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感想「ウトヤ島、7月22日」とかいう実写版コール・オブ・デューティ。72分間ワンカットって自己満にしか思えないんだよな【映画】

映画・マンガ・ドラマ, 趣味, 雑談 | 2019年5月2日 | タグ: , ,

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島イメージ
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映画「ウトヤ島、7月22日」を観た。
 
〜〜〜〜〜
 
「ウトヤ島、7月22日」(2018年)
 
2011年7月22日、ノルウェーで起きた悪夢のような惨劇。
 
午後3時過ぎに首都オスロの政府庁舎前で突然爆発が発生。このテロによって周囲のビルやオフィスは吹き飛び、8人が命を落とした。
 
 
その約2時間後。
首都オスロから40km離れたウトヤ島では、ノルウェー労働党青年部のサマーキャンプに参加していた十代の若者が次々に殺害される銃乱射事件が発生した。
 
 
参加者の一人である少女カヤは、突如として発生した大量殺戮に状況がうまく飲み込めない。散り散りに逃げまどう参加者を横目に仲間とともに大木の陰に身をひそめる。
 
そして一緒に参加していた妹エミリアの身を心配し、彼女の携帯を鳴らす。だが、一向に出る様子がない。
カヤは静止する仲間たちと別れ、一人で妹のテントへと向かう。その途中、兄の帰りを待つ少年トビアスを逃がし、ようやくエミリアのテントにたどり着いたカヤ。
 
ところが妹の姿はすでにそこにはなく、足元に落ちた携帯が虚しく鳴るのみ。
 
 
テントの外で断続的に響き渡る銃声。
恐怖と絶望に襲われるカヤは、涙をこらえて森の中へと走り出す。
 
すると、遠くの方から「助けて」という声が。
そこには銃撃犯に撃たれ、傷を負った女の子が横たわっていた……。
 
 
2011年7月22日にノルウェーで起きたテロ事件、単独犯の犯行としては史上最多77人の命が奪われた戦後最悪の大惨事を映画化した作品である。
 
〜〜〜〜〜
 

 

2011年にノルウェーで起きた大量殺戮テロ。僕はこの事件をうっすらとしか知らなかったです

2011年にノルウェーのウトヤ島で起きた単独犯としては史上最悪の大量殺戮テロ。
 
約10ヘクタールの小さな島にサマーキャンプで訪れていた十代の若者を無差別に殺戮した犯人は、当時32歳のノルウェー人、アンネシュ・ベーリング・ブレイビク。
極右思想の持ち主である彼は政府の方針に強い反感を抱いており、その報復、警告と称して無差別テロを計画、実行したとのこと。
 
僕自身、この事件のことはうっすらとしか知らず、たまたま目にした映画のCMで興味を持っただけのクソニワカである。
また、ノルウェーの選挙制度が日本とは大きく異なり、若者の政治に対する関心が非常に高いこと。選挙前に高校生同士で行われる政党討論会、模擬投票が実政権に大きな影響を与えることも知らなかった。
 
そしてこの無差別テロも、サマーキャンプと称した討論合宿でウトヤ島を訪れた若者を狙ってのものだったこと。
などなど。
諸々の事情や、ノルウェーという国が抱える政治的な問題をこの映画をきっかけに初めて知った次第である。
 
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ノルウェーに関する予備知識はあんまり必要ないかな。極限状態での緊張感、人間模様が見どころだよね


ただ正直な話、そういった予備知識はこの映画を観る上ではあまり関係がない。もちろん背景を知っておいて損はないが、映画作品として純粋に楽しむ分にはそこまで重要とは思えない。
この映画が件のテロ事件やノルウェーの政治事情に興味を持つきっかけになるという意味では重要だが、今この瞬間を楽しめるかどうかという意味では。
 
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それより、目を向けるべきは本作の緊張感や切迫感。
目に見えない脅威に怯え、集団による安心感が孤独にすり変わっていく様。
四方を海に囲まれた状況下で、何に縋ればいいのかわからず混乱し絶望する若者たちの恐怖、狂気。
 
主人公カヤを中心に、極限状態でむき出しになる人間模様をワンカットに収めたこと。これが一番の見どころであり、僕がこの作品に興味を持った理由でもある。
 

中盤の「人間の身体から魂が抜けていく様子」は必見です。画面上から少女の体温すら感じられる錯覚

また、監督のエリック・ ポッペが言うには、この作品は「人間の身体から魂が抜けていく様子を映画で表現することは可能なのか」という問いに対する挑戦でもあったとのこと。
 
