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テテ負けたの!? カシメロ勝ったの!? フィリピンの腕力大王がバンタム級の長い人をワンパンで沈める【結果・感想】

ボクシング観戦, 趣味, 雑談 | 2019年12月2日 | タグ: , , ,

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バーミンガムイメージ
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2019年11月30日(日本時間12月1日)、英・バーミンガムで行われたWBO世界バンタム級王座統一戦。同級正規王者ゾラニ・テテvs暫定王者ジョンリエル・カシメロの一戦は、3R2分14秒TKOでカシメロが勝利。見事王座統一に成功した。
 
 
日本の井上尚弥に対戦要求を突きつけるWBO王者ゾラニ・テテと、2019年4月に暫定王座を戴冠したジョンリエル・カシメロの対戦。
 
立ち上がりから長身サウスポーを活かした鋭いジャブ、前後のステップを見せる正規王者テテに対し、カシメロも大きな踏み込みからのフルスイングで対抗する。
だが、バックステップを駆使したテテのカウンターボクシングをなかなか崩せず。
 
2Rに入ってもカシメロは突破口を開けず、逆にボディストレートで後退させられる苦しい展開。
 
ところが3R。
このラウンドからカシメロが左ジャブをダブルで打つなど、徐々にテテとの距離を詰めていく。
そして、1分過ぎにステップインからの強烈なアッパーを側頭部にヒット。テテは腰から砕けるようにダウンを喫し、四つん這いになってカウントを聞く。
 
何とか立ち上がったもののダメージは深く、立て続けにダウン。最後はロープ際で連打を浴びたところでレフェリーがストップを宣告。カシメロの勝利とともに、王座統一に成功した。
 
 
なお勝利したカシメロは試合後、WBA/IBF王者井上尚弥との統一戦を希望するとコメントしている。
 
「拳四朗vsペタルコリン予想。うん、これは勝てるんじゃないか? ペタルコリンはいい選手だけど」
 

ゾラニ・テテ負けたのか!! カシメロがどんな選手だったかもよく覚えてないけど

おおう……。
ゾラニ・テテ、負けたんかいな。
 
散々井上尚弥に対戦要求してたのに。
ここぞの勝負どころでやらかしてしまったのか、それとも純粋にカシメロが強かったのか。
 
 
ジョンリエル・カシメロについては2016年5月のアムナット・ルエンロエン戦以来いっさい観ておらず、どんな選手だったかすらよく覚えていない。
フワッとした印象ではそこまでぶっ飛んで強い選手ではなかった記憶があるのだが、同時に腕力が強く好不調の波が激しいという印象が強い。
 
対するゾラニ・テテは身長175cm、リーチ183cmとバンタム級では破格のサイズを持つサウスポーで、鋭いジャブとバックステップを持ち味とする。全体的に“長く”“遠い”選手である。
 
その反面、若干打たれ脆さが目立ち、モルティ・ムザラネのようにグイグイプレスをかけるタイプには手も足も出せずKO負けを喫したりもする。
 
とんでもなくやりにくいが、同時に打たれ脆さも併せ持つ選手。間違いなく強いが決して盤石とは言えない。それが僕の中でのゾラニ・テテのイメージである。
 
「世の中には二種類のボクサーがいる。ワイルダーとそれ以外である。天才ワイルダーがオルティスとの再戦を右1発で制する」
 
ムラっ気の多い腕力マンvsやりにくいけど打たれ脆い長身マン。
カシメロのことをよく知らないのを含め、正直、今回は僕にとってはまったく予想できない試合だった。
 
とはいえ、どちらかと言えばゾラニ・テテかなぁとも思っていたので、カシメロの3RKOには大いに驚かされた次第である。
 

長いテテと凄まじい踏み込みのカシメロ。開始早々、リング上に緊張感が走る

具体的な試合についてだが、まずゴング直前にリング上で向かい合う両者を観て「テテ長えww」と。
 
身長175cmのテテに対し、カシメロは163cm。
アングルの関係もあるとは思うが、テテの方が頭一つ分大きく(長く)見える。
 
うお!!
こんなにサイズ差があるんかい。
やっぱりカシメロは相当苦労しそうだな。
 
「村田覚醒? 強敵バトラーを壮絶左フックで5RTKO。ついに自分の馬力に気づいちゃったか? 前に出て腕を振れば相手は下がる」
 
試合開始のゴングが鳴らされ、リング中央で対峙する両者。
腕を下げてリラックスした構えのカシメロ。対するテテはいつも通りのナチュラルなスタンスに適度な高さのガード。
 
