡一翔の倒し方? ノクノイ戦の感想を含め井岡に勝てそうな選手を考える。まあ、アイツしかいない」
 
序盤からカシメロの左右フックがかなり危ないタイミングでアムナットの顔面をかすめるのを見ても「まあ大丈夫だろう。アムナットなら何とかするだろう」。
顔面を見せてからのボディ。このパターンでカシメロのパンチがいい角度でアムナットの腹に突き刺さるのを見ても「まあ大丈夫だろう。すぐに対応するだろう」。
アムナットの右のガードの低さが気になっていたが、「まあ大丈夫だろう。相手のパンチが見えてるからこその作戦だ」。

「ウォーレンがパヤノに雪辱!! マジいい試合!! 階級屈指のテクニシャンがバンタム級最強ファイターとのダイレクトリマッチを制す」

案の定、飛び込み際にとんでもないタイミングで左を被弾してダウンを喫しても「まあ大丈夫だろう。いつも通りヌルヌルと時間を稼いで回復させるだろう」。
左右フックからのボディで腰が砕けるようにダウンしても「まあ大丈夫だろう。とりあえずダウンして一休みしているだけだ」。
膝から下を軟体動物のようにグニャグニャさせた状態でカウントを聞く姿を見ても「まあ大丈夫だろう。もうすぐ立つよ」。
 
「木村翔はワシが育てたww ゾウ・シミンにアウェーでジャイアント・キリング!! 大観衆の前で中国の英雄にTKO勝利」
 
レフェリーがカウントを止め、右手を高く掲げて試合終了を宣言しても「まあ大丈夫だろう。何かの間違いだ」。
身体を半分リングからはみ出し、仰向けに横たわるアムナットを見ても「まあ大丈夫だろう。これは夢だ」。

ま、負けた…のか……?

負けてしまいました。
俺のアムナットが。
俺のお気に入りのアムナットが。

井岡一翔に完勝し、ゾウ・シミンとあれだけ楽しそうにスピード勝負をしていたアムナットが。
優しそうな表情からは想像もつかないような腹黒いボクシングをするアムナットが。

もしかしたら井上尚弥を苦境に陥らせることができるかもしれないと思っていたアムナットが。
よりによって、アムナットの一番得意とする正統派タイプ(だと思っていた)のカシメロに。

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実は技巧派の好選手だったカシメロ。研究に研究を重ねた試合でアムナットをマットに沈める

今回のカシメロは一見すると正統派タイプの選手だが、実際はまったくそんなことはない。ややL字気味の構えで上半身を柔らかく使う技巧派ボクサーである。目もよく避け勘もあり、アムナットの長い左をスウェーで避ける柔軟さ、そこからの復元力も持ち合わせている。リーチも長くアムナットにも劣らない距離感もあり、自分の特徴をよく理解している選手と言えるだろう。

試合序盤からアムナットに打ち終わりを狙われていたが、これもすべて計算済み。恐らく、打たれたとしてもまともには被弾しないという自信があったのだ。芯さえずらせばKO負けはない。防御を考えずに思い切り踏み込んで自分の強打を振り回せる。そう考えていたのではないだろうか。

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実際、ダウンを奪われるまではアムナットペースで試合は進んでいた。
上述したように、僕もこのままアムナットがヌルヌルと判定に持ち込むのかなと思っていた。

だが、結果は観ての通りである。
自信を持って踏み込んだアムナットに対し、カシメロが抜群のタイミングで左のフックをカウンターでねじ込む。見えない角度から不意をつかれたアムナットが崩れ落ち、頭をリングに擦り付けるようにダウンする。

「最強巨神兵コバレフの攻略法判明? チレンベ(チレンバ)の大健闘で大差判定ながら不安を残す」

大振りのフックを散々見せておいて、タイミングを掴んだと思った相手が踏み込んできたところにコンパクトな左を最短距離で叩きこむ。

体力に不安があろうが、衰えが見られようが関係ない。
あのタイミングでもらってしまっては老獪さを発揮する暇もあったもんじゃない。
カシメロが見事だったとしか言いようがない。

むしろあれだけ下半身をグニャグニャにされた状態でアムナットは1分近くもよく粘ったと言えるのではないだろうか。

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懐の広いアムナットに躊躇せずに踏み込む勇気。
打ち終わりのリターンへの対応。
そして大振りのフックからいきなりタイミングを変えたコンパクトな左。

恐らくカシメロは今回の試合に向けて研究に研究を重ねたのだ。
第1戦の反省を踏まえて(観ていないが)アムナット対策を練りに練ったに違いない。

中盤まではアムナットペースで進むことも織り込み済みだったのかもしれない。苦戦を受け入れつつ、一瞬のチャンスのために集中力を保ちながら淡々と作業を重ねたのである。

「チャーロ兄ジャーマルがトラウトを撃破!! フィジカルモンスターがテクニシャンを力技でねじ伏せる!!」

試合前の計量でゴタゴタしてケチがついたようだが、そんなことは関係ない。
老獪なアムナットを研究し、駆け引きで上回ってみせたカシメロがすばらしかった。そういう試合である。
まあ、倒したときのカシメロの驚いた表情を見ると、同時に出した左がたまたまカウンターになったのかもしれないが……。

カシメロさんを見誤ったのがめっちゃ恥ずかしいww 初敗北のアムナットは今後どうするのだろう?

若干ほめすぎな気はするものの、この日のカシメロが最高の勝ち方をしたことは間違いない。
そして、カシメロの背格好をさらっと見ただけで、正統派のファイターだと判断した自分の浅はかさが恥ずかしくて仕方がないww

初の敗北を喫したアムナットは今後どうするのだろうか。
年齢的にもこの負けはかなり厳しいと思うが。
個人的にお気に入りの選手なので、階級アップをするなどまだまだ続けてもらいたいところである。

とりあえずアムナットお疲れさま、カシメロはナイスファイト。
そんな感じだ。

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