これに該当するシーンはだいたい中盤あたりに出てくるのだが、うん、なかなかヤバい。
銃撃で傷ついた少女がカヤに手を握られながら徐々に弱っていく様子が描かれるわけだが、ここの部分はちょっとたまらないものがあった。
 
 
自分の母親、故郷、友人の名前を口にする少女。
 
「あなたは家に帰るの」
「今助けを呼んだから」
だんだんと浅くなっていく彼女の呼吸を感じながら、カヤは懸命に耳元で囁く。
 
テロ犯人に見つかってしまうために大きな声は出せないが、強くはっきりとした口調で、彼女を勇気づけるように。
「寒い」と口にした彼女に寄り添い、顔を泥だらけにしながら抱きしめる。
 
だが、カヤの呼びかけも虚しく彼女は腕の中で静かに息を引きとってしまう。
 
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生まれて初めて人の命が失われる瞬間に直面し、悲しみで涙が止まらないカヤ。
「あなたの名前をまだ聞いてない」
名前も知らない彼女の頬を叩き、肩を揺り動かす。
だが、すでに息絶えた彼女は返事をすることなく横たわるのみ。
 
アカン。
これはアカン。
 
だいたい結末はわかっていたとはいえ、あまりの臨場感に胸が張り裂けそうになる。
息を引きとった彼女の顔がだんだんと青白く変色し、唇から生気が抜けていく様子が生々しい。カヤの握った手から体温が失われていく錯覚というか、これこそがまさに「人間の身体から魂が抜けていく様子」。
 
カヤが少女を発見してから息を引きとるまでがだいたい15分前後だったと思うが、ぶっちゃけこのシーンだけでも本作を観る価値はある。
 
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POV視点が苦手なんですよね。酔うから。思いっきり実写版「コール・オブ・デューティ」ですわ


ただアレだ。
 
酔うよね。
 
大量殺戮テロを72分間ワンカットで収めたことがこの作品の最大の見どころなわけだが、基本的にすべてがPOV視点で進む。
 
主人公カヤに密着し、彼女の後を追うように崖を駆け上がり、木陰に隠れる。そして、仲間や道中で出会った少年少女とのやりとりを間近で見せ、彼女たちの感じる恐怖やテロリストから逃げ惑う姿を一人称視点でダイレクトに届ける。
 
これ、狙いとしてはめちゃくちゃ理解できる。
すべてをワンカットで通したのも、臨場感や緊張感の持続という意味では王道の手法なのだと思う。
 
ただアレだ。
 
酔うよね。
 
僕自身、「コール・オブ・デューティ」のようなPOV(一人称)視点のゲームがクソほど苦手な人間である。
シューティング系のゲームが下手くそなのもあるが、何より気持ち悪くなってしまうのが……。目の前でグルグル視点が動く画面を見ていると、どうしても込み上げてくる“アレ”を止めることができない。

 

 
これについては慣れの問題や個人差があるとは聞くが、いつまで経っても改善する気配がないのはどういうことか。
一度、深夜の時間帯に「コール・オブ・デューティ」をプレイしたところ、あまりの気持ち悪さと眠さのダブルパンチによって、まともに立ち上がれなくなったこともある。
 
僕が大ヒット作「カメラを止めるな!」をいまいち観る気が起きないのもこれと同様の理由だったりもする。

 
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全編ワンカットってそこまで必要か? 逆にメリハリがなくなってグダッてた気がするけど

また、これは賛否両論あるとは思うが、僕には全編ワンカットがそこまで効果的だとは思えない。
 
ライブ感、緊張感の持続という意図はわかるのだが、果たしてそれを全編でやる必要があるのか。
終盤、主人公カヤが中川家の礼二みたいなヤツと長く絡む件があるのだが、あそこってわざわざワンカットで通すような場所か? 動きが少ない分、かえってグダグダしていたように思えたのだが。
 
しかも結構な終盤なので、視聴者にも疲れが出てくる時間帯。
カヤが正気を失うクライマックスが迫力満点だっただけに、中川家礼二とのやりとりがグダッてしまったのが残念で仕方ない。
 
まあ、ぶっちゃけ「72分間ワンカット!!」と言うための自己満足の側面が強いのだろうとは思うが。
 
 
 
とはいえ、映画自体は文句なしでおもしろかった。
 
誰かに勧めるような内容ではないし、観た後の残尿感も尋常じゃない。
それでも完成度が高い作品であることは間違いない。
 
以前「BASURA バスーラ」という作品を観て、あまりの自己満足、自己陶酔っぷりにブチ切れそうになったことがあるが、あの時とは大違いである。
 
「映画「BASURA バスーラ」←タガログ語で「ゴミ」。映画自体が「ゴミ」ってこと?」
 

 
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