ベルトラインの高さや膝下の長さなど。
やや腰を落として構えるカシメロと比較すると、テテの規格外の“長さ”がより顕著に感じられる。
 
 
そして、テテが無造作に右ジャブを出すのだが、これがめちゃくちゃ鋭い。
カシメロの顔をかすめた拳が一瞬刃物のように見えるくらいの切れ味。
 
なるほど。
今日もテテさんは平常運転ですね。
 
と思っていると。
 
35秒過ぎ。
カシメロが小さく左を出しながら踏み込み、そのまま全体重を浴びせるような勢いで右をフルスイング。
一瞬でテテとの距離を詰め、懐に侵入していく。
 
おおお!!
カシメロの踏み込みもすげえ。
テテの“長さ”をあっさり乗り越えやがった。
 
 
両者の間に流れる緊張感。
開始40秒、あっという間にリング上の空気が変わる。
 
「僕が平岡アンディジャスティスに期待する3つの理由。ロヘリオ・カサレスに2RTKO勝利で米国デビューを飾る」
 

2Rで測定終了。ここからテテの塩漬けタイムがスタートするぞ

だが、2Rに入るとカシメロの手数がガクッと落ちる。
 
遠い位置から左リードを出すと同時に踏み込むカシメロに対し、バックステップからのリターンをカウンターで合わせるテテ。
 
1発目の左にことごとくカウンターが飛んでくるため、カシメロは徐々に必殺の右を出すタイミングを奪われていく。
 
カウンターの圧力をモロに受けて手が出せず、遠い位置からボディストレートを被弾。踏み込みのタイミングを見つけられず、サイドへの動きに終始させられるカシメロ。
 
ああ、アカン。
早くもゾラニ・テテの塩漬けタイムがスタートしやがった。
どこかで流れを変えないと、カシメロはこのままユルユルと12R完走されちゃうぞ。
 
恐らくだが、テテとの距離を潰すほどの踏み込みには相当の気合いと体力を要するのだと思う。ラグビーやMMAのタックル同様? に精神的、肉体的な消耗はかなりのものであると想像する。
 
しかも、踏み込みのタイミングをあっさり掴まれ、そこに的確なカウンターを合わせられる。手数が減った途端に遠い位置からボディストレートを刺され、間合いの外に釘付けにされる流れ。
 
前戦のミーシャ・アロイヤンもそうだが、これこそがゾラニ・テテのもっともやっかいなところ。
 
「テテがアロイヤンに快勝! テテがよかったよね。この対応力は予想してなかった。何をIQ高い感じ出してんだよお前ww」
 

3Rからカシメロがジャブをダブルで出す。カウンターのタイミングを封じ、テテとの間合いを詰める

そして、このままテテのペースで試合が進むかと思われた3R。
ここからカシメロの動きが少し変わる。
 
これまでは左ジャブを出すと同時に踏み込み全力の右を振っていたのを、このラウンドからは最初のジャブをダブルに変え、踏み込みもやや小刻みに。一足飛びで距離を詰めるのではなく、左のダブルとともにすり足で間合いを詰めていく。
 
おお、なるほど。
1発目の左にリターンを返すテテに対し、間髪入れずに2発目の左を打ち込むことでカウンターのタイミングを奪うってことか。
 
テテは1発目の左をバックステップで避ける→リターンの流れでカウンターを返すわけだが、次の動作までにはどうしても一瞬の硬直ができる。その瞬間を狙ってワンテンポ早く2発目の左を出してテテのカウンターを封じ、右を打ち込むタイミングを作り出す。
 
セコンドの指示or本人の判断かは不明だが、テテのカウンター対策としては文句なしにすばらしい。
 
 
そして結果的にこれが功を奏し、3Rのテテはなかなかカシメロの突進を止められず。カウンターが機能せずに距離を詰められ、まっすぐ下がるシーンが目立ち始める。
 
いや、どっちもいいなオイ。
駆け引きがめまぐるしいし、序盤からペースの奪い合いが凄まじい。
 
個人的にまったく注目してない試合だったが、めっちゃおもしれえじゃねえかww
 

突然訪れた結末。1Rとまったく同じタイミングでアッパーを打ち込み、テテを光の彼方へ

などと思っていたところ。
 
1分過ぎにカシメロのアッパー気味の右が側頭部をモロに捉え、テテが豪快にダウン!!
 
一瞬の静寂のあと、場内から沸き起こる大歓声。
 
何とか立ち上がるテテだが、ダメージは深く足元がおぼつかない。
コーナーにもたれながら続行の意思を示し、再びファイティングポーズをとる。
 
だが足が言うことを聞かず、カシメロの腰に抱きつくように崩れ落ちる。レフェリーに抱えられて向かい合ったものの、ロープ際でラッシュを浴びてうつ伏せに崩れ落ちるように2度目のダウン。
 
もう一度立ち上がるが、すでに反撃の力はなく。
 
再びロープを背負って亀になったところでレフェリーが試合をストップ!!
3R2分14秒、ジョンリエル・カシメロTKO勝利!!
 
「岩佐亮佑がタパレスにスカ勝ち!! セサール・フアレスとの打ち合いで吹っ切れたっぽいなコイツ。オラ感動したぞw」
 
うおおおおおお!!!
すげえええぇぇぇぇ……!!!!
 
いきなり訪れたクライマックスにも驚いたし、カシメロの野性味も凄まじい。
 
そして、何と言っても1度目のダウンを奪ったパンチ。
1発目の左でテテの体勢を崩し、踏み込みと同時に追撃の左をもう1発。
右のフルスイングに備えてテテが頭を下げた瞬間、パンチの軌道をアッパーに変えてドカン。
 
1R目の終了間際にカシメロが打ったオーバーハンドの右をテテがダッキングで避けているのだが、それとまったく同じタイミングで今度はアッパーを打ち込む。
 
2Rまでに散々右のフルスイングを見せておきつつ、いきなりのアッパー。
その上1、2発目の左ジャブで体勢を崩されているため、テテはバックステップで距離をとることもできない。
 
アカンww
こりゃあキツイわテテさん。
 
二重、三重の駆け引きの末にカシメロがテテの精度を一歩上回ったというか。
短い時間の中にいろいろなものが凝縮された試合だった(気がする)。
 
「ジェイコブスvsチャベスJr.決定? 僕がチャベスJr.をあきらめきれない理由。初の敗戦以降、6年で8試合って逆にすげえな」
 
なお、本人たちが意識してやっているかどうかはまったく不明である。
 

勝者と敗者のコントラストがやべえわ。困ったことに「テテがんばれよ」って思っちゃったよ

しかしアレだな。
試合後の勝者と敗者のコントラストがすごかったな。
 
コーナーに座り込んでうつむき、トレーナーに慰められるテテの背中越しにベルトを肩にかけて喜びを爆発させるカシメロ。こういう映像を見せられると、やはりオール・オア・ナッシングの残酷さが心に染みる。
 
申し上げたように試合自体は紙一重だったし、仮に再戦が実現してもカシメロが勝つかはわからない。
 
また、この試合を観ても相変わらずテテはドネアを完封すると思っているし、たとえカシメロが井上尚弥に挑んだとしても、ジャブとボディで圧倒されると予想している。
 
ただ、そういうご託が吹っ飛ぶくらい、すべてを失った者とすべてを奪った者が同じ空間にいることの意味が感じられる光景だった。
 
「信じる心が拳に宿る。ドネアが井上尚弥に敗れるも、12Rの大激闘。敗者なきリングに感動しました」
 
いや参ったな。
普段は「リングの上には選手の人生がある」云々の話には興味がなく、テテに井上尚弥に挑戦する資格があるかどうかの議論もどうでもよかったのだが。
 
グローブを外されるテテの背中を見て、困ったことに「これからもがんばりやがれ」と思ってしまっているww
 
何と言うか、いろいろとドラマチックな一戦だった。
 
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